ひとり山歩き631 : 滝尾神社から一筆書きで3基の殺生禁断碑を辿り、併せて羽黒尾根と黒岩尾根でツツジを楽しみました。
羽黒尾根〜黒岩尾根 3基の殺生禁断碑の一筆書き
2016年5月13日(金) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(2:50) = 滝尾神社駐車場(4:10) − 殺生禁断碑(本家)(5:10)− 相通沢渡渉(5:40) − 殺生禁断碑(かくれ)(6:00/6:05) − 羽黒尾根出合(6:30) − 石祠(標高点935付近)(6:40) − 標高点1122(7:35) − 標高点1314(8:15) − 羽黒尾根別れ(8:55) − 宇賀神(石祠)(9:05/9:10) − 水呑標柱(黒岩尾根出合)(9:15) − 三角点1398(9:20) − カラマツ林外れ(9:25/9:40) − 稚児ケ墓(10:00/10:05) − 黒岩尾根別れ(10:25) − 殺生禁断碑(もうひとつの)(10:35/10:40) − 天狗沢渡渉(11:05) − 滝尾神社(11:15/11:25) − 滝尾神社駐車場(11:30/11:35) = 支度13:10)
Aルートマップ

2 自宅 − 滝尾神社
 先週は、夕日岳〜行者岳の稜線歩きでアカヤシオを堪能した。ミツバツツジもわずかだが観賞できた。ヤマツツジとシロヤシオを堪能すべく羽黒尾根(田母沢左岸尾根)を歩いてみることにした。計画作成中に、第3の殺生禁断碑(かくれ・・・と仮称)の場所が判明した。3基の殺生禁断碑を一筆書き(同じ場所を二度歩きしない)で辿ることを思いついた。スタート地点を滝尾神社にすれば羽黒尾根から黒岩尾根も歩け、最後に滝尾神社にも立ち寄ることができる。
 ショートコース(注: ショートコースは8時間以内、ノーマルコースは8〜12時間、ロングコースは12時間以上と個人的に区分けしている)だから明るくなってから、歩きはじめとする。滝尾神社駐車場に到着した時にはヘッデンなしで歩ける明るさになっていた。いうまでもなく他に車なし。車載温度計12度 
3 滝尾神社 − 殺生禁断碑(本家) − 殺生禁断碑(かくれ)  三の殺生禁断碑も容易に見つかった (ほかの二基比べると小型)
 滝尾神社駐車場から明るくなってからのスタートは記憶にない。行者堂への石畳の道は明るくなってからでも凹凸が多く歩き辛い。行者堂の左手から登山道に入るとヤマツツジがぽつぽつと現れる。林道出合から急登すると殺生禁断碑(殺生禁断境石と刻んである)。この碑は黒岩根を歩く人はだれでも見かけるが、大部分の人は同様の碑が他にあるとは思っていない。今日はこれを含めて3基の殺生禁断碑を訪ねる計画。区別するために勝手ながらこの碑を殺生禁断碑(本家)と仮称。

左: 駐車場に隣接の滝尾高徳水神社 右: 行者堂


左: 林道出合(この辺りはヤマツツジがぽつぽつ) 右: 殺生禁断碑(本家)、これは黒岩方面に向かう人は誰でも見る)
 この山域に詳しい人は、ここから近いところにもうひとつの殺生禁断碑があることを知っている。でも、第三の殺生禁断碑が寂光滝の近くにあるということはごくわずかな人しか知らない。かく言う自分も、つい最近知ったばかりである(ブログ「アキ爺の山歩きとブログ「たそがれオヤジのクタクタ山歩き」参照)。
 今日は一筆書きで同じ場所を通らないと決めているので、次は三番目の殺生禁断碑を訪ねることにする。まずは殺生禁断碑(本家)から南尾根を踏跡(獣みち)を追いながら下って行く。地形図には先刻の林道はすぐ先で終点となり、破線がついているが12年7月26日(ひとり山歩き484)で下った時には道筋は不明でかなり下って尾根上に出たら道筋らしいものが通っていた。今回のルートでは林業関係者によると思われる踏跡が拾えた。下って尾根筋が明瞭になると地形図の破線を辿る格好になる(踏跡はあまり明瞭ではないが)。相通沢を飛び石で渡り、対岸の民家の間を通て舗装道に出る。
 寂光滝駐車場に向かう舗装道を歩き、右手に林道分岐を見て400メートルほど進むと、「寂光の滝0.5km」の標識を見る。標識の5メートル手前の右手(北の山側)約10メートル奥に倒れた石碑を見る。これが第三の殺生禁断碑で区別するために殺生禁断碑(かくれ)と仮称。この碑には殺生禁断と刻まれ、他の2基に比べたらかなり小型。この辺りは自動車で通過してしまう人が圧倒的。歩く人でも知らなければ通り過ぎてしまう。

左: 殺生禁断碑(本家)から南尾根を下る 右: 南尾根の標高730付近(防火帯状)地形図には破線あり


左: 相通沢(飛び石で容易に渡渉・・・対岸には人家あり) 右: 「寂光の滝 0.5km」標識の手前5m地点で右手約10mに下左写真の石が見える


左: 台座(手前)と転倒した殺生禁断碑(隠れ) 右: 殺生禁断と彫り込んである、他の2基よりも小型

4 羽黒尾根 − 宇賀神 − 水呑(黒岩尾根) 羽黒尾根でヤマツツジ、ミツバツツジ、シロヤシオを楽しむ  水場〜宇賀神〜水呑は池田正夫氏ノブログを参照願う( http://ameblo.jp/mt-masao/entry-11600493499.html )
 羽黒尾根を歩くには先刻の林道入口まで戻れば、緩やかな登りなのだが、一筆書きで戻ることは禁止事項。やむを得ないので石碑地点から枝尾根に取りつく。最初は急登だが、見出し標もあり林業関係者の踏跡が拾える。ヤマツツジを散見しながら登り詰めると標高890で羽黒尾根に出会う。07年11月14日(ひとり山歩き299)で下った頃は羽黒尾根なんて洒落た名前はまだついていなかったので、田母沢左岸尾根と称した。羽黒尾根だとか、稲荷川と天狗沢に挟まれた尾根を天狗尾根と称したり、センスのある人はいるもんだ。社山付近の大日尾根もしかり。
 出合から数分でヤマツツジが真っ盛りの平坦地に到着。標高点935付近に石祠を見る(天保七申年と刻んである →訂正(16.05.23):今回確認したのでなく、前回07年11月14日・ひとり山歩き299で確認)。 

左: 殺生禁断碑(かくれ)から取付いた枝尾根(標高850付近) 右: 羽黒尾根出合(瓢湖890) ヤマツツジはぽつぽつ


標高点935付近 左: ヤマツツジ真っ盛り 右: 石祠(天保七申年と刻んである)
 石祠を過ぎるとヤマツツジに代わってミツバツツジとシロヤシオが主役になる。標高点1122付近はミツバツツジ、シロヤシオにヤマツツジの三者共演(アカヤシオはもっと下の方で僅かに見かけただけなのが残念)。ツツジを楽しみながら登ってゆくとカラマツ林となり、標高1200あたりからは急登になり、今日一のハードワーク。標高1300あたりでカラマツ林を脱すると、平坦になり標高点1314あたりはミツバツツジが歓迎してくれる。

左: 標高980付近のヤマツツジ 右: 標高1060付近のシロヤシオ


標高点1122付近 シロヤシオ、ミツバツツジ、ヤマツツジの共演


左: カラマツ林(標高1180付近)この先で急登になり、今日一のハードワーク 右: カラマツ林を抜けるとミツバツツジ(標高点1314付近)
 標高1350で再びカラマツ林となり、膝下の笹尾根を登ってゆく。先刻のカラマツ林ほどではないが、勾配は結構きつい。標応1450付近で、南東へ枝尾根が下っているのを確認して羽黒尾根別れとする。羽黒尾根は07年に下ったが、展望も藪もなく面白みのない尾根だと思ったが、今回のようにツツジの季節には趣があってよい。ちなみに羽黒尾根で検索するとツツジの季節しかヒットしない。
 東北東にコンパスを合わせて笹斜面を10分(標高にして50メートルほど下ると沢筋(相通沢右俣の上流)で近くの宇賀神で法施を行った修験者が利用した水場のようだ。東へ約60メートル進むとカラマツ林の低い笹の中に宇賀神の石祠を見かける。更に東へ60メートルで水呑標柱(黒岩尾根の登山道)に達する。黒岩コースで女峰山へ向かう人はこの水呑なる標柱を見ても意味が分からない。水場〜宇賀神〜水呑に関しては池田正夫氏のブログ( http://ameblo.jp/mt-masao/entry-11600493499.html ) に記載されているので参照願う。水呑標柱から10分程度で宇賀神を往復できるので、興味ある人は立ち寄りを(笹は脛程度で問題なし)。

左: 羽黒尾根別れ(標高1450) 右: 東北東に下ると相通沢右俣上流の水場


左: 水場から東に60メートルに石祠(宇賀神) 右: さらに東へ60メートル地点に水呑標柱(黒岩登山道・・・誰もが何かな?と不思議に思う
5 黒岩尾根 − 殺生禁断碑(もうひとつつの) − 滝尾神社  殺生禁断碑(もう一つの)から東尾根に林業関係(?)踏跡(古い道筋は不明) ついでに滝尾神社も見物
 黒岩コースは何度も歩いているが、三角点1398.0を訪れたことはない。たそがれオヤジさんの最近の記録を読んで寄ってみた。笹に隠れるように三角点あり、展望は全くない。三角点に興味ある人以外には勧めるような場所ではない(登山道から数分離れるだけだが)。標高1350でカラマツ林外れとなり、本日のコースで展望が楽しめる唯一の場所で、ザックを下ろしてエネルギー補給。日光外山、鶏鳴山、鳴虫山、夕日岳等が楽しめる。
 水場付近ではヤマツツジはまだ蕾。稚児ケ墓手前では登山道の右手にミツバツtジやシロヤシオが咲いていた。稚児ケ墓を過ぎるとヤマッツツジも開花。途中で単独者とすれ違う(本日唯一の出逢い)。右手から地形図に記載の破線(踏跡程度)を合わせる。そこから約150メートルほど進んだ地点で黒岩尾根別れとする(目印特になし)。

左: 三角点1398.0 右: カラマツ林外れ(標高950)からの展望 左中央の外山 鶏鳴山/鳴虫山(中央) 夕日岳は右端枠外


左: ヤマツツジのつぼみ(標高1220付近) 右: ミツバツツジ(標高1200)


左: 稚児ケ墓 右: 黒岩尾根に分かれて左(東)へ(標高980)
 登山道から東に離れるとすぐ先で、14年11月14日(ひとり山歩き573)で見かけた防火帯と木杭で方向修正して北東に進むと、約5分で殺生禁断碑に達した(@宇都宮さんのマップを参考)。この碑を便宜上、殺生禁断碑(もうひとうの)と仮称。この碑は東向きで殺生禁断碑(本家)同様に殺生禁断境石と刻んである。ここからは外山、鶏鳴山、日光市街地、遠くは筑波山(今回は曇りで見えず)が展望できる。 ここに石碑が建つということは、付近を道が通っていたのであろう。

左: 防火帯、目印の木杭 右: 殺生禁断碑(もうひとつの)・・・黒岩尾根別れから約10分、約150メートル東
 道筋が残っているかどうか、東尾根を下ってみることにする。最初はカラマツ林の急下降であったが、途中から勾配が緩み杉(桧だったかな)の植林となり、道筋があったようなないような(多分林業関係の踏跡だろう)。途中から作業道を追って下り、天狗沢を渡渉。対岸に舗装道があり、すぐ先でダート林道が分かれる。この林道を進むと、滝尾神社の西入口

左: 外山(他に筑波山 古賀志山 高平山 鶏鳴山 日光市街地)を眺めて東尾根を急下降) 右: カラマツ林(標高950あたり)




左: 植林地帯を下る(標高910付近) 右: 作業道を追って下ると天狗沢(対岸に舗装道)
 通常とは逆向きに滝尾神社の建造物を見物しながら下ってゆく。参拝者数人とすれ違う。最後に白糸滝を見物して滝尾神社駐車場に戻る。他に車はなし。駐車場から滝尾神社入口の間だけだ重なったが、3基の殺生禁断碑の一筆書き無事終了。

: 天狗沢渡渉地点から滝尾神社方面へと林道歩き 右: 滝尾神社(西入口)


左: 唐門 右: 本殿


左: 楼門 右: 運試しの鳥居

白糸滝 左: 上から 右: 沢の右岸から

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