ひとり山歩き540 : 今年の歩き納として、新雪の日光高山に行ってきました。ワカン装着しても膝下のラッセルで、所要時間は過去二回の1月の歩きに比べて2倍程度要しました。
日光高山(1667)スノーハイク
2013年12月25日(水) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(4:30) = 竜頭滝上駐車場(6:55/7:20) − 登山口(ネットイン)(7:30) − 取付き尾根退却(7:55) − 次の尾根取付き(8:45) − 主稜線出合(9:40/10:00) − 夏道出合(10:15) − 標高点1565(11:30) − 高山(13:15/13:30) − 小田代原・中禅寺湖分岐(14:00) − ネットイン(14:20) − 林道出合(無公害バス道)(15:50/15:55) − 駐車場(16:30/16:40) = 自宅(18:50)
Aルートマップ
Bウォッちず : 高山  竜頭滝上駐車場
C写真集

2 自宅 ー奥日光
 今年最後の山行は那須岳を考えていたが、最近降雪がありしかも天気もあまり芳しくないので奥日光に変更することにした。奥日光も最近降雪があったが、好天を期待して第一候補は社山、第二候補は高山へのスノーハイクとした。まずは奥日光に行ってからどちらにするか決めることにした。
 清滝ICを過ぎると道端には除雪塊があらわれ、いろは坂は除雪されているが道路周辺は真っ白。先ずは社山への駐車場となるスカイライン入口に行ってみた。阿世潟方面への道には車輪でぐしゃぐしゃになった雪が残っていた。阿世潟に行くまでに、苦労しそうですぐに諦めた。歌ヶ浜の駐車場で、男体山、社山や白根山の写真を撮って竜頭滝上駐車場に移動した(外気温マイナス8度)。先行車はなし、年末の早朝にこんな場所に車を駐めるような人は流石にいないようだ。

3 竜頭滝上 − 高山  深雪でワカンでも脛程度の沈み  トレースありに比べて倍の時間を要した
 ワカンとスノーシューを持参したが、駐車場付近の雪の状態を見てワカンを選び、併せてピッケルとアイゼンをザックに収めて登山口に向かう。竜頭の橋から竜頭滝上部の写真を撮って登山口方面を眺めると微かにトレースがついているように見えた。トレースがあればワカンでも良いと意を強くして、橋を渡って登山道に入る。スノーシュートレースを追って登山口の鹿よけネット内へ入る。スノーシュートレースは西の1506ピークへ直登しているが、急斜面でつぼ足では難儀しそうなので、11年1月11日(ひとり山歩き427)で通っている右手(北側)の尾根を登ることにした。向う脛程度の沈みはあるが何の変哲もない尾根なので、つぼ足のまま登ってゆく。尾根筋は岩っぽくなり、標高1450で出合った大岩は右手は急斜面で通りづらい。左手はやっと多れるかどうかのスペースしかない。岩には適当な手がかりなく、無理して通ると岩にザックが押し出されて左下へ転落する可能性がある。岩場では無理をしないことにしているので、潔く退却することにした。
 少し戻ってから斜面を下って夏道付近の鹿よけフェンスにそって、07年1月19日(ひとり山歩き266)で登った1506ピークの少し西側へ登りつめる尾根を目指すことにした。つぼ足のままでは疲労が蓄積しそうなので、ワカンを装着した。多少は楽になったが、踝以上の沈みはあった。こんなに雪が深いのならスノーシューにすべきだったが後の祭り。夏道は雪の下で、どこを通っているやらさっぱりわからない。左手に尾根筋が見えたので、ここで尾根に再び取り付く。尾根筋は単調で足の沈みはたいしたことはないが、雪が薄い場所では上滑りに苦労する程度。ところが主稜線がちらつき出すと、勾配は急になり、上滑りで直登が難しくなり西側へ巻き気味に登って行く。そのうちに右足のワカンが靴から外れてしまい引きずリながら登る羽目になってしまった。修正するにも足場が悪くピッケルに頼って強引に主稜線に登り詰めた。通常はズレ防止のため(滑り防止ではなく)にアイゼンを装着してワカンを履くのだが、今日はザックからアイゼンを取り出すのが面倒で靴に直接装着した。駐車場からここまで1時間40分、前2回は約1時間半で途中退却があったとはいえトレースなしの深雪には先が案じられる。


竜頭の橋から 左: 滝上部  右: 登山口方面(正面は1506ピーク)


左: 1506への尾根の標高1420付近 中: 再取付き尾根の標高1450付近 右: 外れたワカン(主稜線出合で撮影)


左: 主稜線出合 右: 中禅寺湖と南岸尾根

 主稜線出合から僅かに下った鞍部は夏道出合で、右後方には夏道らしい跡も見える。尾根上にはトレースはないがワカンで踝程度の沈み、でもトラバースになると脛までの沈み(雪質は新雪のフカフカ状態)。この尾根筋は展望を楽しむことはできないが、右手に戦場ケ原、左手に中禅寺湖や南岸尾根が樹木越しに透かしで見える程度。標高点1565は道標がなかったら素通りしてしまいそうな小ピーク。


夏道出合 左: 左手は雪庇になりかけ 右: 写真の左手に雪を被った夏道


左: 夏道の土留 中: 道標(標高1490) 右: 標高点1565の道標(高山1.5km)

 1565先の鞍部からは勾配が増して積雪も深くなる。夏道は尾根上を通っているようだが、無視して急斜面を直登する。この頃になると、気温が上昇したせいかワカンに雪が団子状に付き出す。何度もピッケルではたくがすぐに団子状態となり足枷を着け登っている感じ。標高1600あたりからは勾配が更に増して直登が困難となる。左手の尾根筋へ進めばよかったのだが、この地点から復帰するのは難しい。仕方なしに急斜面を右にトラバース気味にピッケルを利かしながら進む。左足上がりの急斜面のトラバースだから、右足の置き場は良いとしても左は斜面の雪が邪魔して足の置き場に苦労する。トラバースで悪戦苦闘し、やっとの思いで山頂直下の平坦地で振り返って男体山を眺めた時には汗びっしょり。そこから数分で動物の足跡すらない高山の山頂に達した。主稜線出合からここまで約3時間半、前2回は1.5ないし2時間でほぼ倍の時間を要した。
 展望を楽しもうにも山頂周辺の山々が樹木越しに透かしで見える程度。エネルギーを補給しながら、下山ルートを確認。前2回の倍時間がかかっても、明るいうちに駐車場に戻れると判断して計画ルートに進むことにした。


左: 山頂直下のトラバースを終えて自分のトレースを確認(先は急斜面) 右: 山頂直したの平坦地から男体山


左: 高山山頂 右: 透かしで男体山

4 下山 ワカンで膝下の沈みで悪戦苦闘
 最初は北尾根を下り、標高1500付近で西尾根に乗り換えて小田代原・中禅寺湖分岐のある鞍部を目指す。夏道は複雑なルート取りで雪が被っている時はうまく歩けないだろう。積雪時は、少しばかり勾配がきついが尾根を下るのが賢明。標高1550あたりから北から北東に向かう尾根を下るほうが尾根筋は緩やかで明瞭だが、平坦地に下りると鹿よけフェンスが待ち構えている。フェンス内部への入口は夏道にしかなければ左(東)戻る格好になるし。反対に右(東)に進めばフェンス沿いに登山口まで歩かねばならないかも。そのあたりが不明なので、前2回と同じルートを下った。
 尾根は急勾配でワカンでは滑ることが何度もあった。尾根を外しても迷子になる心配がないから安心して歩ける。そういう時はあまり注意しなくても尾根を外さないから不思議(もっともこんな単純な尾根を外すようでは何をか言わんやだが)。ドンピシャで鞍部の小田代原・中禅寺湖分岐に達した。こ先は夏道があるのだが、トレースもなく判明せず。コンパスを合わせて適当に進むと、ピシャリとフェンスの入口(ここでピッケルからストックに)達した。夏道は北北東に進ものだが、トレースもなく全然わからない。ワカンでの沈みは向う脛程度の平坦地が続く。どこを歩いても足の沈みは同じだから、少しでもショートカットと思い男体山に照準を合わせてラッセル。この雪原でこんなにも苦労するとは予想もしていなかった。分岐から林道出合までこの区間も前2回に比べてほぼ倍の時間を要した。ここでワカンとアイゼンを外す。足枷を外しラッセルから開放された林道歩きはなんとも軽やか。下山後の林道歩きでこんなにも足が軽かったのは初めて。シャクナゲ橋から湯川左岸には箱型のトレースが続き楽な歩きができた。駐車場に戻ると他に車はなし。今日は5時間程度と考えていたが、トレースなしの深雪で倍の時間を要した。ラッセルをした割には疲労感はない。
 今日が今年最後の山行で40回を数える。最近は少なくなっているような気がしたので調べてみると、この3、4年は大体40回で特に少なくなっていなく一安心。今年の山行を振り返ってみると、@残雪を踏まずに黒滝山経由で大佐飛山を往復、A奥日光三界岳を三回目でクリアしたこと、B松木川から皇海山の東尾根を登ったことが3大イベントだった。
 足腰が弱ってきたので来年は、明るくなったら登り始めて暗くなるまでには下山のノンビリ山行を楽しみましょう。 


左: 自分のトレースを振り返って(分岐) 中:小田代原・中禅寺湖分岐 右: 鹿よけフェンスの入口


左: 雪原(白樺林の西南西手前) 右:白樺林


左: 林道出合(圧雪状態) 右: シャクナゲ橋から駐車場へのトレース
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