ひとり山歩き150 : 足尾の銅親水公園から大平山へ登ってきました。松木川の大ナギ沢出合から尾根伝いに大平山に登り、同ウメ沢出合付近に下りました。往路の尾根は急勾配ですが、足尾の山々を全貌できました。特に間近に見るジャンダルムは迫力満点でした。
足尾から大平山(1959m)
2004年5月12日(水) 晴れ/曇り
1 行程
自宅(2:30) = 銅親水公園(4:15/4:25) − 大ナギ沢出合(5:05/5:20) − 990ピーク(5:45/5:50) − 標高1650(7:55/8:10) − 水準1805(8:45) − 大平山(9:15/9:35) − 水準1805(9:55) − 水準1356(林道出合)(10:45/10:55) − 標高1250(11:20) − ウメ沢出合(12:00) − 銅親水公園(12:40/12:50) = 自宅(14:40)
2 自宅 − 銅親水公園
 先週に足尾の銅親水公園から社山に登った時に、大平山まで脚を伸ばすつもりであった。思わぬトラブルで大平山へは行けなかった。大平山から足尾への下山ルート調査を主目的に、今回は先週とは逆周りに歩いてみようと考えた。
 先週は袈裟丸山の登下山ルート調査のため小山・足利経由で遠回りして銅親水公園に行ったが、今回は今市・日光経由にした。距離的には20%(30km)の短縮となった。銅親水公園に着いた時にはまだ薄暗かったが、登山カ−ドを記入しているうちに明るくなる。
3 大ナギ沢出合 − 太平山  展望は素晴らしい  ジャンダルムの迫力に圧中倉山・沢入山・オロ山稜線とジャンダルム (標高1450付近から)倒される
 林道へのゲートを潜り、すぐ先で橋を渡って松木川の左岸を進む。左前方にジャンダルムを、右に尾根の荒れ肌を見ながら北西に進む。、途中でヘリポート跡や旧松木村を通過し、40分程で大ナギ沢出合のゲートに突き当たる。どこから尾根に取り付いてよいか分からないので、ゲートの右上の小高い所で様子を探る。
 大ナギ沢に下りて、南南東から斜面を攀じ登るとすぐに鹿防止ネットに出合う。ネットの右側についた獣道を急登する。最初は獣道に草がなかったが、高度が上がるとカヤ付きとなる。草の助けを借りながら四つんばいの形で登りきると990ピークに達した。ピーク上からは登ろうとしている尾根筋と水準1805付近で隣りの尾根が合わさる所まで見通せる。勾配は急で樹木は少ないようだ。後方のジャンダルムを眺めて尾根を登り始める。
 990ピークの皇海山 (標高1650付近から)先は、樹木はミズナラあるいはダケカンバの疎林が断続する。下草は長いカヤが生えているかと思えば、短い芝生状に変化する。標高1350位からは、鹿に食われて短くなったミヤコザサに変わる。樹木が少ないので、見通しは非常に良い。足尾の山々は赤倉山、備前楯山、中倉山、沢入山、オロ山が常時見れる。登るにつれて変化するジャンダルムに圧倒される。ジャンダルムの全貌を見ようとしたら、この尾根に勝る所はないように思える。標高1150位からは皇海山が頭を出し、高度が上がるにつれて露出度を高め国境平まで見れるようになる。急登に疲れたので標高1650で休憩を取る。ここからは周辺の山々が一望できる。袈裟丸山、鋸山、皇海山から国境平、中倉山・沢入山・オロ山と続く稜線。ジャンダルムは見下ろすようになる。日光の山笹原  (標高1750付近)では半月山と社山が間近に見える。今日のルートでこのあたりからの展望が最高であった。更に観察を続けると、標高1805付近から派生する隣り(東側)の尾根はなだらかで歩きやすそうに見える。この尾根下方の山腹に林道終点も見えた。
 この先は笹が深くなり、膝ないしは腰の高さになる。ダケカンバの疎林で明るいので笹ヤブをこいでも苦にならない。右から尾根を合わせ、方向を北から北西に変えて笹原を進むと、すぐ先で小高い水準1805に達する。
 この先からは樹木の少ない国境平の様子まで伺えるようになる。腰までの笹原が続き、ダケカンバに変わりコメツガが取って代わると大平山の西の肩となる。ここからは方向は北東に変わる。獣道を追って斜面を歩くよりは稜線の上を歩く方が歩き易い。大平山の頂上はコメツガ林で展望は開けず中倉山と備前楯山しか見えない。三角点付近の樹木に4枚の山名板(SHC、AKI、夜話会、不明)を見る。
 天候は回復するかと思ったが、雲が厚くなってきた。これでは社山までの稜線歩きも面白くない。01年9月に天気の良い日に黒檜岳から社山まで既に歩いているので、このコンディションでは社山に行こうという気にならない。それよりは今日の主目的の大平山から下山ルート調査を優先させることにし、往路尾根の東側尾根を下ることに決める。  
4 大平山 − ウメ沢出合  勾配は緩やかだが展望はよくない  松木川への下りで鹿防止ネットに注意
 水準1805までは往路をそのまま辿る。水準1805付近からは、そのまま南東に進む。笹は膝ないしは腰の高さで獣道も薄いが、ダケカンバが点在するだけで方向を誤ることはない。半月山と社山、銅親水公園方面と多少の展望が得られる程度。勾配は緩やかで笹原だが歩き易い。標高1700付近からはカラマツ林となり、展望社山(左) と半月山(中央)  (復路の尾根、標高1700から)はなくなる。標高1500付近で南東から南に向きを変えて下ると、ダケカンバが混ざるようになる。標高1450付近からは雑木に変わり、笹は消える。左下から工事の重機音が聞こえだし、しばらく歩くと林道に出合った。ここが水準1356で、林道はこのすぐ先で終点となっている。林道にいたヘルメット姿の人に問うと、この林道は安蘇沢本線(地形図には記入なし)で、安蘇沢に沿って北に伸びる林道は安蘇沢支線(後から敷設された)と教えてくれた。水準1151付近で東に向かう林道がここまで伸びているようである。
 水準1356から南に派生する枝尾根をくだることも考えたが、大ナギ沢に下りるのが面白くない。ここは南東に進み、適当な枝尾根から松木川に下ることにした。この尾根には踏跡が認められる。この尾根は先に行くほど荒れているのを、往路で大ナギ沢に向かう途中で見えていたので、標高1250から枝尾根を下り大ナギ沢出合付近に下ろうと考えた。
 樹木の疎らなカヤの尾根を下ると、途中で鹿防止ネットに出合ってしまった。抜け穴を探しながらネット沿いに下る。ネットの穴を三回潜ってやっとウメ沢出合に下れた。尾根の様子を探りながら松木川目指していたら、祠を見つける。文化9年(1812年)と彫りこんであった。どうやら1178ピークから南西に発生する枝尾根には鹿防止ネットはないようだ。少し急だがこの枝尾根を下るのがよさそうだ。
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