ひとり山歩き605 : 寒沢薙から太郎山に登ってきました。寒沢薙は容易な箇所も危険な箇所もあり、出たり入ったりの登りでした。山頂からは雲海に浮かぶ日光の山々が楽しめました。
寒沢薙から太郎山(2367)
2015年8月25日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅3:00) = いろは坂・馬返し(4:30/4:50) = 太郎山新薙コース登山口(5:45/5:55) − 寒沢宿分岐((6:40) − 寒沢宿(7:15/7:20) − 寒沢薙突入(7:30) − 寒沢薙離脱(7:55) − 寒沢薙再突入(9:20) − 寒沢薙ノ源頭(9:40/9:45) − 太郎山(10:05/10:40) − お花畑(10:50) − 遥拝岩(11:00/11:05) − お花畑(11:10) − 寒沢宿分岐(12:45) − 新薙登山口(12:55/13:10) = 自宅(15:45)
Aルートマップ
B写真集
2 自宅 − 新薙登山口
 8月8日の男体山登拝大祭最終日に下山の際膝を痛めてしまった。どうやら痛みは引いたが、北アルプスや南アルプスの長時間歩きは未だ無理。08年11月11日(ひとり山歩き336)に寒沢薙の左岸尾根で太郎山に登った。それ以来、寒沢薙を直登してみたいと思っていた。薙歩きなら岩を階段状に登るので、膝の回復度を図るには格好の場所ということでリハビリ登山をすることにした。
 本日の天気は曇天で、15時以降には雨が予想される。明るくなってから登りだしても、15時までには新薙コースで下山完了すると計画。5時半に新薙コース登山口スタートの計画で家を出たが、日光市街地に入ると小雨状態となった。いろはさか入口の馬返しパーキングで様子見るも止む気配はない。ひと山越すと晴だったということを何ども経験しているので、ダメ元で奥日光に向かう。明智平をすぎると道路が乾いていて雨が降った様子はない。これなら問題なしと、太郎山新薙コース登山口に車を走らせる。車載温度計12度
3 登山口 − 寒沢宿  コンパスを合せて歩けば、踏跡を追える
 登山口から土道が続き、場所によっては抉れたり木の根が張り出しているが、歩きやすい。標高1840付近で左手へと薄い踏跡が見える。昨年よりも薄くなったようなこの踏跡をたどれば石仏(旧コース沿いにある)に行ける(ひとり山歩き379参照願う)。分岐の踏跡を横目に直進すると標高1900付近の左手にごく薄い踏跡が見える。ここが寒沢宿分岐だが、写真の奥に赤/黄マークがある程度(以前は明瞭なテープ標示があったのだが)。

左: 新薙コース登山口 右: 左手に旧道(石仏)踏跡 昨年よりも薄くなった? ここは直進


左: 標高1900の寒沢宿分岐(明瞭な目印なし) 右: 薄い踏跡を北東に進む
寒沢宿分岐からごく薄い踏跡を追うと、数分で踏跡は明瞭となるが、涸れ沢を越したりするうちに見失ったりする。コンパスを北東に合せて進んでゆけば、踏跡は見つかる。途中で空き瓶等が散乱する飯場跡や小広場を通過しながら踏跡を追うと樹林の中に緑の絨毯を敷いたような広場に到達する。ここが寒沢宿跡で左奥には石祠と石仏が祀ってある(今回が三度目の訪問)。

左: 分岐から数分で踏跡明瞭となる(消えてしまうことあり) 右: 飯場跡(空き瓶多数散乱)


左: 寒沢宿(奥に石祠と石像)・・・広場の西側半分 右: 寒沢宿の名物・盆栽


石祠と石像
4 寒沢宿 − 寒沢薙 − 太郎山 標高2000付近はザレて滑りやすく薙から離脱 2240で再突入 範囲では薙内は歩きやすい 薙左岸は密藪断続 
 寒沢宿から薄い踏跡を追って寒沢に向かう。標高1900で寒沢薙に突入(この時点では単なるガレ沢)する。薙の中に大岩もあるが脇を通れるので特別に膝に負担がかかることはない。コケのついた岩は滑りやすいので避けるようにした。標高1980位からはザレで滑って登りづらい。今日は膝痛回復の度合いをみるリハビリ登山なので、無理をして滑り落ちたら嫌らしい。藪こぎなら眼さえ気をつけていれば、滑落や転倒の心配はない。労力は大だが、安全策として標高2000付近で薙から離脱して左岸の針葉樹林へと逃げこむ。 

左: 寒沢薙(標高1900付近) 右: 標高1930付近 コケのついた岩は滑るので避けながら


左: 標高1950付近 右:振り返ると小真名子山


左: ザレて滑る、このすぐ上で薙から離脱 右: 針葉樹林歩き 針葉樹とシャクナゲ藪は断続する、藪突破よりも急登には参った
 針葉樹林だから枝藪はしかたないとして、時々シャクナゲとの混合藪になると悩まされる。密藪区間は短いの我慢できるが、急傾斜の登りには参った。薙に再突入すべく薙の方向に向かうと藪がきつくなり、それを逃げたりしているうちに薙突入できずに大好きな藪漕ぎ(?)を続けるはめに。標高2180でやっと薙に立ち入る事ができた。薙の傾斜はきつくて砂混ざりで滑りやすく、もう少し藪を漕ぐことにした(結果論としてはここから薙を歩くべきだった)。標高2240で傾斜も緩んだので薙に再突入した。薙は安定していて歩くには何ら支障なく、標高2300で薙の源頭に達した(時間的に見ると、薙区間は高度差160メートルに50分、藪区間は高度差240メートルに85分だから、時間的にはあまり変わらないで済んだ)。
 源頭から針葉樹林に突入するとすぐにシャクナゲの密藪が歓迎してくれた。でも区間は短く、獣道(踏跡のようでもある)を追って登ってゆくとコケと草付きの斜面となり、すぐに太郎山の山頂に辿り着いた。08年11月15日(ひとり山歩き336)で寒沢宿から左岸尾根を登った時は丁度3時間要した。今回は2時間45分、この間の脚力の衰えを考慮すれば薙を歩いたほうが速いと言えよう。

標高2040付近から 左: 男体山 右: シャクナゲ藪


左: 標高2180で薙に立ち入り、この先も薙を歩くべきだった 右: 標高2240付近で薙に再突入


左: 寒沢薙の源頭 右: 源頭から下方を


左: 山頂直下でコケと草付き 右: 太郎山山頂
 今日は8月末とはいえ気温が低く、水蒸気が登りきらずで、雲海に浮かぶ山頂部の眺めは素晴らしかった。数名グループが登ってきたので、入れ替わりに下山する。


山頂からのパノラマ : 女峰山 小真名子山 大真名子山 男体山 小太郎山(手前最後部) 白根山 温泉ケ岳  これだけ雲海に浮かぶ山並みは珍しい


左: 大真名子山と男体山 右: 白根山〜温泉ケ岳〜根名草山・大嵐山

5 新難コースで下山
 太郎山旧登山道あるいは小太郎の南尾根を下る用意もしてきたが、今のところは膝痛は治まっているが、今日は無理はしないことにした(久しぶりの山歩きでスタミナ切れも考慮して)。その代わりに09年11月15日(ひとり山歩き379)で確認したお花畑の東にある遥拝岩に寄って見ことにした。お花畑の中央に位置する道標から東へと僅かに登ること約10分で遥拝岩に達した。09年当時と同じように岩の下には寛永通宝(他の通宝もあるかも)を多数見かける。現在の硬貨は見かけなかた(立ち寄る人は少ないのだろう)。
 遥拝岩から南東に尾根を下れば新薙を渡り終えた地点に達するのだが、今日は無理はしない。お花畑におりて新薙コースを忠実に下山。昨年8月19日(ひとり山歩き564)で太郎山旧道分岐には赤テープがついてるのではと思っていたが何の変化もなかった。旧道分岐辺りからは岩ゴツも少なくなり、下るに連れて土道となり歩きやすくなる。膝の痛みが再発すこともなく無事に登山口に戻れた。その後もひざに痛みは残らない。来月には県外に遠征できそうだが、スタミナが心配。


左: 遥拝岩 後方に浮かぶは女峰山 右: 遥拝岩の下には多数の寛永通宝が
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