ひとり山歩き154 : 松木渓谷から国境平に登って県境尾根を三俣山まで歩き、シゲト山・黒檜岳・大平山経由で下山しました。松木川の渡渉はトレッキングシューズを使い、渡渉・ゴーロ歩きとも快調でした。県境尾根は白砂地、密笹薮あるいは樹林帯と変化ある歩きを楽し(苦しみ?)めました。
松木渓谷から三俣山〜大平山周回
2004年6月18日(金) 曇り
1 行程
自宅(0:40) = 銅親水公園(2:20/2:30) − 大ナギ沢出合(3:10) − ウメコバ沢出合(4:00) − ニゴリ沢出合(5:45) − モミジ尾根取付き(6:15/6:35) − 国境平(7:40/7:50) − カモシカ平(8:25) − カマ北コル(10:00) 三俣山(11:10/11:30) − シゲト山(13:15/13:25) − 黒檜岳(14:45/14:55) − 大平山(15:35) − 安蘇沢林道(1356地点)(16:45) − 銅親水公園(18:25/18:35) = 自宅(20:30)
2 自宅 − 銅親水公園
 白錫ー袈裟丸山までの県境尾根歩きの第四回として、国境平から三俣山まで歩くことにした。松木渓谷から入り、三俣山からシゲト山・黒檜岳・大平山経由で銅親水公園に下る周回コースを計画した。
 明るいうちに銅親水公園に戻ることを最優先とした。歩行速度等から逆算して、1時前に自宅を出発することにした。例によって鹿沼・日光経由で足尾の銅親水公園を目指す。通常でも3時半ごろには起床しているので、早出は全然苦痛でない。
3 銅親水公園 − 国境平  安物の布製トレッキングシューズが思わぬ効果発揮松木川左岸の滝(ニゴリ沢手前)
 このコースは今月の3日に皇海山に登るのに通っているので、コース案内は省略する。前回は銅親水公園を3時半に出発したので、懐中電灯なしで歩けた。今回は1時間早めての出発につき、懐中電灯を片手に歩く。通ったことがある道なので、支障はない。大ナギ沢出合から先は道が荒れるが問題なく歩けた。3時半に消灯する。ウメコバ沢出合から渡渉を開始する頃には充分明るくなっていた。
 前回は渡渉とゴーロ歩きに地下足袋を用いた。渡渉には全然問題なかったが、ゴーロ歩きでは地下足袋の底が薄いので、足底に負担がかかった。今回は、ローカットのトレッキングシューズを用いたところ渡渉、ゴーロ歩きとも問題なかった。布製で防水効果がないことが思わぬ効果を発揮する。靴内に溜まった水がゴーロを歩いているうちに押し出されてしまい、不快さを感じないで済んだ。足底を庇う必要がないので時間短縮にもつながった。
 モミジ尾根取付きでザックで背負ってきた軽登山靴に履き替える。濡れたシューズをザックに入れるも背負う重量は変わらず。前回は皇海山へ行くので、どうしても左手が気になり、モミジ尾根から県境尾根には直登したために、国境平の30m程高いところに着いてしまった。今回は県境尾根直下で右へ巻くように登ると、ロープが張ってあり、これに沿って進むと国境平らにダイレクトに辿り付いた。ダケカンバの笹原には標示類が多い。水場の標示だけでも三つ四つ見かけた。標示の多いのはこの県境尾根の特徴。
4 国境平 − 三俣山    砂地のコル、切れ落ちた岩壁、笹道と変化あるコース  
 登りついた所は笹とダケカンバでとても雰囲気が良い。先がながいので、落ち着いて休んではいられない。すぐ先に低いカラマツの点在皇海山と国境平(日向山登りから)する砂地が現れる。一般的にはここを国境平というらしい。思っていたよりか砂地の部分が狭い。カラマツがどんどん増えているようだ。将来はカラマツ林になってしまいそう。日向山目指して約100mの登り。ゴーロ歩きがボディブローのように効いてきたのか足取りが重い。振り返っては皇海山と鋸山方面を眺める。日向山からは前方に釜五峰の上に三俣山が頭を覗かせている。カラマツとダケカンバの中を下りきると、カモシカ平となる。ここも白砂地だが低いカラマツが多い。
 釜五峰のひとつである1736ピーク目指して、右下は崖で左手はダケカンバの笹道を登る。崖下を覗くと、十数頭の鹿が谷カモシカ平底に集まって休んでいた。草木など何もないのに何をしているやら。家族会議それとも部族会議?くだらないことを想像しながら登りついたのが1736ピーク。向きを北西から北東に変えて進むと大ノゾキの縣崖の縁を通る。1736ピークと1828ピーク斜面の切れ落ちもすごい!! 1828ピークの左手を巻いて稜線を進むと樹木が切れて瞬時三俣山が姿を現す。その先のピークを越すと、胸高の笹原斜面の急降下となる。100m程下ったところがカマ北コルで一面笹原で、右手に中倉山から沢入山、前方間近に三俣山が見える気持ちのよいところ。1736Pの岩壁と皇海山・鋸山
 次の1847ピークの登りがキツイ。急斜面を樹木に捉まりながら登ったと思ったら、今度は腰高の笹斜面のヤブこぎが待っていた。このピークを登りきり、やっとなだらかになったと思ったら、またまた笹斜面の急登が待っていた。今日のコースでもっとハードであった。三俣山の頂上はダケカンバとシラビソの笹原で、西側のみがやや開けている。錫ケ岳から笠ケ岳へと連なる大尾根が目に入る。宿堂坊山は樹木の間に辛うじて見ることができた。ここも昨年来た時と全く変わらない。群馬大WV(1972.7)と字の消えた山名板の他には、ステンレス製の指導標があるだけ。
 国境平から三俣山の間も例によってこの尾根特有のブリキマークがかなりの頻度で取り付けてあった。笹原では踏跡の不明瞭な所あるも、ルーファンの難しいコースではない。この尾根の難しさは技術的なものでなく、山奥を歩く不安感であろうか。白錫尾根から袈裟丸山の県境尾根で残るは、三俣山と宿堂坊山の区間だけとなった。あと一回で全線開通となる。 
5 下山(三俣山ーシゲト山ー黒檜岳ー大平山)  全域にわたってリボンを見かける  入山者は結構多いようだ
 三俣山ー黒檜岳は昨年の6月4日、黒檜岳ー大平山は昨年の9月3日、大平山ー銅親水公園は今年の5月12日に歩いているので、道案内的なことはこれらの報告を参照願う。 
 三俣山から黒檜岳の間は昨年に比べリボンの数が減ったように見えた。昨年は赤大平山下山尾根のガス、青、白と混在していた。今回は三種類のリボンを見かけたが、バッティングしていることはない。どなたかが整理してくださったようである。
 社山への道から分かれて大平山へのルートにリボンが増えていた。大平山に登る人も結構多いようだ。大平山へ向かって二つ目のピークを越す頃から、東の谷からガスが吹き上げ始めた。大平山に着いた時には、これから下る尾根がガスで見えなくなってしまった。天気が崩れる心配ないが、ちょっと嫌らしい。計画では水準1805から南南東の尾根を下り大ナギ沢出合に下る予定だったが、勾配が急なので万一を考えて南東へ伸びる緩やかな尾根を下ることにした。水準1356からは安全を考えて、安蘇沢林道を下るよう計画変更した。幸い途中でガスも切れて一安心。
 水準1356で安蘇沢林道に出合うと、若いカップルがカメラを構えていた。更に下ってゆくと、若い二人組みがビデオとカメラで前方の斜面を撮影していた。熊を追っているとのことであった。この林道は事前に「高原山探訪」のYoshiさんに暗くなっても通行可であることを確認していた事と、途中に自動車が2台駐まっていたので、安心して下る。銅親水公園に明るいうちに無事到着。
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