ひとり山歩き61 : 瑞牆山荘から金峰山と瑞牆山をピストンしてきました。金峰山直下の岩場登りと瑞牆山の急登に梃子摺りましたが、山頂からの展望がとても素晴らしく感動して帰りました。
金峰山(2598.0m)〜瑞牆山(2230.2m)
2002年9月21日(水) 晴れ
1 工程
 自宅(1:00) − 瑞牆山荘(4:50/5:30) − 富士見平小屋(6:10) − 大日小屋(7:05/7:10) − 大日岩(7:35/7:45) − 千代の吹上(9:15/9:25) − 金峰山(10:15/10:45) − 千代の吹上(11:10) − 大日岩(12:05) − 大日小屋(12:25) − 富士見平小屋(13:05/13:20) − 天鳥川(13:40) − 瑞牆山(14:45/15:00) − 天鳥川(15:55) − 富士見平小屋(16:20/16:25) − 瑞牆山荘(16:50/17:00) − 自宅(21:45)
2 自宅 −瑞牆山荘  6月に断念した金峰山・瑞牆山へ千代の吹上から望む金峰山と五丈石
 6月5日に甲武信ヶ岳に登った。その翌日に金峰山・瑞牆山に登るべく瑞牆山荘の駐車場で車内泊していた。夜半の雷雨で登山を諦め家に帰った。以来ずっと気にしていた。紅葉の時期にとも考えたが、今がチャンスと出かけることにした。
 東北道・首都高・中央道と高速を乗り継ぎ、須玉ICで下りて増富ラジウムラインで増富ラジウム鉱泉経由で瑞牆山荘を目指す。この道は6月に一回通っているので、道に迷うこともなかった。瑞牆山荘に着くと、山荘前に3台、無料駐車場に1台と少なかった。 
3 瑞牆山荘 ー 金峰山  金峰山頂からは360度の展望  山頂直下のダケカンバ色づ
 まだ薄暗い瑞牆山荘前から登山道に入る。静かな樹林の中を気持ちよく進むと、「熊注意」の看板を見つける。慌てて鈴をザックに取り付ける。林道を横切りミズナラ林を急登すると、前方に単独行者が見え隠れする。富士見小屋に着くと、単独行者がザックをデポして瑞牆山へ登る準備をしていた。瑞牆山の後で金峰山に登るとのことで、私とは逆であり、途中で会いましょうと分かれる。五丈石
 誰も宿泊している様子のない富士見小屋を後にして、飯盛山に取り付く。標高にして200mくらい登ると、飯盛山の右(南)を巻くようになり道はなだらかになる。右に「鷹見岩」の道を見送る頃から緩やかに下ると、大日小屋の上に出る。前方には大日岩がでんと控えている。ダケカンバ、ブナ、シャクナゲの目立つ樹林の中を登ってゆくと大日の直下に出る。ここは開けていて南アルプスと八ヶ岳がよく見える。この時点では山頂部が見えたが、先に進むに連れて山頂部にガスがかかってきた。大日岩の右を急登して、大日岩の頭からはコメツガ、オオシラビソ、シャクナゲの中を緩やかに南東の方向に進む。立て続けに二組の下山者とすれ違う。今日は高山歩きなので気温が低く、余り汗をかかず爽やかに歩ける。先週の伊吹山とは様変わり。コメツガ、オオシラビソの針葉樹林帯の緩やかな道を暫く歩いて、数十メーター登るとやや開けて八ヶ岳、南アルプスが見える。残念だが、山頂部はガスがかかってしまった。どうもこの辺りを砂払いの頭と言うらしい。金峰山から望む瑞牆山
 更にゴツゴツした岩道を登ると、森林限界の上に出る。この辺りからの景色は素晴らしい。前方には、岩稜の峰々の左手に五丈岩を含めて金峰山が間近に見えるようになる。ここが千代の吹上である。北西の八ヶ岳、南西の南アルプスに見とれ写真撮影に時間を割く。残念!北岳がかくれてしまった。ガスが恨めしい。
 千代の吹上から金峰山頂までには岩稜の痩せ尾根を登り幾つかの峰を越さねばならない。しかもこの辺りは、左手はハイマツ、シャクナゲ等が生えているが、右手は断崖絶壁の連続である。千代の吹上から見上げると、足がすくみそうであった。実際に登って見ると、それほど恐ろしい感じはしない。その代わり大きな岩を越すのに結構な腕力を要する。利き腕の左肩を痛めているので、力が入らずちょっと梃子摺り思ったより時間がかかってしまった。
 山頂直下では、ダケカンバが色づいていた。五丈石を見ながら登りつめると、金峰山頂である。大きな岩の一番高いところに登ると360度の展望であった。残念にも先刻より一層ガスが増して遠くの山がはっきりとは見えなくなってしまっていた。北東の日光、尾瀬方面だけはよく見通せた。岩の上には十人位の人達がが景色を眺めていた。大日岩付近で下山者にあってから誰にも出会わなかったのでこの人達は大弛峠から登ってきたものと推定した。 
4 金峰山 − 富士見平小屋  復路では数人の登山者に出会う  大弛峠ルートに比べ少ない?
 山頂でもっとユックリしていたかったが、瑞牆山にも登らねばならないのでエネルギーを補給して下山にかかる。今朝富士見平小屋で会った人と途中で出会う。情報交換をして左右に分かれる。この人を含め、途中で数人しか出会わなかった。大弛峠ルートよりハードなので敬遠されるのか?
 復路は大きな登り返しがないので、登りの所要時間の半分で富士見平小屋まで下る。瑞牆山に登るために荷物をここにデポするので、軽い食事を摂ると共に充分な水分補給をする。
5 瑞牆山へピストン  急登に継ぐ急登だが身軽なため思ったより足が進んだ大ヤスリ岩(瑞牆山頂から)
 富士見小屋前から瑞牆山への道に入ると、ほんの僅か登ってすぐに下りになり20分程で天鳥川(小さな沢)を渡る。ここから樹林帯の中の急登が始まる。木の階段、ロープ、岩場、根っこ、ガレ道とあらゆるものが現われる。樹林の中なので展望は全くない。急登に継ぐ急登で、疲れてはいるが荷物はカメラだけという身軽さのため思ったより足が進む。丁度下山のラッシュと重なり、金峰山の行き帰りの静かさとは全く違う。
 天鳥川から登り始めて30分も過ぎて大きな岩の間を登るようになると、左上に大ヤスリ岩が見え始める。この巨岩の右下を通って登りつめると、黒森からのコースを合わる。ここから東に折れて5分も進むと山頂に達する。思ったより短時間で登れた。
 山頂にはもう誰もいなかった。数分前に黒森分岐付近で出会った夫婦が最後の下山者だったのだ。山頂は花崗岩の一枚岩でかなり広く、展望も開けている。しかし先刻登ってきた金峰山は陰ってしまい、遠くの山々はかなり霞んでしまった。そういえば、今日は富士山が全然見えなかったことを思い出す。おそるおそる山頂の端に行き大ヤスリ岩を上からカメラにおさめる。
 荷物なしとはいえ、かなり疲労しているせいか、復路の所要時間は登りと殆ど同じになってしまった。それでも天鳥川で最後に出会った夫婦を追い越し、しんがりにならずに済んだ。富士見平小屋に着くと、20人位の団体が瑞牆山荘目指して下るところであった。こんな大勢に途中どこでも会わなかった。どこへ行ってきたのであろうか。あるいは瑞牆山からバラバラに下ってきてここで集合したのか? 
6 瑞牆山荘 − 自宅  増富ラジウム鉱泉は定休日 残念!
 山荘の前に戻ると、車が10台位道沿いに停まっていた。先刻の団体もチラホラ。増富ラジウム鉱泉に寄るべく、着替えもせずに駐車場を飛び出す。なんと今日は月一の定休日なのだ!運の悪さを嘆き、駐車場で慌ててシャツだけを着替えて帰路に着く。
 相変わらずの首都高の渋滞。深夜と早朝以外にすんなり通過しようというのが土台無理な話と諦める。往路に比べプラス1時間なら良しとしよう。 
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