ひとり山歩き516 : 冬場で弱った足腰の強化の一環として、火戸尻山から鳴虫山、三ノ宿山そして六郎地山と尾根伝いにロングコースを歩いて来ました。残雪歩きのモノトーンとは異なり緑を中心とした雰囲気の中を気持ちよく歩くことができました。
火戸尻山(851)〜鳴虫山(1103)〜三ノ宿山(1229)〜六郎地山(1097
2013年5月3日(金) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(2:00) = 西小来川「そば処山家」駐車場(3:25/3:35) − 登山口(展望歩道入口)(3:50) − ネコ岩(4:30) − 火戸尻山(5:05/5:10) − 標高点9191(6:05) − 標高点996(6:40) − 鳴虫山(7:20/7:25) − 滝ヶ原峠分岐(7:50) − 標高点969(8:30) − 滝ヶ原峠(9:00/9:10) − 標高点1051(10:05) − 標高点1158(10:55/11:00) − 標高点1188(11:40) − 三ノ宿山(12:00/12:05) − 三ノ宿林道切通(13:00/13:05) − 標高点1101(14:15) − 六郎地山(15:10/15:20) − 主稜線別れ(15:30) − 林道出合(下山地点)(16:30) − 駐車場(17:25/17:35) = 自宅(18:45)
Aルートマップ
Bウォッちず : 火戸尻山  鳴虫山  三ノ宿山  六郎地山  そば処山家
C写真集

2 自宅 − 小来川
 残雪歩きでは、ロングコースを歩いていないので足腰が弱まっている可能性がある。足腰の鍛錬の一環として08年11月3日に実行し途中で断念した六郎地山〜三ノ宿山〜鳴虫山〜火戸尻山を辿ってみることにした。前回は、三ノ宿山から滝ヶ原峠に降りた時点で、鳴虫山経由で火戸尻山までは時間切れ必至で、滝ヶ原峠からは県道を歩いて駐車地まで戻った。11月に比べ、現在は昼時間がかなり長いので早出をすれば可能性が充分ある。途中リタイヤもありうるので、前回と同じ場所を歩いただけに終わりたくないので今回は逆廻りとする。
 スタート地点は前回と同じく西小来川の「そば処山家」の駐車場とする。予想時間は15時間として、明るいうちにスタート地点に戻るには3時半にスタートと決めて家を出る。暗いうちの走行なれども、今年の歩き始めとして1月4日に笹目倉山から石尊山を歩いた時に駐車した場所も記憶していた。肝心のそば処山家は看板を目にすると、県道の右手(北側)に広い駐車場が確認できた。そば処山家の客用駐車場を好意で使わせていただくので、片隅に駐めて準備に入る。

3 火戸尻山 〜 鳴虫山  火戸尻山への登り以外はいつか通った道で順調に歩く   予想通り鳴虫山ではアカヤシオは名残り程度
 火戸尻山から鳴虫山の間は、山歩きを初めて間もない02年4月20日(ひとり山歩き39)に東小来川新谷コースで往復して以来である。今回は周回の都合上、西小来川のそば処山家前の林道歩きからスタートする。林道を数分進むと休憩舎があり、その先で舗装は切れてダートとなる。倒木や落石があるので、車で入るのはやめたほうが良い。篭滝の道標の次に展望歩道・林道の道標を見る(暗(なぜ展望と名がつくかは不明)。ここを登山口として展望歩道方面に進むと、すぐに鹿侵入防止ネットを潜って山道となり、木階段をネット沿いに登ってゆくと、再度ネットを潜るようになる。更に尾根の左手をジグザグに登ってゆくと尾根上に達する。この先も明瞭な踏跡(歩道)は続く。
 標高650あたりは岩っぽくなり、大きな岩の下に2基の石祠が祀ってあった。ネットの記録によると、ここをネコ岩というらしい。檜から杉林に変わった時点で消灯する(4時半)。展望遊歩道と名前が付いているくらいだから歩き易い。標高740で山ノ神の石塔を見る。どうやらこの尾根筋は地元の人の信仰の対象のようである。標高690のコブで右(東)から踏跡をあわせる。これが新谷コースであろうか。02年にはこのコースを辿ったはずだが、全然記憶に無い。北西に向きを変えて、最後に少しばかり急登すると、火戸尻山の山頂に達した。02年当時は他では見かけないような独特の山名板と達筆標識を見たのだが、今回は4、5枚の山名板のなかには見ることができなかった。山頂には三等三角点が設置されているだけで、宗教的なものは見かけなかった。檜林の中で展望もない。

                                                  ネコ岩の石祠。山ノ神の石塔 (左から以下同じ)


                                                  火戸尻山頂(山名板は5枚)。02年当時の山名板(現在は見当たらない)。

 山頂から北にゆるかに下ってゆくと、すぐに左手の枝越しに男体山から女峰山あたりが見えるようになり、更に進むと檜/杉から落葉樹林となり、鞍部では右(東)側が開けて鶏鳴山と笹目倉山が展望できた。鞍部から先は右手に伐採地が標高にして30メートルほど続き、再び植林に突入する。踏跡を追って進んで行くと、標高890あたりからは緩やかになり、左(西)側に男体山の頭から山ノ宿山が展望できた。更にゆるやかに登ってゆくとややヤブっぽくなり、標高点919は少しばかり左(西)側を巻いて通過する。
火戸尻山北鞍部先の伐採地から鶏鳴山と笹目倉山


                                                二又付近の集落?。山ノ宿山(中央)。男体山の頭。 (標高890から)

 標高点919の先は踏跡は薄くなるがテープ類が多いので迷うことはない。時には片側が植林になったりするが、全体としては自然林の中を進んでゆく。左手のネットに沿って登りつめると、植林中の標高点996ピークに達する。このピークからは右手のネット沿いに下って行く。ここでも植林が現れたり消えたりする。下りの途中で右側が伐採地で、高原山や間近の高平山が展望できる。更に下った鞍部には作業道が南東(右後方)から登ってきている。標高1000あたりでは前方の北東から作業道が登ってきていた。今時は、ブルですぐに作業道をつくってしまうようだ。久しぶりの低山歩きで緑に囲まれて気持ちよく登ってゆき、この先、登山道なしの標識のついたロープを越すと、静寂な鳴虫山山頂に達した。いつもはハイカーで賑わっているのだが、こんなに早く登ってくるハイカーはそうはないようだ。予想通りアカヤシオの時期は過ぎてしまったようで、申し訳なさそうに名残りの花を見かけるだけ。男体山は5日が山開きだが、けっこう雪は多そう。

                                                高原山(中央奥)と神の主山稜線(中央)。高平山(中央やや右)。 (996北伐採地から)


                                                鳴虫山山頂。男体山〜大・小真名子山〜女峰山。

 鳴虫山から滝ヶ原峠へは、08年11月26日(ひとり山歩き338)に歩いているので参照願う。 鳴虫山から階段を下ってゆくと、山頂部よりは名残りのアカヤシが増えてくる。鞍部から緩やかに登り、合峰(1084)の手前の小ピークの左(西)に枝尾根が派生している。ここにはロープが張ってあり、「この先登山道ありません」の標識が付いている。ここを滝ヶ原峠分岐としてこの枝尾根を下ることにする。

                                                名残りのアカヤシオと滝ヶ原峠分岐

 
自然林の尾根筋には低い笹が薄く生えているが、踏跡を追うことはできる。途中にザレ気味で注意を要する場所もあるが、概して歩き易い。修験道の名残りであろうか標高940あたりに屋根のない石祠が残っている。鞍部付近で男体山から女峰山を枝越しに眺めて登り返しになると、篠竹の尾根筋が続く。篠竹が消えて再び石祠を見ると、急登となり疲労が溜まった足腰に負担がかかる。登りつめた小ピークが標高点969でここからは西に向きを変えて下りとなる。笹尾根の下りは快調で、勢いがつきすぎて標高900で方向を変えるのが遅れて回りこんだりする。この先は檜林を北西に急下降する。下に県道が見えて尾根の先端に達すると、心配していたとおり擁壁となっている。用意してきたロープ(コースに県道や林道があるときは、擁壁に備えてザックに忍ばせている)を取り出すまでもなく、少しばかり日光側に進んで擁壁の切れ間から県道に降りた。下山地点から約200メートル先の滝ヶ原峠でエネルギーを補給していると、数台のオートバイが日光方面へ通り過ぎていった。今日は山中で人に出逢わないはずだが、登山者でないからカウント外。
 駐車場から鳴虫山までは計画4時間に対して3時間50分、鳴虫山から滝ヶ原峠までは2時間の計画に対して1時間35分。過去の実績からの推算(計画)に比べて短め。最近は余分な写真やビデオ撮影で時間を要しているので、今回は極力省いたのが寄与。

                                                標高950付近の尾根筋。屋根なし石祠。篠竹の尾根筋。


                                                擁壁の切れ間から県道へ。下山地点付近のカーブミラー。滝ヶ原峠

4 山ノ宿山  思ったよりは歩きが速かった 三ノ宿林道切通への下山は金網ネットが張ってあるので下山時要注意
 
峠から30メートルほど日光側から尾根に取り付く。尾根に取り付くとすぐに峠を見つめている石像に出会す。今では擁壁の上にへばりつくようになっているが、かつては尾根上に位置していたのであろう。尾根上の踏跡を追ってゆくと、標高900あたりに石祠が祀ってある。風化しているので文字は読みづらいが金剛堂と天明三年(筆者注:1783年、浅間山大噴火と天明の飢饉))と読めた。植林混ざりの尾根筋を南南西に登ってゆくと、一時的に草付きとなって急登となる。急登部をこなすと南西向きとなり勾配はゆるかになり、標高点1051に達する。 1051からは西に下るが鞍部の前後は下りも登りも勾配がきつい。急登部をこなすと踝程度の笹尾根となり、小さなコブをいくつか越してゆくと枝越しに男体山と清滝付近を感じるようになり、標高点1158ピークに達した。このピークから北のやしおの湯方面にも踏跡が付いている。

                                                滝ヶ原峠の尾根取付き(看板から)。峠を見つめる石像。標高900の石祠(天明三年)。


                                                標高1080あたりの尾根筋。1158から男体山と清滝(枝越しでぼんやりしてい)。1158ピーク。

ここでエネルギーを補給して三ノ宿山方面の南西に下ってゆく。1158からは小さなコブを幾つかこしながら進んでゆくが、標高差が小さいので気持よく歩いていると、予想だにしていなかった夫婦連れのハイカーとすれ違う(申しわけないが、今日の楽しみのひとつが消えてしまった!?)。相手もこんなところでという感じでキョトンとしている。挨拶だけで言葉も交わすこともなく左右に別れる。この尾根筋でも予想通りアカヤシオは名残りを惜しんでいる程度。少しばかり登りつめると
標高点1188ピークとなる。
 1188からは南に下って、鞍部からの登り返しになると岩稜となる。ここを注意しながら越すと再び笹尾根となり、山頂部が平坦な
三ノ宿山に達した。ピークが明瞭でないので山名板が無ければ通りすぎてしまいそう。

                                                笹尾根。男体山〜女峰山。名残りのアカヤシオ。 (標高点1188付近から)


                                                達筆標識。RKと栃木の山紀行。三ノ宿山山頂部。

 三ノ宿山からの下り勾配はきつい。途中で多少緩むが、最後の下りはザレの急斜面を立木でブレーキをかけながら下ってゆく。最後の最後に難所が待っていた。三ノ宿林道の切通部はコンクリート擁壁で、その手前はしっかりした金網ネットが張ってあり、林道に下りられない。何処かには隙間はあるのだろうが、急斜面で探そうにも身動きができない。仕方なし金網ネットに指をかけて擁壁と金網の隙間を伝って横ばいする。指を離したら、擁壁とネットに挟まれて身動きができなくなりそう。指の痛みをこらえながらやっとのことで隙間から脱出して林道に無事下山。
 計画では滝ヶ原〜三ノ宿山〜林道切通の間は、4時間半、実績は3時間55分。この間で余裕ができたので計画通りに六郎地山に進むことにして、エネルギーを補給する。安心したせいか、切通の擁壁と金網ネットの写真をとり忘れてしまった。少し鹿沼側にゆけば六郎地山の写真もとれたのに。先を急ぐことばかり気にしすぎたようだ。

5 六郎地山〜下山 六郎地山への全般は痩せ岩稜  下山の枝尾根は伐採地と幼木地帯の下り
 この間は08年11月3日(ひとり山歩き335)に逆方向から歩いているので参照願う。
 切通の南側からヤセ尾根に取り付くと、ザレていて登りづらい。最初のピークで方向を東から南に変えて下ってゆく。痩せ岩稜で油断はできない。973ピークを下ると石祠があったはずなのだが、見逃してしまったのか、無くなてしまったのかは不明(3年5月2日、ひとり山歩き117に確認)。登るにつれて尾根筋は安定し、疲労の溜まった足腰には優しくなる。
 標高点1101からの下りは右(西)手に古い有刺鉄線が残っていて、樹木が有刺鉄線を飲み込んでいる。鞍部への下りも急勾配できつかったが、登り返しは堪えた。明るいうちに充分駐車地に戻れる目安がついたので脚の動きに身を任せる。標高1050に達すると勾配はぐっと緩み楽になる。途中で右(東)側にスポット的に植林が現れるが、尾根筋は自然林である。標高1100の小ピーク(山名辞典やカシミール3Dではこちらが六郎地山となっている)を越して三角点の設置してある場所に六郎地山の山名板がかかっている。

                                                1101付近の尾根筋。男体山が微かに。有刺鉄線を飲み込んだ樹木。


                                               六郎地山山頂。山名板。

 下山は山頂から東尾根を急下降も考えたが、足腰が疲労していることを考慮して、以前登った尾根を下ることにした。10分ばかり南に緩やかに下った小ピークから枝尾根が東に派生している。目印としては、この小ピークの南側が植林であることを覚えておけば良い。枝尾根を下り始めると右(南)側は伐採地となっていて、笹目倉山や二股山そして筑波山もかすかに見えている。100メートルほど下ると右手は幼木植林で、南側の伐採地尾根を見ながらの下りとなる。この尾根筋は危険箇所はないが、左手の植林と右手の幼木地帯の間は勾配がキツく掴まるものがないので慎重に下る。下部に林道が見えて来ると、植林に突入して前方がわからなくなるが、委細構わず下ってゆく。無事に林道に下山したのが4時半、ここからは林道をノンビリと下って途中で火戸尻山の写真を写したりして、最後は県道歩きとなる。駐車場には17時25分着。

                                                伐採地から笹目倉山と二股山方面。南隣りの伐採尾根。林道途中から火戸尻山。

三ノ宿林道出合いから六郎地山経由で駐車場までは、計画4時間半に対して4時間20分で全体としても13時間50分で約1時間の短縮。今日は比較的気温が低かったことと、写真やビデオに時間をかけなかったことも寄与している。それ以上に絶対に明るいうちに(18時半目安)に駐車場に戻るよう休憩時間もあまり取らなかった(と言うことは思ったよりは脚力は落ちていないということか)のが大きく寄与している。
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