ひとり山歩き492 : 奥日光の小太郎南尾根から小太郎に登り、太郎山から山王帽子山方面に戻ってハガタテ薙左岸尾根を下山しました。小太郎南尾根は多少の危険を伴いますのでお勧めできません。好天下、小太郎と太郎山からの展望を堪能できました。
小太郎(2328)南尾根〜太郎山(2367)〜ハガタテ薙左岸尾根
2012年10月12日(金) 晴れ
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 小太郎〜太郎山  小太郎南尾根 ハガタテ薙左岸尾根
自宅(4:35) = 裏男体林道・梵字飯場跡駐車場(6:35/6:45) - 御沢林道(仮称)終点・尾根取付き(7:10) - 小太郎南尾根標高1950(8:35/8:40) - 岩群(前回退却地点)(9:10) - 小太郎(10:10/10:20) - 太郎山(10:50/11:20) - 小太郎(11:50) - ハガタテ薙左岸尾根へ(12:15) - 笹原に下山(13:45) - 御沢林道出合(14:10) ー 駐車場(14:20/14:30) = 自宅(16:50)

2 自宅 - 裏男体林道
 以前から気になっていた小太郎(2328)の南尾根(御沢右岸尾根と思っていたが、ダイタンボウ沢というらしい)に、、ふーせんさんの記録( HP http://homepage3.nifty.com/fu-sen/ )を参考に昨年の11月9日にトライしてみた。標高2150付近の岩群が突破できずに断念してしまった。体力的に無理が利かなくなってきたので、いつまでもペンディングにしておくわけにはゆかない。奥日光の紅葉シーズンになると交通渋滞が生じるので、その前に片をつけることにした。前日の天気予報によると、本日は好天が期待できるが、前日の夕刻に降雨があるかもしれないとのことである。翌日出かける支度をして床につき、1時に起きると自宅付近は雨が降っている。ネットで奥日光の降雨状況を調べると、奥日光は止んでいるが、日光あたりはまだ降っている。天気予報の夕刻に雨の可能性が、数時間遅れて降ったようである。日中はいくら好天が予想されても、現時点(1時)で降雨では気が進まず山行は中止とした。
 撮りためたビデオを視聴し、3時半に新聞をとりに外へ出てみると、満天の星空になっているではないか。新聞を読んでいるうちに再び山に行く気になり、急いで朝食を摂って出発の準備をする。自分の山行では遅い4時半出発となる。山行では初めて明るい時期にいろは坂を登ることになり、普段の山行では見られない景色も楽しめた。紅葉は竜頭の滝あたりから赤沼茶屋にかけて色づき始めていた。裏男体林道に入るとカラマツが少しばかり黄ばんでいる。宇都宮大学の日光演習林の看板を見ると約100メートル先が梵字飯場跡駐車場で、志津乗越が駐車禁止となってからは、ここが指定の駐車場である。

3 小太郎南尾根 - 小太郎 - 太郎山  小太郎南尾根の岩場は丹念にヤブをかき分けて   
 駐車地から100メートルほど戻って、宇都宮大学・演習林の看板から御沢林道(仮称:正式名不明)に入ってゆく。この林道は砂利道でよく管理され凹凸がなく歩き易い。200メートルほど進むと御沢に掛かる無名橋を渡る。このあたりから上流を金剛峽といい、少し上流に梵字滝があり、嘗ては見物の対象だったと思われるが、現在では尋ねる人は殆どいないようである。途中で幅が1メートル未満の小沢(梵字沢?)を渡る。地形図の林道終点の右手に広場(飯場跡か資材置場?)を見ながら更に続き標高1600で林道終点となる。右手の御沢には砂防堤が2基設置してある。これを設置するために林道がここまで延長されたのであろう。御沢の更に上流には数基の砂防堤が地形図から読み取れるが、これらを設置するための林道は、太郎山の新薙登山口から北西に太郎山からのパノラマ (前列右端が小太郎)向かう林道であろう。
 林道終点から左手の土手に登ると、薄い踏跡が沢(ダイタンボウ沢?)に沿って続いている。前回はこれを標高1700まで辿ったが、今回は途中で踏跡から別れて小太郎南尾根を進むことにした。尾根筋はコメツガ林で、低い笹が断続している。勾配はほどほどでヤブもなく、気持よく登ってゆく。標高1950あたりからは、勾配が幾分きつくなるので、これに備えて梅雨対策の雨具のズボンを脱いだ(結果的には笹が低いので、着用は無用だった)。
 標高が上がるにつれて勾配は増して、倒木が増え、標高2100位になると、針葉樹の枝ヤブとともに露岩が現れる。標高2150になると岩が多くなり、針葉樹で覆われていて岩を巻くにしても見通しがきかず往生する。前回は嫌気がさしてここで退却してしまった。今回はしつこく岩を巻いて通過すべく、丹念に岩の間に繁茂する針葉樹をかき分けて壁のような場所をよじ登ってゆく。9月10日に寒沢宿から大真名子山に登った際、苦労した標高2150の急登箇所の通過に比べたら楽だった。20分ほど岩場で苦闘すると、標高2200で突然右手が開けて、男体山と大真名子山が見通せる場所に達した。ここを過ぎると多少は勾配が緩み、コメツガの背が高くなり倒木、ヤブも岩もなくなる。低い笹が現れるとすぐに山王帽子山からの登山道に出合、これを2分ほど進むと待望の小太郎の山頂に達した。ふーせんさんの記録で見た山頂直下のガレ場は通過しなかった。ふーせんさんよりも左(西)手を登ったためと思われる。これでペンディングのひとつが解決して達成感に浸りながら山頂からは見慣れた眺望を楽しむ。北東の間近に太郎山を始めとして、北西の黒岩山あたりまで展望できる。次の太郎山でも同じような景色が眺められるので、すぐにザックを担ぐ。
 剣ケ峰は左を巻いて通過する(初めての時は巻き道を知らずに恐る恐る剣ヶ峰の岩を越した)。その先の痩せ尾根部分も今ではどうということはない。近隣の山々は針葉樹が主であるために紅葉という点では、那須岳には比べようもない。服装はまだ夏場と同じだが、暑くも寒くもなく快適、水の消費もグット少なくなりまだ500ミリリットルも消費していない。太郎山の山頂に達するも、今日は一番乗りのようである。ザックを下ろして写真を撮っていると、新薙コースからと思われる単独行者が現れた。展望は小太郎からとあまり変わらないが、東北東の枝越しに高原山が見える程度の違い。

太郎山からの展望


4 太郎山 - 小太郎 - ハガタテ薙左岸尾根
 当初の計画では、寒沢薙を下ることを考えていたが、雨で出発が遅くなったので、計画を変更し太郎山から山王帽子山方面に下り、ハガタテ沢左岸尾根を下って、出発地に戻ることにした。このルートは09年11月15日に通っているので、その時の記録を参照願う。
 小太郎で、山王帽子山からの単独行者とすれ違う。標高2150のハガタテ薙左岸尾根取付きまでに、男女各一名の単独行者とすれ違う。取付き地点には特に目印はないが、登山道の左手に南西に向かう尾根筋を感じる。ここでコンパスを合わせて広い尾根筋を下ってゆく。ヤブはほとんどなく、薄い踏跡と鉈目を拾いながら下ってゆく。倒木で鉈目を失うが、尾根筋を外さないように下るのだが、倒木を避けたりしているうちに方向がずれたりする。高みを見てはその方向に軌道修正を余儀なくされる。標高1900まで下ると、低い笹が現れ、獣道を追うことができるようになる。光徳を目指すなら、尾根中央の標高点1817を目指すのだが、今日は御沢林道を目指すので、左手に谷筋を感じながら尾根の東側を下ってゆく。低い笹の中に獣道を見つけてはそれを追うが、こちらの思惑通りには獣道はついていないのでコンパスで方向を修正しながら下ってゆく。倒木もヤブもなく膝下の笹も下りだから、特に問題ない。標高1650以下では尾根幅が狭まり、あまりにも快適に下れるのでコンパスもチェックせずに下り、勾配が緩み先には笹原が続く地点に達した。ここを下山地点(標高1550)とした。
 見通しがきかないので、進行方向がわからずコンパスを合わせられない。前回のルートマップ(コピーを持参)と比べると、今回は最後まで尾根にこだわりすぎて、目標地点よりも西側に下ってしまったようである。そのまま笹原を南に向かえば、どこかで御沢に出合うが、御沢林道に復帰したいので、南東にコンパスをあわせる。勘違いで南東でなく南西にコンパス合わせて歩き始めて、すぐに間違いに気づいて修正する。カラマツ林の中を歩くのだが、途中で膝丈の草付きとなるも、ほとんどが腰ないし胸丈の笹で漕ぐのに苦労するほどではなかった。20数分の笹原歩きで無事に御沢林道に出合った。梵字滝も金剛峽も興味はなく、そのまま駐車地に戻る。自分の車の他に県外車1台だけ。
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