ひとり山歩き393 : 足尾の大平山に登ってきました。往路は安蘇沢林道から標高点1805経由で山頂、復路は標高点1805から南尾根を下りました。積雪は予想よりもはるかに少なく、山頂直下しか連続していませんでした。
足尾の大平山(1959)
2010年3月3日(水) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)    ウォッちず : 大平山
自宅(1:55) = 足尾銅親水公園(3:55/4:15) − 淀沢林道分岐(5:30) − 安蘇沢林道分岐(5:55) − 標高点1356・尾根取付き(6:45/7:00) − 標高点1805(9:05) − 大平山(10:00/10:25) − 標高点(1805)(10:55) − 大ナギ沢出合(13:25) − 銅親水公園(14:25/14:35) = 自宅(16:40)

2 自宅 − 足尾
 今週は雨天模様で山行は諦めムードだったが、3日は晴れの予報で急遽山行を決めた。奥日光、那須と迷ったが積雪の少ないと思われる足尾の大平山に出かけることにした。ルートは安蘇沢林道を歩いて標高点1356から尾根に取付き、標高点1805経由で大平山に登る。復路は標高点1805から南尾根で大ナギ沢出合に下ることにした。積雪が多い場合をKY(危険予知)してピッケル、アイゼン、ワカンを持参することにした。
 例によって明るくなる頃に尾根に取り付くの考えで、時間を見計らって家を出る。清滝IC付近でマイナス1度、銅親水公園入口で0度の電光掲示板を見る。今日は風がなければ暑くなると予想して防寒着を脱いで出発する。大平山は過去に5度登っているが、積雪期は初めて。今回のルートとは逆廻りで04年5月12日に歩いているので参照願う。

3 往路  雪は少なく殆ど踏むことはない  山頂直下だけ連続
 安蘇沢林道と標高点1356の間は二三度歩いたことがあり、早朝の暗いうちに登ったこともあるので全然問題はない。問題と言えば暑くて発汗大平山への北西尾根 (標高点1805から)が多いことくらい。地形図通りに淀沢林道分安蘇沢林道分と歩き、ヘッデンを格納して安蘇沢の西線へと入って行く。地形図では途中で実線は消えているが、標高点1356の先まで敷設されている。崩落は一箇所、頭大の落石は多い。五箇所に残雪をみる。人間の足跡は認められなかった。林道が標高1350で北西へ回りこむ地点で数メートルばかり土手をよじ登ると、雨量観測所があり、ここが標高点1356で尾根取付きとなる。ここは樹木がなく風が強くて、今までの林道歩きとは別世界。慌てて防寒着を着用する。中倉山から皇海山まで展望がよい。中倉山は雪がかすかに付いているだけ。これから登る稜線にも雪は見えない。皇海山方面 (標高点1805から)
 尾根取付きから少しばかり登ると樹林に入り強風の洗礼から開放される。残雪は少なく踏まずに歩ける。標高1600付近からは雪が幾分増えて縞々模様となる。日当たりがよく風が強いにもかかわらず雪は締まってなく、もなか状態。仕方なしに尾根西側の鹿に食い尽くされた低い笹の上を歩く。標高1700付近は樹木が疎らで展望がよく利く。中倉山から皇海山、右後方には男体山の天辺と社山あたりが楽しめる。標高1805台地の直下だけは雪を避けられず、向う脛までのラッセルとなる。台地に上りきると標高点1805で雪はない。
 標高点1805からの展望も良い。これから登る北西尾根の西側には雪はない。中倉山から沢入山あたりも白さが薄い。例年もこんなものなのかなア? 今日はひょとしてワカンをつけて歩くかもと持参したが、ピッケル・アイゼンとともに単なる荷物となってしまいそう。国境平から皇海山を眺めながら雪を踏まずに北西尾根を登りつめる。ここで南西尾根に乗り換えると積雪は連続となる。今までの雪とは異なり、完全にクラストしていて全く沈みはない。安心して歩いていると、突然膝下まで踏みぬくことがある。これを何度か繰り返しながら緩やかに登って行くと、樹林の中に山部3Dプレートを見て大平山の山頂に達したことを知る。山名板は他にAKI、2005年7月の2枚を見る。
 三角点は隠れている。山頂からは展望が利かない。枝の隙間から中倉山が見えるだけ。山頂の先は踏み抜きが多く、社山あたりが枝の隙間から見えたのですぐに引返してエネルギーを補給する。

4 復路  南尾根は下りには避けたほうが無難中倉山と松木川 (標高1500から)
 今日は風が強いので、標高点1805から南尾根を下るのは逡巡する。勾配がきつくブレーキを掛けるのに必要な樹木もなく笹もない(鹿に食い尽くされて膝丈程度)。これで中途半端に残雪があると容易でない。尾根上で様子を見て決めようと、標高点1805から往路とは軌道を変える。南尾根の上部から見下ろすと、下るのが嫌になるほど急勾配。残雪は全くなく、風もそれほど強くはない。尾根幅が広いので何とかなるだろうと、意を決して下り始める。短い笹の上をシリセードをまじえて下る。楽ではあるがながく滑ることはできない。ズバンが破れる心配よりも、鹿の糞が多すぎて長くはできない。往路もそうであったが、特にこの南尾根は鹿が多いらしく笹は食い尽くされて、糞が多く異様な臭気が漂っている。立ったり座ったりしながら何とか標高1750から1700の急下降をしのぐ。この急下降を過ぎると樹木は疎らで低い笹や草付となり、足尾の山々を楽しめる。往路に辿った尾根筋などは比較にならないほど素晴らしい。目前に中倉山尾根の荒々しい北斜面に目を奪われる。
 標高1150までは尾根上は低い草付きで快適な歩行となる。ちょっとした岩場を越すとヤセ尾根となる。岩あり、草付きあり、ザレありで油断はできない。これが980ピークまで連続する。このピークからの下りが更に嫌らしい。植林保護のために金網フェンスで囲まれているので尾根上を辿ることはできない。仕方なしにフェンスの左手(東側)を下らざるを得ない。足場が悪いうえに急勾配、金網をつかみながら下って行く。100メートルほど下ると林業関係者が設置したと思われるトラロープを伝って大ナギ沢に下る。この尾根筋は登るはいいが、下りでは避けたほうが無難。
 大ナギ沢から林道に出て、更に1時間ほどノンビリ歩きで銅親水公園に戻る。途中で中倉山と大平山の写真を撮る。家に帰って1月4日の写真と比較してみると白さがかなり薄くなっていることが分かった。足尾の山は今の時期はこんなものなのか? それとも今年は積雪が少ないのか?
HOME
inserted by FC2 system