ひとり山歩き99 : 千手堂跡から黒檜岳に登り、シゲト山経由で三俣山までピストンしました。黒檜岳のシャクナゲは未だのようでした。黒檜岳から三俣山までの尾根の踏跡は薄いが、テープ標示が頻繁にあり迷うことないでしょう。所々で展望も楽しめます。
黒檜岳〜シゲト山〜三俣山
2003年6月4日(水) 薄曇り
1 行程
自宅(2:35) − 菖蒲ケ浜無料P(3:55/4:00) − 竜頭滝BS(4:05) − 千手ケ浜(5:05) − 登山口(5:20/5:25) − 黒檜岳(7:25/7:35) − 1919P(8:10) − シゲト山(8:45/8:50) − 1928P(9:30/9:35) − 三俣山(10:50/11:10) − 1928P(12:00/12:05) − シゲト山(12:30/12:35) − 1919P(13:00) − 黒檜岳(13:35) − 登山口(14:45) − 千手ケ浜(15:00/15:10) − 竜頭滝BS(16:20) − 菖蒲ケ浜P(16:25/16:35) − 自宅(18:30)
2 自宅 − 登山口
 今週は流石山に行くつもりで、情報収集にあたると花の時期には早すぎることに気付いた。前々から気になっていた黒檜岳〜三俣山の尾根歩きをすることにした。今日の所要時間は長くなること確実なので、通常よりも早く家を出る。先週の男体山に引き続き、今日も通いなれた(?)道。竜頭滝BSすぐ手前の菖蒲ケ浜無料駐車場に車を置いて、すぐに出発する。
 竜頭滝BSから中禅寺湖方面に少し下り、中禅寺湖周回路に入る。千手ケ浜まで3.8km、湖畔の道は多少のアップダウンはあるが障害物が少ないので歩きやすい。処々に設置された説明板をチラットと流し読みしながら進む。やっと夜が明けたばかリの静寂な湖畔の道は散歩なら申し分ないのであろうが、これからの山登りを考えると単なるアプローチに過ぎない。丁度一時間で無人の千手ケ浜を通過し、今までとは異なり、平らな道を湖畔に沿って進む。今は、小さな石祠しかない千手堂跡を過ぎるとほんの僅かで黒檜岳登山口に到着する。’01年9月29日に黒檜岳に登った時は、地面に杭が打ってあるだけであったが、今回は杭の他に小さな標示板が設置されていた。 
3 黒檜岳登山  登山道沿いはシャクナゲ群落 見頃はこれから黒檜岳雨量観測局から皇海山方面
 赤テープに導かれて山道に取り付くが、最初は落ち葉が多く道筋は薄い。ジグザグに登りだすと道筋はハッキリしてくる。登り始めて十二三分で沢を渡って急登する。再びジグザグ登りになると道筋に沿ってシャクナゲが群生している。このシャクナゲはかなり上(標高1700mでは確認)まで群生している。花は枯れた分も見かけたが、ポツポツとしか咲いていないので未だ時期的には早いのであろうか。シロヤシオは僅か咲いていたが、花びらが落ちている方が多く時期は過ぎたように見えた。
 標高1800m位になると、ジグザグ登りから南西に真直ぐに登るようになる。このあたりからは勾配はやや緩やかになるが、倒木が多くなり歩き難い。コメツガに混ざってダケカンバが目に付きだすと、更になだらかになる。社山分岐を左に分けて、踏跡がぐっと薄くなった尾根を西に向かうと黒檜岳山頂である。山頂部はなだらかなのでどこが山頂か分かり難いが、小さな山名プーレートで知る。山頂部は樹林の中で何の展望もないので、更に数十メートル先の黒檜岳雨量観測局(大げさな名前が付いているが雨量計が設置されている)まで歩を伸ばして、エネルギー補給しながら地形図をチェックする。幸いここからは西面が開けていて、これから歩く尾根の一部がチェックできた。皇海山、三俣山、宿堂坊山、錫ケ岳から奥白根山までなんとか展望できる。 
4 黒檜岳〜三俣山三俣山(左) 1928ピーク(右) (シゲト山付近から)  リボン標示多い ヤブはひどくない  所々で好展望
 黒檜岳から西に下ると道筋は薄くなるがテープ、リボンが何種類か取り付けられている。単純な尾根のなので稜線を歩いている限り、とんでもないところへ行ってしまう心配はない。稜線上にのシャクナゲが歩行の邪魔になる。暫くは右側をまくように歩くとよい。1919ピークへの登りは尾根が広いので中央部を歩く。もっともどこを歩いてもテープ、リボンが目に付く。
 1919ピークからシゲト山を通過するまでは、このコースで唯一の複雑な地形をしているので注意が必要である。1919ピークから向きを南に変えて標高で50m程下り、方向を再び西に取り更に50m程下って、ほんの僅か登り返すとシゲト山頂上、笹の多い台地状のピーク上に達する。なだらかな踏跡を進むと、左手が少しばかり開けて足尾の荒れた山々、鋸山〜皇海山あたりが展望できる。展望を楽しむとすぐにコメツガとダケカンバの樹林の中に入り、樹に打ち付けられた山名板を発見する。ここがシゲト山頂上ということになるが、シゲト山は地形が複雑で説明に困るが、1919ピークと1928ピークとの間三俣山頂上に位置する台地と思えば当たらずとも遠からず。
 シゲト山から北西に下り、広い笹原の鞍部からは左(西)に三俣山が望める。次の小さなピークから徐々に西向に変えながらケモノ道を1928ピークに向かうと所々で境界杭を発見した。小ピークと1928ピークの鞍部付近は笹原で鹿の糞が多い。獣道を登りながら鋸山から皇海山を眺められる。反対側には枝の隙間から男体山と奥白根山も望める。疲れてきた時の眺望は疲労回復のよい薬で、元気を出して1928ピークを急登する。ピークの上はコメツガとダケカンバの樹林の中でちょっとした笹原になっている。コメツガの枝に隠れた黒檜岳への標識を見つけた。
 1928ピークから西に下ると、再び鋸山、皇海山あたりが望める。登り返したピーク(1970m)は樹林の中の笹原であるが、錫ケ岳だけが樹林の切れ目から見えた。ここには左黒錫ケ岳(中央) (三俣山頂上から)檜岳右三俣山の古い標識がコメツガの枝に隠れているのを発見した。この尾根には古い標示板をあちこちで見ることができた。10年程前のホームページに、このあたりは標示がないので不安であった、と報告されていた。現在は何種類ものリボンが競争するかのごとく設置されていて、不安どころか煩わしさを感じることがある。
 このピークからは笹道を北西に下ってゆく。鞍部あたりで踏跡はシャクナゲのトンネルに突入する。2mも進まないうちに身動きができなくなり、戻って右下を迂回する。迂回してみると、シャクナゲのトンネルは大岩の真上であった。三俣山から下る人が大岩を左にまいて進んだ、と報告している「大岩」と思われる。大岩の鞍部からは登り勾配は緩やかになり、北西から徐々に向きを南に変えてゆく。倒木が多く南向きになった所で、北の宿堂坊山からの踏跡を合わせる。この周辺にはこれでもかというくらいに赤ペンキのが樹木に記されていた。ここから3分で笹原の三俣山頂上に到着した。
 山頂はコメツガとダケカンバに囲まれた広い笹原で、北から北西の方向が開けている。錫ケ岳その左下に宿堂坊山、錫ケ岳から笠ケに延びる稜線がくっきり見える。その稜線越しにまだ白っぽい武尊山至仏山も見えた。今日のコースでは眺望は期待していなかったので、喜びも一入である。群馬大WVの山名プレートには1972.7の記入があった。読めるものはもう一つしかなかった。 
5 復路
 往路で通過時間と特記事項を地形図にしっかりと記入しておいたので、復路の道筋はしっかりと把握できていた。目印のリボンも探さなくても勝手に(取り付けた人に失礼だが)飛び込んでくる程多い。尾根の左手を歩けば赤リボン、右には青リボン、更には白リボン、赤テープと、必要性の低い所にもベタベタ取り付けられている。シゲト山付近以外は複雑な地形もなく、それ程難しい尾根歩きではない。このような状況下で、復路で疲労がたまっているにも関わらず速度が上がり大幅短縮となった。
 黒檜岳が近づくに連れて、千手ケ浜から遊覧船の最終便にのれるかも、いや乗ってやろう、との考えが浮かび更に速度があがる。黒檜岳からの下りは、凸凹が比較的少ないこともあって、予想を大幅に短縮できた。千手ケ浜キャンプ場付近で10人程が望遠レンズを三脚で構えて撮影をしていた。その左手にはクリンソウが見頃のようであった。これらを横目で見ながら船乗場に15時丁度に到着した。これで15:30発の船に乗れると思いながら小屋に近づいて、時刻表を見ると14:50に千手ケ浜を既に出発していた。往路で歩きながら最終便をチェックしたところ15:30が目に付いてこれが最終便とばかり思っていた。この15:30は終着の中禅寺湖船の駅着の時間であった。
 船が出てしまったことが判ってガックリする。一休みしてユックリと周回路を菖蒲ケ浜まで戻る。所々で咲いているツツジが疲れを和らげてくれる。
6 帰宅
 不思議なもので車に戻ると、安心感も手伝って疲労からの回復が早い。長距離をこなして満足感に浸りながら運転する。なんと言ってもイロハ坂と日光付近での渋滞がないのがよい。次には柳沢林道から宿堂坊山へでも行ってみようかと考えながら無事帰宅した。
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