ひとり山歩き526 : 奥日光のカクレ滝付近から三右衛門沢右岸尾根経由で三俣山に登り、県境尾根を前宿堂まで歩き、ヤジノ沢右岸尾根を下ってミニ周回してきました。登山道はありません。
カクレ滝付近から三俣山(1980)〜前宿堂(1840)をミニ周回
2013年8月14日(水) 晴れ後曇り
1 行程
@所要時間 : 自宅(0:15) = 赤沼茶屋(2:15/2:30) − 西ノ湖入口(3:55) − 三右衛門沢右岸尾根取付き(4:50/4:55) − 標高点1598(6:10) − 標高点1928(7:55/8:05) − 三俣山(9:40/9:55) − 水場標識(11:05) − 前宿堂(11:55/12:10) − 1644ピーク(ウォッちずに記載なし)(13:05) − ヤジノ沢へ下山(14:20) − カクレ滝(14:25/14:30) − 西ノ湖入口(15:20/15:44) = 赤沼茶屋(16:05/16:10) = 自宅(18:50)
Aルートマップ
Bウォッちず : 三右衛門沢右岸尾根取付き  三俣山  前宿堂  カクレ滝  西ノ湖入口
C写真集

2 自宅 − 赤沼茶屋
 山歩きは楽しくなればならない。そのための第一条件は天気が良いことである。たとえ藪こぎの連続で展望がなくても、晴れているか曇っているかで気分的に雲泥の差がある。最近は大気不安定で山行がままならず、足腰の訛りが増すばかり。今月末か9月上旬の南アルプスか北アルプス行きに備えて足腰の鍛錬の場を奥日光に求める。盆休で登山道のある山は人出が多いので、人に出逢うことのないであろう尾根歩きで、未だ自分が登り下りしたことのない尾根筋を考えた。
 自分の知る限りではstarionさん、シボレさんペアとYoshiさんが、登っている三右衛門沢(カクレ滝)の右岸尾根を登ること(エスケープで下ったことはある)。もう一つは前宿堂(地形図に記載なし)の東尾根であるヤジノ沢右岸尾根を下る(途中まで登ったことはある)。この尾根筋は10年近く前にふーせんさん、最近ではたそがれオヤジさんやノラさんが登っている。この二つの尾根を登り下りすれば黒檜岳・三俣山稜線の標高点1928から三俣山、そして県境尾根を宿堂坊山の南に位置する前宿堂(地形図に記載なし)を経由する周回コースが取れる。ヤジノ沢右岸尾根を下山後にカクレ滝を見物し、西ノ湖入口から赤沼茶屋まで低公害バスに乗れるように見計らって家をでる。
 いろは坂入口の馬返パーキングの下側駐車場は、若者の車では満杯(週末の深夜には上側の駐車場にたむろしているのだが)で、初めて上側駐車場に車を停めて用を済まし、登山靴を着用して、赤沼茶屋に向かう。後ろから車で追われるかとも思ったが、一台もそのような車はなかった。赤沼茶屋の駐車場には、7月16日には数台しか駐車していなかったが、今回は盆休期間でもあり、かなり駐まっているようだった。テントも見かけた。車載温度計で16度、奥日光は涼しいな(家を出るときは28度)。

カクレ滝のショートビデオ

3 赤沼茶屋 − 三俣山  登りの右岸尾根は先端部はシャクナゲ藪、以降は藪少ない  1928〜三俣山は藪なく踏跡あり
 尾根取付きまでの道筋は、何度か歩いているのでヘッデンだけで全然問題ない。西ノ湖入口で帰路のバス時刻(8月第二月曜日から31日までは休日なみ)を確認してカクレ滝に向かう。西ノ湖分岐までは道筋はよいが、西ケ浜分岐辺りまでは小岩が多く一部に落石もあるが、ヘッデン歩きで特に支障はない。やがてカラマツ林の中の土道で気持ちよく歩ける。三右衛門沢の渡渉地点(涸れている)でコンパスを合わせて尾根取付きに向かう。適当に歩いているうちにだんだん明るくなり、三右衛門沢右岸尾根の先端部に達した。ここでヘッデンを格納して、雰囲気の悪い急斜面に取付き、数分登るとシャクナゲ藪が待ち構えていた。シャクナゲの隙間を適当に登ってゆくと、徐々に藪は薄くなって標高1450以降は、シャクナゲ等の藪を気にせずに歩けるようになった。時にはシャクナゲが現れるが藪を漕ぐというようなことはない。コメツガ林の尾根筋には踏跡といっても良いような獣道が拾えてありがたい。標高点1598は地形図から想像する通りに小さなコブでシャクナゲが繁茂していた。
 薄い踏跡を追って登ってゆくと、低い草付きとなり、そのすぐ先で尾根を合わせて方向が南南西から南向きに変わる。途中で二重尾根状の箇所や倒木地帯を通過して、1800級の小ピーークまでの間に二回ほど太郎山と女峰山が樹木の隙間から展望できた。小ピーク先の鞍部からは針葉樹の若木藪が目立ち、隙間を通過するのに少しばかり苦労する。針葉樹の若木がなくなると膝丈笹の標高点1928ピークに達した。このピークには「黒檜岳へ」の小標識が樹木に取り付けてある(これは03年6月4日(ひとり山歩き99初めて通過した時に見て以来何度も見ている)。エネルギーを補給しながら、今登って来た尾根筋を思い出してみる。尾根先端の急斜面とシャクゲ藪以外は特に苦労するような場所はない。予想時間よりも少しばかりながくなってしまった。最近は急斜面と藪をこぐのが苦手となってしまったようだ。この尾根筋には同一の小さな赤テープだけ。


左: 標高1450でシャクナゲ薄くなる 中: 標高1530あたりの様子 右: 標高1770付近の倒木


左: 標高1720から太郎山〜女峰山 中: 1928ピークの「黒檜岳へ」小標識 右: 笹原の1928ピーク

 1928ピークから西に下ってゆくと鞍部付近で中倉尾根と庚申山〜皇海山を展望して1970級ピークへの登り返しになる。笹がかぶさっているところもあるが、踏跡は拾える。初めて歩いた03年ころはテープ類が競うように付いていたが、今では二種類のマーキングを見るだけでだいぶ感じがよくなった。1970級ピークの西鞍部で大岩を右(北)に巻いて通過し、方向が北西から西そして南西に変わるが迷うようなことはない。逆に歩く場足は少しばかり注意が必要であろう。南西に変わるとすぐに、金属製の小標識が目につく宿堂坊山分岐に達する。ここから三俣山までは南に数分で達する。
 三角点は踏跡の上に笹が被っている。山頂は笹原で西側が開けていて、皇海山、武尊山、三ケ峰・笠ケ岳・錫ケ岳の稜線が展望できる。5回目の訪問だが、今回は霞んでいて浅間山(山頂から見た記憶がある)は見えなかった。


左: 中倉尾根 中: 庚申山(袈裟丸山)皇海山 右: 踏跡 (何れも1928西鞍部付近)


左: 1970級ピークの西鞍部の大岩を巻いて 中: 宿堂坊山分岐手前の標識 右: 宿堂坊山分岐の標識


左: 武尊山(左後方)と峰山・三ケ峰・笠ケ岳・錫ケ岳稜線 右: 皇海山  (三俣山から)


三俣山の標識類

4 三俣山 − 前宿堂  踏跡を外したらキョロキョロすれば標識が目に入る
 三俣山〜宿堂坊山の間は、04年8月16日(ひとり山歩き162)逆方向から歩いている。その時の記憶では、稜線上に藪は殆どなく、金属マークが多くて踏跡を外してもすぐに復帰できたように覚えている。今回逆方向に歩いたが全くその通りで、深い藪はなく迷うような場所はなかった。その当時と異なるのは、水場の標識に5分とあったが、今回は7分となっていた。展望は全くといってよいほど期待できない。最低鞍部で前宿堂と宿堂坊山が見える程度。前回とは逆廻りで苦労したのは、笹の被さった踏跡を追って前宿堂(1840級ピーク、地形図に記載なし)への急登だった。今日全体に言えることだが、すべて樹林帯の歩きで風通しがなく暑さに参った。前宿堂に達した時にはかなりバテ気味になっていた。前回は水場付近から三俣山まで75分で登っているのに今回は下りで70分だから、何をかいわんやだ。最近は愚痴ばかり多くなったが、歳をとっている証拠。それで何が楽しいのか知らないが、山歩きはまだやめる気にはならないから不思議。前宿堂は笹藪の中のピークで山名板はない。展望は樹木の隙間から宿堂坊山の山頂部が見えるだけ。前回の記録では白根山、白根隠山と錫ケ岳が展望できたと記録しているのだが、遠方が霞んでいるせいで見えないのか。


左: 稜線で嫌というほど目に付く標識 中: 最低鞍部から前宿堂と宿堂坊山 右、水場と標(水場まで7分)識


左: 笹ピークの前宿堂 中: 縦走用の標識 右: 樹木の隙間から宿堂坊山

5 前宿堂東尾根(ヤジノ沢右岸尾根)  藪で見通しが悪い箇所が多く、下るのは避けたほうが良い
 前宿堂で宿堂坊山の山頂付近から小尾根を急降下してヤジノ沢/三右衛門沢分岐付近に下りてカクレ滝を見物する案も考えていたが、今日の足取りでは宿堂坊山に登るのも小尾根を急降下する自信がない。ヤジノ沢右岸尾根はまだ歩いていないし、これを下ったほうが楽に感じたので、全員一致(単独校だから、あるときにはリーダー役、同僚役あるいは一兵卒と何役もこなす。一人歩きは危ないというが、転落したり怪我したりしたときは誰も救ってくれる人はいない。でもルートキーピングやルートファインディングでは、自分で責任を保って決めるので安心)で決定。
 この尾根筋を下った記録は読んだことがない。登った人の記録からは下方でシャクナゲ藪、上方で笹ヤブが現れるが、それほど難しいという印象は受けなかった。実際に下り始めると、深い笹は70メートルほど下ると消えて以降は低い笹が断続する程度でやはり易しい尾根だと喜ぶ。ところが標高1670あたりまで下るとシャクナゲ藪が出現し始めた。1644ピークはシャクナゲの小ピークで古い地形図では三角点峰になっているが、現在は記載がない。
 標高1530あたりで山王帽子山と太郎山を展望すると、細尾根となり藪が邪魔して尾根上を通ることができなくなる。その都度、藪の隙間から主として右側(南)側に巻くように下ってゆく。藪を巻くと尾根から外れ復帰するのに時間を要する。前方が見えないから、尾根を外さないようにコンパスをちょくちょく見ながら下ってゆく。登る場合は上方へ上方へと進めばよいが、下りる場合は闇雲に下るわけには行かず慎重になり、登るのよりも時間がかかるような感じ。藪山にかなり慣れた人でなければ、この尾根を下るのはやめておいた方が無難だろう。
 灌木藪を漕いでザレた狭い広場に達した。ここまでは、04年12月11日(ひとり山歩き179)で登ったことを思い出した。当時はテープ類が多く下るのにそれほど苦労した記憶はないが、今回はところどころで小さな赤テープを見かけたが道案内にはならなかった。標高1400たりで、左下にヤジノ沢が見えたので、尾根先端部までゆかずに、ここから急斜面を木の根を助けを借りながらヤジノ沢右岸に無事に下山できた。2、3分沢筋を下ると三右衛門沢との合流地点に達した。終バスには十分間に合うので、三度目のカクレ滝を訪問することにした。三右衛門沢に沿って遊歩道が付いているので、安心して歩ける。合流地点からこれまた2、3分(地形図よりはかなり手前)でカクレ滝に達した。滝壺の手前で左岸から右岸にわたらないと滝は見えない。捨石で容易に対岸に渡れるようになっていて、大雨の後でなければ誰でも渡れるようになっていた。
 時間的に最終前のバスに間に合いそうなので、どこにもよらずに西ノ湖入口に戻ると、25分の余裕。赤沼茶屋までバスで20分、歩けば約2時間、300円でこんなに楽ができるのだ。赤沼茶屋から日光まではかなりの渋滞。盆休の最中に来たのだからこの程度の渋滞は仕方なし。


左:標高1730の上方  中:同じく下方 右:標高1530のシャクナゲトオネル


左: 標高1530付近から外山尾根と山王帽子山 中: 同じく三右衛門沢右岸尾根と1928P  右: 標高1510の大岩
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