ひとり山歩き315 : 残雪歩きの初めとして横川から鹿又岳を目指しましたが、軟雪で歩行速度が上がらず途中退却となりました。今年は気温が高いので、雪の締りが悪いようです。
横川から鹿又岳 軟雪で全然届かず
2008年4月4日(金) 晴れ
1 行程
ルートマップ (GPSログは谷筋では振れ幅が大で見難いので手書き)
自宅(0:35) = Jobsおじか(2:45/3:00) − 資材運搬道路ゲート(4:05) − 木橋T(4:30) − 崩壊地点(木橋Uはバイパス)(4:45) − 木橋V(5:30) − カラマツ林(5:40) − 第一大屈曲地点付近(6:40) − 第二大屈曲地点(7:35/7:45) − 直登開始(標高1380)(8:00) − ワカン装着(標高1530)  − 退却(標高1590)(9:45/9:50) − 第三大屈曲地点(10:40) − 第二大屈曲地点(11:35) − 第一大屈曲地点付近811:55) − 木橋V813:00) − 木橋U(13:20) − 崩壊地点(13:30) − 木橋T(13:40) − 資材運搬道路ゲート(13:55) - Jobsおじか(15:05/15:15) = 自宅(17:45)

2 自宅 − Jobsおじか
 いよいよ残雪歩きの時期が到来。手始めに横川官行のJobsおじかから塩那道路の資材運搬道路を辿って鹿又岳を目指すことにした。この計画は昨年4月5日に想定外の降雪で途中退却しているので、そのリベンジともいえる。06年4月26日にはJobsおじかから資材運搬路を辿り瓢箪峠そして鹿又岳を歩いた。その時は瓢箪峠手前の台地上の緩斜面は雪が締まっていて気持ちよく歩けた。まだ時期的に早いので、軟雪に多少は苦労するだろうがなんとかなると淡い気持ちで出かけることにした。
 出発前の室内は14度、屋外は7度でチョット高すぎるが、委細かまわず家をでる。矢板、関谷、塩原経由で車を駆り、横川で国道121号からそれて、約2kmでJobsおじかに到着。途中には一片の雪も無い。Jobsおじかの管理棟(ゲートあり)手前の小スペースに車を駐めて即スタート。

3 往路  今年は雪の締りが悪く、思ったような歩きができず  敢え無く途中退却
 男鹿川沿いの林道をヘッデン頼りに歩くこと約1時間で資材運搬道路が右に分かれる。例年だと踏跡のついた残雪が多少はあるのだが、今日は皆無だ。右手のゲート横から白滝沢左岸の資材運搬道路に進むも、除雪が進んで殆ど残っていない。今年は除雪が早いようだ。除雪してあるから歩行速度が上がると思ったが、途中計時を比べると締まった残雪道路歩きと変わりが無い。枝沢に架かる木橋T(この付近は除雪が未だだったが、帰りにはブルで除雪七ケ岳 (撤退地点付近から9中)を渡り道なりに進むと、山葵とるなの看板が目につき左下の沢に下る作業道を二回通り過ぎて三度目に沢に下る作業道口は崩壊地点で資材運搬道路はここで消えてしまう。右手のブロック積みに沿って高巻くことになるが、暗くて危険なので沢に下りて枝沢を渡り斜面を登り返すと資材運搬道路に復帰する(この間に木橋Uをバイパス)。この付近が最初の分かりづらい地点。
 白滝沢の左岸に敷設された道路にはブロック積みが残る。締まっていない雪が残るが浅いので特に歩きづらいということはなかった。次いで枝沢にかかる木橋Vは隙間があるので、沢を渡渉して進む。道筋は荒れだして小さな岩がゴツゴツした沢を歩くような感じになる。カラマツ林に突入すると積雪は連続するが、道筋はなんとなく分かる。過去二回歩いた時には明瞭な踏跡が残っていたのだが、今回は気温が高いので消えてしまったのか、まだ歩いた人がいないのか踏跡は皆無。運搬道路は沢と化しているようで、時々僅かな水流をみる。
 ジグザグに登って行くと、途中で道筋らしい溝が右に折れている。高度から判断すると第一大屈曲地点はまだ先のようだが、その方向は斜面化しているようなので、溝に沿って進んだ。溝も無くなってしまったので、直登することにした。分かりづらい第二の地点。急斜面だが雪が適当に軟らかくステップを踏みながら、15分で50mほど直登すると道筋に復帰できた。道筋に沿って進むと雪が軟らかく脛までの壷足となる。昨年と一昨年にここを歩いた時はよく締まっていて滑落が恐かったが今回はその恐れは全くない。枝越しに七ケ岳や家老岳(?)がチラつく。第二大屈曲地点で途中からの斜面直登に備えて、アイゼンを着用しピッケルを握る。
 第二大屈撤退地点の針葉樹曲地点から道筋に沿って15分(高度にして約30m)ばかり進むと、道筋は分からなくなってしまった。分かりづらい第三の地点。仕方ないので、南東(塩那道路上の1758ピーク方向)に直登を始める。一昨年の4月26日には雪が締まっていてピッケルを立てるのに苦労し滑落の恐れがあったが、今日は雪が軟らかいので時には腿まで踏みぬくことはあったが快調に登ることできた。100mほど登ると勾配が緩んで台地状の緩斜面に達した。
 ここからは緩斜面だからどこでも歩ける。一昨年の4月26日にはサクサクと気持ちよく歩いた感触が今でも残る。今日は雪が軟らかいので期待はできないが、方向を1758ピークに合わせて歩きだす。歩き出してガックリ脛まで脚が沈むではないか。比較的雪の締まった日向を求めて歩くと必然的にジグザグになって非効率な歩きとなる。一昨年は第三大屈曲地点から1717ピーク目指して歩いたが、樹木が少なく日あたりがよかったが、今日のコースは気のせいか樹木が多いようだ。我慢できずにワカンをアイゼンをつけたまま装着した。脚の沈みが踝程度になり多少楽にはなったが、歩行速度は上がらない。鹿又岳が微妙になってきた。そんな心配をしながら歩いていると、オオシラビソ林に突入して日あたりが悪くなり、雪がますます軟らかくなりワカンを履いていても膝下近くまで潜るようになってしまった。この先も事態がよくなることは期待できない。時間的には早すぎるが、余力のあるうちに退却だ!! 退却地点は標高1590。
 台地状緩斜面到達地点から退却地点付近までは、自宅に戻ってGPSで確認すると資材運搬道路に比較的沿っている。これは偶然で資材運搬道路を追うのは至難の業。瓢箪峠に向かうなら、コンパスで方向を合わせて進むのがよいと思う。台地状の緩斜面でどこを歩いている分からないので、天気の悪い時には歩くのを止めた方がよい。昨年は降雪でGPSを持っていなかったので第三大屈曲地点から戻った。

4 復路  基本的には復路を辿る  崩壊地点 資材運搬道路は右上にトラバース (復路で撮影)
 往路を辿り途中から第三大屈曲地点経由することにした。晴天で見通しがよいとはいえ、緩斜面でどこで歩けるのでコンパスと高度計頼りで第三大屈曲地点を探し出すのは難しい。こういう時にはGPSは抜群の活躍をしてくれる。進路に多少のブレは生じるがドンピシャリと第三大屈曲地点にたどり着く。ここからは北北東に男鹿岳、北北西に家老岳(それとも滝沢山)? エネルギーを補給してワカンを脱いで下山に備える。 
 資材運搬道の道筋はすぐに分からなくなってしまった。分かりづらい第三の地点。道筋はかなり急斜面をトラバースしている(地形図から)ので、危険を避けて幾分高い緩斜面をトラバースする。適当なところで高度を幾分下げると往路の踏跡に出合う。これから先は忠実に踏跡を辿る。往路の踏跡は明瞭に残っているので迷うことはないが、気温上昇で脚の沈みは大きい。カラマツ林を抜けて、木橋V続いて木橋U(往路ではバイパス)を過ぎると道筋は消えて崩壊地をトラバースして通過する。ここから先は除雪が早朝よりは進んでいた。木橋T付近をブルで除雪の方に聞くと、今年は気温が高いので雪の締まりは悪いだろうとのことだった。部分的に残っていた箇所も除雪が進み、山葵田までは完全除雪となった。
 資材運搬道路ゲートをすり抜けて、男鹿川林道を駐車地目指していると、途中で大きなザックを担いだ夫婦連れに出逢う。テント泊で瓢箪峠から男鹿岳を目指すとのことであった。途中の状況を知らせて分かれる。Jobsおじかに戻って振り返ると、鹿又岳と塩那道路が真っ白に見える。昨年も今年も鹿又岳には全然駐届かなかった。一昨年はラッキーだったのか??  4月に計画の残雪歩きは、今年は軟雪で悩まされそう。
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