ひとり山歩き91 : 大芦川の大滝不動尊から夕日岳に登り、夕日岳・薬師岳・大木戸山・三ノ宿山の尾根歩きを楽しんできました。夕日岳から薬師岳にかけてはアカヤシオは未だ蕾段階ですが、大木戸山あたりはきれいに咲いていました。
大滝不動尊から夕日岳〜薬師岳〜三ノ宿山

2003年5月2日(金) 快晴
1 行程
自宅(3:40) = 大滝展望台(4:50/5:05) − 大滝不動尊(5:15) − 838ピーク(5:50/5:55) − 1294ピーク(7:30/7:40) − 夕日岳(9:00/9:20) − 薬師岳(10:35/10:50) − 丸山(12:15/12:30) − 大木戸山(12:45/12:50) − 三ノ宿山(13:25/13:35) − 三ノ宿林道切通(14:15/14:20) − 大滝展望台(14:55/15:05) = 自宅(16:25)
2 自宅 − 大滝展望台大滝(高さ15m 幅5m)
 昨年の4月24日に夕日岳から薬師岳を歩いた時に、アカヤシオが咲いていたことを思い出す。その時に夕日岳山頂に南方向に「夕日岳新道」の標識を見かけたことがあった。この新道とやらを登ってみようかと考えインターネットで探したところ、夕日岳新道を通ったとの情報は見つかったが、内容は報告されていなかった。宇都宮勤労者山の会の笹島氏が大滝不動尊から夕日岳新道経由で夕日岳に登った報告を発見した。
 笹島氏のルートで夕日岳に登り、薬師岳・大木戸山・三ノ宿山へと尾根歩きをして、三ノ宿林道切通に下って大滝に戻ることを計画した。
 どこかで開花したアカヤシオを見れるかもと期待しながら、鹿沼市街から古峰原街道を目指す。大鳥居の手前を右折して三ノ宿林道を進む。ダム建設反対とかオウム反対のビラを見ながら、大芦川沿いを進むこと8kmで大滝展望台に到着した。
3 大滝不動尊 − 夕日岳  急登が続くが尾根筋は単調 大滝不動尊
 車を大滝展望台駐車場に停めて、大芦川の渡渉点を探す。展望台から見ると滝の下流は崖になっていて対岸を登りにくい。滝の上流へと歩を進むめると、直ぐに大芦渓谷ヒュッテの入口が見えた。ヒュッテへの入口の橋下から河原に下りて、渡渉する。尾根に取り付くと、笹島氏の報告にある南北に走る道筋を見つける。この道筋を左(南)に登って行くと、直ぐ先に石灯篭とお堂が見つかった。これが大滝不動尊で、中に石像が二体祀られていた。
 このお堂の後ろから南西に向かって杉植林を急登する。シカの糞が散らばる獣道を登って行くと雑木林と桧植林が交互に現われる。標高800m付近で後を振り返ると、六郎地山の稜線から太陽が出ようとしているところであった。尾根には多少のブッシュがあるが、煩わしいことはない。右手(北)に男体山が頭をだし、西から北にかけて夕日岳〜薬師岳〜三ノ宿山の稜線が枝で邪魔されるがかなり見通せるようになると、すぐに838ピークに達した。
 838ピークから背の高いヤブの中を南西に下る。下り始めると、すぐにヤブはなくなり雑木になる。鞍部からは桧植林の踏跡を南西に急登する。このあたりは獣道というよりは林業の人による踏跡と思われる。樹林の切れ目で左手に石裂夕日岳山頂(地面の標識が夕日岳新道入口)山をチラット見ることができた。838ピークを下ってからは、尾根を急登するとなだらかになり又急登と階段的に登って行く。標高900mあたりの雑木林では男体山から大真名子山あたりが見えた。標高900から950mにかけては勾配がきついので、ジグザグに斜面を登る。標高1000mあたりではアカヤシオの花びらが落ちていた。このあたりはどうやら散ってしまったようである。1100mを過ぎるとアカヤシオが咲いていた。大真名子山から女峰山まで枝越しではあるが見通せるようになってきた。1150mから急登に移ると前方に南北に連なる稜線が見え出した。このあたりは急登が続き、標高1200m位からは、低い笹の尾根となる。この尾根の特徴であるおびただしいシカの糞を追って獣道を登って行くと、南北に延びる尾根にたどり着いた。この左30m先が小高くなっているので。いってみると「オオホノチ」(意味不明)の山名プレートが取り付けられていた。ここが1294ピークである。ピークは笹原の樹林の中で展望はないが北西に夕日岳から地蔵岳が枝越し日光連山(夕日岳山頂から)に見える。南に延びる尾根の方向にテープが取り付けられていた。笹島氏によるとこのピークから南と南東に尾根が延びていて、南東に延びる尾根にテープが向かっていたとある。このピークからは南東に延びる尾根は樹木が邪魔してよく見えない。氏は南に少し下って確認されたのであろう。結局のところ夕日岳新道は南に下って蕗平あたりにに下るのか、南東尾根を下るのか判らなかった。地形図から推測するに蕗平に下る方を取りたい。
 アカヤシオが咲く1294ピークを後にして、今までとは向きを変えて北東に下る。疎林の笹道を緩やかに下り、岩っぽい痩せ尾根を何度かアップダウンして鞍部に達する。標高1300mあたりは急勾配で四つん這いになって登る。小コブを越した所で堪らず小休憩をとって栄養補給をした。低い笹の踏跡を北西に向かって急登し、次いで北東に急登すると1450ピークに達した。このピークのアカヤシオは未だ蕾で、北に男体山から赤薙山、北西に夕日岳、西に地蔵岳が望める。
 1450ピークから痩せ尾根を緩やかに下り、二つほど小さいコブを越して、岩っぽい所を急登すると、地面に置かれた夕日岳新道の標識を見て夕日岳の山頂に到達した。
 夕日岳の山頂付近はアカヤシオはまだまだの感じ。雪が大部少なくなった日光連山がくっきり見える。皇海山は枝越しになるが、錫ガ岳から奥白根山あたりも展望できる。今日の後半戦に備えて、薬師岳から三ノ宿山に連なる稜線を観察して腰をあげる。 
4 夕日岳 − 薬師岳  アカヤシオは未だ先
 この区間は昨年の4月24日に通っているので、参照願う。昨年と異なるのはまだアカヤシオが咲いていないことである。途中で数人とすれ違う。昨日は袈裟丸山に行って来たと言う我孫子の人と暫し情報交換する。
 この区間は緩やかにアップダウンを繰り返す笹道の連続。前方に日光連山が見えて気持ちよく歩けた。薬師岳山頂には、宇都宮から来た人が一名。釣りに来たのだが、道具を忘れたので細尾峠から登ってきたとのことであった。薬師岳山頂も昨年に比べてアカヤシオの開花が遅く未だ蕾の段階。
5 薬師岳 − 三ノ宿山  笹道で踏跡は明瞭  三ノ宿からの下りも踏跡あり大木戸山(中央右)と三ノ宿山(中央) (薬師岳から)
 薬師岳頂上から進路の尾根筋をよく確認して、笹原を下り始める。1221ピークまでは笹道の下りが続く。1221m基準点は下りの途中で気付かずに通過してしまう。薬師岳から約30分で、右側が伐採地の鞍部に達する。夕日岳を見ながら登りが始まると石祠が祀られていた。このあたりが1159m基準点である。基準点というとピークと考えるが両基準点ともピークとは感じられない。
 この鞍部からは東から北東に向きを変えて緩やかなアップダウンを繰り返し、約150mの急登で丸山山頂に到達する。途中の尾根にはアカヤシオの開花が見れた。山頂はコナラ等の雑木林で笹原が茂っている。1294ピークの下あたりからはずっと笹の中を歩いて来たことを思い出す。
 丸山からは笹道を南東に下る。三つの小さいコブを越して鞍部からは70m程登り返すと大木戸山の頂上に達した。山頂には三角点が設置されているが、2.5万分の一の地形図には山名は記載されていない。相変わらず雑木の笹原で展望はないが、このあたりのアカヤシオは今日一番であった。
 大木戸山の直ぐ先の北側が開けたところで女性グループ数人が食事中であった。左手をチラット見ただけで急いで通過する。赤薙山あたりが見え夕日岳(丸山付近から)たように思うが確認はしていない。山頂から5分も進まないうちに方向を北東に変えて下るようになる。ここから南東に下る尾根があるので注意が必要。この尾根を下ってゆくと大滝あたりに下れそうだが、三の宿山は通過しておきたいので、未練を残しながら三ノ宿山を目指して膝上まである笹道を急降下する。鞍部には二つの石祠がやや離れて祀られていた。鞍部からの登りは約80mで、道の右側に有刺鉄線が張られていたのには幻滅を感じた。三ノ宿山の頂部に達すると、右にこれから三ノ宿林道切通に下る踏跡が確認できた。最も高いところは左(北)に少し進んだ所で、そこには山名プレートがかけられていた。清滝方面に進むのは北に延びる尾根を下ることになる。三ノ宿山は2.5万分の一の地形図に山名は記入されているが、三角点はない。大木戸山とは正反対。地形図に名称を記入する基準は???
 三ノ宿山からは下るだけ、水分補給をして南東の方向に戻り、先刻の踏跡へ進む。かなりの急降下だが、踏大木戸山のアカヤシオ跡はハッキリしている。更にテープ標示もあるので安心して下る。前方には六郎地山とその左のピークを見ながら下り続けることになる。途中で右手に夕日岳の稜線がはるか彼方に見えた。随分あるいてきたなア、と感心する。相変わらず笹道の連続である。標高1000m位まで下ると、久しぶりに桧植林となり、涼を求めて?)植林の中を下る。今まではハッキリしていた踏跡が急に薄くなって、あちこちに分散しだす。委細かまわず、滑りやすい斜面を下ってゆくと三ノ宿林道切通が下に見え出した。切通に沿って南側に下り舗装道に出ると赤テープがぶら下がっていた。道路の反対側に看板が設置されていて、そこには踏跡が見えた。多分この辺りから六郎地山へ取り付けるのであろう。
 切通から林道を標高にして約300m下らねばならない。アスファルト道路を歩くのは、嫌なのだが仕方がない。途中で何回か林道上で猿を見かけた。大滝展望台までに時々車にすれ違う。林道を下る途中で夕日岳の稜線が見えたが、あんなに高い所を歩いてきたのかと感嘆する。
6 大滝展望台 − 自宅
 大滝不動尊から夕日岳への登りは、枝尾根が少なく難しいことはない。標高差900mの直登は足応え(?)があった。夕日岳〜薬師岳〜三ノ宿山の笹道の尾根歩きは気持ちが良かった。これでアカヤシオがもっと咲いていてくれたら申し分なかったのだが。それにしても今日は暖かいを通り越して暑さを感じた。帰り道で珍しく自動販売機を利用した。
 明日からゴールデンウィーク後半の三連休、孫たちが来るのを楽しみ家に帰る。 
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