ひとり山歩き52 : 厳剛新道から谷川岳に登り、天神尾根経由で下山する山歩きをしてきました。台風7号通過後の好天に恵まれ、ロープウェイ利用の天神平からの登山者は、平日にもかかわらず大変な数でした。
谷川岳(1977m)登山
2002年7月18日(木) 晴れ
1.行程
自宅(1:30) − 土合駅(4:25/4:50) − マチガ沢登山口(5:30/5:40) − ラクダのコル(8:00/8:05) − トマノ耳(9:55/10:05) − オキノ耳(10:25/10:40) − トマノ耳(10:50/11:10) − 熊穴沢避難小屋(11:50) − 天神平(12:30/12:35) − 土合口(12:45) − 土合駅(13:10/13:20) − 自宅(17:00)
2 自宅 − 土合駅  土樽駅から戻ることも想定して、土合駅に駐車
 先週後半の梅雨の中休みを利用し損ねて、悶々としていた。幸い18日に好天になるとの天気予報に、急いで山行を計画する。日帰り圏内と言うことで谷川岳を選ぶ。場合によっては谷川岳から土樽に抜けることも考慮して、早朝に家を出る。
 国分寺町から小山市に出て、R50号で前橋市へ、次いでR17号で月夜野町へ。そこからはR291号で土合駅を目指す。R50号とR17号は配送便のトラックが多いが、早朝のため快調な運転が可能。R291号は対向車に出会うだけでほぼ予想通り3時間のドライブとなった。
 土合駅前の駐車場はもちろん1台も停まっていない。ひょっとして土樽駅から列車で戻ることも考えて、ここに駐車することにする。時間的にまだ早いので、ロープウェイ乗場まで途中の道を偵察して戻る。
3 土合駅 − 谷川岳山頂  思ったほど歩行速度が上がらない 土樽駅への縦走は中止
 無人のR291号をマチガ沢出合目指して、準備運動を兼ねてゆっくり進む。平日の早朝であるため車の通行も殆どない。ロープウェイ乗口からマチガ沢まで1.7km、勾配が幾分きつくなる。5分後に西黒尾根登山道取り付きを左に見送ってそのまま舗装路をすすむ。更に、15分で駐車スペースのあるマチガ沢登山道口にたどり着く。西の方向に急峻な谷川岳がみえる。約1200mの標高差にファイトが湧いててくる。マチガ沢出合から望む谷川岳
 雨上がりなので、道がぬかるんでいるかと思い、スパッツを着けて登山道に入る。広葉樹林帯の露岩の山道を進むと、すぐに登山道に水が流れあたかも沢歩きをしているかと錯覚する。どの位続くか心配しながら、登ってゆくと幸いにも数分後には水の流れは消えた。登山道は一貫して露岩の急登である。10日ぶりの山歩きで、休養充分なのに思ったほど足が進まない。樹林に遮られて展望もなく、気分転換もできない。地図を見ながら、この下を清水トンネルが横切っているのかと想像してみるのが関の山。それでも登り始めて30分もすると、アジサイの花を見かける。小生の経験では、山歩きでアジサイはめずらしい。やや右前方に急峻な峰がチラチラしだす。振り返ってみると、朝日岳〜白毛門方面の連なりが見えてくる。まだ雪を残しているマチガ沢が目を楽しませてくれる。立ち止まって一息入れることが思いのほか多い。今日はあまり快調とはいえない。梯子、鎖場を通過し、右へ巻くように登り始めるとすぐに西尾根ガレ沢頭(通称ラクダのコル)に達し左から西黒尾根コースをあわせる。ここの標高は約1500m、まだ500mは登らねばならない。進行方向の西方を見れば急な登りが待ち受けている。
 ラクダのコルで一休みして、先を急ぐが足が出ない。その代わりに。カメラを取り出すことが多い。左手に天神尾根。右手に朝日岳〜白毛門と景色が良いのは確かなのだが。段々想定時間から遅れ始める。どうも最近は、皇海山(庚申山経由)、奥白根山(湯元から)、平ケ岳等長時間のコースを選んで歩いていたので、省エネ歩行が身についてしまいスピードが上がらなくなってしまったようだ。その代わり12時間位は平気で歩けるようになった。
 それにしても、このコース(この山全体かも知れないが)は岩が多い。コース全体が岩道と言っても過言ではない。途中の露岩はツルツル滑りやトマノ耳から望むオキノ耳すく、滑った跡が黒光りしている。登りやすい岩ではない。今日はどうも愚痴が多い。そうこうする内に、やっと天神尾根コースをあわせると、山頂は(トマノ耳)は目の前。力を振り絞ってトマノ耳(トマとは手前の意味)に登り切る。山頂には標識、三角点と山座同定盤が設置されていた。当然まだ誰もいない。360度のパノラマが広がっている。先があるので落ち着いて景色を眺められない。それでも燧ケ岳至仏山皇海山等の東側はすぐに分った。先の行程を読んでいるうちに南西方面からガスが湧いてきてどんどん広がってゆく。この先どうするかはオキノ耳に行ってから決めようと腰をあげる。
 トキノ耳からオキノ耳を眺めると、痩せ尾根でつながれていて、足が進み難い。実際に裸尾根だが足場がしっかりしていて、それほど歩き難いことはない。オキノ耳山頂(オキとは奥の意味)には標識があるだけ。ガスがかなり登って来た。景色はそっちのけで、これからの行動をどうするか最終決定のリミットである。土樽駅15:21の列車に乗るには、想定どおりに行ってもギリギリ。もし間に合わないと、土樽駅で3時間近く待つことになる。今日の足では無理と計画を中止する。この原因を追求すると、要はスピードが上がらなかったことが第1、特にラクダのコルから山頂まで。第2に行程時間を読み違えていたため、土合駅でスタート前に時間を無駄にしてしまったり、景色に見とれて写真撮影に時間をかけすぎた。 
4 天神尾根経由で下山  平日なのに大勢の登山者  ロープウェイがなければどうかな?
 土樽駅への縦走を中止にして、天神尾根を経由して下山することにした。家内が谷川岳もロープウェイを使うと登れるかもね、というので偵察を兼ねるのが目的。
 オキノ耳からトマノ耳に戻ると、中年の夫婦がオキノ耳に向かうところであった。肩の小屋方面を見下ろすと、ドンドン登ってくる。どうやらロープウェイを使って天神尾根経由で登って来る人たちである。この頃が最もガスが多く、登ってきた人は皆ガッカリしている。先ほどは晴れていたから、もう少しすると晴れますよ、と慰める(1時間も経たないうちに晴れた)。
 山頂に人が増えてきたので、下りにかかる。相変わらず露岩が多く、滑りやすい。「ザンゲ岩」、「天狗のたまり場」と名づけられた岩の上には、それぞれ数人が休憩していた。道端(酷い人になると道の上で荷を広げている)でも大勢が休憩していた。平日にもかかわらず、下りの途中で数えるのも嫌になるくらいの登山者とすれ違う。老若(若は少ないが)男女の単独行者、カップルあるいはグループで賑う。もしロープウェイがなかったら、このうちどの位の人が登って来たであろうか、疑問が湧く。ロープウェイ等の設置された山に登ると何時も感じることだが・・・別にロープウェイ等を天神平から望む朝日岳利用するのを非難したり否定しているのではない。それぞれが自分に適った山歩きをすれば良いのだから。
 樹林の高さが自分の背より高くなり、展望が閉ざされると程なく熊穴沢避難小屋に達する。ここで右から「いわお新道」が登ってきている。小屋を過ぎると、ブナ林をアップダウンを繰り返して進む。ここらまで下ってくると、すれ違う人の数がめっきり少なくなり、やっと静かな山歩きができる。避難小屋から20分で右に天神峠への道を見送り、そのまま天神平へ向かう。このあたりで、最後の登山者とすれ違う。大きなザックを背負っているので縦走するのであろうか。
 このコースは露岩の多い道であるが、会津駒ケ岳平ケ岳と違って泥濘がなかったのが救いであった。このコースなら時間を掛ければ家内でも登れるであろう。そんなことを考えているうちに、ロープウェイが見えてきた。大勢の人がたむろしているのが見える。正面に見える高倉山、右手に見える天神山へのリフトに乗っている人も見える。高倉山と天神山の山頂は好眺望が期待できそうだ。天神平からの展望も結構よい。トマノ耳とオキノ耳が尾根越しに見える。ロープウェイの延長線上に朝日岳が美しい姿を現している。
 天神平で休まず、そのままロープウェイで土合口に下りる。ロープウェイからの景色も素晴らしい。10分足らずではあるが、今日の疲れも吹き飛んでしまう。土合駅に戻ると、案の定、自分の車だけであった。ロープウェイ口まで行ってしまうのが普通なのであろう。   
5 土合駅 − 自宅
 日中に主要国道の17号線と50号線を通るので、帰りは渋滞を覚悟して車に乗り込む。R291号はそれほど混雑していないが、早朝のようには早く走れない。R17号とR50号は大型トラックの通行や道路工事で速度が上がらない。片側1車線部分は、特に酷い。主要国道は片側2車線は欲しい。それでも早朝の往路に比べて45分の遅延で帰れたのは幸いとすべきか。
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