ひとり山歩き246 : 日光二荒山の西参道から黒岩コースで女峰山をピストンしてきました。往路では登山道から外れて前女峰に登り、山頂から展望を楽しむことができました。
日光二荒山から前女峰(2356)〜女峰山(2483)
2006年6月29日(木) 晴れのち曇り
1 行程
ルートマップ 
自宅(2:10) = ストーンパーク駐車場(3:20/3:30) − 二荒山西参道口(3:45) − 行者堂(4:05) − 殺生禁断碑(4:35) − 稚児ケ墓(5:15) − 水場分岐(5:45) − 白樺金剛(6:20) − 八風(7:20/7:30) − 黒岩(七滝遥拝石)(7:50) − 箱石金剛(8:55) − 前女峰(10:00/10:15) − 登山道出合(ガレ場横断地点)(10:40/10:45) − 女峰山(11:15/11:45) − 唐沢小屋(12:15) − 箱石金剛(12:40) − 黒岩(七滝遥拝石(13:20) − 八風(13:35) − 白樺金剛(14:05) − 水場分岐(13:20/13:30) − 稚児ケ墓(14:45) − 殺生禁断碑(1505) − 行者堂(15:35) − 二荒山西参道口(15:55) − ストーンパーク駐車場(16:10/16:20) = 自宅(17:55)

2 自宅 − ストーンパーク駐車場
 気温上昇に伴い低山での藪漕ぎは体力的に辛いので、これから暫くは高山に出かけることにしている。だが梅雨、サッカーと野暮用とで山行のタイミングがうまく取れなかった。29日は発雷が若干心配だが、なんとか天気が持ちそう。starionさんの前女峰山行に刺激されて、日光二荒山から前女峰経由で女峰山に登ることにした。このコースを選んだもうひとつの理由は、登りの脚力が最近落ちているように感じるので、標高差1800mと栃木県では最大のコースを歩き三・四年前のデータと比較してみる。
 黒岩コースで女峰山に登るには滝尾神社駐車場からスタートすれば幾分距離が短縮できるが、復路で他のコースを下る可能性もあり、どれにも対応できるようにストーンパーク駐車場に車を駐めた。

3 日光二荒山 − 黒岩(七滝遥拝石)  登山道は明瞭で迷うところはない  タイミングが悪く展望はなし
 このコースを登りで02年6月19日、下りで03年10月16日に歩いている。今年の1月9日には、スノーシューの練習のために行者堂から八風まで往復している。コースを熟知しているので、歩くことに精を出せる。
 午前4時前の二荒山西参道では人ひとりとして見かけない。参道を進み突き当たりで左に曲がると輪王寺大猷院廟で、ここを右に曲がって二荒山の塀越しに進む。10分ほど進んだところで右手の石畳の道を登ってゆくと役の行者を祀る行者堂に達する。石階段を登って堂の左手に登山カード投入箱と女峰山の道標を見る。明瞭な登山道を進み、植林の急斜面を登ると尾根上に達する。一旦林道を20メートルほど歩いて、再び植林の急登となる。登山道の右に水場分岐付近の笹原突然大きな殺生禁断碑を見る。
 禁断碑からはカラマツ林、杉植林、カラマツ林と変わるが林床は低いでミヤコザサだが登山道はよく確保されている。やがて灌木帯となり抉れた道を通過すると白樺が目立つようになる。登山道の右に稚児ケ墓の標識があり、石像と石祠を見る。このあたりまで来ると笹と灌木は露を帯びていたが、出発時から雨具を着用していたので特に問題は無かった。右手はカラマツ林、左手は白樺疎林の笹原を通る。冬場の真っ白な雪原に対して緑の笹原は好対照で気持ちよく歩けた。後方を振り返ると展望が開けるのだが今日は霞んでいて、道草を食わずに早く行けと言っているようだ。笹原で水場の道標を見る。いつもここは素通りしてしまうので、沢に近づいて下を覗くと樹木の間に小さな人工物らしいものが見えた。左手には隣の尾根越しに男体山が頭を出している。このあたりは樹木が少ないので冬場と同じように展望が期待できる。
 笹原を10分ほど登ってゆくとカラマツ林に入る。暫くは展望ともお別れで、振り返ってみたが残念ながらかすんでいた。林床の笹は腰ないし胸丈あるが登山道は確保されているの七滝の一部 滝は見えないで全然問題ない。途中で安永九年の「水呑」の石柱を見る。水呑とは何を意味しているのか、いつも疑問に思いながら通り過ぎる。更に10分で、登山道の右手に白樺金剛の標識をみるが、ここには何もない。推測するに、昔はこの付近は白樺林で禅頂行者の施設でもあったのであろう。
 途中でシロヤシオ群落やダケカンバを見ながら、カラマツ林をひたすら登ってゆく。冬場には左手に男体山あたりがチラチラしたように記憶しているが、葉の茂った今は展望はない。少しばかり急登すると道標が設置してあり、方向が北西から北北西に変わる。道標の手前で雪庇をスノーシューで乗り越すのに苦労したのは、ついこの間のように思っていたが、もう半年が過ぎてしまった。まだ人生のロスタイムには間があるが、後半戦も残り少なくなった自分には、時間の経過がもっとも辛い。左手はダケカンバ疎林、右手はカラマツ林の間の尾根を進むと、岩がゴツゴツしだす。左手には時々男体山が姿を現してくれる。再び急登になって八風が近づいたことを知る。岩場を登りつめると、平坦になり、ここに八風の道標を見る(山と渓谷社のアルペンガイド7「奥日光・足尾・西上州」によると水場分岐のやや上のカラマツ林に入るあたりが八風となっている)。エネルギーを補給しながら男体山を見る。霞んでいなければ、ここからは筑波山、鳴虫山、夕日岳等が楽しめるのだが・・・
 右から稲荷川右岸尾根を合わせる直前で登山道は尾根の左手をトラバースしてガレ場を進むようになる。尾根筋を進むと黒岩(1913P)だが、昨年の6月1日に通っているので今日はトラバース道を通る。しばしのガレ場歩きで黒岩の展望所(七滝遥拝石)に到着。前方の断崖に滝はかすかに見えるが、赤薙山から女峰山に連なる稜線はガスで全然見えない。ここからは前女峰の絶壁が見えるのだが、今日はタイミングが悪かった。肝心の脚力だが、4年前には駐車地から黒岩まで丁度4時間だったが、今日は4時間20分。心配していた通り登りの脚力は若干落ちているようだ。
 
4 黒岩 − 前女峰 − 女峰山  前女峰の山頂は好展望  一般登山者には特に登る価値はない前女峰の東絶壁
 この先はいままでに比べて厳しい登りが続くので気を引き締めてカラマツ林の急登にかかる。100メートルほど登ると、狭い平坦地に辿りつく。すぐ先の尾根上にも薄い踏跡は続いているが、今日は前女峰が控えているので尾根の左手のトラバース道を進む。十数分のトラバースで再び尾根上に戻るが、このあたりは笹原が気持ちよい。ここからは今までと趣を変えて、コメツガ林の根や小岩で段差の多い斜面を急登する。60メートルほど登ると勾配は緩やかになり、明瞭な尾根となる。登山道の右手に箱石金剛の道標が見えて、その少し奥に石祠が祀ってある。コメツガの尾根上を進むと竜巻山と呼ばれる2224ピークに達する。その山頂は低いコメツガが密に生えていて座ることもままならないが、その代わりに展望はよい。男体山、大真名子山、奥白根山、小真名子山、太郎山、帝釈山、女峰山、前女峰そして一里ケ曽根から赤薙山と展望が開ける(一部樹木で邪魔されるが)。前女峰に行くにはこの尾根を進めばよいのだが、藪漕ぎとなり時間も要するので今回は割愛して尾根の左手をトラバースする。
 starionさんの山行に倣って、トラバース道が北から北西に変わるところで右手の尾根に取り付く。針葉樹の幼木を縫って尾根上に登ると、藪は少なく鹿道が通っていた。付近にはstarionさんの紀行文に載っている胴部分のない石祠を見る。この尾根筋も禅頂行のコースに入っていたものと想像する。男体山も見えるし、この先の展望が期待できた。僅か登ると前方に前女峰の東側の絶壁が見えたので、カメラに残す。この絶壁は竜巻山からも黒岩からも見えるが、そばで見ると迫力満点だ!! 楽して山頂に辿れるかと期待したが、そうは問屋が卸さなかった。東側の絶壁の傍を進むのだが、シラビソの小枝が煩わしい。鹿道が通っているのでそれを追うと藪は比較的少なく救いだった。途中で男体山・大真名子山・小真名子山の写真を撮る。山頂より10メートルくらい低いところで石柱を見たが、何の石柱かは確認できなかっ前女峰から見る男体山・大真名子山・小真名子山た(御料局三角点?)。更に進むと、針葉樹に混ざってシャクナゲも出現した。委細かまわず前進すると、前女峰の山頂に達した。山頂部は小岩があり樹木がないので展望がよい。東側はガスが立ち込めているので確認できなかったが、雲龍渓谷付近が見えそうな感じがする。北側には一里が曽根から女峰山にかけて稜線を間近にする。目の前に聳える女峰山は迫力満点!!  南西には男体山・大真名子山・小真名子山そしてその奥には白根山まで見通せる。丁度よいタイミングで山頂に達したものだ!!
 あと1時間もあれば女峰山の山頂に立てそう。ガスの立ち込めないうちにと先を急ぐ。尾根伝いに女峰山の三角点峰に登るのか、途中から正規の登山道に出て直接山頂に登るか、少しばかり考える。三角点峰へは地形図で予想していたよりは尾根筋が明瞭だ。しかし三角点付近はハイマツが多い。今日は、前女峰に達したことで満足。尾根を下った鞍部からトラバースして、正規の登山道のガレ場横断地点を目標にコメツガ林を西に進む。小さなガレ場を横切って進むと次に大きなガレ場に達した。そこは登山道のガレ場横断地点であった。
 水分を補給してガレ場を通過して、樹林の中を進む。気がつくとガスが立ち込めてきた。山頂からの展望を楽しみに力を振り絞って登り続けると、お馴染みの祠前に達した。左手の女峰山山頂を見ると二組の夫婦が憩っているのが見えた。山頂部に登ってみると、北側を覗いてはガスがトンドン湧いている。あっという間に帝釈山もガスに隠れてしまった。女峰山の山頂には過去7回立っているが、早朝の一回を覗いてはいづれも10時から11時半頃で、ガスに邪魔されず展望を楽しめたのは2回しか記憶にない。丁度この時間帯はガスが立ち込めるようだ。一時間前に前女峰の山頂ではガスは全く認められなかったのに。奥白根山は5回の山頂で100%展望を楽しめたのとは大違い。女峰山は好きな山なのだが、相性が悪いのか??

5 下山(正規の登山道)
 女峰山からは帝釈山・富士見峠・馬立・大樺経由で寂光の滝へ下ることも考えてきたが、ガス模様で帝釈山に下っても面白みがない。天気予報では所によっては雷とあった。すぐには崩れそうもないが、他日を期して今日は往路をおとなしく戻ることにする。
 忠実に登山道を辿るも、曇り空で展望は全く期待できなかった。三年前のコースタイムが気になり先を急ぐが、暑さがこたえた。駐車地までは4時間30分で三年前の4時間35分とほぼ同じになった。登りでは脚力の衰えが気になったが、下りの脚力は保たれているようだ。これからは脚力は衰える一方。それを頭に入れて計画をせねばなるまい。 
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