ひとり山歩き54 : 祓川コースで苗場山をピストンしました。泥濘の道には閉口しましたが、途中ではニッコウキスゲ等の花が目の保養になりました。広大で池塘の多い高層台地の山頂部はあたかも楽園のようでした。
苗場山(2145.3m)登山
2002年7月24日(水) 晴れ
1 行程
自宅(2:00) − 祓川コース登山口(5:35/5:45) − 和田小屋(6:05) − 下ノ芝(7:00) − 中ノ芝(7:35/7:40) − 上ノ芝(7:55) −神楽ケ峰(8:15/8:20) − 苗場山(9:15/10:15) − 神楽ケ峰(11:25) − 上ノ芝(11:35) − 中ノ芝(11:45) − 下ノ芝(12:15) −和田小屋(12:55) − 登山口(13:15/13:30) − 自宅(18:10)
2 自宅 − 祓川コース登山口  関東地方は天気がパットしないので、新潟の山へ
 最近の山行は遠出が続いたので、日光あたりの山を考えていたが、天気予報では関東は曇りがち。甲信越方面は天気がよいようである。先週の谷川岳からガスのため山容が確認できなかった苗場山に行くことに急遽決めた。
 谷川岳への道筋と殆どがダブル。R50号で前橋へ、そこから三国トンネル目指しR17号を進む。4時頃沼田あたりを走行していると小雨が降りだす。雨はすぐに止んだが、新治村あたりでは今度は霧が出てくる。天気予報では新潟県中越地方は好天の筈だが、先行きが心配となる。更には工事の片側通行や大型トラックのノロノロ運転で気が滅入ってくる。ところが三国トンネルを通り抜けると。霧は消え、空は晴れているではないか、山ひとつ越すと全く天気は変わってしまうことを改めて実感する。
 八木沢トンネルを抜けて、200m位のところを左折して、林道に入る。舗装した林道を和田小屋を目指して進む。約20分(10km位)で前方に2軒の小屋が見え、苗場山登山口の標識を発見しその左側の駐車場に車を停める。広い駐車場に3台停まっているだけ。 
3 登山口 − 神楽ケ峰  ずっと泥濘に悩まされる  中ノ芝付近は中ノ芝のニッコウキスゲニッコウキスゲが一面に
 和田小屋目指して登山道を進むと、すぐに舗装道に合わさりそのまま進む。和田小屋周辺はひっそりしていて誰もいない。車が3台停めてあった。既に数組が山に取り付いているのであろう。
 小屋の前を通り、更にゲレンデを横切って登山道に入る。ブナ林の根っ子の張った泥濘道からスタートする。やがて露岩が増え時々木道が顔を出すが、泥んこ道が続く。泥濘道とは知っていたが、予想以上である。平ケ岳の下台倉山と台倉山の間の泥濘といい勝負だ。最近は長時間の山歩きを続けたので、スタミナを考えて歩行速度が遅くなっていたので、今日は絶対にコース時間から遅れないよう、途中での道草を少なくするよう覚悟して歩を進める。
 下ノ芝は、狭い湿原で木道の脇に板敷きの休憩所が設けてある。年配の男性が座り込んで休憩しているのを横目にそのまま進む。このあたりでは右手に山並みが見えるが、まだ神楽ケ峰〜苗場山は全然姿を現さない。オオシラビソ等の針葉樹林の中を進むが、相変わらず泥んことの戦い。ちょっと余所見をしている間に、踝の上まで片足を突っ込んでしまた。幸いスパッツを着けて雷清水から見る苗場山 (復路で撮影)いたので事なきを得る。スキーリフトの最上部は標高1800mあたりのところにあった。苗場山周辺がスキーで有名なのは知っていたが、これほどリフトが張り巡らされているとは驚きであった。
 中ノ芝手前になるとニッコウキスゲの黄色が目立つ。同年輩の夫婦を追い越したら、すぐに中ノ芝にたどり着いた。ここは湿原で、休憩所(板敷き)も設けてあり、谷川岳方面の見通しがよい(残念ながらガスでよく見えなかったが)。期待もしていなかったニッコウキスゲが一面に咲いている。時間的に多少の余裕が生じていたので、カメラを取り出して花の写真を撮っていると、先刻追い抜いた夫婦が追いついてきた。シャッターを押してあげて先行する。
 木道に沿って両サイドにニッコウキスゲが見れるが、やがてオオシラビソ林の中の泥濘を進むと、上ノ芝の湿原に至る。このあたりに来ると、やや左前方に神楽ケ峰が間近に迫ってくる。丸太の階段状の道を登りきると、右から小松原コースを合わせる。左下にはカッサロ湖が見え出す。股ずり岩の梯子を下りて、10分程登ると神楽ケ峰に達する。数人のグループが休憩していたので、満杯状態であった。給水をしている間に、2人組の若者が目の前を通り過ぎたので、その後を追う。

4 神楽ケ峰 − 苗場山  鞍部のお花畑に色とりどりの花  山頂部は広山頂部の高層湿原と池塘大な湿原が広がっている
 苗場山へは、神楽ケ峰から一旦下らねばならない。残念ながら、ガスで苗場山の頂部は見えない。前方から5人組が登ってくる。道を譲ってるいる間に、先行の若者達の姿が見えなくなってしまった。ガスに見え隠れする苗場山を見ながら下ってゆくと、雷清水で若者たちが休憩していた。冷たい水を思い切り飲んで、お先に失礼する。雷清水から少し下ると、お花畑と名付けられた鞍部に達する。ニッコウキスゲを始め紫、黄、白と色とりどりの花が咲いている。
 これから暫くは苗場山への登りだ。約250mの急登となる。登り始めるととすぐに同年輩の夫婦を追い越す。何時も夫婦とすれ違う時に見る光景だが、奥さんの方がやや遅れて仕方なしに付いて行くの典型例だ(失礼!)。露岩の急傾斜を登り、低樹林に差し掛かると、上から声が聞こえてくる。もうすぐ山頂かと思いきや、夫婦が下山してくる途中であった。もうすぐ山頂ですよ、と励まされひと登りすると、目の前に広大な湿原が待ち受けていた。景色を見ながら、先ずは山頂を目指して木道を進む。前方に見える遊仙閣の裏が山頂のようなので、小屋を目指す。なんと広い山頂部なのであろうか。湿原のかなたを山々が取り囲んでいる風景は楽園をひとりで歩いているような錯覚におちいる。山頂標識は遊仙閣の裏側にひっそりと立っている。記念撮影をして、湿原に戻る。
 山頂部の湿原には木道が設けられていて、彼方の山まで続いているのではなかろうかと錯覚する。池塘が無数に点在し、あちこちにワタスゲが咲き誇っている。湿原を取り囲む山々も気になるのだが、遠方はガスがかかっていてハッキリしない。ガスの晴れるのを昼寝しながら待ちたい気分だが、どうもすぐには晴れそうにない。 
5 下山  
 1時間も休憩してしまった。山頂に1時間もいるのはめずらしい。もっとゆっくりして行きたい気もあるのだが、今日は孫が久しぶりに泊まりに来るので、そうのんびりしている訳にも行かない。意を決して下山にかかる。
 今日は、できるだけ道草を食わずにコースタイム以内で歩く決心をしていたが、お花畑では花の写真を何枚も撮ったりで時間をかけすぎた。谷川岳付近の山は山頂部にガスがかかっているが、苗場山付近は快晴である。振り返ってみると往路では見えなかった苗場山がくっきり見える。また前方の神楽ケ峰も間近に見える。逆に見えすぎて、登り返しが嫌になる。雷清水で水をたらふく飲み、容器に詰めて急登する。思ったより楽に登れた。先週の谷川岳の時に比べ、フットワークが断然軽い。
 股ずり岩の梯子で夫婦を追い越す。逆に登る人にはこのあたりまでに約20人とすれ違う。谷川岳の天神コースに比べたらかなり少ない。結局、12時頃に中ノ芝と下ノ芝の中間で女性4人組に最後に出会うまでに約30人とすれ違った。
 上ノ芝と中ノ芝付近では、山頂部にガスがかかっているのが残念だが、谷川岳方面が眺められる。泥濘道に悩まされながら無事和田小屋に着く。無人でひっそりしているが、車は7台に増えていた。もうひと下りして登山口の駐車場に着くと13台に増えていた。 
6 登山口 − 自宅
 往路に比べて、かなり時間がかかることを覚悟して家路につく。案の定、R17号線はあちこちで工事のため通行規制がしかれていた。往路にくらべ1時間以上余分にかかってしまう。それでも明るいうちに帰れて良しとしよう。
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