ひとり山歩き105 : 柳沢林道から県境尾根に取り付き、錫ケ岳から前白根山を縦走して湯元に下りました。朝のうちは天気もよかったのですが、県境尾根に取り付く頃から小雨が時々降る悪コンディションとなってしまいました。錫の水場からは単独行者と道ずれとなり、悪天候下でお互いに心強い思いをしました。
柳沢林道から錫ケ岳〜前白根山

2003年7月27日(日) 晴れ/曇り(時々小雨)
1 行程
自宅1:40) = 菖蒲ケ浜P(3:15/3:20) − 千手ケ浜(4:25/4:30) − 西ノ湖入口(4:50) − 赤岩滝分岐(渡渉点)(5:40/5:45) − 柳沢林道終点(8:50/9:00) − 2077ピーク(10:10/10:20) − 錫ケ岳(12:10/12:20) − 錫の水場(12:55/13:00) − 白檜岳(14:10/14:15) − 白根隠山(14:45/14:55) − 避難小屋分岐(15:20) − 前白根山(15:40) − 天狗平(15:50) − 外山分岐(16:15) − 湯元(17:35/17:50) = 菖蒲ケ浜P(18:05/18:10) = 自宅(19:45)
2 自宅 − 西ノ湖入口  時間を稼ぐために暗い中を歩く
 今年の梅雨は雨量は多くないが日照時間は短い。天気がはっきりしないので、山行の決断が難しい。天気予報によると、今日は雨はなさそうである。遠出は計画し難いので、もっと先でと考えていた柳沢林道から錫ケ岳〜前白根山を急遽実行することにした。
 早朝に目を覚まして空を見ると久しぶりに星が出ている。喜び勇んで家を出る。最近よくお世話になる菖蒲ケ浜駐車場に着き、車から外に出てビックリ、雲ひとつない星空であった。未だ真っ暗だが、懐中電灯を頼りに西ノ湖入口(柳沢林道)を目指す(今日の行程は長いので、日没を防ぐため早朝に距離を稼いでおくための苦肉の策)。中禅寺湖周回道路は最近2回ほど(6月4日黒檜岳〜三俣山6月14日宿堂坊山)歩いているので、懐中電灯があれば支障はない。千手ケ浜で明るくなり消灯する。歩行時間は全2回と全く変わらなかった。千手ケ浜から西の湖入口(低公害バス停)までは、鹿の警戒音を聞きながらの舗装道歩き。
3 柳沢林道歩き  かなりの部分林道名残あり  一部崩壊で不明瞭
 14号橋(岩受け橋)のすぐ先までは、6月14日に宿堂坊山に登った時に報告しているので、そち柳沢林道(標高1650付近)らを参照願う。柳沢川の水量が増えていて渡渉しにくいことだけが前回と異なる点である。
 14号橋のすぐ先の宿堂坊山取り付きを越すと、14号橋上部のガレ場となる。ここを慎重に通り越すと、ヤギト沢の右岸の林道の名残を留める道を進む。沢側の立木に赤テープを発見する。このまま南西に引き込まれそうだが、ここは沢を渡って北へ進む。このあたりは道路標識が残り林道の名残をとどめる。約10分程でリボン標示を見て沢を渡り返し、右岸を進むと砂防ダムに突き当たる。こ林道終点付近から2077ピーク(中央)を望むのあたりは崩壊しているので、道を失いあちこち探し回り時間をロスする。リボンの所に戻って、やり直すと砂防ダムに再び突き当たる。よく見るとV字型に折り返す窪みがある。追ってみるとこれが林道であった。最初の時にV字型に折り返しているので自動車の通る林道にしてはおかしい、と早合点してしまったミスである。思い込みとは恐ろしいことだ!!
 ここからは林道の名残は比較的はっきりしているので、道なりに進めば迷うことはない。標高約1700mで右手に金網で囲まれた避雷針付の小屋を過ごし、沢を立続けに二つ越す。この先は草が深かったり、林道跡に樹木が生えているので間違えたかと錯覚し右往左往したが、委細かまわず道筋を追えばよい。やがて右手が開け前方(西)に2077ピークと錫ケ岳に連なる稜線が展望できる。ここが林道終点である。2077ピークはクッキリ見えるが、2241ピークと錫ケ岳の山頂部はガスの中である。この林道歩きは予定より1時間程余分に掛ってしまった。ゆっくりしている時間はないので、急いで握り飯をパクつく。 
4 林道終点 − 錫ケ岳  踏跡は薄いが指導標多い  
 2077ピークへの取り付きを求めて、ザレ場を西に進むと立木にリボン標示を見つけた。ここから西の2077ピークに向かう尾根に取り付く。コメツガの多い雑木の中を進むのだが、笹薮が多い。登るにつれてシ錫ケ岳山頂ャクナゲも出てくる。ガスが漂い始め、少しいやな感じ。やっとのことで2077ピークに達する。頂は樹木が低いので、天気がよければ展望もあるのであろうが、一面ガスだらけ。おまけに霧雨となる。この一時間で天気は急変していたのだ。天気の急変と行程遅れでこれからどうするか検討する。@このまま引き返す。A宿堂坊山に行き北尾根を下り柳沢林道を戻る。B計画どおりとする。所要時間の面では大差なし。天気予報と気圧の変化(高度計と実高度との差が安定)から見て今日は大降りはないと判断。最終決断は計画どおり錫ケ岳に向かうことにした。
 2077ピークから錫ケ岳へは殆どが樹林の中の笹薮の踏跡を追うことになる。踏跡は薄いが処々にブリキの指導標が取り付けられているので、安心できる。時々踏跡を見失うが、尾根の最高部へ戻れば踏跡に戻れる。最初のピーク(2150m)を通過すると、向きは北西から北北東になる。鞍部に水場右(東)30分の標示を見て2241ピークへ急登する。
 2241ピークを越すまでは霧雨は降ったり止んだりだったが、連続的に降り出したので雨具を着用する。いよいよ最後の難関である錫ケ岳への急勾配の笹原登りとなる。勾配がきついので笹をつかみ腕を使ってよじ登る。おまけに笹が濡れているので始末が悪い。錫ケ岳山頂にたどり着いた時には疲労感よりも安堵感の方が強かった。見覚えのある山名標識の中に真新しい木彫りの山名プレートが目に付いた。これは山部藪人さんが最近設置したもの。柳沢林道から錫に挑み山名プレートに挨拶してきます、との約束が守れてよかった!!
5 錫ケ岳 − 前白根山 − 湯元  錫の水場から同行者あり  思ったより早く湯元に着く
 今日はガスで全く展望が得られなかったので次の記事を参照願う。(錫ケ岳〜避難小屋分岐避難小屋分岐〜湯元
 錫ケ岳からの下りは指導標を追いながら樹林から笹原へと慎重に下る。錫の水場手白根隠山にて前のピークを下ってゆくと、埼玉からの単独行者に出逢う。今朝5時に湯元をスタートし錫ケ岳まで登ってきたとのことであった。途中で道を間違え2時間程ロスしてしまったらしい。雨は降ったり止んだりのガス模様で、お互いに多少の不安を感じていたので湯元まで同行することにした。いつも単独行動をしているので多少まごつくこともあったが、不安感の払拭にはなった。
 白檜岳手前の笹原では濡れた笹に乗り何度か尻餅をつく。疲労がたまり足の踏ん張りが利かないようだ。同行者は笹原歩きを好み。私は笹原でない所を歩きたいで、多少のまごつきはあったが、白根隠山手前のガレ場を越したときには笹原からの開放にホットする。更にいくつかのピークを越して前白根山にたどり着いたときには、これで明るいうちに湯元に下りられるとホットする。
 前白根山からは天狗平外山分岐まで緩やかな下りで余裕ができて、同行者と対話も楽しめた。ところが外山分岐からの下りには悪戦苦闘する。急勾配の上に道筋が荒れている。露出した岩、コメツガの根っこ、滑りやすい土の連続でダウン寸前。ここは登るのもきついが、下るのはもっときつい!!
 どうにか湯元スキー場のゲレンデ歩きとなって、やっと着いたと気が緩む。そういう時には落とし穴があるもので、歩きながらゲレンデの写真を撮っていたらスッテンコロリを2度もやる。ゲレンデを過ぎてからの砂利道歩きがとてつもなく長く感じる。やっとのことで湯元の駐車場にたどり着く。菖蒲ケ浜まで同行者に送っていただく。 
6 菖蒲ケ浜 − 自宅
 日曜日の夕刻と言うのに奥日光から日光は道はがら空き。早朝を除いてこんなに空いた日光周辺を走るのは初めて。悪天候の中、計画通り歩けて満足しながら家路をたどる。
 反省としては、今日のコースは距離長く・藪も多く・一部は初めて通る、と言ったことを勘案して、もっと天候の安定した時を選ぶべきであった。
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