ひとり山歩き484 : 寂光滝から竜巻山、前女峰、黒岩と周回してきました。前女峰の山頂直下に御料局三等三角点の確認できました。女峰山寂光滝コースから竜巻山へはその南西尾根をたどりましたが、ヤブは少なく鹿道がかなりの部分で通じていました。
寂光滝から竜巻山(2224)〜前女峰(2359)〜七滝遥拝石周回
2012年7月26日(木) 晴れのち曇り
1 行程  写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 前女峰(2359)〜竜巻山(2224)  寂光滝
自宅(0:45) = 寂光滝駐車場(2:25/2:40) − 大樺(4:35/4:40) − 寂光滝コース登山道別れ(5:45) − 南西尾根出合(6:55) − 黒岩コース登山道出合(8:15) − 竜巻山(8:30/8:40) − 前女峰(9:55/10:30) − 唐沢小屋(10:55/11:00) − 箱石金剛(11:30/11:35) − 七滝遥拝石(12:25/12:30) − 白樺金剛(13:20) − 稚児ケ墓(14:05/14:10) − 殺生禁断境石(14:45) −林道出合(14:55/15:00) − 相通沢渡渉(15:45) − 寂光滝駐車場(16:20/16:30) = 自宅(18:25)

2 自宅 − 寂光滝
 06年6月29日に前女峰に登った時に、頂上直下に御料局三角点らしい標石を見たが、当時は三角点等の標石には興味がなかったのでそのまま忘れていた。最近、その時の写真を見ていたら、形状からして御料局三角点に違いないと判断した。確認のために前女峰に登る準備を整えたが、右足の踵骨滑液包炎に罹り山行は延び延びになってしまった。踵の故障も全治したので、リハビリを兼ねて確認のための山行に出かけることにした。足の故障後のリハビリ登山としては、多少無理な感じはするが、計画通りに寂光滝から大樺、馬立方面に進み途中で登山道から別れて竜巻山(2224)に乗り上げて、尾根伝いに前女峰(2359)にの登ることにする。原計画では女峰山まで足を伸ばし、黒岩コースで戻ることにしているが、故障上がりでは女峰山を割愛してもかなり苦しい山行となりそう。
 猛暑から少しでも逃れるべく、未明に距離を稼ぎ、大樺あたりでヘッデンから開放されるよう時間を見計らって家をでる。寂光滝駐車場へは今までに三四回行っているので、道筋は頭の中に入っていてカーナビの世話になることはない。当然ながら寂光滝駐車場には他に車はなし。

3 寂光滝 − 竜巻山 − 前女峰  前女峰頂き直下に御料局三角点を確認  竜巻山南西尾根はヤブ少なく鹿道を辿れる
 女峰山寂光滝コースは、いつ歩いても笹が道筋にはみ出している。笹に含まれた露から下半身を守るために、暑苦しいが雨具のズボンを着用して歩き始める。鳥居をくぐり、石階段を登ると若子神社に達する。寂光滝は確かここから左下に下ってゆくのだが、大樺へは神社の左をを登ってゆく。腐葉土地帯を急登すると、勾配は緩み土道となる。途中に屋根のない石祠が目に入ったりする。この快適な道筋も標高1030からは膝丈の笹が現れ、すぐにカラマツ林となってからは腰ないし胸丈の笹道となる。笹のはみ出しはあるが道筋を失うよ前女峰直下の御料局三角点うなことはない。笹丈が幾分低くなると左後方から裏見滝コースが合流して大樺となる。ここで予定通りヘッデンを格納する。ほぼ一ヶ月ぶりの山行、しかもこの二週間ほどは全く運動をしていなかったので、歩行速度は通常に比べてかなり遅い。通常は大樺まで一時間半だが、今日は二時間近く要した。
 大樺を過ぎると笹は膝程度となる。登山道が左手の浅い沢状の溝を越す地点で登山道別れ(標高1710)で、ここからは竜巻山の南西尾根目指して北上する。標高1780まではカラマツ林で林床は膝丈の笹だが、鹿道がついているのでこれを追う。カラマツ林を抜けると疎林地帯で男体山と大真名子山が展望できた。標高1820あたりからはコメツガ林となり、笹は少なくなったので、雨具のズボンを脱ぐ。笹はなくなるし、雨具を脱いで気分的には楽になったが、勾配は増して踵にかかる負荷は大きくなる。踵の故障部の痛みはなく一安心。竜巻山南西尾根直下のは勾配がきつく、運動不足の足腰には堪える。やっと南西尾根に乗り上げる。
 この南西尾根はコメツガ林が続き、時には密な針葉樹の細木、シャクナゲのヤブが現れるが、尾根の右手に鹿道が通じているのでヤブを漕ぐことは少ない。標高2050を過ぎると勾配がきつくなり、歩みが遅くなるのは仕方ない。黒岩コース登山道出合で地形図を再確認。05年6月1日の箱石金剛から尾根をたどって竜巻山に登った時に、針葉樹ヤブがうるさかったので、少しでも楽をしようと、登山道を進み竜巻山へ取り付いた。針葉樹とシャクナゲのヤブがうるさいが、10分程のアルバイトで竜巻山山頂に達した。山頂は低いコメツガが密に生えていて座ることもままならないが、展望はよい。男体山、大真名子山、奥白根山、小真名子山、帝釈山、女峰山、前女峰そして一里ケ曽根から赤薙山と展望が開ける。特に前女峰の南斜面の荒々しさが印象的。前女峰の写真を撮るには最高の場所であろう。
 竜巻山から北への下りはヤブが少なく、鞍部まで下ると右下に谷底が見えるが、七滝遥拝石から見るほどの好展望は得られない。唐沢小屋に向かう登山道は左すぐ下に通っているのがわかる。尾根筋には獣道が通じていて、時々針葉樹のヤブを突破する程度で、概してヤブは少ない。鞍部から登り始めると、前回確認した胴部のない石祠があるはずだが、今回は見逃してしまった。途中で前女峰の東絶壁が見えるのだが、あいにくガスが立ち込めていて見通しは悪い。途中で男体山、大・小真名子山等が展望できるが、今日の目的は御料局三角点を確認することで、よそ見をしているわけにはゆかない。山頂が近づき、踏跡は明瞭となる。踏跡の右50cm程度の場所に宙に浮いたような石が見えた。不思議に思って石を退けて見るとその下に標石が現れた。記憶では標石は踏跡の上にあるとばかり思っていたので、危うく見逃してしまうところで合った。誰がやったのか、標石の四つある保護石の二つが標石の上に載せてあった。これでは意識して歩かねば見逃してしてしまっても不思議はない。場所が悪いので目で直接確認できないので、標石の北と南側面をカメラでマクロ撮影した。カメラのモニタで確認すると、北側面に御料局三角点、南側面に三等の文字が確認できた。間違いなく御料局三角点である。三角点の形状は一辺が150mmで四隅切り。位置的には標高2350、緯度36゜48’30.10”経度139゜32’30.26”(WGS84)
 今日は無理して来た甲斐があったと喜びながら、数分で前女峰の山頂に達した。三角点確認の喜びの反面、ガス模様になり遠望が利かなくなってしまった。ガスがなければ目前の女峰山は言うに及ばす、一里ケ曽根、大・小真名子山、白根山が見えるのだが。ここから女峰山までは一時間もあれば到達できるのだが、今日はこれ以上無理はできない。黒岩コースで帰ることにしよう。

竜巻山と前女峰からの展望



4 前女峰 − 黒岩コース  
 尾根伝いにヤブの少ない北西鞍部まで下り、南西へ谷筋を下る。この谷筋もヤブは少なく、特に危険箇所はない。唐沢小屋のすぐ東側で登山道に出合う。この先は何度か歩いている黒岩コースを下るだけ。箱石金剛の道標と石祠の少し北の尾根上に「竜巻山」の柱状標識を見る。ここは修験者あるいは登山コースとしての竜巻山であるが、日本山名総覧では標高点2224を竜巻山としている。ガスが立ち込めて周りの景色は見えなくなったが、もともと展望の利かない場所だからどうということはない。途中で女性の単独行者とすれ違う。七滝遥拝石で全然展望は利かなくなってしまった。この先のトラバースから八風にかけて岩に書いてある黄色の●やが目に付く、黄色はガス模様でも目に入りやすいので安心できる。足の運びががっくりと落ちてきたが、不安の踵は悲鳴をあげていないので、ヤレヤレである。今日は唐沢小屋泊の単独行者とすれ違う。
 白樺金剛、稚児ケ墓、殺生禁断境石と徐々に区間タイムが遅れている。林道出合で、ボトルホルダーのボトルを交換する。今日は計3リットル持参したが、ここでまに1.5リットル消費した。汗をかいた割りには水の消費は少なかった。林道をゆるやかに南に50メートル登ってゆくと、地形図ではもっと先まで続いているはずの林道が終点になってしまった。ここでよく地形図を確認すればよかったのだが、テープに誘われて谷筋に下ってしまった。谷筋を下ってゆくと右(西)側に尾根筋が見えてきた。地形図ではこの尾根筋を下ることになっている。登り返す元気はない、トラバースしながら尾根に復帰すよう歩いてゆく。やっと破線道らしい薄い踏跡に出合った。これを追って下ってゆくと、相通沢に出合った。水量は多く、岩にはコケがついているので、ストックで身体を支えながら踝程度で無事渡渉できた。
 集落の中を突っ切って県道寂光滝線をゆるやかに登ってゆく。舗装道歩きは約1.5km、勾配は緩いが疲れた足には堪えた。無事駐車場に戻ると、他に車が一台。もう寂光滝見物に行く元気もない。 
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