ひとり山歩き48 : 西沢渓谷入口から戸渡コースで甲武信ケ岳をピストンして来ました。戸渡尾根は急登の連続でとてもハードですが、途中のシャクナゲの花が疲れを和らげてくれました。
甲武信ヶ岳(2475m)登山
2002年6月5日(水) 晴れ/曇り
1 行程
自宅(1:30) − 西沢渓谷入口駐車場(5:00/5:20) − 戸渡コース登山口(5:40) − 徳ちゃん新道分岐(7:50) − 木賊山(10:10/10:20) − 甲武信小屋(10:35) − 甲武信ヶ岳(10:55/11:40) − 甲武信小屋(11:50) − 木賊山(12:05) − 徳ちゃん新道分岐(13:15/13:20) − 徳ちゃん新道登山口(14:30) − 西沢渓谷入口駐車場(14:50/15:40) − 瑞牆山山荘駐車場(19:00/24:00) − 自宅(5:50)
2 自宅 − 西沢渓谷入口 梅雨入りの遅れとワールドカップの合間に甲武信ケ岳、金峰山・瑞牆山へ
 梅雨入りすると遠出しにくくなるので、遅れているのを幸いに甲武信ヶ岳、金峰山・瑞牆山を二日で登頂しようと考えた。天気予報とサッカーのワールドカップを睨めっこして、山行を計画した。
 先ずは、交通の便を考えて、甲武信岳からスタートすることにして家を出る。国分寺町の自宅からは、小山市、館林市、行田市を経て熊谷市に出る。以後は、国道140号線で一本道、雁坂トンネルを目指す。この道は両神山へ行く時にも通っている。早朝のため交通量が少ないので、極めて順調に進む。対向車のトラックとは出会うが、追いつくことも追いつかれることもない。これだから、夜間に走行する時は、高速道を使う必要を感じない。4時過ぎに、道の駅「大滝温泉」で軽い朝食を取るなど体調を整える。この頃になると、すっかり明るくなる。今日の天気はよさそうだ。「大滝温泉」からは、ループ橋、雁坂トンネルを経由して、30分で西沢渓谷入口にある道の駅「みとみ」に到着する。「みとみ」の手前の西沢渓谷入口無料駐車場に戻って車を停める。 
3 西沢渓谷入口 − 近丸新道 − 甲武信ヶ岳 急登につぐ急登 金峰山、シャクナゲのトンネル瑞牆山が印象的
 国道140号線を渡って、西沢渓谷入口へ進む。間違って、笛吹川の方に下りてしまう。渓谷入口にある無料駐車場に着いて、登山準備をしている4人組に入口を教えてもらう。渓谷に沿ったアスファルト道を20分進むと、アスファルト道が切れて、すぐに戸渡コース登山口である。入山届を箱にいれて、山道に進む。
 いきなり広葉樹林帯の急登で歓迎してくれる。しばらくの間は、なだらかな登りとなるところもあるが、全体としては急登が続く。その間に使用を廃止したトロッコのレールが無残な姿を現す。珪石採石所があって、その運搬に使われていたものらしい。地盤が崩れて道筋が細く、不気味なところを何回か通過せねばならない。
 登山口から約40分で、今まで左手に見ていた沢を渡る。この沢を渡ると、急登の連続でなだらかなところは皆無と言ってよい。岩や根っ子の道を喘ぎながら登ることになる。ところが、笹が増えてなだらかになり、東側にまくように進む道がある。これを進むと、すぐにガレ場に達する。急登の連続であったので、ホットしてなだからな道に進んでしまったのだ木賊山ガレ場から見る甲武信ヶ岳。戻って本来の登山道を探すと、丁度なだらかになる所の左手に石の階段状の道を見つけた。この道を進むにつれて、シャクナゲが増えだし、やがてシャクナゲのトンネルと化す。すると、左から徳ちゃん新道を合わせる。このあたりは、シャクナゲが満開に近い。
 徳ちゃん新道分岐から進むと、すぐに1869mピークで、この先で初めて木賊山が姿を現す。残念だが、甲武信ヶ岳はその後ろにあり見えない。30分位はシャクナゲ群落を通る。薄いピンクの花が綺麗で、急登の疲れを慰めてくれる。
 徳ちゃん分岐から1時間でツガの原生林に変わるが、急登は依然として続いている。甲武信小屋から下りて来たふ2人組に出会う。十文字小屋も経由しての縦走である。シャクナゲの様子を教えて別れる。更に、ツガ原生林の急登を続ける。疲れて後を振り返ると、枝越しに富士山が姿を現す。山頂からの富士山を楽しみに、急登をこらえる。ザレ場に達すると、富士山がくっきりと姿を現す。小休止を兼ねて写真撮影。国師ケ岳、金峰山、瑞牆山、小川山の山並み(甲武信ヶ岳から)
 ややなだらかな下りになり、破不山(破風山?)からの道を右に合わす。木賊山山頂はもうすぐの感じ。左に鶏冠尾根分岐(通行止めとなっている・・・道筋も見えなかった)を合わすとちょっとした広場の木賊山山頂に達した。ベンチが設置されているが、休まずに先を急ぐ。今日始めての下りだ。下りはやはり楽だ、と思うも間もなく、ガレ場に出る。やっと念願の甲武信ヶ岳がその姿を現した。更に、樹林の中を下ると甲武信小屋に達する。素通りして山頂へ急ぐ。殆ど風化している倒木の多いツガ林を急登する。展望が開けると、すぐに甲武信ヶ岳山頂に達した。
 山頂には、千曲川源流遊歩道経由で登ってきた中年の男性が地図を開いて山座同定をしていた。仲間に入れてもらう。国師ケ岳、金峰山、瑞牆山、小川山を間近に見る。特徴のある金峰山と瑞牆山が印象に残る。明日の金峰山・瑞牆山登山に胸躍る。遠方はかなり霞んでいてハッキリしない。平日とはいえ、登頂者が少ないですね、など話していたら、三組(五人)が相次いで登ってきた。何れのグループも毛木平から登ってきたようである。4時間足らずで山頂に登れるので、6時間かかる戸渡コースより人気があるようだ。 
4 下山(徳ちゃん新道経由)  徳ちゃん新道で下る 急降下だが危険なところなく変化多い
 今日も先が長いので、下山にかかる。登り返すのは、木賊山だけなので気分的に楽だ。だんだん雲が増えている。降るような雲行きではないが、気分的には滅入るもので、先を急ぐ。木賊山を下り、破風山への分岐を過ぎたあたりで、登ってくる4人組に出会う。今朝、駐車場で道を教えてくれた人達である。甲武信岳小屋までの時間を聞かれる。ザレ場では往路見えた富士山が姿を隠してしまっている。
 長いツガ林の急降下を終えて、シャクナゲのトンネルに入ると、13時頃相次いで二組の中年の夫婦と出会う。今日は、甲武信小屋泊まりのようだ。徳ちゃん新道分岐で一休み。復路は徳ちゃん新道で下ることにする。
 徳ちゃん新道は、痩尾根の下りあり、ジグザグトンネルの降下と全体としては急降下が多い。近丸新道に比べ、緩やかなアップダウンが時々出てく来るので、息がつける。特に、危険な場所もない。人の好みによるが、徳ちゃん新道を選ぶ方がよさそうだ。14時頃、往路で出会った甲武信岳小屋からの2人組を追い越す。一人はかなり年配だが、自分の足に合わせて縦走にチャレンジしている姿にうたれた。
 笹道をジグザグに急降下すると、下りが緩やかになり、西沢山荘横の徳ちゃん新道の登山口に無事到着した。駐車場に帰る途中、西沢渓谷帰りのグループをドンドン追い越す。9時間半でやっと駐車場に戻る。 
5 西沢渓谷入口 − 瑞牆山荘駐車場 − 自宅  夜半の雨と稲妻に金峰山・瑞牆山を諦めて帰宅
 明日の金峰山・瑞牆山登山に備えて、西沢渓谷入口から瑞牆山荘に移動する。途中、瑞牆山荘手前の増富ラジウム温泉に寄って、汗を流した。平日ということもあるが、入浴者は自分を入れてたったの二人、これで商売になるのかな?
 増富温泉から約20分で瑞牆山荘に着く、無料駐車場には既に2台の車が停まっていた。コンビニで買った弁当を食べて、未だかすかに明るいが、車中で休眠をとる。眠りにつかないうちに、雨が降り出した。そのうち寝入ってしまった。時々、雨の音と稲妻で眼を覚ましては寝入る。
 午前零時頃になると、雨足強くなり、稲妻も激しい。この時点で、どうするか考える。朝まで待って判断するか、それとも夜間の交通量の少ないうちに帰るか。結局、コンディションの悪い中登山するのは面白くない。途中の風景を見るのが、登山の最大の楽しみの一つ。山歩きのキャリアが少ないので、登りたい山は限りなく多い。もし、雨の中又はガスの中を登ってしまうと、この山には二度と来ることはないであろう。今回は中止しても、自宅からの距離を考えれば、未だいくらでもチャンスはある。今回は撤退だ、と判断したら行動は早い。すぐに、エンジンを回して車を走らせる。
 復路は、高速道を使うつもりでいたが、夜間の走行なら高速のメリットは少ない。来た道を帰ろう。途中、益々雨足は激しくなる。登山を中止したのは good decision と考えた。ところが、雁坂トンネルを越すと雨足が段々弱くなってきた。長瀞あたりでは、どうやら雲は切れて明るくなリつつあるではないか。夜が明けて、家が近づくにつれ、雲が殆どなくなっている。相変わらず、自分のせっかちな性格にあきれる。また、やってしまった「慌てもののミス」を。いまさら悔やんでもどうしようもない。そのうち、絶対に登るぞと諦める。 
HOME  
inserted by FC2 system