ひとり山歩き501 : 足尾の大平山に安蘇沢林道から登って来ました。先週に比べて林道の積雪はほとんどなくなりましたが、尾根の積雪は思ったより深くラッセルを強いられました。雪化粧の足尾の山々が素晴らしかったです。
足尾の大平山(1959)
2012年12月21日(金) 晴れのち曇り
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 大平山  尾根取付き 安蘇沢林道
自宅(1:55) = 足尾無料駐車場(3:55/4:05) − 足口沢出合(5:00) − 淀沢林道分岐(5:30) − 安蘇沢林道分岐(5:50) − 標高点1356(尾根取付き)(6:45/6:50) − 標高点1805(9:45/9:50) − 大平山(11:10/11:30) − 標高点1805(12:10) − 標高点1356(13:35/13:40) − 安蘇沢林道分岐(14:20) − 淀沢林道分岐(14:35) − 足口沢出合(15:00) − 駐車場(16:00/16:10) = 自宅(18:15)

2 自宅 − 足尾
 先週(12月13日)は大平山へ登るろうとしたが、安蘇沢林道の積雪が35cmもあり、林道の終点である尾根取付きで退却せざるを得なかった。それ以降、足尾付近は降雪がなかったようなので、雪はかなり解けたと思われる。今年最後の締めくくりとして、大平山のリベンジに出かけることにした。10年3月3日に残雪の大平山を安蘇沢林道経由で登るのに6時間要した。感じとしてその時よりも積雪は多そうなので、例によって深夜の早出とする。積雪が少なく条件が良ければ復路は大ナギ沢右岸尾根経由も頭に入れておく。
 日光市街を過ぎても道端の除雪塊はほとんどなく、思惑通りにこの一週間で山の雪はかなり解けたようだ。銅親水公園付近から、復路で大平山の写真を撮って先週のと比較するべく、今日も足尾無料駐車場に駐めた。

3 往路  林道には残雪僅か  尾根歩きでは向う脛程度のラッセル  足尾の山々、特に中倉やまから皇海山の展望が素晴らしい
 先週は銅親水公園から路面には雪が積もっていたが、今日は雪は完全に解けていた。足口沢出合、淀沢林道分岐、安蘇沢林道分岐までには、三箇所でスポット的に残雪が凍結していたのみ。安蘇沢林道分岐を過ぎて標高1250あたりから路面には薄く雪が残っていたが、歩きには特に支障がなかった。大平山への尾根取付きである標高点1356までの所要時間は2時間40分で、先週の4時間10分に比べて大幅に短縮できた。標高点1356から中倉山稜線を見ると、先週は真っ白だったが、今日はかなり雪が解けて黒み増していた(先週の写真今日の写真の比較願う)。
 尾根取付き付近の残雪も少なく、今日は10年3月3日同様に3時間程度で山頂を踏めそうと意気込んで登りはじめた。残雪は登るに連れて徐々に増えて、標高1500あたりから連続となった。今日もチェーンスパイクの長短を見極めようと、ここから着用し合わせてピッケルも手にした。鹿道を極力利用したが、鹿は生活道であるからこちらの思惑通りには山頂を目指していない。鹿道からそれると踝ないし脹脛程度の足の沈みとなる。強いて言うと尾根の左手(南西側の方が日当たりがよく雪が浅く、鹿道が多いようである。標高1700付近で中倉山稜線に加えて富士山も展望できた。標高1700付近で地形図には現れない小さなコブをふたつ越すと、よくクラストしていてチェーンスパイクが雪をとらえて気持よく登れた。途中で振り返ると男体山の頭、社山、半月山に加えて筑波山も展望できた。展望が広がるのは雪山歩きの楽しみである。矛盾しているようだが、藪山歩きで藪の切れ間からの展望を楽しむのも大好き。山頂までに部分的にはクラストしていた箇所はあるが、ここほどクラストした箇所はなかった。平坦となり見覚えのある標高点1805に達した。尾根取付きからここまでに約3時間、以前の残雪歩きでは約2時間。ここから山頂まで2時間要したとしてもタイムリミットの12時までに山頂は踏めると、中倉山〜皇海山の山々の景色を楽しむ。富士山、筑波山に加えて皇海山のと大平山の南西尾根の間に真っ白な武尊山も楽しめた。
 標高点1805からの尾根筋に鹿道が通っていて楽勝かと思ったが、これも束の間で鹿道は横へ逸れてしまった。以降は向う脛程度のラッセルが続く。アイゼンを持参っしなかったのは正解だが、ワカンを持って来なかったのは悔やまれる。日当たりがよいので多少はクラストしているかと期待していたのだが、クラスト部を見つけても数歩歩くとズボッとくるのでかえって悩ましい。標高点1805から約1時間の苦闘で、大平山の南西稜線に到達した。ここから山頂までは距離にして200メートルだが、積雪は今日のコースでは一番深く、膝下までのラッセルの連続で20分も要した。大平山山頂には雪化粧した山部3Dプレートが健在であった。山頂は樹木が茂っていて展望が良くないので、少しばかり戻って中倉山方面の景色を見ながらエネルギーを兼ねて小休止。

大平山からの展望


4 復路大平山の様子 (銅親水公園付近から)
 下りになると足元が重く感じるようになった。気温が上がったせいかチェーンスパイクに雪が付着して高下駄を履いているような感じ。ピッケルで靴を時々はたきながら下った。標高点1805で今日の所要時間と、往路で目に入った大ナギ沢右岸尾根の雪のつき具合から、標高1650から1600の急勾配は、アイゼンなしで下るのは冒険過ぎると諦めた(以前の残雪期に下った時には雪はなかったが、芝生状の笹の急斜面は掴まるものがなくブレーキをかけるのに苦労した)。
 往路の踏跡を極力たどるようにしたが、踏跡を外しても下りだからどうということはないのだが、チェーンスパイクへの雪の付着が多くなりピッケルでの雪落としが頻繁となった。特に低い笹やカラマツ落葉が混ざると数歩で団子が成長してしまう。チェーンスパイクの長短も把握できたので、途中で脱ぐと足元が軽やかとなる。標高点1356で中倉山尾根の景色を見納めにして林道を下り始める。
 駐車場まで2時間20分、先週の2時間40分に比べたら、疲労度は今日のほうが高いが雪のない分だけ速かった。銅親水公園を過ぎた地点で振り返って大平山を眺めると、先週は真っ白だったが今日はかなり黒みを増している。中倉山や大平山では積雪期にはどんどん積もってゆくのではなく、降っては解け降っては解けを繰り返しているので、あまり積雪は深くならないのだろうと素人考え。

5 チェーンスパイクの長短
@長所 : 凍結部では威力発揮。凍結部の断続する林道歩きには特に便利。雪がなくても違和感なく歩ける。
A短所 : 気温が上がると団子の成長が激しい。爪が短いので凍結していても上に新雪が付いていると上滑りしやすい(アイゼンに比べて)。 
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