ひとり山歩き299 : 寂光滝から馬立・唐沢小屋・竜巻山・黒岩経由で田母沢左岸尾根を下り寂光滝まで周回してきました。唐沢小屋付近は薄っすらと雪景色でした。田母沢左岸尾根は林床が低いミヤコザサで特に危険箇所もなく快適な歩きができました。
寂光滝から唐沢小屋〜竜巻山〜黒岩〜田母沢左岸尾根周回
2007年11月14日 晴れ後曇り
1 行程
ルートマップ
自宅(3:05) = 寂光滝駐車場(4:35/4:50) − 大樺(6:30) − 馬立(7:50/8:00) − 唐沢小屋(9:55) − 女峰山下ガレ場(退却)(10:15/10:25) − 唐沢小屋(10:40/10:55) − 竜巻山(11:40) − 黒岩(12:30) − 八風(12:45) − 田母沢左岸尾根分岐(13:15) − 標高点1122付近(14:05) − 標高点935・石祠(14:45) − 寂光滝駐車場(15:20/15:30) = 自宅(17:20)

2 自宅 − 寂光滝
 昼時間が短くなり出かける山域に制約を受けるようになったので、今シーズンの本格藪山は先週の黒滝股山で終了することにした。暫くは登山道歩きで足腰の強化をすることにする。当掲示板に日光北部の田母沢左岸尾根歩きの書き込みがあり、この尾根に興味を持った。今年は大好きな山のひとつである女峰山に登っていない。昼時間の短い今の季節としてはチョッと欲張った計画だが、寂光滝から馬立・唐沢小屋経由で女峰山に登り、唐沢小屋から黒岩コースを辿り、途中から田母沢左岸尾根を下って寂光滝に戻る事を考えた。
 寂光滝から馬立・唐沢小屋経由で女峰山には03年7月にひとり山歩き104と03年10月にひとり山歩き116でレポートしている。この二回の行程時間と比較すれば現在の脚力も把握できる。特に脚力が落ちているとか体調が悪いということがなければ、11時間あれば歩けるだろう。最後の田母沢左岸尾根の様子が分からないので、12時間歩くつもりで計画。必然的に暗いうちに登り始める必要がある。ひとり山歩き116に倣って5時スタートという予定で家を出る。自宅から寂光滝駐車場まで60km、最近の山行にしては短じかく多少早めに到着。

3 寂光滝 − 馬立 − 唐沢小屋  唐沢小屋付近は薄っすら白くなっい  
 鳥居を潜って石階段を登ると若小神社があり、その左手から根の張り出した登山道に入る。やがて落葉を敷き詰めた抉れ気味の登山道歩きとなる。ヘッデン歩きでも特に危険な箇所はないが、最初の根の多い部分は躓かないよう気を配る。勾配がだんだん急になり、スタートして約30分で明瞭な尾根上に達建設中の堰提して勾配が緩んで一息入れる。林床は低いミヤコザサでその中に踏跡を確実に追うことが出来る。進むにつれてミヤコザサは深さを増して時には踏跡にはみだしているが歩くには特に支障はない。11月も央になると気温が下がって(出発時に1度)笹が露を含んでいないので助かる。道標が見えて左から裏見滝からの道を合わせて大樺に到着。ここまで前二回よりも10分遅い。脚力低下によるものか、笹のはみだしによるものか。後者のせいにしておけ!!
 大樺からもカラマツ林とミヤコザサの登山道は続く。笹丈は膝ないし腰まで達して登山道への笹のはみだしは過去の記憶よりも多いようだ。このところ暫くは刈払いをしていないのであろう。標高1700付近で小さな涸れ沢を渡って、尾根の右手をトラバースして進むようになると、男体山と大真名子山が展望できる。このあたりに石像があるのだが、笹薮に隠れて見えなかった。コメツガ林の尾根の左下を緩やかにトラバースして行くと、荒沢に突き当たる。左岸の石ゴロ道を更に進むと荒沢に落ち込むガレ沢を横切り馬立にたどり着く。この間は前回並みに歩けたが、左脚のふくらはぎが痛む。アキレス腱ではなさそうなので、先に進むことにした。
 ガレ沢右岸の登山道を進むにつれて、先刻から聞こえてた沢からの掘削音が大きくなってきた。三年前に標高1900付近で砂防ダムを建設していたが、この工事にしてはおかしいと思いながら登って行く。立入り禁止のロープが登山道に沿って張ってあるが、禁を犯してロープの中に入って沢を覗くと、三年前の堰提の下に3基が同時に建設中であった。確かにこの沢は荒れているのだが、こんな短区間に3基も必要なのかな?唐沢小屋
 コメツガ林の単調な登りに疲れて振り返って見ると、男体山の左後方に富士山が見えた(標高2000付近)。登山道は霜柱がやたらと目に付く。霜が融けるる前でよかった。尾根の右手を緩やかなトラバースとなり、道標を見てガレ沢を渡る。根の張った登山道を数分進んで水場で喉を潤す。水場あたりから登山道が薄っすらと白くなりだした。歩くのに危険ということはないが、慎重に足を運ぶので普段よりもスピードは幾分遅い。標高2200あたりで左手が開けて男体山・大真名子山・小真名子山が展望できる。南西に富士山、大真名子山と小真名子山の間に真っ白な白根山も見えた。ここから約10分で唐沢小屋に到着。小屋周辺は薄く積雪している。馬立から唐沢小屋までは過去の山行と比べて20分遅れ。霜柱や薄い積雪で慎重に歩いたせいもあるが、左脚のふくらはぎは依然として痛みが残る。
 女峰山へ登るか、黒岩方面へ下るかコンピューターを働かせる。通常なら小休憩を含めても2時間あれば唐沢小屋に充分戻れる。今日のコンディションは不明、取りあえず進むことにした。
 ガレ場に向かう踏跡には薄く雪が付いているが、お陰で登山道を外すことはない。ガレ場まで小屋から20分要した(通常は15分)。慎重に歩いただけに幾分時間を要したが、なんとかなるだろうとガレ場を渡り始める。ガレ場には雪は付いていないが、霜が融けたのか土の部分が軟弱で足元が頼りない。ガレ場を1/3位渡った所で引き返すことにした。掴まるものがない高所は、からきし意気地がない。慎重というか臆病というか、自分でも分からない。道標の所へ戻って富士山を写真に撮って、例の負け惜しみが出た!! 今日は女峰山に無理して登っても、思ったほど空気の清澄度よくないので遠望は楽しめない・・・我ながら呆れた性格。唐沢小屋に戻ってエネルギーを補給し下山に備える。

4 唐沢小屋 − 黒岩 − 田母沢左岸尾根  低いミヤコザサの田母沢左岸尾根は危険箇所もなく快適に下る
 唐沢小屋から黒岩コースへと南東に緩やかに下ると、すぐ先でガレ場を渡らねばならない。ガレ場で足元を探ると地面が緩んでいる。ここは下りながら渡るので、先刻の女峰山下のガレ場よりもややこしい。戻って馬立経由では、田母沢左岸尾根を歩けないので今更戻れない。渡る前に男体山・大真名子山・小真名子山の写真を撮って気持ちを落ち着かせる。男体山と大真名子山の間に皇海山、大真名子山と小真名子山の間に白根山が認められる。富士山は雲に隠れてしまった。 足元を確実に確保しながら慎重にガレ場を渡り終えてホッとする。今まで何回もここを渡っているが、これほど恐いと思ったことはなかった。男体山・大真名子山・小真名子山  (唐沢小屋南東のガレ場あkら)
 トラバース道を歩いているうちに余裕が出来たのか、前女峰(2359)(ひとり山歩き246)と竜巻山(2224)(ひとり山歩き204)の間で尾根を歩いていない部分を辿ることにした。ひとり山歩き246で前女峰への尾根に取り付いた場所から、20メートルほど登ると尾根上に達した。ここから南東に竜巻山まで尾根上を歩く。左下に七滝沢から雲竜渓谷方面が見下ろせるが、滝とか沢筋は認められなかった。尾根上には小藪があるが大したことはなく、2年振りで低いコメツガ林の竜巻山山頂に達した。樹木の合間から 男体山、大真名子山、奥白根山、小真名子山、太郎山、帝釈山、女峰山、前女峰そして一里ケ曽根から赤薙山と展望できる。
 この先箱石金剛までは尾根通しに歩いているので、針葉樹藪を潜ってトラバース道に復帰する。途中で男体山・大真名子山・小真名子山をカメラに収めながら数分の歩きで箱石金剛の道標と石祠を見る。この先は一部を除いては地形図の破線どおりに尾根を急下降する。ガスがたち込め始めて左下の渓谷は見えなくなってしまった。前方に黒岩のピークが霞んで目に入るようになると、すぐに黒岩・七滝遥拝所に到着。ガスで谷方面は全く展望がない。大岩の上部に石の名盤がついているのに気付いた。高所は嫌いで今までは気にもしていなかったが、岩に容易に登れるようだ。次ぎの機会に晴れていたら登って見よう。
 黒岩尾根のガレたトラバース道を辿ると前方に人影を認める。八風手前で追い越す。様子から見て黒岩までのハイカーであろうか。八風の岩場を越すと笹尾根が続く。標高1700付近で道標を見て方向を左に変えて南南東に下り続ける。標高1140で登山道は南東へ幾分向きを変えて下るようになる。この地点が田母沢左岸尾根分岐で右手の尾根に乗る。
 カラマツとかミズナラの尾根の下生えは低いミヤコザサで高くても膝程度で下るには特に支障はない。灌木の小枝が時々うるさいのは我慢の範囲。標高1200付近までは南へ急下降が続く。以降は南東に向きを変えて勾配は徐々に緩くなる。尾根筋はカラマツが主で時にはミズナラが主役となる。笹は連続しているが低いので下るには大した抵抗にはならない。標高点1122付近からは勾配は緩くなり、恰も台地の上を歩いている感じ。標高1050付近からは落葉で覆われた幾分抉れた踏跡が連続するようになる。更に下って行くと尾根の左手は杉植林で右手の落葉樹林との間に踏跡はついている。このあたりになるとテープ類が多くなる。標高1000で南東に向きを変えて踏跡を進む。テープ類がが賑やかになって、中には右下の田母沢に誘うものもついている。
 テープが前方に誘うのでそのまま尾根を進むと石祠を見る。天保七申年と読み取れた。そのすぐ先が標高点935でここから南西に尾根を急降下すると、寂光滝駐車場に下れるはず。下り始めると尾根筋は二つに分かれ崖状になっていて、下れそうもない。仕方ないので標高点935に戻って南東に尾根を下る。僅かばかり進むと杉植林があったので、この斜面を強引に10分ほど下ると、舗装道に出合った。ここから200メートル戻ると寂光滝駐車場で、滝見物の車が2台ばか駐まっていた。
HOME
inserted by FC2 system