ひとり山歩き455 : 温泉ケ岳から標高点2274そして2207へ歩き、そこから南東尾根で刈込湖付近に下山しました。温泉ケ岳からの展望では会津の山々には冠雪が見られました。2207からの南東尾根は奥日光ではもっと密な笹尾根でルーファンにも苦労しました。
温泉ケ岳(2332)〜2274〜2207〜刈込湖
2011年10月27日(木) 快晴
1 行程  写真
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 温泉ケ岳  2274〜2207〜刈込湖 
自宅(2:40) = 金精道路・刈込湖入口(駐車)(4:35/4:50) − 金精トンネル入口(5:50) − 金精峠(6:25/6:30) − 温泉ケ岳取付き(7:25) − 温泉ケ岳(7:40/8:05) − 温泉ケ岳取付き(8:15) − 温泉平(8:30/8:40) − 登山道別れ(8:55) − 標高点2274(9:05) −標高点2207(10:20) − 刈込湖(13:15/13:20) − 小峠(13:30)) − 駐車地(14:15/14:25) = 自宅(17:50)

2 自宅 − 奥日光
 スノーハイク等で刈込湖に行くたびに標高点2207から刈込湖に落ち込む尾根筋が目につく。歩いてみたい尾根の一つだが、刈込湖付近からの取付きは急傾斜で二の足を踏んでいる。下りなら何とかなるだろうと、10月2日に計画して奥日光まで行ったが、風と小雨で諦めて引き返した。もたもたしていると雪が積もってしまうので、奥日光は紅葉狩りで交通渋滞が予想されるが意を決して実行することにした。
 ルートとしては金精峠・温泉ケ岳・2274・2207刈込湖と周回になる。下山後のことを考えて、金精道路の刈込湖入口に車を駐めて金精トンネルまで道路歩きをすることにした。金精トンネルで明るくなるように見計らって家を出る。いろは坂の馬返しで登山靴とスパッツを着用していると奥日光方面に進む車は多い。赤沼茶屋手前になるとヘッデンを点けて小田代原に向かう人が多い。夜明の小田代原の写真(貴婦人と小田代湖)が目的なのだろう。赤沼茶屋を過ぎると車はピタリと見なくなる。湯元温泉分岐から約1km先の刈込湖入口駐車場に車を駐める。
 ザックを担いで金精道路を黙々と登ってゆくと、標高1750のヘアピンカーブで振り返ると男体山の左右の谷間に夜明けの気配。ヘアピンカーブの広い路肩(展望所)に車が数台、男体山の日の出を撮影するらしい。さらに金精トンネル入口には3・4台駐まっていた。登山者でなく全員がカメラマン。横を素通りして登山道に進む。

3 金精トンネル − 温泉ケ岳  登山道には霜柱 会津や越後の山は雪景色
 ヤマレコ記録等に金精峠までの道筋が荒れているという記述をよく見かける。久しぶり(多分4年振り)なので、どの程度荒れているのか心配になる。実際に歩いてい見ると、補修は適宜行われているようでドンドン登山道が荒れているということはないようである。標高1920の崩落地をトラバースする個所だけは細心の注意が必要。その他は木階段が多く歩き易くはないが、特別危険という個所はない。数段の鉄梯子を昇ると勾配は緩み、すぐに稜線に達する。ここが金精峠で男体山を見ればすでに太陽はだいぶ登っている。
 登山道を進むと霜柱が立っている。駐車地に着いた時に車の車載温度計は氷点下1度であった(家に帰って調べると、戦場ヶ原で今シーズン初めての氷点下)のが頷ける。登山道は尾根直下の北側の針葉樹林の中に通じているので、展望は標高2080で金精山、標高2200で白根山と金精山が見えるだけ。ここから至仏山が冠雪しているのが枝越しに見えた。標高2270あたりからは勾配は緩み、すぐに温泉ケ岳取付きを示す標識を見る。初めて温泉ケ岳に登ったのは03年6月27日で、このころは踏跡が薄くテープ類を頼りに登ったのだが、その後栃木百名山に指定されたこともあって登る人が増えて踏跡は登山道と化している。完全に凍結した小さな池(水溜りの方が合っている)を見ながら笹の中を10秒ほど歩くと温泉ケ岳山頂に飛び出す。
 山頂には三角点と御料局三角点が設置してある。樹木で南西の白根山方向は見えないが、西に武尊山、北に燧ケ岳、東に日光連山が展望できる。会津や越後の山々は冠雪している。県境尾根の黒岩山あたりもうっすら白くなっているように見えた。今日は雲ひとつない快晴で風はなく気温は低いが寒いという感じはない。あまりにも天気が良いので、根名草山まで足を延ばしてみたい気がするも、2207南東尾根の藪次第では暗くなってからの下山もありうるのであきらめる。
温泉ケ岳からの展望


4 温泉ケ岳 − 2274 − 2207  小泉抵抗族になるような藪はない
 この区間は07年9月13日に温泉ケ岳、高薙山、金田峠、刈込湖のルートで歩いているので参照願う。
 温泉ケ岳から温泉平に直接下ってみたい気持ちはあるのだが、今日の本命は2207からの南東尾根下りであるから自重して温泉ケ岳取付きに戻る。そこからは温泉平へのトラバース道は笹の刈り払いがしてあり、足元だけ注意しながら進む。樹木に温泉平の標識を見て、ここで雨具のズボンを脱ぐ(駐車地の笹に霜がついていたので、雨具のズボンを着用していた)。今日は笹に露は付着していないかったので結果的には無用であった。温泉平標識の数メートル先に南東への踏跡が認められた。これを辿ればドビン沢左俣の源頭部に通じているのかも。09年10月27日にドビン沢左俣から温泉ケ岳を目指した際、標高2100付近から水流が現れたので、沢筋から離れてて温泉ケ岳目指して直登して笹薮漕ぎに苦労した。そのまま沢筋を辿ればこの踏跡に出合ったのかもしれない。
 登山道は温泉平から小さなこぶを越して標高点2274ピークの南西尾根を乗越してゆく。この尾根上にはいくつかテープを見かる。根名草山に進むには尾根を乗越して下って行くが、今日はここで登山道と別れ北東へと尾根を進む。笹と針葉樹の小藪があるが、獣道を拾いながら進むと、10分ほどで標高点2274ピークに達した。この先は緩やかにアップダウンを繰り返して小ピークを三つ四つ越してゆく。小ピークの西側(登りは)は藪は少ないが、小ピークとその下りである東側はシャクナゲと針葉樹の小藪が多少煩わしい。展望は針葉樹であまり期待できないが、所々で日光連山や戦場ヶ原あたりが見える。鞍部付近になると藪はほとんどなく、標高2230あたりからは踏跡(糞を見ることがなかったので獣道ではないだろう?)が標高点2207ピークまで続いていた。2207手前の鞍部あたりに日光修験道の竜池の宿があったらしいことを家に帰ってWebで調べて知る。鞍部から少しばかり登り返した標高点2207ピークは低い笹のピークで展望はない。

5 2207 − 刈込湖 − 駐車地  奥日光で今まで歩いた中では最密笹尾根  下りのルーファンは難しい・・・覚悟して歩くこと於呂倶羅山〜太郎山〜三岳 (標高1870から)
 高薙山に行くにはこのピークから北に下るが、今日は南東尾根を下ることになる。2207ピーク先の小ピークまでは笹も低いので、今まで歩いてきた尾根程度の藪なら楽勝と考えたのだが・・・。腰丈の笹や針葉樹藪をこぎながら下ってゆく。標高2150あたりまで下ると、尾根筋は消えて急斜面下りとなる。笹薮は腰ないし肩程度でこれを漕ぐことはさしたる苦労はないのだが、尾根筋は広くて前方の見通しが利かず方向をとるのに苦労する。磁石と樹木越しに見える小太郎山を目印に下ってゆく。藪を避けると小太郎山が目標にならなくなる。方向を誤ってトラバースで方向を修正するのに苦労しそうなので、GPSで時々修正しながら下って行く。藪は相変わらずだが標高2050あたりからは尾根形が現れ歩き易くなる。標高1850あたりで、四畳半程度の地肌を見つけてエネルギー補給しながら10分程度の休憩をとる。標高1900あたりで笹薮が幾分緩んだかと思ったが、標高1840あたりから再び平均胸丈の笹薮漕ぎとなる。標高1800からは尾根筋は南東から南に変えて標高1650でドビン沢へと下ることになるのだが、地形図を見ると尾根先端は崖記号、スノーハイクでドビン沢を刈込湖に下った時の記憶でも尾根末端は岩壁となっていたような記憶がした。そのまま下って末端で苦労するのはかなわない。標高1800からは斜面を東に下ることにした。勾配はきつく、笹にすがっても何度も尻もちをつく。その都度、笹の先端が両足と股の間で絡まってほどくのに苦労する。樹木越しに刈込湖が見えているので、後はどこに降りても迷う心配はない。適当にルートを選びながら笹にしがみついて下ってゆく。結果的にはドビン沢に無事降りられたが、2207からの尾根は今まで奥日光で歩いた中では最密の笹尾根であった(スポット的にはもっと密藪個所はあったが、この尾根筋ほど連続することはなかった)。5分ほどドビン沢沿いに下り、無事に刈込湖に到着。
 刈込湖から太郎山を見るのはいつも午前中で逆光で写真写りが悪かったが、今日は太郎山撮影には光線の向きがよし(腕前は別次元)。風も爽やかで気持ちがよい。遊歩道で金精道路に戻る途中で三組・6人とすれ違う。外国人夫婦も軽装で登って行った。駐車地に戻ると、自分の車の他に3台、先刻すれ違った人たちの車であろう。 
 2207南東尾根は予想をはるかに超えた密藪で1時間は余分にかかってしまった。帰りの渋滞が心配。竜頭の滝あたりから華厳の滝まではノロノロ運転。いろは坂の下りはバスがいなかったせいもあり、停まって動かなくなることはなかった。自宅までは通常よりも1時間以上は余分にかかった。いろは坂の紅葉はまずますというところか。
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