ひとり山歩き193 : 県道14号の日光市/鹿沼市境界から尾根に取付き、両ノ手山から六郎地山まで歩いてきました。大部分が植林の尾根ですが、途中に三ケ所ほど危険箇所がありました。日光連山と夕日岳付近が枝越しに処々で楽しめしました。
八岡山(641.5)〜両ノ手山(928.1)〜六郎地山(1097.1)
2005年3月22日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ (地形図 : 古峰原、日光南部  各1/25000)  
自宅(4:50) = 鹿沼市八岡(県道14号口)(5:45/5:55) − 県道14号の峠(日光市/鹿沼市境界)(6:20) − 八岡山(三角点641.5)(7:00/7:15) − 696ピーク(7:55) − 両ノ手山(三角点928.1)(8:45/9:05) − 954ピーク(9:40) − 896ピーク(11:05/11:10) − 847ピーク(11:30) −871ピーク(11:45/55) − 860ピーク(川中島分岐)(12:05) − 974ピーク(12:30) −六郎地山(13:10/13:25) − 974ピーク(13:55) − 860ピーク(川中島分岐)(14:15) − 川中島(15:10) − 古峯神社一の鳥居(16:05) − 八岡駐車地(16:45/16:50) − 自宅(17:55)

2 自宅 − 鹿沼市八岡
 2月28日に鹿沼市の引田橋からかまど倉ー羽賀場山ーお天気山と日光市/鹿沼市境界尾根を歩いた。その続きをと考えていたが、お天気山の北側には絶壁が控えているとの情報を得た。雪の残る時期に岩場は避けて、一先ず今回は途中を飛ばして鹿沼市八岡から市境界尾根に取付き六郎地山まで歩くことにした。
 古峰原街道を進み、県道14号(日光鹿沼線)の入口付近の広い路肩に車を駐めた。駐車地からは三角点峰(八岡山)の一部が見える。準備をして県道14号に進む。

3 八岡 − 両ノ手山  大部分は植林の尾根筋で危険箇所なし  
 数分歩くと左手に土砂採取場跡が見えた。今回も参考にしたYoshiさんが三角点峰641.5に向かって取付いたのはこの付近だな、と思いながら当初計画通り峠を目指す。県道14号はこの時間帯には交通量は少なく、峠までの30弱の間に一台も出合わなかった。県道14号の峠には道路開通記念の石碑がポツンと建っていた。三角点641.5(八岡山)
 峠の切通を攀じ登る。いつものことだが尾根に登りつくまでは小薮に悩まされる。10分程で尾根に達すると、左手(鹿沼側)は伐採地でネットが張ってある。三角点峰641.5=八岡山(文芸社発刊「優しい風」(倉持裕至著)の索引から推定、現地で未確認)までずっとこの状態が続いている。間伐材や多少のヤブはあるが歩きづらいことはない。山頂直下は急登で地面が風化していて軟らかくて滑りやすかった。山頂からは南に赤白鉄塔の鳴蟲山、北東に笹目倉山から鶏鳴山、南西に横根山が楽しめた。三角点は見つからなかった。
 西北西の鞍部から植林の登りになり、標高680級の小ピークをアップダウンしながら北上する。西に下る所では自然林の小枝尾根が二本平行しているので間違い易い。三番目の植林の尾根を西に下って、鞍部から北西に登り返すと696ピークを通過する。696ピークの前後は間伐材が少しばかり煩かった。途中で自然林になると左手に石裂山、横根山、右手に鶏鳴山(と思う)が瞬時楽しめる。岩っぽい尾根を登りきると植林の山頂に達する。これが三角点928.1峰で地元では両ノ手山と呼ばれているようである。RKさん独特の標高標識が三角点前の樹木に取付けてあった。裏を覗くと両ノ手山と書いてあった。山頂の北側は樹木が疎らなので、日光連山方面と地蔵岳〜夕日岳が伺える。

4 両ノ手山 −六郎地山  途中に三箇所の危険あり  六郎地山への登りは陽射しを受けて気持ちよい歩き
 両ノ手山からの下りは地面が凍っているが勾配は緩やかで特に危険はない。左手が自然林になっているので、地蔵岳から夕日岳の稜線を見ながら歩ける。一部で檜の枝が煩い所があるが、難なく954ピークに達する。山頂は狭く中央に境界杭と二枚の保安林看板があるだけで、枝越しに日光連山と鉄塔の方塞山付近が伺える。日光連山(後列) 六郎地山(中央)  (954Pから)
 954ピ−クから次の896ピークの間が本日の最も緊張する区間。大嫌いな岩場が二箇所もあることをYoshiさんの報告で知っているので、できたら避けたいが六郎地山まで尾根を通すには仕方なし。安全をとってロープを使うか、それとも生来の横着からロープを使わずに危ない思いをするか、恐る恐る954ピークを下り始める。気のせいか足元がだんだん厳しくなってきた。数分下ると今日一の展望が開けた。多少の枝に邪魔されるが、男体山・大小真名子山・女峰山・赤薙山、その手前に六郎地山と三ノ宿山(と思う)が展望できた。
 直ぐ先から左右とも急傾斜の下りとなり慎重に樹木に掴まりながら下りる。積雪していたら制動をかけるのに苦労しただろう。第一関門を突破したと思ったらヤセ尾根で気付いたら岩頭に立っていた。右手は巻きようがない。左手も急勾配で足場が悪い。立木と根に掴まりながら右へ左へ足場を求めて下る。途中でロープをと思ったが後の始末が面倒だと控える。なんとか大岩の下までおりられた。巻いて登るのは難しいことではない。このようなところには必ずと言っていいほど獣道があり、これを追えば稜線に復帰できるのだ。
 第一の岩場を過ぎて鞍部から小ピークに登ると岩稜となる。岩の上を歩こうとしたら表面が凍結しているので、再び左下を巻いて通過。今回はそれ程の危険は感じなかった。稜線へ戻って一旦下って登り返すと東西に長い896ピークに達した。樹林の中で展望は全くないが、白と青のビニールが夥しく樹木に巻いてあった。一部は剥がれて散乱している。林業に関係あるのだろう。896ピークからの下りにも暫く続いていた。896ピークまでのような危険箇所はなく安心して歩ける。次の小ピークが847ピークで通過する。鞍部に石祠を見つける。一体は横になっている。もう一体は台座のみであった。松が目立つ所を登ると展望の六郎地山頂ない871ピークである。六郎地山までは一時間以上は要すると思われたので小休止をかねてエネルギーを補給する。
 871ピーク先の鞍部から次のピークへの登りにかかると、南向きの石祠が祀ってあった。祠はしっかりしているが何も刻んではなかった。祠を見てほんの僅か登ると860級ピークで、復路で下る南西尾根を確認して先へ進む。ヤブっぽい尾根を僅か下るとまたまた南向きの石祠が祀ってあった。明治19年に建立したらしい。この山域は白井平か落合集落の信仰の対象であったのだろうか。
 860級ピークから六郎地山までは北へ向かって登って行けばよい。途中で迷う心配は皆無。尾根筋は概ね自然林で後ろから陽射しを受けながら気持ちよい歩きができた。974ピークまでは松、ツツジが目立ち下生えは鹿に食われて短いミヤコザサ。春の陽気に誘われたか一匹のカナヘビがチョロチョロしていた。
 974ピークからは所々に僅かに雪が残っているが、避けて通れる。このあたりは右手が植林左手が自然林で、植林側にU字型に抉れた道跡が六郎地山直下まで続いていた。植林か伐採の際、馬に荷を引かせた道筋のような気がするが定かでない。左に地蔵岳から夕日岳の稜線、右手に火戸尻山稜線を枝越しに眺めながら陽射しを背に受けて気持ちよく歩けた。残雪の尾根を緩やかにアップダウンしながら登ると、再び鹿に食われて短くなったミヤコザサが目立つようになると六郎地山の山頂に達した。六郎地山は一昨年の10月に三ノ宿山峠から登って以来の二度目。山頂部には僅かに残雪があり、三角点は雪の中。三枚の山名板のうち一枚は破損していたが、山部さんの3Dプレートと栃木の山紀行さんのプラスチックプレートは無傷で輝いていた。落葉している今の時期は西に夕日岳、北に男体山と東に火戸尻山稜線が枝越しに伺える。

5 下山  川中島への南西尾根は単調で危険箇所なし両ノ手山(両ノ手集落から)
 川中島への分岐である860級ピークまでは往路をそのまま戻る。860ピークからは川中島に向かう南西尾根を下る。ヤブも殆どなく尾根筋も単調で、しかも頭が黄色の杭が打ってあるので間違うことはないと思う。急降下が二三ケ所あるが特に危険な所はない。所々で枝越しに夕日岳を見ながら下り、標高550付近で尾根上にGB-4の小さな標識を見ると植林から自然林の下りとなる。このあたりからは沢音が聞こえ出し、川中島が近いことがわかる。尾根の最先端が東大芦川に架かる赤いグレーチング橋で、左の沢沿いには踏跡が認められた。橋を渡ると三ノ宿山林道の川中島で「鍋ケ沢滝、三蔵の滝」の標識があった。橋向の踏跡を沢沿いに進むと滝があるようだ。
 川中島からは例によって舗装道歩きとなる。クッションの効かない登山靴で舗装道歩きは足への負担が大きく辛いのだが止むを得ない。舗装道を歩きながら辿ってきた尾根筋を眺めるのが慰めとなる。古峯神社一の鳥居前後の落合と両ノ手集落付近から両ノ手山を撮影しながら駐車地の八岡の戻った。地元の人に三角点峰641.5が八岡山と呼ばれているのか聞きたかったが、人に出逢わず諦めた。 
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