ひとり山歩き251 : 柳沢川の赤岩滝分岐付近から山部ルートで柳沢林道終点に登り、そこから県境尾根の2077ピーク経由で錫ケ岳に登ってきました。復路は白錫尾根を白檜岳・白根隠山・前白根山経由で湯元温泉に下山しました。このコースは3年ぶりでしたが、以前よりはマークも多く、踏跡も濃くなっているようでした。
山部ルートで錫ケ岳そして白錫尾根で湯元温泉へ
2006年8月31日(木) 晴れ
1 行程
ルートマップ   
自宅(0:55) = 赤沼茶屋(2:45/2:55) − 西ノ湖入口(4:15) − 柳沢川渡渉(5:00) − 赤岩滝分岐(5:25) − 尾根取付き(5:45) − 柳沢林道終点(6:35/6:45) − 県境2077ピーク(8:00/8:10) − 2241ピーク(9:20) − 錫ケ岳(10:05/10:25) − 錫の水場(11:10/11:20) − 2296ピーク(12:00) − 白檜岳(2394P)(12:55/13:00) − 白根隠山(13:25/13:55) − 避難小屋分岐(14:25) − 前白根山(14:45) − 天狗平(15:00) −外山分岐(15:15) − 湯元温泉(16:30/16:50) = 赤沼茶屋(17:00/17:10) = 自宅(19:15)

2 自宅 − 赤沼茶屋
 先週の高妻山では、バテバテとなってしまった。次のような要因が挙げられる。@山行間隔が三週間以上あいて体がなまってしまった。Aもともと暑さには弱い。B最近は、藪漕ぎばかりで脚力が落ちてしまった。C年齢的衰え(そうは思いたくないが・・・)。お馴染みの山部さんが、湯元温泉から白錫尾根を歩いて錫ケ岳に登り、県境尾根の2077ピークから柳沢川に下山している。この紀行文を懐かしい思いで読ませていただいた。脚力回復のロングコースにはもってこいと錫ケ岳に登ってみることにした。山部さんとは反対周りを計画した。このルート取りに近い山行を03年7月27日にひとり山歩き105で報告しているので参照願う。
 奥日光は、2月210日の社山へのスノーハイク以来である。柳沢川の渡渉を明るくなる頃と決めて、逆算して家を出る。中禅寺湖から先は路肩駐車が多いのだが、今日は3台しか見かけなかった。マス釣りの禁漁期ではないはず、夏休みも今日限りということか? 赤沼茶屋の駐車場も数台しか駐まっていないようだった。

3 赤沼茶屋 − 柳沢林道終点(山部ルート)  テープ類がつき踏跡も濃くなったようだ
山部ルート
 奥日光から群馬県境尾根の2077ピークに行くには、従来は柳沢林道を辿り、終点から尾根伝いに県境尾根に登っていた。廃道の柳沢林道は崩壊が進み危険となっている。03年8月に、当HPでお馴染みの山部さんが、柳沢川の赤岩滝分岐付近から尾根に取付いて、柳沢林道の終点に直接登るルートを見出した。通称山部ルートには危険箇所はなく、藪も少ない。しかもより短時間で柳沢林道終点に達することができる。このルートについては、一人山歩き153(04年6月)に当HPで紹介しているので参照願う。
 いつものように準備をしてすぐに出発する。国道を500mほど戻って、柳沢林道のゲートを通過する。さすがにこの時間帯に貴婦人の写真を撮りに行く人は皆無だった。通りなれた道なので、足元さえ照らせば全然問題なし。弓張峠からは下りで気温が低いせいもあり、発汗なしで快調。1時間20分で西ノ湖入口柳沢林道終点から錫ケ岳に到着。あざみ橋を渡り、柳沢林道を進む。柳沢川の左岸沿いに落石の多い林道を足元に注意しながらドンドン進む。「落石注意」の道路標識のある所が大岳への登山口で、ここから更に15分ほど進むと地形図の破線が柳沢川を渡るところである。二段式砂防ダムの手前に破損した木橋の一部がのこっている。その少し手前が柳沢川渡渉点で飛び石で渡る。
 柳沢林道は左に折れるのだが、今日は右に進み柳沢川の右岸を遡る。最初は川原のゴーロ歩きだが、徐々に左手の山際を歩くようになる。ケルンやテープ類を追うと踏跡を辿れて楽な歩きができる。進行方向が北西から西になると、テープ類が対岸へ渡るよう督促している。ここが赤岩滝分岐であるが、今日はそのまま右岸を進む。分岐を過ぎたら左手の小高い尾根上に乗って、川筋に沿って緩やかに登ってゆく。右下に柳沢川を感じながら、分岐から約500m、20分ほど歩くと、小さなコブに達する。目の前に尾根形が目に付く。ここが柳沢林道終点に通じる尾根の取付きである。
 尾根に取付くと数分でシャクナゲ藪に出合う。大した藪でないので中央突破をする。この後はも多少の藪は出現するが、巻いて通過できるので藪は気にすることはない。針葉樹林の尾根筋は明瞭で不安を感じることもなく登れる。標高1750付近で左後方に男体山が展望できるが、その他では期待できない。尾根筋が平坦になると南向きに進むようになり、低いシャクナゲが現れるが踏跡を辿るには全然問題なし。細尾根は灌木帯になり、左前方に柳沢林道の崩壊斜面が見えるようになる。ブッシュの中の踏跡を進むと鉈払いが認められ、リボンが目に付いた。ここが尾根の派生点で斜面を10mほど登ると崩壊した柳沢林道終点(実際の終点は約100m西)に登りついた。この尾根を2年ぶりに歩いたが、踏跡が明瞭になり、途中にテープ類を三箇所で見つけた。どうやら最近は、柳沢林道に替わって県境尾根への近道として使われているように思われる。ここからは女峰山・太郎山・男体山、錫ケ岳〜白檜岳稜線を展望できることを付け加えておく。

4 柳沢林道終点 − 2077P − 錫ケ岳  シラビソの笹尾根には比較的明瞭な踏跡が続く  
 柳沢林道崩壊地を更に100mほど西に進んだ所が実際の林道終点で、ここから左手の尾根に取付く。笹薮を南西に登って行くと、すぐに1874ピークからの尾根上に達する。この尾根は針葉樹で覆われ下生えは低いミヤコザサだが、踏跡が続いている。踏跡は笹で隠れて見づらい箇所あるも、根気よく追うことが肝要。踏跡を外すと復帰するのに藪漕ぎを強いられる。テープ類はしばしば目に付くので、歩く人は多いようだ。北西に笹の踏跡を急登すると、標高1970で右から尾根を合錫の東から白根山わす。この尾根を左(西)へ進むと県境尾根に通じるのだが、逆に下って来た場合には、注意ポイントとなる。針葉樹林の中を更に20分ほど進むと、マーク類が多くなり、2077ピークを右に巻くように進むと、県境尾根に達する。右に行くと錫ケ岳だが、左に二三分登ると、突然右(西)が開けて2077ピークに到着。ここからは西側の展望がよく、南の皇海山から北の錫ケ岳まで見通せる。
 2077ピークから錫ケ岳までの尾根筋はシラビソ林の林床はミヤコザサで、踏跡は比較的明瞭でマーク類が多い。過酷な藪漕ぎもなく歩けるが、一部に笹原の急勾配の箇所があり登るのに労力を要する。
 2077ピークから北西に僅か下ると登りになり、標高2140で北東に向きを変える。暫くは平坦な尾根歩きとなるが、左手は針葉樹が密で、右手の笹原を歩くことになる。前方に錫ケ岳がドンドン近づいてくるのが笹尾根歩きの単調さから救ってくれる。前回歩いたときには鞍部付近に水場の標識を見たのが、今回はは見かけなかった。喘ぎ喘ぎ笹につかまりながらしばし急登するとシラビソ林の2241ピークに達する。錫ケ岳山頂までは更に150mの登りが待ち受けている。白根山、白檜岳、男体山や太郎山が見え隠れする中を笹原の急登が続く。最後に樹木のない笹原登りは暑くって参った。途中で休んでは右手の中禅寺湖方面の景色を眺めて疲れを癒す。やっとの思いで笹原を登りつめて、平坦な針葉樹林を僅か歩くと見覚えのある錫ケ岳山頂に辿りついた。前回は小雨模様の中を歩き、山頂では疲労感よりも安堵感のほうが強かったが、今日は全く逆で疲労困憊。
 山頂の東側には男体山と中禅寺湖あたりの展望がよい。残念ながら今日は東側は霞んでいる。3年前に比べたら、御陵局三角点付近がよく踏まれて笹が薄くなっているようだ。御陵局三角点近くの樹木にかかる山名板も変わってしまった。錫ケ岳山頂の特徴的な「赤の二重丸の標識」は別の樹木に移されていた。

5 錫ケ岳 − 白根隠山 − 前白根山 − 湯元温泉  笹原歩きは照り返しの暑さに参った  下りの脚力が衰えていないのに一安心
 4年前に初めて菅沼から白錫尾根を辿って錫ケ岳に登ったが、そのころはWebで三四件しか検索できなかったが、現在では多数の紀行白檜岳の南側文が検索できる。踏跡も明瞭でマーク類がしっかりしているので、登山道のある山歩きに近づいた。尾根筋も単調で間違う要素少ないが、奥深い山でもありなめてかかるのは禁物。今回は特にガイド的なことを書くつもりはない。最近のWeb紀行文を参照願いたい。
 3年前の行程時間を目標に歩いたが、徐々に遅れだした。前回の山行から丁度1週間後ということで、体のなまりは大部少なくなりバテバテという感じはないが脚力回復までには更に二三度の山行が必要。樹林の中を歩いているうちは暑さを感じなかったが、樹木の切れた笹原歩きでは照り返しの暑さには参った。前回は小雨模様で展望を楽しむことができなかったが、今回は白錫尾根の東側(奥日光方面)も西側(燧ケ岳方面)も適度に楽しめた。
 当HP併設の掲示板で最近話題になった、白檜岳直下から大岳方面に伸びる南尾根が印象的であった。枝尾根派生地付近はシラビソの立ち枯れと白根隠山笹原で感じのよいポイントであった。白檜岳(2394P)への樹木のない笹原登りには参った。滅多にしないのだが、頭にタオルを被せて歩くも暑さしのぎにはならなかった。白檜岳山頂は樹木の少ない笹原で、北東の白根隠山方面へは明瞭な踏跡が続いているが、北に向かう県境尾根入口にマークがついてはいたが、踏跡は薄い。
 白檜岳から東へ笹原を歩き方向を北東に変えて岩場を左(西)にトラバースして通過する。今度は右(東)側を巻きながらガレ場を登り、最後に草付を登ると白根隠山の山頂に到着。今回が5回目の山頂訪問だが、ここからは展望がよく静かで気持ちよく過ごせる。錫ケ岳から白根隠山まで前回は2時間45分で歩いているが、今回は3時間10分要した。湯元温泉発のバスの時刻表を調べてみると、16:50発と17:16発。前回は2時間40分で湯元温泉まで下ったが、今日の脚力では16:50発はギリギリ。目の前の南東尾根で弓張峠付近に下りるのも魅力があったが、今日は脚力の鍛錬で少しでも登りの多い湯元温泉へのルートを選ぶ。
 2385ピーク更に二つの小ピークを越して例の観測小屋を横目に見て、ダケカンバの樹林を下ると、避難小屋分岐で夫婦が小屋方面に下りて行くのが見えた。少し進むと前白根山の斜面を白根山帰りと思われる夫婦が登っている。今日最後の登りとも言える前白根山を喘ぎながら登りきる。この時点で絶対に16:50発に乗る覚悟を決める。天狗平付近で先行の夫婦を追い抜く。外山分岐からの悪路は通りたくない道だが仕方ない。転倒しないよう注意しながら急いだつもりだったが、途中で振り返ってみると先刻の夫婦が間近に迫ってきた。バスに乗れそうな雰囲気でいつの間にかスピードが緩んでしまったようだ。抜かれるのも癪なので、速度を上げる。湯元温泉バス停には16:30着で2時間35分で前回より5分短縮して白根隠山から下れた。下りの脚力が残っているということは、年齢的な衰えではないと自分に言い聞かせて溜飲を下げる。もっと山行頻度を上げれば脚力は回復しそうな感触を得た。 
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