ひとり山歩き335 : 西小来川から六郎地山に登り、三ノ宿山そして滝ケ原峠へと尾根歩きをしてきました。展望は期待できませんが、処々で紅葉を楽しむことができました。
小来川から六郎地山(1097)〜三ノ宿山(1229)〜滝ケ原峠
2008年11月3日(月) 曇り
1 行程   写真
ルートマップ(GPS) 
自宅(3:00) = 西小来川・林道籠滝線入口に駐車(そば処山家)(4:20/4:35) − 林道太田線口(4:55) − 尾根取付き(5:50/6:00) − 伐採地下部(6:20) − 主稜線出合(7:15) − 六郎地山(7:25/7:30) − 標高点1101ピーク(8:25) − 三ノ宿峠(河原小屋三ノ宿林道の切通)(9:15/9:30) − 三ノ宿山(10:45/10:55) − 標高点1188ピーク(11:20) − 標高点1158ピーク(11:45) − 滝ケ原峠(13:10/13:30) − 駐車地(15:00/15:10) = 自宅(16:25)

2 自宅 − 西小来川
 @宇都宮さんの寒沢宿、大田和原宿の書き込みに刺激されて、寒沢宿から太郎山を歩こうと考えた。しかし奥日光は帰路につく頃には、大嫌いな渋滞が予想され、嫌気がさしてしまった。修験道についてWebで勉強しているうちに、未だ歩いたことがなくて、比較的簡単に行けるルートが見つかった。三の宿山〜滝ケ原〜鳴虫山で、この道筋は、勝道上人とその弟子達が、出流山から永野、粕尾、粟野の山々を巡り大剣峰(横根山)に至り、三昧岩から大岩山、地蔵岳、薬師岳と修行し、薬師より東の尾根伝いに進み三の宿、滝ケ原峠、鳴虫山と下り大谷川(だいやがわ)の岸に到着した、と言われている。
 三ノ宿山〜滝ケ原〜鳴虫山の間だけを歩くのでは物足りない。地形図を見ながらルートを探っているうちに、西小来川から六郎地山〜三ノ宿山〜滝ケ原峠〜鳴虫山〜火戸尻山が思いついた。最近の脚力を勘案して所要時間を推定すると、13時間(道路歩き1時間含む)と答えが出た(最近の実績では、推定所要時間と実績歩行時間とはよく一致)。明るくなったら尾根に取り付き、明るいうちに駐車地に戻る、という山行の決め事は守りたい。今の時期は決め事を守ろうとしたら、6時から17時までの11時間しかない。1時間ほど足りない。最後の鳴虫山〜火戸尻山は、滝ケ原峠までの進捗状況で決めることにして、早速準備を整える。駐車地は、西小来川の県道277号沿いにある「そば処 山家」脇の火戸尻山の登山口である林道籠滝線入口の駐車場とする。

3 西小来川 − 六郎地山  主稜線への枝尾根は急登だが伐採地からの展望あり伐採地からの展望  正面は両の手山
 県道277号(小来川清滝線)を日光方面に進み、標高点446で黒川を渡り、林道太田線に入る。舗装した林道には、ぽつんぽつんと街灯が設置してある。10分ほど歩くと集落に入り、林道の分岐に来た。舗装道を選んで進むと、民家の庭であった。戻って舗装の切れた林道を進む。林道は荒れていなく緩やかで歩き易い。気がつくと、小さな沢筋で林道は終点となってしまった。緩やかに下っているのに気付かずに支線に入ってしまったようである。〔最初のミスで約15分のロス〕少しばかり戻ると、草が生えた道筋が見つかった。これを追うと草が深くなり、廃林道であることが判明した。もう一度戻るのも癪であり、そのまま廃林道を進むと、踏跡程度なってしまった。このまま進んで行けば、どこかで正規の林道に合流するかも、と淡い期待を持つ。しかし踏跡はますます正規の林道から北にずれて行く。このまま突き詰めると、六郎地山へ直登する急勾配の尾根を登る羽目になってしまう。そんなことを考えながら、踏跡を進むと林道終点に達した。ここは尾根取付き地点と正反対の北端終点であることが推測できた。このまま六郎地山に直登すると、山頂直下の勾配がきつい。ロングウォークのコツは無酸素運動をしないことが肝要である。急がば回れ、林道を南下すると林道分岐に達した。更に南に進み、尾根取付き地点に達した。取付き地点を求めて付近を偵察。
 急斜面を5分ほどよじ登ると、尾根筋が明瞭となる。尾根筋は植林で林床は低いミヤコザサで薄い踏跡を追う。標高760まで登ると左(南)側は伐採地となる。ここからは、今まで歩いたことのある稜線や山々(鶏鳴山、笹目倉山、羽賀場山、両の手山(参照ひとり山歩き193、05年3月22日)、石裂山)が見える。見上げるとかなり上まで伐採地は続いている。伐採地であるから、かなりの部分に踏跡がついている。予想外の伐採地歩きで、左側の展望を見ながら息抜きが出来る。標高900位からは勾配がかなりきつくなる。標高1010で伐採地の最上部に達した。ここで振り返って展望を見納めにして、ミズナラ等の紅葉を楽しみながら数分登ると、カラマツ林の主稜線に達した。
 林床は低いミヤコザサだが、踏跡はあり、今までの急登から開放されてのんびりムードとなる。10分で三回目の六郎地山の山頂に達した。山名板は山部3D、栃木の山紀行を認める。

4 六郎地山 − 三ノ宿峠 − 三ノ宿山  処々で紅葉楽しむ  三ノ宿山への登りはキツイ
 六郎地山〜三ノ宿峠は03年10月24日のひとり山歩き117、三ノ宿山〜三ノ宿峠は03年5月2日のひとり山歩き91を参照願う。
 尾根筋六郎地山(三ノ宿峠から)の紅葉を楽しみながら緩やかに下って行く。山頂から12分進んだ地点で左下から古い有刺鉄線が尾根上に上がってきている。前回歩いたときには1101ピークから南鞍部にかけて尾根上に古い有刺鉄線が続いているのを記憶しているが、ここの有刺鉄線は記憶にない。古い記憶を辿りながら歩いていると、北北東に下る尾根筋が見えた。ここが尾根の分岐点と地形図も見ずに下りにかかる。右手を見るとより高い尾根筋が見える。間違えたと気付き、トラバースして正規のルートに復帰する。有刺鉄線に気をとられて尾根分岐を素通りしてしまったのだ。〔第二回目のミスで約10分ロス〕
 正規のルートに戻って急降下で鞍部に下る。鞍部は短いが痩せ尾根で要注意。少し登り返すと、記憶どおりに左下から古い有刺鉄線が登ってきて、尾根沿いに張ってある。鉄線はかなり古いようで、樹木が生長する過程で鉄線を抱き込んでしまっている。1101ピークで有刺鉄線は左下へ。
 ピークから緩やかに下って行くと、男体山、大真名子山、女峰山が枝越しに見えている。今日は天気予報では晴天の筈だが、曇天で日光連山に雪がついているのか読み取れない。1101ピークから約10分で尾根分岐に達した。今度は慎重に地形図を確認して北西に下る。鞍部から僅かに登り返すと標高点973ピークで、この付近には壊れた石祠があるらしいが、見逃してしまった。
 973ピークからは痩せ尾根が続くので慎重に歩く。940m級の小ピークから方向を北から西に変えて急降下する。すべり易いので要注意。三ノ宿峠の切通は右から下りる。以前は峠に通行止めの柵があったように記憶しているが、今日はその柵はなく、乗用車が通過して行った。峠から紅葉した六郎地山を写して、エネルギーを補給する。エネルギー補給と言えば、山行では食欲が旺盛で、普段よりもかなりのエネルギーを補給する。必要エネルギーよりも多いので、これだけ山行を続けたらもっとスリムになってもよいのだが、目方は減るどころか・・・
 三ノ宿峠の切通のコンクリート擁壁の南端切れ目に目印のリボンがあり、細い紐がぶら下がっている。その紐の助けを借りて斜面に取付く。桧植林をジグザグにしばし急登が続く。尾根筋が見えても相変わらずの急登には悩まされる。林床は低い笹で踏跡が続いているので、ルーファンの必要はない。展望は全くなく、所々で紅葉を眺めるだけ。とにかく急登の連続で忍耐あるのみ。耐えに耐えて、やっと平坦になると薬師岳方面への分岐で、分岐から1分ばかり笹尾根を北に進むと三ノ宿〕山に達した。カラマツ林で僅かに混ざる広葉樹が黄色を呈している。山名板は山部3D、栃木の山紀行、RKと達筆。

5 三ノ宿山 − 滝ケ原峠
 − 駐車地  一部に痩せ尾根あり 修験道の面影あり標高点1158からの下り
 この先は、初めて歩く部分で尾根筋を確認して北に下って行く。鞍部付近から標高点1188ピークへの登りとなる区間は岩稜の痩せ尾根が続く。特別危険と言うわけではないが、嫌いな裸の痩せ尾根で緊張する。10分強の痩せ尾根歩きから開放され、笹尾根を5分ばかり登ると標高点1188ピークで北西に市街地が見える。
 このピークからは北東に転じて、60メートルほど下ると緩やかなアップダウンで気持ちよく歩ける。最後に緩やかに登りつめると標高点1158ピークで、やしおの湯60分、三ノ宿山50分、滝ケ原峠50分の小さな案内板を見る。どの方向も踏跡は明瞭で、滝ケ原峠方面は左(北)は下部にネットを被せてある植林、右(南)は雑木の尾根下りとなる。鞍部手前で植林は終わり、急降下となる。地面の表面が崩れやすく滑って危険である。慎重に樹木でブレーキをかけながら鞍部に下る。鞍部からは標高点1051ピークの左下を巻く踏跡を追う。標高900と850にそれぞれ石祠が祀ってある。二つ目の石祠から踏跡が北東と東に分かれている。ここでも地形図を確認せずに、北東に進む。少し下ると、この踏跡は県道277号に沿っているのが判明した。ここで軌道修正して斜面をトラバースし県道に下りた。〔三回目のミス、5分のロス  県道出合には落石注意の標識があり、ここから尾根方面に踏跡が続いている。少し南に戻ると林道河原小屋三ノ宿線が交差する地点でここを滝ケ原峠とした。
 今までのところ計画と/実績歩行時間を比べると、駐車地〜六郎地山2時間30分/3時間5分(+35分)、六郎地山〜三ノ宿山3時間30分/3時間25分(-5分)、三ノ宿山〜滝ケ原峠2時間/2時間10分(+10分)、合計で30分の遅れ・・・三回のミスが響いた。ここからの計画時間は滝ケ原峠〜鳴虫山2時間30分鳴虫山〜火戸尻山〜駐車地2時間30分の計5時間で、火戸尻山辺りで暗くなってしまう。計画通りに歩くのは予想通り無理。鳴虫山に登って下りて、県道を歩くなら明るいうちに戻れるが、今日は三回のミスを重ねている。三回のミスやトラブルがあったら無理をしないも山行決め事のひとつ。峠から鳴虫山への登りも急登部があり、意欲が湧いてこない。中途半端な時刻だが、県道を歩いて駐車地に戻ることにした。
 県道歩きとなったら慌てる必要はない。切通の上にある赤い帽子を被った石像や丸山(霧降高原)の写真を撮り、大福とバナナを頬張る。三ノ宿峠から中年の方が自転車で下ってきた。少しばかり話しをする。河原小屋三ノ宿林道は通行障害なしとのこと。小来川方面に下って行くのを見て、ザックを背負う。林道とは異なり、県道だけに車の通行は多く、県外車も混ざっている。
 鳴虫山〜火戸尻山の稜線は植林が多いので、紅葉はパッとしない。早朝に入った林道太田線を確認し、先で大滝(県道から見下ろすだけ)を覗いて、無事に駐車地に戻る。約7kmを1時間半、下りで時速4.6kmか遅くなったもんだ。 
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