ひとり山歩き224 : 今年から冬場にスノーシューハイキングと春から秋かけてにテント泊をすることにした。先ずはスノシューの歩き方を練習すべく、日光行者堂から女峰山黒岩コースの八風まで歩いてきました。スノーハイキングは労力は大きいが、雪面に新しいトレイルをつける喜びはなんともいえません。なんだか病み付きになりそうです。
スノーシュー歩行練習 行者堂〜八風
2006年1月9日(月) 快晴
1 行程
ルートマップ 
自宅(5:25) = 滝尾神社駐車場(6:50/7:05) − 行者堂(7:15) − 殺生禁断石碑(7:45) − 稚児ケ墓(8:30) −水場(9:20/9:35) − 白樺金剛(10:05) − 八風(12:05/12:25) − 白樺金剛(13:05) − 水場(13:30) − 稚児ケ墓(14:00) − 殺生禁断石碑(14:25) − 行者堂(14:55) − 滝尾神社駐車場(15:00/15:25) = 自宅(16:55)

2 スノーシューMSR デナリEVOアッセント
 MSR社のデナリEVOアッセント サイズ:203×565mm 重量:1,769g カラー:ブルー(2006新色) ヒールリフター付き (オプションで6インチのフローテーションテール取付け可能) 

3 自宅 − 滝尾神社駐車場

 年末に上記のスノーシューを購入したので、先ずは歩行練習からと行者堂から女峰山黒岩コースを候補地に選んだ(理由は@積雪量が多からず少なからず A適度な勾配もある B人がいないので迷惑をかけない C地形をよく知っている)。遠くまで行くのが目的でなく歩行練習が主であるから、適当な積雪のところ水場〜白樺金剛付近を目標にした。
 ピストンになるので、コースに近い滝尾神社駐車場に車を駐めることにした。いつもは神橋で左折するのだが、今日は右折して稲荷川の右岸の舗装道を進む。すぐに道路は圧雪状態になるが、スタッドレスでは問題なく滝尾神社駐車場に到着した。付近は薄っすら白くなっている程度。

4 行者堂 − 白樺金剛  水場から上は膝程度の積雪で、スノーシューを履いて歩行練習    
 駐車場から右に滝尾神社の階段を見送って、左の沢にかかる小橋を渡って石畳、石階段と進むと5分ほどで行者堂に着く。行者堂の左手から女峰山登山道に進むと、薄っすらと雪が付いているが登山道を見失うようなことはない。林道に一旦出て3・40メートル歩いて再び植林の中に入って行く。林道から10分ほどで殺生禁断石碑に到着した。気温は駐車場で−6度だったので完全装備でスタートしたが、今日は無風で既に発汗している。ここで北東の高原山を見ながら、防寒着の男体山  (水場付近で撮影)上を脱いだ。今までのところ積雪は3・4センチで踏跡多い。
 石碑からは植林を抜けるとシラカンバ疎林の抉れた道歩きとなる。積雪はせいぜい10センチでミヤコザサは雪上に出ている。灌木帯では時には赤薙山、前女峰山と女峰山が姿を見せてくれる。稚児ケ墓では積雪は約10センチで踏跡も多く、無雪期よりも返って歩きやすい。
 稚児ケ墓を過ぎて植林を越すとカラマツ疎林となり、明るくなり気持ちよく歩けるようになる。後方には筑波山、鳴虫山や夕日岳等南東から南西にかけて広く見通せる。更に進みシラカンバ疎林になると左手には男体山と大真名子山も見えた。今までのところで具合悪いことがひとつある。快晴で無トレイル  (白樺金剛付近)風ときているので発汗も多い。そのせいかサングラスがすぐに曇ってしまい、拭う時間が増える。メガネは年に何回かサングラスをかけるだけなので、曇り対策を知らない。水場道標のところで登山者が1名休んでいた。女峰山へ行くのか問うと下山するとのことであった。足元にはピッケルとカンジキが置いてあった。
 水場からも踏跡が続き、坪足のほうが歩きやすいと思ったが、練習のためにスノーシューを履いた。登山靴への装着は簡単で手袋をしたままでもできるが、ザックから取り外すのが結構面倒。岩場のあるコースでは何回もザックに脱着すると思われるので何か対策が必要。踏跡を追うのでは練習の意味がないと、新しくトレイルをつける。積雪量は膝程度だが、スノーシューは踝までもぐる。粉雪のせいかフレームと登山靴の上に雪がのってしまい、これを引き上げるのが結構重いのだ。こんな状態が続くと脚に疲労がたまる。疲れたら踏跡に戻るを何回も繰り返す。シラカンバ疎林からカラマツ林に入ると、多少歩き方に慣れてきた。コースから外れて三角点1397.9に行ってみたが、雪に埋もれているのか見つけることはできなかった。再びコース沿いに戻り踏跡の上を歩いては外れるを繰り返す。途中からワカンのトレイルとなった。よく観察すると往復に跡がついているのが分かる。ワカンで坪足の踏跡は消えてしまったようだ。ワカンのトレイルはリボンや赤黄色のマークをうまく追っているが、ところどころで踏み抜いている。同じようなところでスノーシューの踏み抜きを比較してみると、当たり前のことだが後者のほうが浅い。○万円払った価値はあるわい、と納得。水呑 安永九年と彫りこんだ石標を見て更に20分で白樺金剛の標識を見る。あたりはカラマツ植林でシラカンバの大木(遠目にはダケカンバのように見えた)が一本あるだけ。昔は一帯はシラカンバ林であった名残りか。

5 白樺金剛 − 八風  真っ白な稜線にトレイルをつける喜びは大きい 八風からの展望を楽しんで帰る左はワカンの踏跡
 白樺金剛付近で歩行練習と考えていたが、スノーシューにも慣れ、雪が水場付近よりは締まって歩きやすくなったので12時をタイムリミットに更に黒岩方面に向かうことにした。この頃になると発汗量少なくなり、サングラスの曇りがなくなりイライラ気分が解消したのも前進要因。
 以後はスノーシューでの歩行に慣れることを主眼にワカントレイルを追う。トレイルはリボン等のマークに沿って歩いているので、踏み抜きは少ない。積雪量は八風直下ストックで測ると50センチ位。左手に男体山がちょくちょく姿を現す。前女峰山と女峰山が標高1600付近でチラリと見えた。その他は両サイドの白い稜線が見えるだけ。ひたすらトレイルを追って前進。標高1600から1700付近は急登だが快調に登る。慣れたせいか疲労感は少なくなり、12時に八風を目標に頑張る。標高1700付近で尾根の向きがかなり北向きになるところは吹き溜まりができていて2メートルを乗り越えるのに苦労した。雪が軟らかいのでスノーシューを突き刺しても崩れてしまうので往生した。
 尾根変換点を越すと気温が低いせいか雪が更に締まり歩きやすくなった。岩が一部雪上に現れているが歩行の障害になるようなことはなかった。標高1750付近でワカントレイルは消えてしまった。ワカンの主はこのあたりでテントを張ったような形跡が残っていた。どうやらここで諦めて下山したようだ。先刻、水場ですれ違った人かもしれない。【その後、足尾中倉山で日向で気温が高いとトレイルはすぐに消えてしまうことが分かった。これから類推して前日に女峰山から下ってきたトレイルは消えてしまったのかもしれない。】
これから先は自分が真っ白な稜線にトレイルをつけることになり、これがなんと気分のよいことか。ストックで測ると70センチくらいの積雪だが、うまくルートを選べば殆ど沈まない。要領を大部会得したようだ。岩場を登ると八風だが、岩の間に積もった雪は軟らかくしかも急勾配で登るのに苦労した。ストックは軽々と手元まで刺し込むことができるが、足元は崩れてなかなか登れない。どうにか岩の上に登り八風に辿り付けた。
 昼飯を食べながら眺望を楽しむ。今日は雲ひとつない快晴で筑波山、鳴虫山、夕日岳等が一目で判別できた。男体山はいうまでもなく日光から今市の市街地もよく見えた。

6 下山水場付近からの眺望
 ここまで来たら黒岩・七滝遥拝石へ、との欲が出る。通常なら1時間あれば往復は充分可能。この先は岩場が続き、スノーシューの脱着があるかもしれない。往復2時間の可能性もある。明るいうちに駐車地に戻れるとは思うが、今日はスノーシューで八風まで来れただけでよしとしよう。当初計画通り12時を前進のタイムリミットとして、下山することにした。
 八風直下の急勾配を下る際、雪が崩れもたつく。往路で苦労した尾根変換点もそうだが、軟らかい深雪のところは雪が崩れ要注意で更に訓練が必要。その他は極めて快調でルンルン気分になる。白樺金剛の下でカラマツ林から抜けると南側の素晴らしい展望が待っていた。往路では逆光だったが、復路は太陽に邪魔されることなく眺望を堪能しながら水場まで下った。ここでスノーシューを外していると、白樺金剛あたりまでというハイカーが通過。
 水場から殺生禁断石碑の間は道筋が抉れたところ多く、無雪期には泥濘やササヤブに悩まされることがあるが、積雪のおかげで気持ちよく下れた。稚児ケ墓のごく僅か手前から地形図の破線方向(南西)に踏跡が続いていたが、再合流点は確認できなかった。殺生禁断石碑通過時には高原山がまだガスに隠れずに見えた。ここまでは始めてのスノシューハイキングに気持ちよく下ってきたが、鬱蒼とした植林歩きに天国から浮世に戻ってゆくような感じ。行者堂から石階段と石畳をスリップに注意しながら駐車場に戻った。時間的に余裕があったので荷物を車に降ろして滝尾神社に参拝する。 
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