ひとり山歩き326 : 丸沼高原スキー場から仁下又沢経由で錫の水場に登り、県境尾根沿いに白根山まで歩いてきました。錫の水場への沢遡行は特に危険箇所はありません。好天と夏休みが重なり白根山は混雑していました。
仁下又沢〜錫の水場〜白根山
2008年8月9日(土) 張れ
1 行程
ルートマップ(GPS) 
自宅(0:55) = 丸沼高原スキー場入口(3:05/3:15) −(道迷い10分ロス) リフトおおひろ基部(4:25) − 大広河原(4:30) − 丸沼発電所仁下又沢取水口(4:50) − 二俣(錫の水場取付き)(5:50/6:00) − 錫の水場6:45/6:50) − 2296ピーク(7:30) − 白檜岳(8:25/8:40) − 奥白根平登山口(9:40/9:50) − 白根山(樹林コース分岐)(11:00/11:20) − ロープウェイ山頂駅(12:45/12:50) − スキー場入口(13:30/13:40) = 自宅(16:35)

2 自宅 − 丸沼高原スキー場
 錫ケ岳から笠ケ岳の日帰り尾根歩きを検討している。その成否の一つは如何に短時間で錫ケ岳に登るかである。7月17日にひとり山歩き324で丸沼高原スキー場から仁下又沢を遡行し錫ケ岳に直登した。山頂直下の急登は疲労が激しいので、もっと楽に短時間で登るべく、仁下又沢から錫の水場経由で錫ケ岳に登るルートを辿って見ることにした。脚力の鍛錬の意味で、更に県境尾根を歩いて白根山経由でスキー場に戻ることにした。
 大気が不安定で夕刻に発雷の可能性があったので、今回は錫の水場から錫ケ岳の往復は省略することにした。夕刻の発雷を避けるべく、前回より早く家を出て国道120号沿いの丸沼高原スキー場入口に車を駐める。

3 スキー場 − 仁下又沢 − 錫の水場  沢歩きは特に危険箇所はない。錫山頂へはこのルートが最短であろう。
 仁下又沢の二俣(錫の水場取付き)までは、7月17日のコースを辿るつもりだった。スキー場入口で急に気が変わり、スキー場の業務用道路を辿って大広河原へ行く気になった。業務用道路だから遠回りではあるが、勾配がゆるいので歩き易くて、急勾配のゲレンデを直登するよりも短時間で歩けるかもというのが発端。事前の調査不足で側道に入り込んでしまい10分のロスをしてしまった。これさえ気をつければ、ゲレンデ歩きよりも、楽で短時間で歩けることがわかった。
 リフトおおひろ基部そして大広河原までヘッデン頼りに歩いたが、仁下又沢沿いの林道歩きになると照明を消した。沢沿いの林道は一部に崩壊箇所あるも轍もあり歩きやすい。丸沼発電所取水口からは沢内歩きとなる。最後の砂防堰(7番目)を越すと沢幅が急に狭くなる、前回でも報告したが、靴底を濡らす程度で適当に渡渉しながら特に危険箇所もなく歩ける。前回歩いた錫ケ岳北尾根(仁下又左岸尾根)の山腹は崩落箇所が多い。時に錫の水場取付き(左俣の左俣)は前方に県境尾根も見えたりで退屈はしない。沢の中央に小さな岩が目に付くと、二俣に達した。前回は右俣の本流に進んだが、今日は左俣から錫の水場に取付くことにする。
 左俣は直ぐ先で更に二俣に分かれている。その左俣が錫の水場への沢筋である。大概の人は錫の水場(幕場)は標高点2170と思っている(殆どの紀行文は間違って記録しているせいで)。実際は、2170の北東100メートル地点でその間には小さなコブが存在する(二俣地点から確認できる)。これを認識していないと左俣の右俣へ進んでしまうかもしれない。
 錫の水場への沢筋は狭く小さな岩が多いが歩きやすい。沢筋は最初は涸れているが僅かな水流を見る(前夜の雨のせいかも)。右岸斜面が崩落している地点もあるが、委細かまわずに狭い沢内を登って行く。尾根歩きが専門で沢遡行は全くの素人であるが全然問題ない。標高2100付近で、針葉樹の枝を潜るようになったので、左岸を登って見たが、ガレ気味で歩きづらいので直ぐに沢内に戻った。針葉樹の枝を潜るのはほんの一部のようであった。この地点も沢内を歩いたほうが楽だったであろう。たいした苦労もなく水場に達した。細いパイプから勢いよく水が流れ出している(前日の雨のせいか、普段はもっと少ないであろう)。ここまでに250cc消費していたのでペットボトル充填して県境稜線を目指す。薄い踏跡はついているが、無視して適当に登ること3・4分で県境稜線の錫の水場に達した。念のためにGPSで確認すると、標高点2170は、ここから南西約100メートル地点で、その間に小さなコブ(地形図のコンタ2170から推測できる)が存在する。
 ここから錫ケ岳山頂までは約1時間。スキー場入口から4時間半で山頂に達することが推定できた。次回に同じルートを辿れば、更に短縮は可能。前回のように二俣から山頂へ直登するのより楽で時間も僅かに短いであろう。健脚者なら3時間もあれば登ってしまいそう。錫ケ岳山頂に登るだけなら、今日のルートが最短であろう。
 今日は夕刻から雷雨が予想されるので、錫ケ岳は省略することにする。

4 錫の水場 − 白檜岳 − 白根山  休日の白根山は初めて なんと登山者の多いことよ!! 
 白錫尾根は過去に三回歩いているので、その記録を参照願う。02年8月25日ひとり山歩き58(菅沼〜錫ケ岳往復)、03年7月27日ひとり山歩き105(柳沢林道から県境尾根に取付き錫ケ岳〜前白根山を縦走)、06年7月31日ひとり山歩き251(赤岩滝分岐付近から尾根に取付き県境尾根経由で錫ケ岳に登り湯元に下る)。
 一部に登山道の薄い四郎岳〜燕巣山(中央稜線) と燧ケ岳(中央奥)  (2296)東鞍部付近から)箇所あるも、標識が多いので歩きやすい。登山道から外れても尾根上に戻れば直ぐに踏跡は発見できる。膝丈の笹道を北東に緩やか登りつめると標高点2296で、ここからは南東方向に転換して僅かに下る。標高点2296までは展望は得られなかったが、鞍部付近では後方に皇海山、左手に白根山、右手に男体山と中禅寺湖が見えたりする。更に四郎岳〜燕巣山稜線とその間に燧ケ岳、後方には皇海山、赤城山や錫ケ岳が見えたりするので退屈はしない。
 鞍部付近からは北東に向きを変えて笹道を緩やかに登ることになる。まだ笹が乾いていないので、腿から下が少しばかり濡れるのは仕方ない。気温は25度程度であるが、笹の照り返しで暑い。大岳尾根のジャンクションピーク(小さなコブ)を過ぎると、白檜岳へ続く笹尾根が目に付く。暑いのと疲労の蓄積で歩行速度が急に落ちる。途中で後方の山々(皇海山、袈裟丸山、錫ケ岳等)を眺めては呼吸を整える。喘ぎあえぎ笹尾根を登りつめると、白檜岳の山頂に達した。白檜岳というくらいだから昔はシラビソが多かったのであろうが、今はその数は少なくダケカンバの方が目立つ。山白根山山頂頂部は樹木が薄く笹原となっている。木陰でエネルギーを補給しながら小休止。
 白檜岳から白根隠山、前白根山の尾根は何度も歩いているので、今日は県境沿いに下って窪地経由で白根山に登ることにする。薄い踏跡を追って南西に下りるが、途中で踏跡を見失う。適当に左右に振りながら下って行くと低い尾根筋が見つかり、踏跡と赤テープが見つかる。以降は踏跡を追って北に急降下する。この尾根筋は錫ケ岳に行く人が通るらしく、かなりの赤テープを見る。白檜岳山頂から約20分で東鞍部に下る。この先を県境沿いに進むと勾配がきついのと針葉樹藪が深いので(07年8月10日ひとり山歩き289参照)、今日は右下の窪地へ膝丈の笹の中を下る。窪地は南と北に二つに分かれている。内部は草と砂礫で照り返しで暑くてグロッキー気味。これでは白根山に登れるか心配となる。窪地から這い上がり、奥白根平登山口で小休止をする。微風だが窪地内とは違って心地がよい。
 ダケカンバの樹林の中に入ると、直射日光がなくなっただけ楽になる。白根山から下ってくる人が多い。白根山へは平日の早朝に登るので、こんな大勢の人に出遭うなんて想像もしていなかった。森林限界に達すると再び直射日光に当たるが微風があるのでそれほど暑いという感じはしない。景色を楽しみながら(と言うよりは休み休み)登る。県境分岐地点からひと登りすると平坦になる。山頂に大勢が憩っているのが目に入る。大勢とすれ違いながら進み、ロープウェイ山頂駅の樹林コース分岐に達した。こちらからの登山者は列が切れないくらい多い。当初計画では白根山頂に登って、座禅山経由で山頂駅・スキー場に下るつもりだったが、山頂部の人の多さに嫌気がさして、6月25日ひとり山歩き322で登ったルート(樹林コース)を下ることにした。

5 白根山 − 山頂駅 − スキー場
 景色を楽しみながら砂礫地帯を下って樹林帯に突入する。風がなくなって体感温度が上がったが、下りは楽だ。大勢の登山者とすれ違うが、中にはサンダル履きの人もいる。山頂まで、どのくらいかかるかと何人にも聞かれた。そういう場合には、自分が下ってきた時間の2倍を目安に教えることにしている。地獄ナギで12時だが、これ以降ではすれ違う人の数はグッと少なくなった。七色平分岐、大日如来像、血ノ池地獄分岐を通過しながら下って行く。このあたりで出遭う人はかなり軽装で、七色平や血ノ池地獄を訪れる人たちであろう。不動岩を過ぎると道幅が広くなり、直ぐ先で二荒山神社を見て鳥居を潜るとロープウェイ山頂駅である。駅周辺には観光客が多い。
 白根山の写真を撮って、スキー場業務道路を下る。途中で業務道路からはなれてゲレンデ下りだが、勾配はきつくて真っ直ぐには歩けない。ジグザグに斜面を下りきった頃には汗でびしょ濡れ。スキー場入口の自動車に戻り着替えていると、雲が広がり始めていた。
 帰路で中宮祠あたりに来たらポツポツと降り出した。いろは坂に達する頃には雷雨となる。今日は、錫ケ岳をスキップし、白根山山頂にも登らず先を急いだのは正解であった。
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