ひとり山歩き204 : 日光から稲荷川(雲竜渓谷下流)の右岸尾根で八風に、そして黒岩経由で竜巻山(224ピーク)まで登りました。復路は竜巻山から南西尾根で馬立付近に下り、大樺・寂光滝経由で日光に戻る周回コースを歩いてきました。右岸尾根の上部は表日光連山を間近に見れました。竜巻山山頂からは女峰山、男体山、奥白根山を始め日光の山々が楽しめました。
光か竜巻山(2224)周回
2005年6月1日(水) 晴れ
1 行程
ルートマップ (地形図 : 日光北部、日光南部 各1/25000)  
自宅(2:05) = 日光(ストーンパーク)(3:20/3:25) − 稲荷川右岸尾根取付き(4:40/4:45) − 1303ピーク(6:10) − 八風(8:40) − 黒岩(1319ピーク)(9:00/9:05) − 七滝遥拝石(9:10) − 箱石金剛(10:25) − 竜巻山(2224ピーク)(10:45/11:10) − 寂光滝・女峰山登山道出合(12:40) − 大樺(13:15) − 寂光滝(14:20) − ストンパーク(15:15/15:25) = 自宅(16:55)

2 自宅 − 日光
 先週は栃木側から荒海山に登るのに藪漕ぎで苦労した。今週は藪の少ない山を考えていたが、当掲示板でお馴染みの隣町のHさんによって紹介された日光の稲荷川右岸尾根を思い出した。この尾根を歩くことと、今まで気になってはいたが実行していなかった竜巻山(箱石金剛の北ピーク2224)の南西尾根を下って日光に戻る周回コースを考えた。
 日光と女峰山の標高差は1800mもあり、行者堂・七滝遥拝石の登山道を使ってもハードである。稲荷川右岸尾根を辿り八風・黒岩経由で竜巻山は最小限で女峰山はむりとしても、あわよくば前女峰まで考えて恒例の早朝出勤となった。周回を考えて車はストンーパークに駐めた。

3 日光ストンパーク − 八風  
途中からは表日光連山を見ながらの笹原歩き ツツジも楽しめた
 稲荷川右岸の雲竜渓谷に通じる道を進む。稲荷川左岸の外山を横に見ながら歩くころになると、表日光連山が一時見える。そのほか幾つかの小さな社を通過し、左に滝尾神社の道を見送ってさらに30分ほど進む。工事のプレハブ小屋がありその先で左の天狗沢沿いに林道を分ける。その分岐点が稲荷川右岸尾根取付きである。
 杉植林の尾根は低いミヤコザサの下生えで薄い獣道もあり特に歩き辛いということはない。標高1050位になると植林か右岸尾根の笹原(標高1700付近)ら自然林となり、盛りを過ぎたアカヤシオを見ながら獣道を進む。更に登ってゆくとカラマツ林となるが低いミヤコザサはほとんど連続している。すでに樹木は葉をつけてしまったので、枝越しではあるが男体山の頭や前女峰から赤薙山を時々目にする。シロヤシオのはしりを見ながら登ると急に緩やかになった。1303ピークに着いたのだが、平らでどこが最高点か判明しない。
 1303ピークを下り始めると前方が開けて、前女峰から赤薙山更に焼石金剛への稜線が姿を現す。1303ピークまでは葉がついた今の時期は展望はほとんどなく、何の変哲もない尾根であったが、ここからは様相が一変した。八風まで右手に表日光連山とその荒れ斜面を随時見ながらの登りとなる。更にミツバツツジとヤマツツジが色を添えてくれる。標高1350あたりで、登りに疲れ立ち止まって振り返れば例によって宙に浮かぶ筑波山が南東に見えた。尾根筋が広がるとカラマツ疎林となり膝高さのミヤコザサの草原と化す。快適な尾根ではあるが、低い笹でも長時間漕いでいると徐々に疲労がたまってくる。隣町のHさんのペースからドンドン遅れだす。標高1550付近でシロヤシオのトンネルを抜け出すとダケカンバが目に付きだす。標高1600でたまらず小休止してエネルギーを補給する。後方には今市から日光の市街、前日光の山々、更には登ってきた尾根の全容を捉えることができた。
 休憩してしばらく登るとダケカンバとリョウブの疎林となり前方には黒岩の峰が見え、右手には一里ケ曽根から赤薙山の稜線が素晴らしい。相変わらず膝高さのミヤコザサの草原が続き前方には行者堂・稚児ケ墓から黒岩に連なる尾根が見え出す。笹を漕いで前方の稜線に登りきると、そこは岩場に道標のある八風であった。登山道のある行者堂・黒岩コースに比べ1時間ばかり余分にかかってしまったようだ。女峰山まで登るには稲荷川右岸尾根ルートでは苦しい。七滝遥拝石まで行って、稚児ケ墓経由で行者堂に戻る周回コースなら変化があってよいかもしれない。

4八風 − 竜巻山  黒岩山頂で初めて七滝の一部を見る 竜巻山からは男体山から女峰山そして赤薙山まで展望可前女峰  (黒岩から)
 八風からは行者堂・黒岩・女峰山の登山道を辿るので、笹からは開放される。数分歩くと「落葉松」の標識があり、その傍らに古い石祠が鎮座していた。明和四年と読めたた。西暦1767年で栃木で見る石祠としては古い部類に属する。いつもは黒岩をトラバースしてしまうので今日は黒岩に登ってみた途中でまだ真っ白な富士山が見えた。栃木の山歩きで宙に浮かぶ筑波山と富士山の頭を見るのが大好きで、今女峰山(左)と前女峰 (竜巻山から)日はついている!! 山頂には「黒岩」の標識が立っていた。樹木のない山頂からは前女峰から赤薙山稜線を間近にする。今回初めて七滝の一部を確認できた。5分ほど下ると七滝遥拝石だが黒岩山頂に比べたら展望は狭い。
 遥拝石からは急登になるが、途中で前女峰とその左奥に女峰山の山頂部が姿を現してくれた。100メートルほど急登すると、尾根の左手をトラバースして進むようになる。15分ほどで再び尾根上に戻ると、そこからは馬立・女峰山コースと同じようなコメツガ林に突入し、根と岩が露出し足場の悪いところをしばし登らされる。緩やかになると箱石金剛の道標とふるい石祠を見る。通常は尾根の左手をトラバースして唐沢小屋に向かうが、今日は竜巻山(2224ピーク)に登るべく尾根上を辿る。小枝をかき分けて20分ほど登ると、赤テープのある竜巻の山頂に達した。山頂は低いコメツガが密に生えていて座ることもままならないが、その代わりに展望はよい。男体山、大真名子山、奥白根山、小真名子山、太郎山、帝釈山、女峰山、前女峰そして一里ケ曽根から赤薙山と展望が開ける(一部樹木で邪魔されるが)。印象的なのは目前に聳える女峰山と前女峰(2359ピーク)の南斜面の荒肌だ。前女峰までは登ろうと考えていたが、絶壁状の南斜面を見たら、自分のもっとも嫌うタイプの山で意欲もなえてしまった。体力的にも時間的にもまだ余裕はあるのだが、どうしても脚が進まない。

5 下山(竜巻山の南西尾根を下り大樺経由寂光滝へ)  南西尾根は下るにつれて小枝の藪はなくなり、樹木が薄くなり笹原の気持ちよい歩き
 寂光滝・女峰山ルートを通るたびに気になっていた竜巻山の南西尾根(即ち唐沢小屋方面から馬立に通じるガレ沢の男体山  (竜巻山南西尾根1850付近)左岸尾根)を当初計画どおりに下ることにした。コンパスで方向を設定して、コメツガの小枝を潜り抜けるように数分下ると、箱石金剛ー唐沢小屋のトラバース道に出合う。そのまま南西尾根を下り続ける。コメツガ林だが幼木に邪魔される。藪の少なそうなところを選んで下りその都度方向を修正した。尾根筋は太いので南により過ぎると別の尾根に乗ってしまうので注意が必要。
 標高2000あたりからは尾根筋も明瞭になり、針葉樹の幼木がなくなり歩きやすくなった。標高1900でコメツガにダケカンバが混ざり明るくなるとともに一面ミヤコザサになって気持ちよく歩けるようになった。更に下ってゆくと樹木が薄くなり男体山、大真名子山と小真名子山を間近に見るようになった。標高1800でカラマツ植林となって展望はなくなったが、笹原歩きは気持ちよい。このあたりからは南西に下り続けると馬立に行ってしまうので、できるだけ大樺側で登山道に出合うよう方向を南に変えて下っていった。標高1720で登山道に出合った。目標点から高さ20メートル、時間にして2分のところであった。
 ここからは何回か通っているし、カラマツ林の笹道は明瞭で安心して歩け、なんのトラブルもなく大樺経由で寂光滝に戻った。途中でシロヤシオの名所があるのだが開花はまだ先のようだった。
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