ひとり山歩き158 : 裏見滝から馬立経由で女峰山をピストンしてきました。裏見滝から大樺の間も寂光滝から大樺の間と同様にカラマツの笹原歩きとなりました。唐沢小屋直下まではよく晴れていたのですが、女峰山頂に着いた時には、ガスで全く展望は開けませんでした。気温が高いのには閉口しました。
裏見滝から女峰山(2483m)
2004年7月8日(木) 晴れ後曇り
1 行程
自宅(3:00) = 裏見滝駐車場(4:40/4:55) − 大樺(6:35) − 馬立(7:55/8:10) − 水場(9:25/9:30) − 唐沢小屋(9:50) − 女峰山(10:30/11:00) − 唐沢小屋(11:25) − 水場(11:40/11:50) −馬立(12:40/12:50) − 大樺(13:30/13:35) − 裏見滝駐車場(滝見物含む)(14:45/15:20) = 自宅(17:00)
2 自宅 − 裏見滝裏見滝 
 2001年5月29日に男体山に初めて登ったのが、私の山歩きのスタートである。そういうこともあって、日光の山々には強い愛着を持っている。元気に山歩きを楽しませてくれるお礼の意味をこめて、毎年6月から7月にかけて日光の山(男体山、奥白根山、女峰山等)を訪れることにしている。
 女峰山を選んだのは、ルートの多さである。女峰山にはいろいろのルートから5回登っているが、まだ、裏見滝からスタートしたことはないので、次は裏見滝からと決めていた。
 奥日光からの帰りに清滝を通過する際、裏見滝入口を常に確認していた。反対側からアプローチしても裏見滝入口はすぐに分かるだろうと、気軽に考えていた。まだ暗いのと反対側からでは様子が異なり、通過してしまった。3km程行過ぎて戻ってきたらすぐに分かった。国道120号の入口から2kmで裏見滝駐車場に到着した。(車20台位駐められる。トイレもある。) 
3 裏見滝駐車場 − 大樺  カラマツ林の笹原歩き 踏跡は薄いがマーク多い
 駐車場の北側に女峰山への道標がある。ここが登山口で、杉植林の窪んだ道へと進む。10分も歩くと窪みはなくなり、踏跡にはみ出しカラマツ林と笹原(標高1200付近)た笹で膝下が濡れる。大樺までは寂光滝からと同様に笹原歩きが予想されるので、下半身には雨具とスパッツを着用した。駐車場を出て15分で舗装した林道に出合う。林道の向側に女峰山の道標があるので、ここから笹の中の踏跡に入ってゆく。
 雨具着用は正解で、すぐに下半身は露で濡れた。杉植林からカラマツ林になると、ほんの一部を除いては馬立までカラマツ林の笹道が続く。笹は場所によって膝下から腰くらいの高さである。刈り込みは暫くなされていないようで、場所によっては踏跡が不明となる。笹がほんの僅か窪んでいるところを追うと踏跡を辿れる。マークも多いので注意深く歩けば迷うことはない。何度も林道を横切るが、林道は無視して突っ切って対面の踏跡に入ることが肝要である。下手に林道を歩くと、踏跡を探すのに労力を要する。
 最初はほぼ北進する。標高1000付近で右手に金網フェンスが現れると、西に向きを変えて、1178ピークの左手を西から北に巻いて通過する。方向を北西に転じると、右側に「初音雨量観測所」を見る。この先で何度か林道が横切るが、やはり無視して笹道を進む。林道を横切る時に一度だけ左手に男体山が展望できた。
 やがて左下に沢(涸れていた)を感じて北向にやや急登すると、大樺で右から寂光滝からの道を合わせる。大樺という名称からシラカンバかダケカンバでもあるのかと思うが、カラマツの笹原である。寂光滝からのルートは尾根歩きだが、裏見滝からのルートは尾根の左手を巻き気味に進む。両ルートともカラマツ林の笹原続きで歩きやすさには大差ない、と考える。 
4 大樺 − 女峰山  あまりの暑さにいったんは退却を覚悟  今回も山頂はガスの中
 ひとり山歩き104(昨年の7月16日)とひとり山歩き116(昨年の10月16日)でこの間については報告しているので参照願う。
 今日は暑い!! 早朝に家を出る頃から30度近い気温であった。下半身の雨具着用と相まって、大真名子山と地蔵全身びしょ濡れとなってしまった。当初計画では、馬立から富士見峠に出て、帝釈山経由で女峰山に登るつもりだった。今日の気温では計画ルートは無理と考えるようになった。それどころか一時は馬立あたりで退却しようか、と本気で考えたくらいである。
 モッコ平の標高1700m付近で、涸沢状の窪みを渡り、いったん方向を西に取り、すぐに尾根を北西に巻いて進むようになる。この辺りでは男体山と大真名子山が枝越しにチラチラする。地蔵のところで男体山と大真名子山を撮影した。空には雲ひとつないのに、男体山には山腹からガスが立ち込め始めた。この辺りまでは空模様がよくても女峰山に着く頃には展望がないかも知れない、と過去二回の山行から推測する。馬立で朝食を摂って引き返そう、そんなことばかり考えながら歩く。
 巻き道をいったん下って、岩のゴツゴツしたところを通過すると馬立に到着した。右俣の涸沢を渡ると、涼しい風が女峰山の方から吹き降ろしてくる。雨具の男体山(地蔵付近から)下が汗でグショグショになってしまったので、脱いで朝食を摂る。朝食を摂っている間に、1名が通過していった。富士見峠経由は無理としても、唐沢小屋経由なら何とかなりそう、と気を取り直して唐沢小屋に向かう。
 登山道に沿ってモノレールが仮設されている。途中から右下の涸沢の方に下っている。何か工事でもやっているのだろう、と思いながら進む。標高1900付近で右下を覗くと、砂防ダムを設置していることが判明した。
 この登山道は展望のないコメツガ林の急登が続き、いつも苦しい歩きを強いられる。それでも時々男体山、大真名子山が疲れを癒してくれる。ところが振り返ってみると、男体山は完全にガスの中に隠れてしまった。女峰山山頂までもてばよいがナ、と先を急ぐが脚が出ない。標高2100mを過ぎて、勾配が緩やかになると、右下に沢が見え出す。この沢沿いに少し進んで、沢を右岸から左岸に渡り、1分も登ると水場である。過去はいつもこの水場を横目に通過していたが、今日はたまらず立ち寄って思い切り水を飲み、ペットボットルの水も入れ替える。
 水場からひと登りで唐沢小屋に着くと、馬立からの先行者は休憩を取っていた。高崎から来て、昨日は新薙コースで太郎山に登ったとこのことであった。ここからは先行する。
 小屋の左手の石仏と石祠の横を通ってガレ場に向かう。ガレ場ではガスが立ち込め、遠望どころか山頂も見えなくなってしまった。一昨年の6月19日に黒岩尾根経由から登ってきた時にはここから富士山が見えたこともあるのに、その後は今回のように空振りばかり。明治大学生の追悼碑横を通過した時に、下山者1名とすれ違う。矮小なシラビソとハイマツの間を登ると、見慣れた神社のある女峰山の頂上に到着した。ガスで遠望は効かない。北東に隣接する三角点のあるピークが辛うじて見えるだけ。そのうち高崎の人が着き、霧降からの三人組が登ってきた。全員がガスに失望.。6月と7月に過去四度女峰山には登っているが、一度しか展望が開けたことがない、と慰める。そんな嘆きを知ったことか、とタカネニガナの黄色の花が岩の間から顔を出していた。 
5 下山  笹原の道は踏み跡は薄いが歩き易い  日光三瀑の一つ裏見滝を見物 
 すぐにはガスは切れそうもないので、下山にかかる。往路をそのまま辿ることにする。唐沢小屋下の水場までに、10人位の登山者とすれ違う。濃くなるガスに皆心配そう。水場でまたもやボトルの水を総入れ替え。
 雨が降るとは思えないが、万一を考えて先を急ぐ。ガスが出ていても大樺まで下ると、晴れ間が出るのだが、今日ははまだガスっている。途中から蚋が煩く付きまとう。ハンカチを振り、首を振りながら蚋に終われるように先を急ぐ。疲れた脚も刺されまいと不思議に前に出る。カラマツ林の笹原は多少枯木があるが、概して平で歩き易い。大体予想通りの時間で裏見滝駐車場に到着した。滝を見物する人の車が三台駐まっていた。
 ここまで来て日光三瀑の一つを見ずに帰る手はない。ザックを車に入れて滝を目指す。少しばかり丸太階段を登り。滝に近づくにつれて、冷やりとしてきた。薄暗い所を進むと数分で滝壷に着いた。裏から見えるから裏見滝というが、現在は裏側は見せてもらえない。高さ19m、幅2mと小振りだが水量は多くなかなかの滝である。
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