ひとり山歩き417  : 日光沢温泉から根名草山に登り、オロオソロシ沢左岸尾根を下りました。日光沢温泉から根名草山への登山道は明瞭ですが、オロオソロシ沢左岸尾根は針葉樹の藪尾根です。針葉樹の山域ですから紅葉は期待できません。
日光沢温泉から根名草山〜オロオソロシ沢左岸尾根
2010年10月16日(土) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッチ図 : 根名草山  日光沢温泉  オオロオソロシ沢左岸尾根
自宅(1:15) = 女夫淵温泉(3:45/4:05) − 八丁湯(5:20) − 日光沢温泉(5:40/5:45) − 手白沢温泉分岐(7:20/7:25) − 尾根離れ・トラバース開始(8:05) − 第一薙(8:20) ー 第二薙(8:45) − 第三薙(9:00) − 北鞍部(9:20) − 根名草山(9:45/10:20) − 尾根乗換え(10:45) − 標高点1999(11:55) − 丸沼・日光沢温泉歩道出合(13:25) − オロオソロシ沢渡渉(13:35) − ヒナタオソロシ滝展望台(13:50/14:05) − 鬼怒沼登山道出合(14:15) − 日光沢温泉(14:30) − 女夫淵温泉(16:10/16:30) = 自宅(19:10)

2 自宅 − 日光沢温泉
 松木川を詰めて皇海山へテント泊を計画中で、二日続きの好天待ちである。天気予報では今週末はあまり期待できない。つなぎに足腰の鍛錬を兼ねて日光沢温泉から根名草山に登り、以前から気になっているオロオソロシ沢左岸尾根を下り丸沼・日光沢温泉連絡歩道(正式名称不明)で日光沢温泉に戻る。この計画を推進できるのは、06年9月29・30日に物見山から燕巣山まで歩いた際に、丸沼から日光沢温泉の間に比較的明瞭な歩道を歩いたことがあるからである。
 日光沢温泉に行くには車は女夫淵温泉までしか入れないのでその先は歩かねばならない。明るくなっtら日光沢温泉から根名草山への登山道に入るべく時間調整をして家をでる。女夫淵温泉へは06年と07年には何度か来てから久しぶりであるが、途中は何も変わっていないようであった。紅葉には少し早いような気がしたが、女夫淵温泉駐車場は9割方詰まっていた。鬼怒川への遊歩道が仮設から本設に代わったが、まだ歩いたことがない。駐車場先で鬼怒川にかかる橋を渡ると、右手が遊歩道入口で鉄階段そして丸太階段を40メートルほど登ってから、鬼怒川に下ってゆく。鬼怒川を渡橋すると絹姫橋からの旧道に出合う。カッタテノ滝を過ぎた地点で鬼怒川左岸沿いの幅広遊歩道に入る。ここから先は前日の雨で多少の泥濘はあるが安心して歩ける。八丁湯そして加仁湯を通過するも未だ夜明け前で人の動く気配はなかった。日光沢温泉に着いた時点では明るくなり、一組の夫婦が出発していった。

3 日光沢温泉 − 根名草山  登山道は明瞭で薙以外には特別危険個所はない  針葉樹林体で紅葉は期待できない
 日光沢温泉から根名草山には06年6月17日に歩いているので参照願う。燧ケ岳と鬼怒沼 (根名草山頂直下から)
 日光沢温泉の建屋を潜り階段を登ると、右が鬼怒沼、左が根名草山登山口となる。登山道に入るとすぐに急登が待っている。しばらくは落ち葉で埋まった登山道歩きであるが、道筋は明瞭で踏み外すことはないだろう。標高1480あたりからは針葉樹が支配的となり道筋の落ち葉が少なくなり歩きやすくなる。急登はいぜんとして続き、急斜面をジグザグに登ってゆく。標高1800位になると勾配は幾分緩み広葉樹が若干増えて色づきを感じる。風が冷たく陽が当たらないので軍手一枚では指先に冷たさを感じる。高山では冬まぢかという感じ。標高2000(GPSでは地形図よりも若干手前)で手白沢温泉分岐に達する。北西が切れて鬼怒沼山や三角錐の物見山の山頂部が窺える。
 登山道は針葉樹の中で展望は黒岩山あたりの県境尾根が時々見えるだけ。手白沢温泉分岐からは勾配が緩くなって歩きやすい。標高点1972を過ぎると緩く下りとなる。ごく僅かではあるが紅葉も見ることができた。浅鞍部から少し登ると左手(東)が切れて高原山が展望できた。写真を撮っていると、単独行者が下りてきた。横浜の方で、昨日は金精峠から念仏平避難小屋泊りで、今日は日光沢温泉に下って女夫淵温泉からバスと電車で帰るとのこと。そこから少しばかり登った標高2030あたりからは登山道は尾根の西側をトラバース(地形図の尾根上を通る破線道はない)するようになる。トラバース道は針葉樹林の中で展望は全くないが、勾配は緩やかで障害物がなく歩きやすい。標高2060で第一の薙が現れる(三つの薙で一番幅広だが、何故か地形図には記載がない)。ロープが渡してあるが、先端は枯れ枝に括って岩の隙間に差し込んであるだけ。非常に不安定で、このロープには頼らないほうがよいだろう。燧ケ岳を挟んで物見山と鬼怒沼山あたりが展望できる。続いて標高2120で第二の薙を渡る。ここからは、燕巣山、四郎岳その左奥に武尊山あたりが窺える。第三の薙には標高2170で出合う。薙の幅は順に狭くなるが、第二と第三のは地形図に記載されている。
 第三の薙を越すと登山道の勾配は幾分きつくなり、樹林の中を登りつめると、根名草山の北鞍部に達する。尾根に沿って樹林の中を30メートルほど登ると、樹木がまばらになり低い笹の中の踏み跡をジグザグに登ることになる。山頂はすぐ上だがなかなか届かないが、燧ケ岳や鬼怒沼が障害物なしに展望できた。根名草山の山頂には金精峠からの先着者が二名。先着者が下山すると入れ替わりに夫婦が到着。今日は休日で天気も良いから登山者は多いであろう。


根名草山頂直下からの展望


4 オロオソロシ沢左岸尾根  針葉樹藪の連続 展望は全くない
 最初は根名草山の西尾根を下ってゆく根名草山頂。針葉樹の幼木や枝が多少はあるがどうということはない。左手に白根山と菅沼が枝越しに展望できる。藪もこの程度なら楽勝なのだがと思いながら緩やかに下り、標高2200あたりでオロオソロシ沢左岸尾根に乗り換えるべく方向を北北西に変える。尾根乗換地点は倒木も針葉樹藪も多く進行方向がつかめない。しかも急斜面の降下である。藪山下りでもっともルーファンが難しい場所で今日一番の難所となった。一応コンパスは設定しているが、倒木や藪を避けると方向がくるってしまう。枝越しに見え隠れする遠方のピークを目安に軌道修正しながら下ってゆく。こんな場合にGPSを活用できればよいのだが、両手で藪をつかみながら歩くのでGPSの使用はままならず。時々、立ち止まってGPSを覗きこむが、これを多用するとジグザグ歩行となってしまい効率的ではない。標高2100位になると勾配は幾分緩むが、尾根筋はつかみづらい。標高2050になると尾根型が明瞭になってきたが、シラビソやアスナロの藪と倒木を避けながらの下りとなる。ルートミスをしないように緊張しながらの歩きを与儀なくさせられる。この緊張感がたまらなく好きで藪漕ぎがやめられない。
 標高点1999への登りは藪も少なく尾根筋が明瞭で少しばかり息抜きができた。標高点の先はまた地獄歩きに戻ってしまった。この尾根筋には笹はないが、シラビソとアスナロの藪が続き、時には藪が切れるが長くは続かない。標高1990でオロオソロシ沢に下りかているのに気付いて軌道修正。注意はしていたのだが、藪漕ぎに気を取られすぎていたようだ。その後も針葉樹の藪は続く。標高1800で尾根が分かれる。北西に下ったほうが丸沼・日光沢温泉歩道に早く出合うが、当初計画通り東北の尾根筋をたどりオロオソロシ沢渡渉地点を目指すことにした。藪が深くて北東尾根が分かりづらい。多少方向がずれても歩道が受け止めてくれると安心して急斜面を横滑りするように下ってゆく。歩道が明瞭なら地形図と位置が異なっていても(往々にして山腹の道筋はずれていることがある)問題はないのだが、薄い場合は見逃して下りすぎてしまう心配がある。事前にWebで歩道のGPS軌跡を探したが見つからなかった。標高1610で東西に通じるh50cm程度の歩道に出合った。明らかに獣道とは異なる。この道筋を東へ下ってゆくと、文字は読めないが立ち木に打ち付けた標識を見つけて無事に下山できたことを知った。
 歩道をたどると、すぐ先でオロオソロシ沢に出合い、50メートルほど左岸を上流側に進むと、対岸に踏み跡が見えたので沢を飛び石で渡渉した。沢の先も道筋は明瞭で、立ち木にが頻繁に見るとができる。ヒナタオソロシ滝展望台でエネルギー補給の小休止。ヒナタオソロシ滝を撮影していると、上段滝下に人が認められた(掲示板に書き込みされる「栃木県の滝」の雪田爺さん( http://homepage2.nifty.com/Yukita-jj/  )であることが後日判明した。そのうちに7・8人グループが軽装でやってきて記念撮影に熱中。グループに先行して下り始める。ジグザグに急降下して鬼怒川にかかる橋を渡ると鬼怒沼登山道に出合う。橋から見た限りでは紅葉はまだ先のようだ。鬼怒川の左岸を下り、右岸に渡るとすぐ先が日光沢温泉で周回は無事終了となる。
 日光沢温泉先の加仁湯からは川筋の遊歩道を通るよりも時間はかかるが、周辺の紅葉を楽しむために奥鬼怒スーパー林道を歩いて女夫淵温泉に戻った。途中で見る周辺の紅葉はまだ先のように思えた。女夫淵温泉の駐車場は土曜日の夕刻ということもあって満車であった。 
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