ひとり山歩き509 : 北温泉から中の大倉尾根経由で、三本槍岳と朝日岳へスノーシューで往復して来ました。雪はよく締まり快適な歩行ができ、素晴らしい展望を楽しむことができました。
北温泉から三本槍岳(1916)〜朝日岳(1896)スノーハイク
2013年3月4日(月) 晴れのち曇り
1 行程
@コースタイム : 自宅(2:00) = 北温泉駐車場(4:35/4:45」 − 北温泉(4:55/5:10) − 尾根上(甲子高原分岐)(5:50) − 林道出合(6:00) − マウントジーンズスキー場(6:35/6:40) − 中の大倉尾根口(北温泉・スキー場分岐)(6:55) − 赤面山分岐(8:25) ー 北温泉・清水平分岐(8:55) − 三本槍岳(9:30/9:40) − 北温泉・清水平分岐(10:05/10:20) − 清水平(10:30) − 標高点1900(11:00) − 朝日の肩(11:30) − 朝日岳(11:50/11:55) − 朝日の肩(12:05/12:15) − 標高点1900(12:40/12:50) − 北温泉・清水平分岐(13:15) − 中の大倉尾根口(北温泉・スキー場分岐)(14:30/14:35) − マウントジーンズスキー場(14:55) − 尾根別れ(甲子高原分岐)(15:30/15:40) − 北温泉(16:10) − 駐車場(16:25/16:40) = 自宅(19:10)
Aルートマップ
Bウォッちず : 三本槍岳  朝日岳  北温泉駐車場
C写真集
スキー場展望台から茶臼、朝日、スダレ
2 自宅 − 北温泉
 積雪期の那須岳からの展望はお気に入りで、今年も1月11日に茶臼岳と朝日岳に登るべく大丸温泉駐車場まで行ったが、強風で車から出ることができなかった。それ以降も何度か計画したが、行きたい日と天候がマッチせず今日まで実現しなかった。天気予報では、午前中は晴れだが午後からは曇りで、風は強いことは無さそう。今シーズンはスノーシュー歩きをしていないので、思い切りスノーシューハイクを楽しむべく北温泉から中の大倉尾根経由で三本槍岳〜朝日岳を往復することにした。北温泉から三本槍岳スノーハイクは07年2月20日に、朝日岳へは10年3月20日に赤面山〜朝日岳〜中の大倉尾根を周回している。
 WBCの対中国戦を見ながら寝床につくも、これがNPBの代表かとも思える不甲斐なさに、興奮して目が冴えてしまった。いつもなら山行前夜は、5・6時間は眠るのだが、今夜は4時間も寝ていないようで、スタミナが心配。トイレを済まし登山靴とスパッツ等を装着するために、事前に所定の道の駅に立ち寄ることにしているが、寝不足のせいか頭が冴えずカーナビの設定を忘れてしまった。走りだしてから気づき、音声操作で道の駅を設定しようとしたが正式名がわからず設定できなかった。北温泉を設定すれば、その道の駅を通過するので、栃木県北温泉と声を発したら、すぐにカーナビが応答してくれた。北温泉に目的地を設定し、安心して走行していた。途中でいつもの道筋と違うことがわかったので、再び音声で近くの道の駅を検索すると所定の道の駅からはかなり外れていることが判明した。目的地を道の駅(那須高原友愛の森)に変更して、いつもの様に事前の準備を整える。風もなく、満天星空で今日は駐車場まで行って追い返されることはないと確信する。北温泉駐車場には計画よりも30分も余分に時間がかかってしまた。翌日、家でカーナビでルートをスクロールしてみたが、通常のコースで案内していた。結局遠回りした原因はわからずじまい。車載温度計マイナス4度、4台駐車。

3 北温泉 − 三本槍岳  雪はよく締まりスノーシューは無用だったかも  好展望に目移り、特に三本槍岳からの展望は素晴らしい
 駐車場からの道はところどころでアイスバーン状態になっていたが、ストックでバランスをとりながら北温泉まで下った。露天風呂(温泉プール状)の横を通って、沢に架かる橋をわたると、足北温泉・清水平分岐から朝日岳方面は踝まで沈むので、早めにスノーシューを装着した。尾根上への登りは、ごく一部で地肌が出北温泉・清水平分岐から三本槍岳ているだけでよく締まった雪が薄くついていた。踏跡は薄く残っているが、道筋は斜面化している箇所が多くスノーシューでは歩きづらかった。アイゼンで登れば、楽勝なのだが、今日はスノーシューを徹底して使うことにしているので持参していない(念の為にチェーンスパイクを持参)。通常の時間で尾根上(甲子高原分岐・・・古いガイドブックによる)に達した。途中で気づいたのだが、いつもは首にかける地形図入りのビニールケースがないのに気づいた。車内で出発時刻を記録して、首にかけるのを忘れてしまったのだ。迷うような場所はないし、特に危険箇所もないのでそのまま進むことにした(原則として地形図なしでは山歩きはしないのだが)。不便だったのは、現在地より先がどのくらい残っているか読めないことくらいだった。
 落葉樹林の尾根筋には、とぎれとぎれに古いトレースが残っていたが、雪はよく締まっていてどこを歩いてもスノーシューは殆ど沈むことはなかった。林道出合を過ぎると北西から北向きの登りとなる。夏道のトラバース方面へはトレースが伸びかかっていたが、すぐに引き返したようである。積雪期に一度このトラバース道を通ったことがあるが、斜面化していて歩きづらい。今の時期は尾根筋を進み、スキー場を経由するのが正攻法である。マウントジーンズスキー場最上部の展望台に寄旭岳方面 (三本槍から)って、茶臼岳〜朝日岳〜スダレ山の景色を目とカメラに納めて、まだ営業前で静かなスキー場のブルドーザで圧雪した業務路を進む。スキー場の北端から西に向きを変えて少しばかり下ると、中の大倉尾根口で北尾温泉・スキー場分岐となる。
 この先は雪の表面はややふわふわしているが、スノーシューの沈みは殆ど無い。途切れ途切れのスキーのシュプールを追うようにゆるやかに登ってゆく。標高1500を過ぎると灌木帯になり、左手に茶臼岳、朝日岳やスダレ山が見えるようになる。灌木もほとんど無くなる標高1570位になると右手には赤面山も展望できるようになる。樹木が切れると勾配は徐々に増してくる。今日のコンディションならスノーシューを脱いだほうが楽に違いない。背負うも足枷にするも同じ、それなら脱着の煩わしさから逃れたほうが賢明と、へんな理屈をつけてそのまま登ってゆく。一息入れるために振り返ってみると、今まで歩いてきた尾根筋が展望できた。安達太良山や吾妻山あたりも見えていた。赤面山分岐では道標は雪に埋もれているのか見当たらなかった。分岐からひと登りすると、勾配は緩み道標(ポールにスダレ山と書いてある)の立つ場所に着いた。この先は雪が解けて岩道となっているので、夏道より下方をトラバースすることにした。トラバースはハイマツ帯だが、沈みはなく快調に歩を進めると北温泉・清水平分岐の道標に達した。ここからの展望もお気に入りだ。雪原の先に朝日岳、茶臼岳、男鹿山塊そして三本槍岳と展望できる。天気はよく晴れて、風は弱く寒さは感じない。今日まで我慢した甲斐があった。天気が崩れそうな気配はないが、予報では午後になると曇るということなのでザックをデポ(通常はデポはしないことにしているのだが、この先で迷ったり危ない場所はないので)して三本槍岳に向かう。
 夏道の南側を西北西に直進する。古いトレースが残っているが、どこを歩いてスノーシューの沈みはない。尾根上に達すると、平坦になり僅かな時間で三本槍岳山頂に達した。山頂からは360度の全展望で、雪景色の美しさは、栃木の山では自分の最上位のお気に入りだ。積雪期では6年ぶりの再訪に感激する。南から西にかけては朝日岳の頭、茶臼岳、男鹿山塊、大倉尾根。北から東にかけては、旭岳、飯豊山、吾妻山、安達太良山と目移りがする。中でも真っ白な大倉尾根と旭岳が強く脳裏に残る。

本槍岳からの展望


4 三本槍岳 − 朝日岳  雪はよく締まっている 1900Pからは地肌露出三本槍岳から朝日、茶臼、男鹿山塊、大倉尾根
 いつまでも眺めていたいが、この晴れ間が広がるうちに朝日岳に行きたいので、短時間の山頂滞在で来た道を戻る。北温泉・清水平分岐に戻って、エネルギーを補給しデポしておいたザックを担ぐ。雪原を緩やかに下ってゆくのだが、週末に歩いたと思われる薄いトレースを追って行く。道筋は幾分凹んでいるので、トレースが消えていても問題無いだろう。ただし、ホワイトアウトのときは広い雪原なので注意が必要。清水平の道標の先に木道が浮き出ている。木道を渡り終えると、標高点1900ピークへの登りとなるが、道筋はなんとなく分かる。登りきった地点が標高点1900で、好展望が広がる。ここから朝日の肩までは地肌が浮き出ている箇所が多い。スノーシューを履いたままでは歩きづらいので、雪のある場所を選んで進んでゆく。少しばかり下って登り返すと熊見曽根で隠居倉までは0.8km。隠居倉を横目に南東に小岩を避けながら下ると、朝日の肩に達する。
 朝日岳の山頂は肩から東へ50メートルほどの登りとなるが、尾根筋は地肌が現れているので、ザックとスノーシューをデポして、持参のチェーンスパイクも履かずに登ってゆく。最初は問題なかったが、山頂直下になるとアイスバーン状態になっていた。岩角に手をかけたり、浮き出た小岩に靴をかけたりしながら我慢して登ると、昨年の1月18日に剣ヶ峰越えで登って以来の朝日岳山頂である。ここからの展望もすこぶる良い。天気予報通りに雲が増えてきた。何度も目にした景色なので、写真に納めてすぐに下山にかかる。

朝日岳からの展望(12.1.18)  (雲が多い少ないと山々の白さが幾分異なるだけなので様子はわかる)


5 下山(往路を戻る) 雪がチラつくも問題なし スノーシューハイクを充分楽しめた茶臼岳
 アイスバーン化した山頂直下をアイゼンなしで下るのは怖かった。慎重に岩角や浮き出た小岩を確保しながら危険箇所を下った。チェーンスパイクを装着していたらなんでもなかったのに、横着はいけない。 朝日の肩で、エネルギーを補給しながら、アイゼンを持参すれば剣ヶ峰を越して茶臼岳に登り、大丸温泉に下って周回ができたかもしれない、なんて思ったりしたが、今日は最初からスノーシュー歩きと決めてきたので仕方なし。いつの日にか周回してみよう。
 スノーシューをザックにくくりつけて、標高点1900まで戻り、ここでスノーシューを装着する。ここまで戻ると小雪がちら付き出したが、復路はごく一部を除いては下る一方で、道筋も知っているので気は楽。北温泉・清水平分岐からは、往路とは異なり夏道を辿る。スダレ山から下り始めると、案の定、雪が溶けていて岩道でスノーシューでは歩きづらかったが脱ぐことはしなかった。地肌露出部を過ぎると、スノーシューでは滑るので、少しばかりジグザグに下る。残雪期と異なり気温が低いので、踏み抜きは少ないのでチェーンスパイクで下ったほうが楽だっただろう。でも、今日は徹底的にスノーシューを足枷にするつもり。依然として雪がチラつくが、不安要因は全くない。今日は人に出逢うことないだろうと思い始めたら、真新しいスノーシュー跡が目に付き出した。スキー場からこのあたりまでのスノーハイクだったのだろう。標高1500あたりで尾根の右手(南側)を歩いていると、北側を二人のスキーヤーが滑り降りていった。途中で出逢わなかったので、三本槍岳からの帰りかもしれない。以降は、そのシュプールを追って下り、北温泉・スキー場分岐でエネルギーを補給。
 スキー場の最上部まで戻ったが、いつもはこのあたりは家族連れで賑わっているのだが、展望台に外国人と思われる母子三人連れを見るだけ。人が少ないのは、天気のせいか。それなら良いのだが、景気が悪いせいなら困ったもんだ。往路のトレースをたどりながら下って、尾根別れ(甲子高原分岐)で、急斜面の降下に備えてスノーシューを外す。往路は暗くってよくわからなかったが、けっこうアイズバーン化している。何度か足元がツルとした。チェーンスパイクを履けば良いのだが、もうすぐに北温泉と我慢し続ける。下り終わってひと安心。沢を橋で渡って北温泉の露天風呂の横を通り、舗装道を登って駐車場に戻る。車は一台増えていた。雪が相変わらず降り続いている。
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