ひとり山歩き289 : 菅沼から白根山に登り、南斜面を県境に沿って下り白檜岳と白根隠山に足を伸ばしてきました。晴れにもかかわらず遠方は霞んでいてて遠望は今一でした。
菅沼から白根山(2578)〜白檜岳(2384)〜白根隠山(2410)
2007年8月10日(金) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(1:55) = 菅沼白根山登山口(3:55/4:05) − 弥陀ケ池(5:35/5:40) − 白根山(6:50/7:10) − 白根山南鞍部(8:10) − 2353ピーク東(8:30) − 2353ピーク南鞍部(9:05) − 白檜岳(9:45) − 白根隠山(10:20/10:40) − 五色沼分岐(11:15) − 五色沼(11:35) − 弥陀ケ池(12:05) − 菅沼登山口(13:15/13:40) = 自宅(16:20)

2 自宅 − 菅沼白根山登山口
 暑さに弱い身にとっては、標高のあまり高くない藪山を歩くのは非常にハードである。暑いからと言って山歩きを休むと脚力が落ちてしまう。暑さを少しでも凌ぐために標高の高い登山道の歩きを選ばざるを得ない。栃木で一番標高の高い白根山周辺を歩くことにした。以前から気になっていた白根山の南斜面を県境に沿って白檜岳(2394)まで歩くことにした。その他は天気と脚力次第とする。
 現在の脚力を過去のデーターと比較するために、登山回数の多い菅沼登山口から弥陀ケ池経由で登ることにした。少しでも気温の低いうちに高度を稼ぐということで、今回も夜明け前にスタートすることにした。菅沼登山口に着いた時には、既に4台ほどが駐まっていて明るくなるのを待っているようであった。

3 菅沼登山口 − 白根山  晴れてはいるのだが、遠望は利かず  脚力の衰えはなさそう弥陀ケ池に映る白根山
 支度を整えて、懐中電灯頼りに弥陀ケ池に向かう。白根山には過去6回登っている。その内3回は菅沼から弥陀ケ池経由で登っている。今回も同じルートを辿るので脚力が衰えているか維持できているか知ることができる。登山道は抉れ気味で岩がゴツゴツしていて歩き辛いが、懐中電灯があれば充分歩ける。4時半頃に消灯して、5:15に弥陀ケ池まで0.6kmの道標を見る。この先は勾配が緩み座禅山の東側をトラバースすしながら緩やかに下り始めると弥陀ケ池に到着。期待通り弥陀ケ池には逆さ白根山が鮮やかに写っている。晴天、無風と早朝の三条件が揃わないと絵にならない。
 このあたりの景色は見慣れているので先を急ぐ。座禅山分岐で白根山0.8kmの道標を見て急勾配の登山道歩きとなる。6時頃(標高2350付近)に振り返ってみると燕巣山の後方に燧ケ岳がややかすんで見えた。今日は晴れで雲は少ないが遠方は霞みがち。ガレ場そして岩の合間を登り高度はドンドン上がる。時々振り返ってみるが後続者はいないようだ。今日は白根山山一番の乗り。前回は山頂部を歩いている間に健脚者に抜かれてランナーアップ。今回は山頂を独り占めすることができた。過去三回の所要時間(休憩含み)は2時間50〜55分に対して今回は2時間45分。脚力が特に衰えているということはないようで一安心。
 晴れていて雲は少ないのだが、周辺はガスが登り始めて遠望が利かなくなってしまった。ガスのかかっていないのは白根山だけ。昨年9月9日の同時刻も同じ状況だった。景色を楽しむには早過ぎたようだ。白根山とは相性がよくて、いつも天気がよい。過去に360度のパノラマを何度も楽しんでいるので、気落ちすることはなかった。

4 白根山 − 白檜岳  薮は少ないがルーファンは難しい
 白根山の南斜面を通って2353ピークを経由して白根山と白檜岳との間を歩いたという記録は2例しか知らない。一件は関東地方全県境踏破の上野信弥氏が02年10月6日に西ノ湖〜大岳〜白檜岳〜白根山(山と渓谷2005年7月号、P232)。もう一件はホームページ「山頂渉猟」を追って白根南中腹から2353Pと白檜岳管理者氏が2004年9月4日に白根山から白檜岳への記録。前者は県境沿いを忠実に歩き、後者は県境の西側を辿っている。
 白根山の南斜面を県境沿いに忠実に歩くと岩場があるようなので、これを避けて両者の中間的なルートを辿ることにした。ガスの上り始めた山頂を後にして白根山頂直下の浅い窪地の南側に出て、2353ピーク目指して南に直下降することにした。南斜面は草付とガレが混在している。勾配が急でガレ場を通ると滑りやすいので、草付の上を選んで適当に下る。標高2450あたりからは勾配が一層急になり、このまま下れるか心配になる。ハンゴウソウの中に獣道がジグザグについているのが目に付いた。獣道は土が露出していて軟弱で歩き辛いが、危険を感じることもなく下ってゆくと、標高2370くらいからダケカンバ樹林に突入して幾分勾配が緩くなり歩き易くなる。ハンゴウソウを中心とした草の中に小さな岩が隠れているので多少の注意は必要だった。ダケカンバから針葉樹林に白根山南斜面 (白檜岳への尾根から)変わると腰程度の小薮が現れるが、獣道を辿って白根山南鞍部に無事到着。
 下りついた鞍部は県境のやや西側で、目前の斜面を30メートルほど直登すると尾根上に辿りついた。尾根上は平坦で針葉樹林で見通しが利かない。一番高そうな場所をえらんで西に進む。尾根上を10分ほど進むと、ごく僅かな高みにたどり着いた。樹木で2353ピークは見通すことはできないが、雰囲気として現在地は2353ピーク東で県境が西から南に折れ曲がる地点と判断した。
 位置がづれていても南に下れば白檜岳との鞍部が受け止めてくれるので、平坦部を南に進み始めた。針葉樹の幼木薮は多少あるも障害となるほどではない。傾斜が急になりだし、樹木に掴まりながら下り始めると、地形図には現れないようなごく低い尾根形が左(東)に見えるた。これに沿って下り続けると2353ピークと白檜岳との鞍部にドンぴしゃり到着。ここからは左(東)下に窪地の一部と白根隠山の西岩壁が見える。
 鞍部からは南に向かって低い尾根形が通っている。錫ケ岳に行く人が窪地からこの鞍部に登り、この尾根筋を利用する例はWebに見ることができる。薮はなく勾配も適当なので、錫ケ岳へ行く人がこの尾根筋を通るのも頷ける。白錫尾根随一の好展望地の白根隠山を通るのと時間的にどの位時間短縮になるのであろうか。鞍部から50メートルほど登った地点で後方に白根山の南斜面を見ることができた。あの急斜面をよくぞ下ったものという感じ。尾根が南から南西に変わるあたりにはシラビソ細木の立ち枯れが目についた。脛程度のミヤコザサが増えて方向を南東に変えると、すぐに笹に覆われた白檜岳に到着した。

5 下山(白檜岳・白根隠山・五色沼・弥陀ケ池経由)燧ケ岳と燕巣山  (白根隠山の北峰から)
 白檜岳から白根隠山は何度も歩いているので省略する。白根隠山は今回が7回目の通過だが、ここを通る時はガス模様というジンクスが今日はよい方に外れた。でも中禅寺湖と男体山側は朝からスッキリした姿を現してくれない。時間的には寄り道してまだ通ったことのない尾根を下りたいのだが、今日は必ずしも気流が安定していないのでカミナリが心配。敢えて危険を冒す必要はない。今日はこのまま五色沼・弥陀ケ池経由で早逃げすることにする。
 五色沼へは前白根山直下から西に下る。このルートは初めて通る。浅い谷間の道筋は荒れ模様。五色沼間近で数人とすれ違う。五色沼の外れで水場の道標を見たが、途中で水場には気付かなかった。いつかは無人小屋に泊まることもあるかもしれない。水場に注意しておけばよかった。あれだけ立派な道標が立っているのだから、水が涸れているということはないのであろうが。
 五色沼から弥陀ケ池に行くには県境を跨ぐが、ここに登るのに約100メートル。これが結構キツイ!! 弥陀ケ池の方から人声が聞こえてくる。50人以上(?)の小学生の野外授業のようだ。丁度昼食時でとても楽しそうだった。弥陀ケ池から登山口までは下りだが、足場が悪いので思ったようにはスピードが上がらない。往路の1時間30分に対して1時間20分も要した。途中で抜かれた若者のフットワークと見比べると、膝の弾力性に見劣りがする。登山口には出発時には4台だったが、満車になっていた。平日とはいえ夏休みで県外から来る人は多いようだ。
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