ひとり山歩き600 : 栃木側から登る栃木百名山の最後に金精トンネル〜念仏平〜湯沢峠〜燕巣山〜丸沼温泉と周回してきました。栃木側から登る栃百では燕巣山の難易度は無雪期の大佐飛山と双璧です。
栃木側から登る栃木百名山 金精トンネル〜念仏平〜湯沢峠〜燕巣山(2222)〜丸沼温泉周回
2015年6月29日(月) 晴れのち曇り
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:10) = 金精トンネル駐車場(2:20/2:30) − 金精峠(3:10) − 念仏平避難小屋(5:05) − 登山道別れ(5:15) − 標高点2326(5:30/5:35) − 丸沼トレイルラン小屋(6:20) − 標高点2018(8:05) − 標高点2001(9:15/9:25) − 湯沢峠(9:50/9:55) − 標高点2045(11:20) − 標高点2083(12:40/12:50) − 燕巣山(15:00/15:05) − 四郎峠(16:15) − 丸沼温泉(18:00/18:25) − 国道120号出合(18:55) − 丸沼高原スキー場入口付近で車に拾われる(19:35) = 金精トンネル駐車場(19:45/19:55) = 自宅(22:10)
Aルートマップ
B写真集
2 自宅 − 金精トンネル
 昨年の6月19日(ひとり山歩き558)に帝釈山・田代山と月23日(ひとり山歩き562)に台倉山を栃木側から登った。これで県境の名のある山はすべて栃木側から登ったことになる。それと栃木百名山のリストを見ていたら茨城県境付近の低山を10座程度残すだけとなっていた。これらの山々は低山で今までは山歩きの対象にはしてなかったが、ルートよっては面白い歩き方もできそうなことがわかった。これらが契機となって、栃木百名山をすべて栃木側からの踏破してみるのは一興と考えて、月18日の鶏足山(ひとり山歩き599)で一応完了した。燕巣山は06年9月29〜30日(ひとり山歩き255)に女夫淵温泉〜鬼怒沼〜物見山〜燕巣山〜湯沢峠〜女夫淵温泉とテント泊で山頂を踏んでいる。二日がかりはどうにも気に入らない。栃木側からの栃木百名山にこだわるなら、燕巣山も日帰りでと考えた。
 ルートとしては三通り考えられる。@は前述のルート、Aは女夫淵温泉〜日光沢温泉〜湯沢峠〜燕巣山のピストン、Bは金精トンネル(栃木側)〜金精峠〜念仏平〜湯沢峠〜燕巣山〜丸沼温泉の周回である。@は日帰りは無理筋、Aはピストンであまりやりたくない。Bは07年6月19日(ひとり山歩き283)金精トンネル〜念仏平〜湯沢峠〜丸沼温泉と歩いている。07年9月4日(ひとり山歩き291)に丸沼温泉〜湯沢峠〜燕巣山〜四郎峠も歩いている。しかも、念仏平〜湯沢峠の間は大部分に丸沼トレイルランに道が開かれた(12年8月と13年8月は開催されたが、14年と15年は中止となった)。湯沢峠〜燕巣山の藪漕ぎと、丸沼温泉に下山してから金精トンネルまで約12kmを歩くのが苦痛(標高差約400mで、自転車が利用できない)。B案でやるっきゃない(何十年か前に、誰かがほざいていた(失礼!)、のたまっていた)と決断し梅雨の晴れ間を待つ。
 所要時間は過去の実績と現在の脚力から推測して17時間ないし18時間とでた。最後の丸沼温泉から金精トンネルまでは暗くてもよいが、念仏平らからは明るくなってから。出発前の睡眠時間は最低4時間を考慮して、家を正小に出発して歩き始め2時半を目標に家をでる。この時間帯は車の往来は少ないが、図図しい鹿には悩まされる。車慣れしてしまい、警笛を鳴らさないと逃げないから始末に悪い。金精トンネル駐車場には他に車なし。車載温度計9度  
 金精トンネル − 念仏平  念仏平の幼木が育ち、立ち枯れと白根山が薄くなった?
 金精峠への登山道は丸太階段や木梯子等でよく整備されているが、標高1990あたりの崩落地の通過は最初の一二歩が滑りそうで怖い。金精峠到着時にはまだ真っ暗で湯元温泉の灯りが美しい。温泉ケ岳登山口手前には残雪が少しばかり。温泉ケ岳のトラバースは道筋は確保されているが、山側の笹が身体に触れて左半身びしょ濡れ。気にはしていたのだが、横着して雨具を着用しなかったのが悪かった。濡れたズボンから滲みて靴下まで濡らしてしまった。本日最大の失敗!!
 湯泉平からは登山道への笹のはみ出しはなく、ヤレヤレだったが、昨日(昨夜?)降雨があったようで地面は濡れていて、下りでは滑り易かった。念仏平避難小屋付近では以前は立ち枯れが目につき白根山も見えたのだが、幼木が育ち、立ち枯れも白根山も薄くなってしまったようだ。標高点2346の東側の登山道最高地点で登山道に別れヤブに突入する。

左: 金精峠 右: 温泉ケ岳登山口 少し手前には残雪あり


左: 温泉ケ岳トラバース(笹のはみ出しが写真よりもひどく左半身がびしょ濡れとなってしまった) 右: 中央に刈込湖、切込湖 後方に女峰山〜大真名子山


左: 登山道の念仏平最高部から左手の針葉樹林へ突入 右: 突入口の針葉樹ヤブ

4 念仏平 − 湯沢峠  かなりの部分にトレイラン踏跡が拓かれていた 藪こぎは2326前後のみ
 07年6月19日(ひとり山歩き283)に念仏平から湯沢峠を歩いたが、当時はネットではHP「すうじいの時々アウトドア」( http://www.geocities.jp/nihonsh_shiin/mr182.html )に83年11月に歩いた記録が1件見つかっただけ。現在は多数検索される。ネットを操る人が増えて記録が増えたのか、ネットの記録を参考に歩く人が増えたのか?両方共寄与しているとは思うが前者のほうが多いのではなかろうか。
 登山道に別れて針葉樹藪に突入する。針葉樹が濡れていて、温泉ケ岳トラバースで濡れた衣服も乾いてきたのに、またしても濡れる破目に。15分ほど針葉樹藪を漕いで平坦な2326ピークで雨具のズボンを遅ればせながら着用(丸沼温泉まで、幸いに気温は高くなくて助かった)。2326からは近道をしようと南側を歩き始めると、針葉樹の細木地獄で通過に苦労する。仕方なしに北側の二重尾根の間に下りて、途中から軌道を修正するとヤブはかなり薄くなり、ピンクテープと薄い踏跡を目にするようになった。2260級ピークからは丸沼トレイルランの踏跡が2237方面へと下ることを知っているいたが、写真のような丸太小屋が突然目に入った。これはトレイルランのチェックポイントに設けられたのであろう。
  

左: 2356付近から白根山 右: 針葉樹細木ヤブ地獄を抜けて


左: 藪は薄くなり、ピンクテープが目に突き出す 右: ピンクテープと踏跡 (2260級Pの北東)


左: 2260級Pにトレイルラン用小屋 右: トレイルランに拓かれた踏跡と白リボン(多数あり、場所によっては落ちているが)
 ここから湯沢峠までは踏跡と白リボンが連続し、前回歩いた時に比べて楽なことこの上なし。尾根歩きには登山道並みで申し分ないのだが、トレイルランではこんな細い踏跡をよくも走れるものだと感心する。13年8月のトレイルランから2年近く経つので、踏跡が薄くなっている箇所、白リボンがなくなってしまった場所ありで、二三箇所で踏跡を探して彷徨った。前回は藪を漕いだ箇所もあるが、今回は藪こぎは皆無でどこに藪があったかなんて思い出すこともできない。唯一注意すべきは、地面が雨で緩み急傾斜の下りではスリップに注意が必要であった。 
 展望を楽しむ尾根筋ではないが、時には四郎岳、黒岩山等の県境尾根、根名草山も無論楽しむことができた。突然、丸沼温泉〜日光沢温泉遊歩道(正式名は?)に飛び出し、15メートルほど右手に進むと、記憶のある湯沢峠に到着。以前は古い標識があったのだが、見つからなかった。前回は念仏平〜湯沢峠の間を5時間30分で歩いたが、今回は4時間35分で1時間の短縮、でも念仏平までに30分遅れているから、この先のことを考えると予断は許されない。

時には展望も 左: 菅沼と四郎岳(右) 中央奥に武尊山(2260級Pの西) 右: 白根山(左) 錫ヶ岳(中央) 笠ケ岳(右) (2070級P付近から)


踏跡と白リボンが湯沢峠まで続く (場所によっては、踏跡薄く白リボンなくなっている・・・二三箇所で彷徨った) 07年6月時点では獣道程度で、かなりの部分で藪こぎ


左: 県境尾根(鬼怒沼山〜黒岩山〜帝釈山) 右: 湯沢峠(標識がなくなってしまった) トレイルラン踏跡は峠の15メートル手前(丸沼側)で遊歩道に出合う

5 湯沢峠 − 燕巣山  藪と急登は堪えた でも、時には踏跡が拾えた
 湯沢峠から燕巣山へは07年9月4日(ひとり山歩き291)に登っている。当時でも何件かはネットで検索できた。最近の検索では以前に比べて特に増えたということもないようだ。
 背丈の笹薮に取り付くと抵抗が強い。混合ヤブになったり、笹ヤブになったりでこんなはずではなかった、という感じ。2045ピーク直下でヤブが幾分緩み、燕巣山南東尾根の2045ピークに乗ると笹薮はかなり緩んだが、前回は峠から2045は55分、今回は1時間25分で30分余分にかかってしまった。前回は丸沼温泉から湯沢峠に登ったので疲労度は少なかったことを考慮しても遅すぎる。時間切れが心配になり、湯沢峠に戻ろうか、このまま進むべきか真剣に検討。次のチェックポイントである2083までに決めても間に合うと判断し、進むことにした。
 笹は腰丈以下でたいしたヤブではなかったが、2083への登りになると笹は背丈を超すようになった。2メートル超の笹は寝ていて、足を乗せると滑るし、腰から下にまといつき始末におえない。2083ピーク直下で平坦になりヤブが緩みホットする。この間は85分、前回の70分に比べて15分の延長。ここから燕巣山山頂までは前回は約2時間、3時間要したとしても16時には山頂到着。丸沼温泉までは過去の実績では2時間以内。多少は伸びても何とか明るいうちに下山できそうと睨んで、進むことにした。

左: 湯沢峠からの取付き、背丈の笹ヤブ 右: 2045付近からは藪薄くなる


左: 丸沼高原スキー場 後方は笠ケ岳〜三ケ峰 (2045と2083の中間付近から) 右: 白根山 (2083の東、2050付近から)
 2083からは藪は薄くなったり濃くなったりだが、薄い踏跡もけっこう拾える。以前登った時には至湯沢峠の標識を二三箇所で見た点から判断してかつては登山道があったのであろう(今回は余裕がなかったせいか標識を見かけなかった)。途中の様子では思ったよりは早く山頂に到着しそうな感じ。でも山頂直下になると急勾配と藪で歩みが遅くなる。やっとの思いで燕巣山の山頂に到着。この区間は2時間10分で、前回の1時間555分に比べて現在の脚力からしたらよく頑張ったといえる。過去の実績では山頂から丸沼温泉までは約2時間、4時間要したとしてもヘッデンの助けを借りずに下山可能。少しゆっくりしようかと思うも、ガスが湧いてきて展望は皆無、更に悪条件は小さな虫が多くてエネルギー補給する気にもなれない。写真を撮ってすぐに退散。

左: 2083付近の背丈笹ヤブ 右: 県境尾根(物見山〜鬼怒沼山〜黒岩山〜帝釈山) 2083の西2060付近から)


左: 標高2080付近は藪が薄い 右: 混合蜜ヤブ (標高2090付近)


燕巣山山頂 (蝿みたいな小さな虫が多く永居できず 、ガス上昇で展望は皆無)
6 燕巣山 − 丸沼温泉 − 金精トンネル  丸沼温泉への下りは、気が緩んで少し時間をかけすぎた  丸沼スキー場ゲート付近で車に拾われて地獄で仏  
 丸沼温泉までは、ごく一部を除いては下り一方。疲労した足腰には下りのほうが危ない。ダブルストックでゆっくりと下ってゆく。四郎峠までは70分(実績では60分以内)。
 四郎峠の標識を見て四郎沢目指して針葉樹林の中をドンドン下る。小さな沢に出合ってからは、左岸、右岸の渡渉や沢内歩き、尾根筋歩きで、丹念にポイントをチェックしながら下ってゆく。途中で登山道から外れて沢内を歩いてみたりする。五つ目の砂防ダムを越すと作業道状になり四郎沢を最後に渡ると丸沼温泉に到着。山頂から3時間、沢筋歩きで少しばかり時間をかけ過ぎたようだ。
 ここから金精トンネルまでの標高差400メートルの舗装道歩きに備えて、背負ってきたウォーキングシュースに履き替えて、ザックの後ろに反射テープを取付け準備完了。腹が減っては戦ができない。ここでエネルギーを多めに補給。国道120号出合までは30分、丸沼高原スキー場のゲートのすぐ先で、武尊山帰りの方が車を停めて、声をかけてくださった。今回の山行で最も嫌だった舗装道歩きも短縮できる。まさしく地獄で仏という感じで同乗させて頂く。更に2時間位歩かねばならないのに、自動車では15分で金精トンネルに到着。駐車場には他に車が1台(前泊?)
 車の同乗がなかったとしたら、トータルで約19時間、燕巣山までの遅れ30分、燕巣山から丸沼温泉までに約1時間20分遅れで計2時間遅れというところ。久しぶりの藪こぎのロングウォーク、これでこだわりの栃百(すべて日帰りで栃木側から、無雪期(里山は除く)に、自動車を乗り継いてのピークハントしない)も終了。達成感よりも、馬鹿みたいと、我ながら思う。
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