ひとり山歩き110 : 千手ケ浜から黒檜岳と大平山に登ってきました。テント泊の訓練ということで、普段より2倍以上の荷物を担いで出かけました。天候の急変と荷物の重さに悲鳴をあげて、日帰りとなってしまいました。
千手ケ浜から黒檜岳と大平山
2003年9月3日(水) 晴れ一時雷雨
1 行程
自宅(4:30) = 新栃木(5:00/5:14) = 東武日光(6:07/6:13) = 竜頭滝BS(7:10) − 千手ケ浜(8:15) − 黒檜岳登山口(8:30/8:35) − 黒檜岳(社山分岐)(11:35/11:45) − 大平山分岐(12:10) − 大平山(12:45/13:05) − 大平山分岐(13:40) − 黒檜岳(社山分岐)(13:55/14:10) − 黒檜岳登山口(15:35) − 千手ケ浜(15:50) − 竜頭滝BS(17:10/17:21) = 東武日光(18:16/18:51) = 新栃木(19:28/19:40) = 自宅(20:05)
2 自宅 − 竜頭滝BS  重い荷物を担いで公共交通機関利用
 いつの日にか白根山から皇海山まで縦走してみたいという夢を持っている。夢というものは眠っていれば実現するものではない。やってみることが夢実現につながる。その第一歩として、一泊可能な食料、水、設備を担いで歩く訓練を、と考えた。天気が安定しないので、いつでもエスケープできる黒檜岳周辺を考えた。目的地は、黒檜岳から社山あるいは黒檜岳から三俣山方面で、黒檜岳までの疲労度と歩行速度で決めることにした。
 縦走のときはマイカーは使えないので、公共交通機関を利用する。自宅から東武線の新栃木駅まで家内に送ってもらう。新栃木駅から竜頭滝BSまでは、東武電車と東武バスを利用。いつもはマイカーで通過するので、沿線の山々はチラットしか見えないが、電車やバスの窓からあそこにあんな山があったのかと新発見(?)するのもたまには良いものだ。 
3 竜頭滝BS − 登山口  スタート直後で元気 過去の通過時間とほぼ同じ千手ケ浜から男体山を望む 
 6〜7月に三回ほど菖蒲ケ浜から千手ケ浜まで夜明け前に歩いたが、今日は明るい時間帯の歩き。背負う荷の重さは約17kg、通常の日帰り山行より10kgは重い。荷物は重いが、歩き始めで元気もあり、千手ケ浜までの所要時間は通常と全く変わらなかった。無人の千手ケ浜の桟橋に遊覧船が繋留してあった。珍しいので男体山をバックに写真を撮って、先を急ぐ。6月にはキャンプ場付近にクリンソウが咲いていたが、今日はマルバダケブキの黄色が目に付く。一年を通して定点観測ができたら季節の移り変わりが楽しめるだろう、と想像しているうちに千手堂跡を過ぎて黒檜岳登山口に到着した。所要時間は、6月4日に三俣山までピストンした時とほぼ同じ。今まではあまりアップダウンのない所、問題はこれからの登りである。 
4 登山口 − 黒檜岳  荷の重さが負担 歩行速度は遅い 訓練が必要
 黒檜岳までは、一昨年の9月29日今年の6月4日の2回報告しているので、参照して頂きたい。要所に道標が設置されているので道に迷うことはない。登山口の道標、尾根に取り掛かる道標、更立派な道標のある黒檜岳(社山分岐)に南尾根に取り付きに矢印と肝心な所に設置されている。その他に立木に打ち付けられた黄/赤のマークと非常に丁寧である。登り始めて20数分(標高で約100m)のところで沢を渡るが、ちょっと荒れているので注意が必要。その他では特に危険な個所はない。
 肝心の歩行速度だが、どうも普段のような速度が出ない。荷が肩にグット食い込み重さを意識するようになる。前2回のラップと比較するとドンドン遅れてゆく。途中(標高約1550m)で堪らず小休憩をとる。標高1850付近の苔むした倒木と岩のあたりを通過すると、なんだか幽玄の世界に踏み込んだ感じがする。やがて勾配が緩やかになり、やっとペースが掴めたかと思ったら道標とたくさんの山名プレートの設置された黒檜岳頂上(正確には社山分岐)に到着した。6月に通過したときには見過ごしたのかも知れないが、立派な道標が設置してあった。西にある本来の山頂方面へは樹木にX印が記入してあった。どうやらここを山頂としているようである。
 問題の歩行速度だが、前回は2時間で登ったのに、今回は3時間かかってしまった。荷が重いと思うにつれて歩行速度が鈍ってしまった。重荷を担いだ訓練が必要なことを痛感する。空模様もいつのまにか雲が広がり怪しい雰囲気だし、歩行速度が遅いので今日は三俣山方面は避けるべきと判断し、大平山に寄って社山方面に向かうことにした。 
5 黒檜岳 − 大平山(たい大平山頂上(雨でカメラを濡らしピンボケとなってしまった)へいざん)  笹原の平坦地を南西へ  踏跡は薄く目印はない
 大平山は黒檜岳の南西に位置する。地形図を見ると途中の標高差はせいぜい50〜60mである。このような平坦地のほうが特徴がつかめず歩き難いだろうと推測して、社山方面の矢印に従って南に緩やかにくだる。踏跡は薄いが黄/赤標識やリボンが多いので迷うことはない。約20分で樹林が切れて笹原に達する。このあたりから社山への踏跡は東に向かう。
 大平山への取り付きの標示は見当たらない。社山への方向変換点を大平山分岐として、ここから南西に方向を定め低いピークに取り付いた。小ピークに取り付くと樹林に入り、下るとまた笹原に出るを二度繰り返す。笹原は獣道を進むのだが、笹の中に倒木があるので注意が必要。途中に標示や目印は全くないので、どこが山頂か分からない。右手に足尾の荒れ山を見ながら三つ目のピークを登ると山名プレートが目に付いた。ここが大平山頂上のようだ。三角点は、と思うまもなく突然に雨が降りだし、カミナリ音も聞こえてくる。急いで写真を撮ろうしたが、カメラを濡らしてしまいピンボケ写真となってしまった。雨支度をしていると、小降りになったので急いで下山にかかる。三角点を確認できず、景色も楽しめなかった。といっても山頂からは南西側の枝越しに斜面の荒れた山(中倉山?)と遠方に袈裟丸山らしい山並みが見える。
6 下山  山中泊はもっと天気の安定した時に
 突然の土砂降りに、今日のテント泊は中止して下山することに決めた。雨も嫌だが、カミナリが恐ろしい。山中泊はもっと天気の安定した時を選ぶべきことを学ぶ。
 雨具を着用して笹原を下っていると、再び土砂降りとなる。幸いカミナりはすぐに止んでくれた。大平山分岐に戻っても雨は降り続いていたが、黒檜岳目指して樹林の中に入って一安心。黒檜岳(社山分岐)に着く頃には雨は上がり、先ほどの土砂降りがうそのように薄日が差し出した。
 雨具を脱いで下山にかかる。先刻の雨で木の根と岩が濡れていて、足がすべり何度か股裂きとなりそう。急ぐこともないので慎重に下る。途中で枝の隙間から千手ケ浜から遊覧船が離桟するのを偶然見かける。
 無事に登山口に下り、竜頭滝BS17:21発のバスに乗るべく道中を急ぐ。乗りそこなうと一時間待ち時間が増えるので必死に歩く。無人の千手ケ浜には今朝桟橋に繋留されていた遊覧船が陸揚げされていた。シーズンはもうおしまいなのか、と思いながら先を急ぐ。
 余裕を持って竜頭滝BSに到着。濡れていて気持ちが悪いが、着替えしているひまはない。東武日光で多少の時間があったので、アンパンをぱくつく。東武電車で新栃木駅に着く直前から稲妻の混じった豪雨となる。新栃木駅で出迎えの車に乗る間にまたまたびしょ濡れ。今日は無理してテント泊しないでよかった!! 
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