ひとり山歩き100 : 柳沢林道経由で宿堂坊山に登り、復路で赤岩滝にも寄って来ました。宿堂坊山には林道の14号橋上部から北尾根に取り付きました。この尾根は広いが単調なので迷う心配はありませんでしたが、藪に多少悩まされました。
宿堂坊山(1968m)と赤岩滝(落差60m)
2003年6月14日(土) 薄曇
1 行程
 自宅(2:00) − 菖蒲ケ浜無料駐車場(3:25/3:30) − 千手ケ浜(4:35) − 柳沢林道(西ノ湖分岐)(5:20/5:25) − 渡渉点(赤岩滝分岐)(6:05/6:15) − 宿堂坊山取り付き(6:55/7:05) − 宿堂坊山(8:30/8:55) − 取り付き(9:45) − 赤岩滝分岐(10:10/10:20) − 赤岩滝(11:00/11:20) − 渡渉点(赤岩分岐)(11:50) − 柳沢林道(西ノ湖分岐)(12:20) − 西ノ湖(12:30/12:40) − 千手ケ浜(13:10/13:15) − 菖蒲ケ浜無料駐車場(14:25/14:30) − 自宅(17:05)
2 自宅 − 柳沢林道  今回も中禅寺湖周回歩道を歩く
 6月4日に三俣山に行った時、次は宿堂坊山と決めていた。平日に行く積もりで準備はできていたが、10日に梅雨入りして、雨がちでヤキモキしていた。どうやら雨も大丈夫ということで本日(土曜日)出かけることにした。土日曜日は赤沼から千手ケ浜まで低公害バスが利用できるが、赤沼で車から乗り継ぎのために無駄な時間がどうしても生じるので性に合わない。前回同様に菖蒲ケ浜から千手ケ浜まで歩くことにした。歩くと決めたからには、千手ケ浜着がバスより遅くなるのは感情が許さない。変なこだわりで柳沢林道(西ノ湖分岐)に5時着目標で家を2時出る。
 中禅寺湖周回歩道に入った時はまだ暗い。前回も往復しているので、道筋はよく分かり懐中電灯なしで歩く。赤岩を4時に通過したが、この頃になると樹林の中といえども道筋はハッキリしてきた。千手ケ浜に着くと既に明るく、早起きの人がいるもので三脚を構えて写真を撮っている人がいた。
 西ノ湖入口BSを目指して、舗装道を進む。鹿が警戒音を発する中、気持ちよく歩く。熊出没の看板を見て鈴を取り付ける。BSから橋を渡って西ノ湖方面に戻る。カラマツ林の中を軽快に歩いているうちに柳沢吊橋に出てしまった。ボンヤリ歩いていて柳沢林道口を通り越してしまったのだ。約15分付近をウロウロして、やっと柳沢林道(西ノ湖/戦場ヶ原分岐)にたどり着く。 
3 柳沢林道 − 宿堂坊山  ヤギト沢沿いに崩落・落石目立つ  宿堂坊山北尾根は踏跡なく藪あり
 カラマツ林の林道を進むと、すぐに堰堤の横で柳沢川の左岸に出合う二段堰(左、堰の下流で渡渉)) 渡渉点(右)。勾配は緩やかで川沿いの林道は気持ちよく歩ける。たて続けに堰堤を四つ程通過すると、勾配はややきつくなり道も荒れが目立つようになる。やがて二段の堰堤で林道は切れる。堰堤の手前に木橋の一部だけが残っている。この地点が渡渉点で対岸に渡らねばならない。ほんの僅か下流に岩の間に倒木を渡してあるのが見えたので、ここから対岸に渡る。コンクリートの土手に赤ペンキで右赤岩滝の標示があった。復路で赤岩滝によってみようと決めて、先ずは宿堂坊山目指して、林道の左手に進む。林道はこの先から急に荒れ落石を受け止める14号橋出す。落石や崩壊で林道の面影がないところもあるが、道路標示やカーブミラー等林道の面影はかなりの部分に残している。やがてヤギト沢をすぐ左下に見ながら南西に向かって進むようになる。支流に架かる水没したコンクリート橋を渡り、10分程南下すると落下した大岩が黄色の欄干で辛うじて止まっている14号橋を通過する。この橋から数十メーター東に登って行くと、急に西向にUターンとなる。Uターンしてすぐの山側の立木に赤テープを発見する。立木の根元に空の一升瓶が置かれて宿堂坊山北尾根の取り付き点いた。立木の正面は小さな沢で、すぐ右手に痩せ尾根が見えた。直感的にこれから取り付こうとしている北尾根の端であることを知る。念のため地形図で確認して、ここを取り付き点と決めた。
 この痩せ尾根は取り付きにはもってこいで、根の張った尾根上を南南西に登ってゆく。案の定、赤テープが先導してくれる。こんな間違いようのないところにべたべたと赤テープが必要なのかと思いながら15分も登ると、尾根は急に広くなった。踏跡はないが、獣道は途切れ途切れに続く。倒木や藪に悩まされるが、尾根の左側(東側)は藪が少ないようであった。西側は日陰のせいか藪としては始末の悪い石楠花が多い。南南西に登って行けばとんでもないところに行ってしまうような尾根でなく必ず山頂にたどり着くと地形図で確認しているので、倒木と藪を避けて歩きやすいところを進む。尾根の左手には赤テープが処々で目に付いた。
 標高1850mあたりで北西の枝の切れ目から錫ケ岳を偶然眺めることができた。標高1990mあたりになるとコメツガに混ざってダケカンバが目立つようになる。このあたりは山頂に向かう獣道を歩くことが多い。勾配が緩やかにになって下草の笹が目立つようになるとすぐ前方に小高い所が見える。登って見るとそこが宿堂坊山の山頂で、三等三角点と初めて見る御料局三角点があった。 明治時代、皇室の財産であった森林は、宮内庁御料局が管理していた。管轄林の基準点として御料局三角点を設置した。宿堂坊山頂上(左)  御料局三角点(右)
 山頂は一面が笹原で樹林に覆われていて展望はない。錫ケ岳が枝の隙間から辛うじて読み取れる。北の外れからは奥白根山男体山が枝越しに覗けた。南端では枝の隙間から三俣山とシゲト山に連なる尾根筋が何とか読み取れた。山頂に設置された山名板は三俣山に比べ多かった。木のプレートは彫りこんであるので古いが読み取れる(三俣山の木プレートは彫刻してないので読み取れなかった)。 錫ケ岳や三俣山への取り付き点の標示は目に付いたが、踏跡は薄そうであった。 
4 下山(赤岩滝経由)  赤岩滝へはテープとケルンを忠実に追うこと 滝壷から見上げるのもお赤岩滝(落差約60m)つなもの
 宿堂坊山頂上から取り付きまではコンパスを北北東に設定して藪を避けて歩きやすいところを下る。多少方向がずれてもヤギト沢沿いに下りられると、藪の少ない東側を下る。北尾根の東斜面を下ると登りでは藪と倒木に悩まされたが、ほとんど障害物はなかった。標高1700mあたりで斜面から谷になる。谷沿いを下るも障害物はない。取り付き点に近づくと小さな沢が現れたので、左手(西側)の尾根に戻ると、最初に取り付いた痩せ尾根であった。そこから尾根上を僅か下ると、取り付き点に着いた。登りに下りで通った斜面を利用する手はあるかもしれない。
 往路をそのまま渡渉点(赤岩滝分岐)まで戻る。分岐で小休憩を取って、柳沢川の右岸に残る林道を北上すると、堰堤の先で林道は消えて、川原歩きとなる。テープやケールン(岩の上に小石を積んだだけ)が案内してくれる。疲れた身では岩がゴツゴツしていて歩きにくいが、勾配が小さいので助かる。テープとケルンが右俣へ渡ることを促している。右俣の左岸を歩くこと約5分、テープを見つけて右岸に渡る。これらの渡渉点は適当な岩がなく、誰かが架けた倒木に頼るが女性には少し難しそう。。そのすぐ先に落差の小さい滝があり、さらに進むと目の前に落差60mと言われる赤岩滝が現れた。狭い滝壷から見上げると滝は三段に別れている。デジカメにやっと全容が治まる。滝を眺めながら休憩を兼ねて昼食を取る。
 柳沢林道の西ノ湖分岐まで戻ると、ハイカーが多い。時間、体力とも余裕があったので西ノ湖に寄ってみる。30人位のハイカーが湖畔にいた。ハイカーの出入りは多い。ざわざわするので、長居も無用と柳沢吊橋から千手ノ森歩道経由で千手ケ浜へ戻る。バス停付近には数十人がたむろしていた。
 千手ケ浜からは往路同様に周回歩道を歩く。前回は平日であったので、出逢う人はいなかったが、土曜日のせいか途中で数組のグループと出逢う。駐車場に戻り、靴を履き替えていると雨が降り出す。 
5 菖蒲ケ浜 − 自宅
 今週は梅雨で毎日ジリジリしていたが、今日はどうやら山歩きの間は雨に祟られずに済んだ。あと一ヶ月もこんな天気が続くことを思うとゾットする。こんな状況では次回どこへ行くか考えまとまらず。
 土曜日のせいか今日はマイカーが多い。イロハ坂のだらだら運転にはいつも嫌気がさす。紅葉シーズンに比べたら天国のようなものだが・・・
HOME  
inserted by FC2 system