ひとり山歩き116 : 寂光滝から馬立経由で女峰山に登り、黒岩尾根経由で行者堂に下るルートを歩いて来ました。生憎ガスが多く展望は楽しめませんでしたが、モッコ平と黒岩尾根の紅葉が楽しめました。
女峰山 (寂光滝から黒岩尾根へ)
2003年10月16日(木) 晴れ/曇り
1 行程
自宅(2:40) = ストーンパーク(3:50/4:00) − 寂光滝(若子神社)(4:50/5:00) − 大樺(6:25/6:35) − 馬立(7:40/7:50) − 唐沢小屋(9:15/9:25) − 女峰山(10:05/10:25) − 唐沢小屋(10:50) − 箱石金剛(11:25) − 七滝遥拝石(黒岩)(12:05/12:15) − 八風(12:25/12:30) − 白樺金剛(12:55) − 水場分岐(13:15) − 稚児ケ墓(13:35) − 殺生禁断石(13:55/14:00) − 行者堂(14:20) − 西参道(14:40) − ストーンパーク(14:50/15:00) = 自宅(16:50)
2 自宅 − 寂光滝女峰山の山頂
 紅葉シーズンの奥日光は混雑するので、周辺の山は避けていた。そんな訳で日光連山の紅葉は未経験である。日光から入る手もある、と隣町のHさんから教えていただいたので実行することにした。紅葉を最大限楽しめるようモッコ平と黒岩尾根を周回することにした。寂光滝から入るか、行者堂から入るか迷ったが、黒岩尾根の下りは未経験なのでこれを優先させた。
 下山してから駐車場までの距離を短くするためにストーンパークに車を停めた。ここから寂光滝(若子神社)までは県道194号線を暗いなか歩く。途中から街灯が無くなっても、月明かりで照明なしで歩けた。寂光滝の駐車場でヘッドランプと雨具の下を着けて鳥居から若子神社に歩を進める。 
3 寂光滝(若子神社) − 女峰山  カラマツとシロヤシオの紅葉  紅葉は標高2000より下
 このコースは今年の7月15日に歩いていて、ひとり山歩き104で紹介しているので参照願う。モッコ平の紅葉 (標高1650付近)
 寂光滝のすぐ上にある若子神社の左手から登山道に入る。ヘッドランプで照らしながら慎重に登山道を辿る。5時半、標高1050位で消灯する。このあたりになると勾配は緩やかになり、薄暗い中にも樹木が色づいているのが分かる。標高1150位からはカラマツ植林の笹道がづっと続く。笹は時には胸までの深さになる。道筋は薄いがリボン標示等もあり、迷うことはない。カラマツと時折り混ざるダケカンバの紅葉が進んでいる。標高1250位では道の右30mの広葉樹のサビ色が続く。登山道の両サイドが色づいてくると、大樺に達する。ここで左から裏見ノ滝からの道を合わせる。
 大樺はカラマツ植林の笹原である。馬立方面への道の笹は丁寧に刈り込んである。振り返ってみると、裏見ノ滝への道筋も笹が刈り込まれている。7月15日以降に整備されたようである。お陰で馬立まで気持ちよく歩けた。大樺の分岐を過ぎると、右側の低い樹木大真名子山 (馬立手前、標高1700付近から)の紅葉が美しい。確認してはいないが、シロヤシオと思われる。標高1600位のところは両サイドともシロヤシオの紅葉が美しい。更にカラマツ植林の笹道を進み、前回道を間違えた所は慎重に小さな涸れ沢を渡り、三四メートルバックして西に向かう。すぐに道筋は北西になりカラマツとコメツガの笹斜面を緩やかに登ってゆく。このあたりは笹が深かったのだが、今日はきれいに刈り込んであるので斜面でも歩き易かった。途中で左手に男体山、大真名子山、小真名子山が見える。石地蔵を見て岩道を進むと荒沢川の右俣に突き当たる。この沢を越した所が馬立である。ここにはしっかりした道標がある。
 馬立からは針葉樹林の登りになるので、途中の紅葉は期待できない。周辺の山の紅葉を楽しみに山頂を目指す。標高2000を越すと周辺の紅葉は既に終わってしまっている。
 唐沢小屋で小休止して山頂に向かう。途中から見える女峰山直下のダケカンバは完全に落葉している。ガレ場を越えるあたりからガスが吹き上げてきて周辺の山々も見え隠れするようになる。女峰山山頂に着くと、北側以外は完全にガスに隠れてしまった。川俣湖手前は一面赤く染まって美しい。雲が影を山腹に落としているのでうまく撮影できないのが残念!! 今日は展望よりも紅葉を見にきたのだから、と下山にかかる。 
4 女峰山 − 行者堂  標高差1700mを一気に下る  八風の紅葉と白樺金剛の展望
 このコースは昨年の6月19日に登りで通ってひとり山歩き50で紹介しているので参照願う。
 唐沢小屋に下ると男女6人組が休憩していた。楽しそうに談笑しているので、小屋前を素通八風付近の紅葉 (標高1800)りして黒岩に向かう。唐沢小屋からしばらくの間、前女峰の山腹を巻いて進む。すぐにガレ場を越すと針葉樹林の中を高度を約2200mに保ちながら緩やかにアップダウンを繰り返す。道筋は薄いが標示が多いので、道を失うことない。樹林の中に道標と石祠が突然現れる。ここが箱石金剛で、その他はなにもない。このコースには白樺金剛、稚児ケ墓、殺生禁断石等仏教に関連する名称が多い。昔は修験道であったことが偲ばれる。
 箱石金剛から一転して下りとなる。一時白樺疎林の笹原が現れるが、殆どは針葉樹林帯の下りとなる。途中道端に「←女峰山・東照宮→」の木板を見かける。カラマツの紅葉を見ながら急降下していると、小さなザックを背負って登る単独行の若者に出逢う。平日にこのコースで人に逢うとは予想もしていなかった。前方に黒岩が見えて鞍部の七滝遥拝岩に到着した。前回は風が強くて崖際に寄れなかったせいもあり、七滝を拝めなかった。今日は期待していたのだが、生憎ガスが立ち込めていて全然見通しが利かない。滝か沢の音がかすかに聞こえるだけ。残念!! 
 黒岩山腹のガレ場を巻きながら進み、10分もすると、岩のゴロゴロする所に八風の道標を見つける。ガイドブックによると、ずっと下の標高1398mの小ピークが八風と記載されている。その辺を八風と思っていたので一白樺金剛からの展望瞬戸惑う。八風付近は多分展望もよいのであろうが、今日はガスが立ち込めていて先が見えない。
 八風からはカラマツの笹道の下りとなる。八風付近はカラマツ、ツツジの紅葉が美しい。途中で白樺も時折り混ざる。笹は時には膝上までとなるが、凹凸がないので歩行速度が上がる。30分で高度を一気に300以上下げると、カラマツ林の中に白樺金剛の道標を見る。白樺が全然見当たらないのに白樺金剛とは何故、と疑問を持ちながら更に下ると、突然カラマツ林から抜け出す。その先には白樺疎林の笹原が広がっている。白樺金剛とはこのあたり一帯をいうようである。
 前方の展望が開けて、日光・鹿沼の山々と日光の市街が一望できる。しばらくは景色を楽しみながらの笹原歩きが続く。途中で水場を左に見送って更に下ると、カラマツ林に突入する。笹は相変わらずである。桧林が一時現れるが、雑木になると石地蔵と石祠の祀られた稚児ケ墓に達する。
 稚児ケ墓からは雑木、白樺疎林、杉植林、カラマツ林と入れ替わるが、笹道だけはずっと続く。窪んだ道には笹がないときがあるが、そこは滑って歩きづらい。笹は深く、手入れはされていない。植林の中に高さ二メートルほどの石碑を見る。ここが殺生禁断石(標高950)だ。八風からここまで標高差900mを一時間半で下ったことになる。
 植林の中を進むと突然林道に飛び出す。二三十メートル先で林道から分かれて植林に再突入し、最後に桧植林を急降下すると行者堂に到着する。行者堂から西参道目指して杉木立の石段と石畳の道を更に下る。 
5 駐車場 − 自宅
 今日のコースは標高差1800m(駐車場から山頂まで)のロングランだったが、登り返しが無かったせいかそれ程疲労感は無い。モッコ平と八風付近の紅葉が堪能できて、今日の山歩きの目的は十二分に達した。日光の交通渋滞も無く、気持ちよく家に帰れた。
 女峰山へ裏見ノ滝から入ったことはまだ無い。次回(来年)は裏見ノ滝ー馬立ー富士見峠ー女峰山を歩いてみよう。
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