ひとり山歩き271 : 北温泉から中の大倉尾根経由で三本槍岳までスノーシューハイキングに行ってきました。雪はかなり締まっていましたので、シューが沈むこともなく快適な歩行ができました。白一色の景色を紅葉シーズン同様に楽しむことができました。
北温泉から三本槍岳(1916)スノーハイク
2007年2月20日(火) 快晴
1 行程
ルートマップ 
自宅(4:00) = 北温泉駐車場(6:00/6:20) − 北温泉(6:30) − 林道出合(7:10) − 三角点1417.1(マウントジーンズスキー場上)(7:40/7:50) − スキー場・北温泉分岐(中の大倉尾根口)(8:10/8:20) − 赤面山分岐(9:45) − 清水平・北温泉分岐(10:05/10:15) − 三本槍岳(10:45/11:00) − 清水平・北温泉分岐(11:25) − スキー場・北温泉分岐(中の大倉尾根口)(12:20) − 三角点1417.1(スキー場上)(12:30) − 林道出合(13:00) − 北温泉(13:30) − 駐車場(13:45/14:00) = 自宅(16:50)

2 自宅 − 北温泉
 3月と4月は栃木県北部と福島県境尾根歩きを考えている。その前段階として積雪状況を探るために、北温泉から三本槍岳まで中の大倉尾根経由でスノーシューハイクを計画した。天気予報では、本日は午後になると雲が多くなるようである。中の大倉尾根は単調だから問題ないが、清水平付近は雪原と化しているようでガスが出ると方向がとりづらくなる。朝日岳や茶臼岳方面は一切考えないことにして、曇りだす前に下山を心がける。
 那須有料道路に入り料金所先で、北温泉方面に進むと路肩に多少の雪があるが走行面には雪はない。北温泉への道路に入ると、圧雪状態で一部にアイスバーンがあるも特に問題となるようなことはなかった。右折して約1kmの北温泉駐車場には数台の車が駐まっていた。到着の6時では懐中電灯なしでも歩ける明るさなので、支度を急ぐ。(気温マイナス3度)

3 北温泉 − 中の大倉尾根口  スキー場まではトレースあり
 駐車場から登山口の北温泉までの道路は凍結していて危険。普段なら5分だが倍の10分要した。プール状の露天風呂の脇を通り余笹川にかかる小橋を渡り、擬木の丸太階段を登り始める。すぐに階段は雪で隠れるようになり、複数の下りの足跡を利用しながら高度を稼いで行く。駐車場では気温はマイ茶臼岳(左9 鬼面山(中央) 朝日岳(中央奥) (スキー場から)ナス3度だったが、汗は滴り落ちて、手袋をした指先に痛みを感じることはなかった。擬木階段部をジグザグに登りきって東へ緩やかに登ると尾根上に達して、清水平3.8kmの道標を見る。
 ここから先は、踏み固められやや窪んだトレースを進むことになる。雪はかなり締まっていて恰も残雪歩きの感触で気持ちよく歩けた。15分で林道に出合う。右へ下る方には踏跡が続いていたが、左の林道終点方面へのトレースは全く認められない。今の時期、この先から飯盛山や鬼面山に行く人はいないのであろう。更に10分強トレースを追うと、夏道のトラバース開始地点に達した。予想通りトラバース道には踏跡はなく、尾根筋に進んでいる。そのつもりで来たので、ここは迷うことなく尾根のトレースを追うことにした。
 尾根を進むにつれてトレースは新雪で覆われて薄くなっているが、見失うことなく追うことができた。右手に建物が見え出すと平坦になり、マウントジーンズスキー場上の角点1417.1ピークに達した。リフトはまだ稼動していなかったが、建物の傍でスキー場係員が何か準備をしていた。汗ばんだので、ここで防寒着の上を脱ぎ、手袋のインナーを薄いものと取り替えた。登る途中で見えていた茶臼岳から朝日岳がよく展望できた。
 ここから先は踏跡はプッツリ消えてしまった。今までのトレースは何だったのだろうか。中の大倉尾根口までは二つのピークを踏んでゆくつもりで歩き出したが、坪足では脛まで潜るので、スキー場の最上部の雪上車で踏み固めた所を歩かせてもらった。二つ目(1462ピーク)の手前から夏道の方向を目指すと、すぐに清水平・北温泉・スキー場分岐を示す道標のある中の大倉尾根口に達した。

4 中の大倉尾根 − 三本槍岳  銀世界を楽しみながらのハイキング  スノーシューよりはスキーの方が快適そう!!
 夏道のトラバース道には、やはりトレースは認められなかった。中の大倉尾根はトレースを追う限り坪足でもまだ進めそうだが、いつかはス鬼面山(左)〜朝日岳(右) 茶臼岳(中央奥)  (中の大倉尾根1530付近から)ノーシューを履くことになると考えて早めに装着した。この分岐からは広い尾根は西北西に一直線に伸びていて、どこでも歩ける状態だが楽をするためにスキートレースを追って進む。夏道は多少抉れていて両サイドは笹薮に覆われていたように記憶している。今は一面が真っ白でその面影はない。標高が1500くらいになるとダケカンバ疎林となって左手には鬼面山から朝日岳の稜線を見ながらの歩きとなる。すぐに灌木帯になって正面にスダレ山、左手に茶臼岳、鬼面山と朝日岳の美し清水平方面  朝日岳(左)  (北温泉分岐から)い姿を見ながらの歩きで疲れも吹っ飛んでしまう。04年10月(ひとり山歩き169)に歩いたときは稜線が紅く染まっていたが、銀一色の景色も甲乙つけ難い。
 標高1650位になると勾配が増してくる。夏道では小石が敷き詰めてあったように記憶しているのだが、今の時期は銀世界で微塵も感じられない。左の朝日岳方面も右の赤面山方面も見飽きない景色だ。登る途中で磐梯山もかすんではいるが目に入った。多少勾配が緩やかになって雪上に灌木の頭がもたげるようになると、赤面山分岐のはずだが、見逃したのか雪下なのか道標を見ることはなかった。大倉尾根  (三本槍岳山頂から)
 分岐から先はツツジが雪下に透けて見える地帯で足場は悪くトレースも見当たらない。次いで小岩が雪上に突起した地帯の通過となる。地形図では夏道はスダレ山の中腹目指して幾分登っているようだが、遠方にかすかに見える北温泉分岐の道標めがけて直進した。多少の凹凸はあるが特に苦労することもなく北温泉分岐の道標にたどり着いた。今までは無風に近かったが、このあたりになると風が強いので防寒着を着てエネルギーを補給する。気がつくとスキーを履いた人が追いついてきた。後学のためにシール部分を見せてもらう。
 北温泉分岐から三本槍岳は少し北に進んで西に向きを変えるのが夏道のようだ(記憶には残っていなかった。抉れてジメジメした道を歩いた記憶は残っている)。今はあたりは雪原でどこでも通れる状態となっている。先行したスキーヤーに習って、分岐から西北西に尾根目指して直進した。尾根の勾配は急で直登は難しく、大きく蛇行して登り詰める。勾配が緩やかになると前方に山頂が見えるようになる。トレースを追って緩やかに登りつめると三本槍岳山頂で、先行のスキーヤーがいるのみ。
 山頂部は風が強く吹いているが寒いという感じはない。360度のパノラマが広がっているが、福島の山はかすんでいるのが残念!! 間近には真っ白な旭岳と大倉尾根が印象的。中腹から噴煙を上げる茶臼岳もよい眺めだ。朝日岳は熊見曾根で頭しか見えない。

5 下山茶臼岳方面  (三本槍岳から)
 往路を忠実に辿る。スダレ山のトラバースでスキーヤーとすれ違う。東の平野方面は雲が広がり始めた。午後には曇るの天気予報は当たりそう。赤面山分岐先の急勾配は登りよりも下りの方がくたびれた。前方では先行のスキーヤーがスキーを担いでワカンで歩き出したのが見える。勾配が緩くなると下りでも歩いた方が楽なのかな?? スキー場・北温泉分岐の手前で単独行のスキーヤーに出会う。今日は三人のスキーヤーと出逢った。途中で自分のスノーシュー以外にはトレースを見なかった。このコースはスノーシューよりはスキー向きなのだろう。
 マウントジーンズスキー場はスキーヤーやボーダー等で賑わっていた。三角点ピークでは数人が昼食を摂っていた。早朝にはなかったスキーのトレースが入乱れていて、往路のトレースを見失いスキー場に沿って下ってしまい数分のロス。スノーシューを脱ぐのが面倒でそのまま歩き続けるが、坪足トレースの窪みはスノーシューで歩くには狭くて歩きづらい。トレースを外して歩くが、下りでは多少の沈みは大した苦労ではない。擬木丸太階段部もスノーシューで下りて、余笹川の直前でシューを脱いだ。北温泉から駐車場への道は、往路とは逆で登りとなるので、スリップの心配はなかった。  
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