ひとり山歩き58 : 菅沼・前白根分岐・白根隠山経由での錫ケ岳ピストンに二回目の挑戦で成功しました。道筋は薄いところが多いが、紛らわしい支尾根がないので迷うことはありません。白錫尾根の前半は展望が開けていますが、後半は樹林の中を歩くので展望は期待できません。静かな山歩きが保証されます。
錫ケ岳(2388.0)登山
2002年8月26日(月) 晴れ/曇り
1 行程
自宅(2:55) − 菅沼P(4:50/5:00) − 弥陀ケ池(6:25/6:30) − 五色沼(6:50) − 前白根分岐(7:20/7:35) − 白根隠山(8:10/8:15) − 白檜岳(8:40/8:45) − 水場(9:55/10:00) − 錫ケ岳(10:55/11:10) − 水場(11:45/11:55) − 白檜岳(13:10) −白根隠山(13:40/13:45) − 前白根分岐(14:10) − 五色沼(14:30) − 弥陀ケ池(14:55/15:10) − 菅沼P(16:20/16:30) − 自宅(19:10)
2 自宅 −菅沼  天気予報を検討して、錫ケ岳再アタックに出かける2296ピーク付近から望む錫ケ岳
 先週の錫ケ岳アタックは思わね強風のため途中で断念した。天気   予報を注意深く検討して、錫ケ岳を再アタックすべく菅沼目指して家を出た。
 戦場が原を過ぎても風はないので、今日は大丈夫と安心する。菅沼の奥白根山登山口へ着いて見ると、車は1台しか停まっていなかった。月曜日に山歩きをする人は少ないのであろうか。
 
3 登山口 − 前白根分岐  今日は風がない!今日こそは成功させるぞ!
 駐車場に着いた時は既に夜が明けていたので、支度してすぐに出かける。弥陀ケ池目指して樹林の中を進むも、風の音はない。一安心して、黙々と弥陀ケ池、五色沼経由で前白根分岐を目指す。今日は比較的気温が高いのに、弥陀ケ池では水蒸気がたっていた。先週は風が強かったので殆ど汗をかかなかったが、今日は結構発汗する。それでもこんな早朝に静寂なところを独りで歩くのは気持ちが良い。
 前白根分岐に着くと、風は全くない。その代わり男体山、中禅寺湖方面は霞んでいた。白根山は朝日を受けて光り輝いていた。これからの戦に備えて、地形図を見ながら腹ごしらえをする。

4 前白根分岐 − 錫ケ岳  前半は展望が良い 後半は樹林の中 笹に悩まされた!
前白根分岐からダケカンバ疎林の白錫尾根へと突入する。前回退却した2385ピークの手前のピークでは白根山の右奥に燧ケ岳が見通せた。一方、中禅寺湖方面はガスっていて、ガスが段々昇ってくる。ちょっと気になるが、空は晴れているので時が進めば消えるだろうと楽観する。先週退却した2385ピークと白根隠山鞍部は裸尾根で下る途中で、右手の白根山の左奥に武尊山至仏山が見えた。隠山への登りはダケカンバ疎林の中を通る。白檜岳(2394ピーク)付近の笹原
 白根隠山の山頂は広場状の草むらで所々に露岩を見かける。遮るものがないので、展望は良い。隠山の南端は岩壁で、ここは左に巻いてザレ場を下る。ザレ場を下って白檜岳までは背の低い笹道が続く。横着してスパッツを着けなかったので膝下までぬれる。濡れついでとスパッツを着けなかったので最終的には露が靴下から伝わって靴中まで濡れてしまった。横着の報いで、気持ちの悪い思いをする。
 白檜岳(2394ピーク)は樹林に囲まれた笹の下生えのちょっとした広場だが、展望はない。次の目標である2296ピークを目指して笹道を下る。前方に時々ガスがかかりの錫ケ岳が見えてくるが、未だ大部遠い。前白根分岐から半分しか来ていないのだ。笹道には悩まされる。道筋がとても薄い。いつの間にか、道筋からそれてしまい、元に戻るのに労力を要する。その上、濡れた笹の上に乗ると滑り何度となく転倒しそうになる。2396ピーク付近までこれが続く。今日の歩行で最も難儀した!
 やがて針葉樹林の登りとなって、針葉樹林の笹の下生えのピークを通過する。この錫ケ岳山頂の標識あたりからは樹林の中の道。道筋はどちらかと言うと薄いが、マークが随所に取り付けられているので、不安はない。時々は前方に錫ケ岳が見え隠れする。振り返ってみると、樹林の切れ間から見える白根山はいつの間にかガスで隠れている。その代わり、下のほうはガスが晴れてきたようだ。コメツガやオオシラビソの樹林を急降下すると、倒木の多い鞍部に達する。ここが今日通る尾根の最低部(2170m)。
 この鞍部に水場がある。右1分の表示が目に付く。水場へは帰りに寄って見ることにして、小休止しこれからの登りに備える。小さなピークをひとつ越して錫ケ岳の登りになる。このあたりは笹が深く、道を失う。遠方を見るとマークが見えたので、軌道修正する。この軌道修正を2・3度繰り返す。笹の深いところは、当然ながら樹林が切れている。道を探しながら振り帰ると、通って来た道が見通せる。笹に掴まりながら登っているうちに、樹林の中に入り薄い道筋を急登する。
 錫ケ岳の山頂は樹林の中で、展望はない。中禅寺湖方面(東)の一部が開けているが、霞んでいて何も見えない。山頂には三等三角点が設置されている。山頂標識はどこかのグループが登山記念に設置したものだけ。空も曇ってきたので、長居は無用とエネルギーを補給してすぐに下山にかかる。 
5 下山  白錫尾根の下りはかなり霞んできた  2385ピークで道に迷う学生に遭遇
 錫ケ岳を下ってゆくと、前方(帰る方向)がかなり霞んできた。白錫尾根は紛らわしい支尾根がないので道に迷う心配はないが、多少は不安に感じる。相変わらず笹道には悩まされる。樹林の中に入るとホットする。
 水に不足はないが、後学のために水場に寄ってみる。3分位下ると水場に達する。プラスチックの細い管からは、ポタンポタンとたれている程度。コップ1杯集めるには何十分もかかりそう。夏場は水を期待すべきでない。
 帰りも笹には悩まされる。いつの間にか深い笹の中に入ってしまう。何度も藪こぎをしながら、道を探す。できるだけ遠くを見て薄い筋を探して進むことが肝要。周りの峰は霞んで見え難くなってしまった。急がねばと思うが、足が進まない。
 白根隠山の南端の岩場が見えたときには、これで笹から開放されると一安心する。岩場の右のザレ場を巻いて登り、白根隠山頂に着くと、ガスが吹き上げていた。山頂から下り始めると、ザックがデポされていた。しかし、誰も見かけなかった。どこへ行ったのであろうか。鞍部へと下ってゆくうちにガスが少なくなってきた。それでも白根山は全く見えない。
 2385ピークを下っていると、前方から若者がやって来た。今ごろからどこへ行くのか不思議に思い、尋ねると、金精峠下にオートバイを停めて、金精山・五色山・前白根山経由で白根山に登ると言う。前白根分岐で右に折れて避難小屋へ進まねばならないところを、地形図と標識を見誤って、そのまま真っ直ぐ白錫尾根に入り込んでしまったのだ。本人曰く、先刻避難小屋(観測小屋を見まちがえた)らしいものがあったのでそのまま進んだが、一向に登りにならないので不思議に思っていた。避難小屋まで、同行する。これからでは白根山に登って金精峠に戻るのは無理ではと言うも、高校時代山岳部だと言うので、気になったがそのまま左右に分かれる。
 菅沼までこれから未だ2時間はかかる。五色沼へ行く途中で若者2名を追い越す。五色沼では2名が休んでいた。今日、会ったのはこの5人だけ。時間的に遅いせいもあるが、先週と比べて人が少ない。
 帰りの難所は、五色沼から弥陀ケ池に戻る途中の登り、やっとのことで越える。弥陀ケ池からは思ったよりは足が進んだ。樹林の中はもう薄暗い。先刻の学生は大丈夫かなと心配になる。 
6 菅沼 − 自宅
 今日は、ガイドブックなしで多少の不安はあった。隣町のH氏からの適切な情報があったので、錫ケ岳登頂に成功したと言える。ロングランで肉体的には疲れたが、成功したと言う満足感がなんとも言えない。
 時間的に遅いので、日光周辺では例によって渋滞に巻き込まれる。9月〜10月は他県への遠征で、暫くは日光ともお別れ。
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