ひとり山歩き57 : 菅沼から前白根分岐を経由して錫ケ岳をピストンする計画でしたが、強風のため裸尾根を歩くのは危険と判断して途中から引き返しました。その代わりに奥白根山に登って白錫尾根の概要を把握してきました。
錫ケ岳を諦めて奥白根山へ
2002年8月21日(水) 晴れ
1 行程
自宅(3:00) − 菅沼P(4:50/5:00) − 弥陀ケ池(6:25/6:35) − 五色沼(6:50) − 避難小屋(7:05) − 前白根分岐(7:15/7:30) − 2385ピーク(7:45/7:50、引き返す) − 前白根分岐(8:10/8:20) − 避難小屋(8:30) − 奥白根山(9:45/10:10) − 弥陀ケ池(11:00/11:10) − 菅沼P(12:30/12:40) − 自宅(15:00)
2 自宅 − 菅沼  2週間ぶりの山行  HPで情報を頂いた錫ケ岳へ・奥白根山頂から : 錫が岳(中央) 赤城山(最後方)・・
 先週は、孫たちがやって来たのと、盆休みの混雑を避けて山行はお休み。7日の鬼怒沼以来丁度2週間ぶりで、満を持しての山行となった。
 先日、錫ケ岳登山の情報を隣町のH氏から頂いた。錫ケ岳は遠望が美しいので、何時かは登ってみたいと思っていた山であり、早速出かけることにした。H氏のルートを辿ろうと、菅沼を目指す。何回も通った道であり、予想通りの時間で菅沼の奥白根山登山口の駐車場に着いた。7台が駐車していて、一組が準備中で、その他の車は仮眠しているのか、すでに出かけたのか分らない。
3 登山口 − 白錫尾根(2384ピークまで) 強風の裸尾根は危険!途中で退却する
 菅沼の登山口から弥陀ケ池までは、昨年の6月に奥白根山に登った時に通った道。山歩きを始めて2回目の山行であり、喘ぎ喘ぎ登ったことを思い出す。その時と所要時間を比較してみると、全く同じ85分であった。1年前と同じペースで、がっかりする。その反面、疲労度は比較にならに程小さい。この1年で省エネペースができたのであろう、と自分を納得させる。
 五色沼、避難小屋、前白根分岐あたりは、6月10日に歩いたばかり。その時はあちこちにに残雪があったが、今はハンゴウソウ等の草花が咲いていた。五色沼まで来ると避難小屋の方からアタックザックを背負った中年の単独行者とすれ違う。
 五色沼あたりから風を感じるようになる。避難小屋から前白根分岐へと樹林の中を登るにつれて風が強くなってきた。白錫尾根は前半は裸尾根なので、大丈夫かなと心配しながら登る。
 前白根分岐に出ると、案の定ものすごい風が吹いている。今までは、長袖シャツで寒くも暑くもなく丁度良かったが、風のため体感温度がぐっと下がる。いつも持ち歩く防寒兼用の雨具を着用し、尾根に出て様子を探る。帽子も吹き飛ばされるので、雨具奥白根山中腹から : 白根隠山(中央)と白錫尾根のフードを取り出してかぶる。白錫尾根の取り付きはダケカンバの疎林であり、行けるところまで行ってみようと意を決して登りにかかる。道筋は薄いがなんとか分る、気になるのは強風。疎林の中ではあるが、かなり風を感じる。空を見上げると、北から南の方向に雲が早いスピードで流れている。最初の小さなピークを越すと、継ぎはぎだらけの観測小屋(?)が見えた。好奇心を出して寄ってみる。こちらサイドは風が弱い。ここからは男体山、中禅寺湖更には筑波山と景色は良い。ここで暫く様子を窺う。木の揺れ、雲の動きから見て強まりこそすれ、弱まった感じはない。次の2385ピークまでは疎林が続くので、何とかなるかも知れないと進む。2385ピークの登りにかかると、ますます風を感じる。どうにかピークの突端にたどり着くと、遮るものがないので、風が強く真っ直ぐ立っているのがやっと。このすぐ先は白根隠山だが裸尾根が続くようなので、危険と判断して退却する。
 例の観測小屋の所まで戻り、エネルギー補給をしながら、考える。ここで風の止むのを待っても、短時間で収まるとも思われないので、今日は錫ケ岳は断念する。 
4 前白根分岐 − 奥白根山  奥白根山の中腹から白錫尾根の概要を把握  山頂では風が弱まっていた
 前白根分岐に下りて、五色山、金精山経由で菅沼に帰るか、それとも来た道を引き返すか思案する。気が付くと若い単独行者が傍にやって来た。矢張り錫ケ岳を目指していたが、この風では奥白根山もだめと思うので湯元経由で帰ると、前白根山に向かって行った。奥白根山と言えば、6月10日に湯元・前白根山・経由で登った時のことを思い出す。あの時も風が強くて前白根山から湯元へ引き返そうとした。行けるところまで行ってみようと、奥白根山に登ってみると、意外にも風がなく快適な山登りができた。風向きから見て、ひょっとすると南面(前白根山側)から登ると風は弱いかもしれない。山頂まで行けなくとも、中腹から前白根分岐から錫ケ岳へ続く白錫尾根の様子が分るだろう、と思いつき急遽足を向ける。
 避難小屋まで下ると、風もかなり弱い。樹林帯の登りに入ると、風も余り気にならなくな奥白根山頂から : 男体山と中禅寺湖る。暫く登ると汗をかき始めたので防寒衣を脱ぐ。やがて、北面からの登山者が下ってくるのと出会う。風の様子を聞くと、強風と寒さに悩まされたようである。山頂までに10人位と出合ったが、全員が防寒衣を着用していて、シャツ姿の私をじろじろ眺める。いかにもそんな格好では無理ですよ、と言っているようだ。
 前回、このルートを登った時にはぜんぜん気にしなかった白錫尾根がよく見える。樹木が風に揺れているのまで見える。最初は、錫ケ岳付近は見えなかったが、山頂が近づくにつれ全ルートを見通すことができた。脳裏にしっかり記憶させると共に、写真とビデオを撮影しておく。今日は奥白根山に登るのが目的でないので、のんびりムードで歩を進める。
 風も気になるほどではない。雲の流れも遅くなっている。今更言っても仕方ないが、スタートが2時間ずれていれば白錫尾根を歩けただろうに、と諦めが悪い。避難小屋から1時間で山頂の南面直下の平らなところ(お釜)に達する。山頂は風が強いといけないので、ここで再び防寒衣を着用する。
 山頂に着くと、運動靴の若者がひとり双眼鏡で遠くの山を眺めていた。お互いにシャッターを押し合っていると、4人組の中年女性が登ってきた。皇海山赤城山の間に富士山がほんの僅か雲間に頭を出していると教えてあげると、皆歓声を上げる。今日は、武尊山、尾瀬方面の山がガスで山頂部を隠している以外は、比較的展望は良かった。 
5 奥白根山 − 菅沼  昨年の山行で足のすくんだガレ場と岩場は? 別にどうという場所でない!
 下りは、弥陀ケ池から菅沼のルートを取る。このルートは昨年6月に二回目の山登りで通ったルートである。その時は、初めての経験であるガレ場、岩場に足がすくんでしまったことを思い出す。充分注意を払わねばならないが、足がすくむような場所ではない。この1年よく山歩きをして経験を積ん成果なのであろう。
 今から登る人は多い。7月末から8月は、夏休みのためか学生が多い。普段は、平日に山歩きをすることもあって、中高年の登山者が圧倒的に多いのだが。ガレ場で5歳位の男の子が父親に連れられて自力で登ってくるのに出会った。根性には感心するが、こんな幼い時から無理な負荷をかけるのは良いものやら、悪いものやら。精神的あるいは肉体的ダメージを受けねばよいが、と余計な心配をする。
 弥陀ケ池まで下ると、池の周りで休憩している人が多い。十数人の女学生グループが3人の男性に引率されて山頂に向かって登りはじめるところであった。引率者が風を気にしているので、今から登れば心配ないと教えてあげる。
 弥陀ケ池からの下りは、段差があり歩き難い。昨年は下りで足がガクガクになってしまったことを思い出しユックリ下る。余りにもノンビリ歩いたので、登りの時間とほとんど同じになってしまった。駐車場に戻ると、約30台が停まっていた。  
6 菅沼 − 自宅
 目的の錫ケ岳を強風のため断念せざるを得なかった。残念だが仕方ない。再挑戦することを誓って帰路につく。こんな早い時間帯にイロハ坂を通過するのは久しぶり。渋滞の原因となる観光バスが走っていないので、比較的スムースに下る。坂道でいつも思うのだが、ブレーキをかけっぱなしの車が必ず走っている。そうすると後続の車もブレーキを踏まざるを得なくなる。エンジンブレーキをよく利かせ(ギアを落す)れば、カーブごとにブレーキを踏むことはなくなるのに!エンジンブレーキを利かせたほうが、安全で省エネですよ! 
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