ひとり山歩き52 : 鷹ノ巣登山口から、平ケ岳をピストンしてきました。梅雨の中休みを利用しての山行で、とてもハードでしたが、山頂からの雄大なパノラマを楽しむことができました。鷹ノ巣尾根からの展望も素晴らしいものでした。
平ケ岳(2141m)登山
2002年7月4日(木) 曇り/晴れ
1 行程
自宅(1:40) − 鷹ノ巣登山口(5:05/5:15) − 前坂(6:10/6:15) − 下台倉山(7:25/7:30) − 台倉山(8:30/8:35) − 白沢清水(9:35/9:40) − 姫の池(11:10/11:15) − 平ケ岳(11:40/12:15) − 玉子石(12:55/13:05) − 姫の池(13:20) − 白沢清水(14:10/14:15) − 台倉山(15:05/15:10) − 下台倉山(16:05/16:10) − 前坂(17:00) − 鷹ノ巣登山口(17:40/17:50) − 自宅(21:40)
2 自宅 − 鷹ノ巣  先週の会津駒ケ岳同様に丸みを帯びた山頂を持つ平ケ岳へ
 先週会津駒ケ岳に登った時、山頂周辺が丸みを帯びていることに興味をもった。次に登る山は、同様に丸みを帯びた山の代表である平ケ岳と決めた。問題は何時決行するかである。今週は天気予報をみて諦めていたが、3日(水)の夕刻から天候が急に回復し、翌日は晴れとの予報を聞いて慌てて山支度をする。
 ルートは先週と全く同じで、鹿沼市から352号線で今市・山王峠・檜枝岐経由で鷹ノ巣を目指す。御池の分岐から約15kmで福島と新潟の県境の只見川にかかる赤い橋(金泉橋)を渡って、約1km先の鷹ノ巣駐車場に着く。駐車場はよく整備されていて、20台以上は駐車できる。
3 登山口 − 平ケ岳  長い苦しい登りから開放されて、山頂ではパラダイスにいる気分
 駐車場の南端にある登山口から林道に入る。約500m進んで沢を渡り、更に100m位の所で林道から分かれて山道に入る。杉林の山道を急登すること10分で尾根道になる。ここからはずっと痩せ尾根で、露出岩や根っ子の急登が続き息が切れる。ガスで周辺の山は霞んでいて、気分転換もできずひたすら登りつづける。 
 松の木が目立つようになって、途中の松の大木に前坂の小さな看板を見つける。なぜ前坂というのか定かでないが、登山口から下台倉山の前半の登りという意味か。ここからも状況は変わらず痩せ尾根の急登が続く。樹木の背が低いので、見通しは利くのだが、今日は残念ながらガスで芳しくない。下山時のガス切れを期待しよう!姫の池から望む平ケ岳前方の下台倉山の中腹で数人が座り込んで休憩しているのが見えた。下台倉山直下の岩場で、悪戦苦闘している4組の夫婦を追い越す。同じグループなのだが、間隔がかなり開いている。どうも脚力に差がありそう。4組目の夫婦を追い抜く時に、他の夫婦の様子を聞かれる。
 8人組を追い越して10分で、下台倉山に達する。ガスが益々濃くなり周りの山は全く見えなくなってしまった。空は明るいので、天気は良くなるであろうと不安感はない。
 下台倉山と台倉山の標高差は90mしかない。黒檜の根っ子を乗り越えたり、ぬかるんだ道を緩やかにアップダウンを繰り返しながら進む。景色は帰りに期待しながら先を進む。時々、件のグループがお互いを確認するらしい叫び声がかすかに聞こえる。台倉山の山頂は三等三角点が設置してあり、狭いが見通しはよい(今のところガスで見えないが)。
 台倉山からグチャグチャの泥濘を下って鞍部に達すると、台倉清水の分岐に着く。標識を見て右の沢に下る。2分も下ると沢に達する。沢の水はゴミが多く飲みにくい。もとの標識のところに戻ったら、先刻の8人組のひとりが水を汲みに下るところであった。他のメンバーが近くにいるとは思えない。どうやらグループとはいえバラバラの行動をしているようだ。笹が刈り取られ、所々に木道の敷かれた雑木林の道を緩やかにアップダウンを繰り返し進む。下りになると瞬間的に平ケ岳が姿を現す。まだまだ遠い!狭い広場の隅に水場の囲いを見つける。ここが白沢清水である。水の湧出量が少なく、ゴミが浮いていて飲む気にならない。
 下台倉山から白沢清水まで約2時間の歩きで、たった120mしか高度を稼いでいない。その反動がここから池の岳の間に現われる。清水から10分も進むと、登りがきつくなる。やがてコメツガ樹林がまばらになり、前方に池の岳から平ケ岳が見えてくる。左後方には、燧ケ岳や奥白根山も見える。樹林帯から笹原に出ると、平ケ岳山頂から越後三山方面を望む景色に見とれて、というよりくたびれて足が進まない。燧ケ岳、日光連山、至仏山が眼を楽しませてくれる。池の岳の左側に見える丸いドーム状の平ケ岳が美しい。疲れを癒すために暫し写真撮影に興じる。岩場を力を振り絞って展望台に登り、ひと眺めする。ここから3分ほどで姫の池にたどり着く。姫の池は目の前に小さな池塘と木道の敷かれた湿原が広がる。丸い特徴のある平ケ岳の山頂が大きく眼に映る。
 今日は行程が長いので、ユックリしている暇はない。姫の池から平ケ岳山頂までは30分。水浸しの道を進む。ツガ廊下あたりでは、道が窪んでいて非常に歩き難い。決してよい環境ではない。樹林が切れて、湿原の木道になるとホットする。湿原に入って5分で二等三角点のある山頂に達する。途中に、平ケ岳山頂部がなぜ平たいのか説明があった。簡単にいうと平ケ岳は平原がそのまま隆起したため平たい形をしているとのこと。
 山頂からの眺めは抜群!目の前に燧ケ岳、その右に日光連山奥白根山皇海山と続く。更に、至仏山武尊山、越後三山と見飽きない。巻機山は近いのに手前の山が邪魔して見えない?誰ひとりいない山頂の湿原で景色を眺めているとパラダイスにいる気分になる。長い歩行の後であるだけに、満足感がとても大きい。帰りの行程も長いので、ゆっくりできないのが残念である。
4 平ケ岳 − 玉子石 − 下山  バラバラの8人組大丈夫かな こんな時どうすればよいのかな
 山頂から下り、水場経由で玉子石に向かう。姫の池分岐からは水場目指して更に下る。水場付近はまだかなり雪が残っている。水量が豊富で台倉清水のようにゴミが浮いていないので、思い切り喉を潤す。玉子石に向かおうと、上を見上げると、今朝の8人組の4人が玉子石に向かうのを見つける。玉子石へ向かう稜線に行くには、20mほど雪原を登らねばならない。滑ってなかなか登れない。勾配の小さそうなところを探して、やっとのことで稜線にたどり着く。緩やかに木道をアップダウンを繰り返えすと、水場から20分で玉子石についた。先ほど見かけた4人に追いつく。残りの4人は途中で退却したらしい。玉子石を写真に撮り、越後三山を眺めて帰路に着く。姫の池に向かう途中、水場で水を汲んでいる3人を追い越す。もう一人は姫の池目指して先行している。平ケ岳山頂へ行くつもりがあるのかな、と余計な心配をしながら姫の池に着くと、先行者はリュックを下ろして休憩していた。玉子石
 帰りは登りの時と異なり、晴天になっているので、充分景色を楽しめた。特に。台倉山と下台倉山の間の尾根歩きは今朝の分まで取り戻したような気分になる。燧ケ岳、日光連山、奥白根山、皇海山、至仏山と眼に焼き付いてしまうほどであった。
 台倉清水分岐にはリュックがデポしてあったので、8人組の誰かが水汲みに下りていたのであろう。下台倉山の手前で3人が先行しているのを見つける。下台倉山で水を飲んで、下ってゆくと今朝追い抜いた岩場で男性1名女性2名がトロトロ(失礼ながら)下っている。話を聞いてみると、池の岳中腹から引き返したとのことであった。他のメンバーの状況(といっても何時間も前のことを)教えてあげる。大部疲れている様子で、岩場の下りに手間取っている。明るいうちに鷹ノ巣まで下れるか心配になる。いつも単独で行動しているので、えらそうなことはいえないが、こんな統率の取れないグループが事故を起こしたり、遭難したりするのではなかろうか。こんなグループを見つけたらどうすればよいのかな?
 登山口に無事戻ると今朝駐車していたミニバンが未だ停まっていた。8人が1台の車できたのだ。福島ナンバーだからそうは遠くないのかもしれないが。 
5 鷹ノ巣 − 自宅
 予期に反して、鷹ノ巣、御池、檜枝岐と進むも対向車には出会うが、追いついたり追いつかれたりが全然ない。平日のこの時間帯になると交通量が少ないのであろう。五十里ダムあたりまでこの状況が続く。川治温泉、鬼怒川温泉あたりは多少の通行はあるが、これが温泉町かと思うくらいひっそりしている。今市が近づくとさすがに交通量が増えて朝よりはスピードダウンを余儀なくされる。全体としては思ったより時間がかからなかった。 
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