ひとり山歩き276 : 先週は横川から鹿又岳を目指しましたが降雪により途中で退却。、今回は同じく横川から日留賀岳を目指しましたが、雪庇上の針葉樹薮に前途を阻まれ敗退となりました。
横川から鹿又岳日留賀岳敗退記
2007年4月5日(木) 曇り/小雪(鹿又岳) 4月11日(水) 曇り/小雨(日留賀岳)
1 行程
ルートマップ 
4月11日 : 自宅(1:10) = Jobsおじか(3:10/3:30) − 放牧場A団地口(3:55) − 尾根取付き(4:30) − 1301ピーク(5:25) − 標高1400(6:10/6:25) − 標高点1591(7:20) − 退却点(標高1710)(8:20) − 1301ピーク(10:15) − 取付き点(10:40) − Jobsおじか(11:35/11:50) = 自宅(14:05)

2 自宅 − 横川
 昨年の4月に横川から男鹿山塊を三度歩いた。好天に恵まれて自分としては本格的な残雪歩きを楽しむことができた。雪庇歩きに慣れていないこともあって、鹿又岳から日留賀岳を断念せざるを得なかった。4月2日に横川から白滝沢左岸の廃林道経由で鹿又岳そして日留賀岳を目論んだ。これは天気の読み誤りで降雪のために途中で退却をせざるを得なかった。
 4月11日には横川から北尾根経由で日留賀岳そして鹿又岳を目指すことにした。天気予報では栃木県北部は日中は晴れるが、夕刻からは崩れるらしい。今日を逃すと暫くはチャンスは期待できない。多少の不安はあったが、気圧は上昇傾向であり、決行することにして先週と同じくJobs男鹿を目指す。塩原温泉を過ぎると小雨が振り出し、嫌なムード。Jobs男鹿に着いたときには雨が止んでいたので、胸を撫で下ろしてすぐに出発の準備にかかる。

3 Jobsおじか − 日留賀岳北尾根  標高1700までは快適な歩きだったが、以降は狭い雪庇上の薮に危険を感じて退却
 のみねさん等が05年4月17日にこの尾根を下山しているので、その報告を参考にした(welcome to nomine’s page)。
 男鹿林道は暗闇を何度も歩いているので、ヘッドランプ頼りに放牧場A団地入口を目指す。看板を見てA団地への誘導路に入る。放牧に関する法令で関係者以外は立入り禁止となっているが、今の時期は放牧していないので禁を破って団地内の林道を進む。多少荒れた砂利道を黙々と進み標高1500付近、牧場の南東部でゲートを出たところが尾根取付きとなる。
 1301ピーク目指して急斜面を20mほど登ると尾根形が明瞭になり薄い踏跡がついている。落葉樹林を暫く登ると標高1200付近からはアスナロ林となる。薮はなく、尾根の中央には浅いU字状の抉れも見える。点々と続くピンクリボンは林業関係者がつけたものであろうか。やや急勾配ではあるが薮も雪もなく順調に1301ピークに達した。このピークはアスナロ林の中で雪が残っていないが、北から合わせる尾根筋には薄く雪がついていた。
 アスナロ尾根を南南東に緩やかに登って行くにつれて、残雪部は増えるが浅く締まっているので歩き易い。針葉樹の幼木は少なく薮はないといっても差し支えない。標高1400付近からは雪も連続的となり勾配も増すのでアイゼンを履いた。標高1420付近はネマガリダケが薮からはみ出していたが、区間が短いので特に支障はなかった。ネマガリダケも針葉樹の幼木も少ないが、雪の小コブが増えて歩みが遅くなる。標高1550を越すと尾根の向きは南から南東に変わり標高点1591を越すと勾配が増してくる放牧場A。色褪せた赤リボンを二箇所で見たが、雪の深いときに取り付けられたものかいづれも手の届かない高さにあった。
 標高1650からは地形図どおり尾根が痩せて勾配も一層増した。標高1700付近では雪庇は右手(南西側)に少しばかり張り出し、反対側が切れ落ちていて極めて狭い雪庇歩きとなった。その狭い雪庇の中央に針葉樹の上部が浮き出している。場所によっては針葉樹の枝を乗り越したり、枝の間を割って通らねばならなくなった。今まではガスが多少気にはなっていたが快適な歩きができた。しかし、ここからは歩みが極端に遅くなってしまった。それどころか滑落の恐怖心に襲われ始めた。この状態がどこまで続くか読めないので不安感は増すばかりであった。無雪期の薮なら眼の保護さえ気をつけておけば大怪我をすることはないが、雪と岩はあっという間にあの世行きの危険がある。これ以上無理するべきでないと決断し、標高1710付近で退却することにした。
 空中戦をしたところは登りよりも下りの方が恐ろしかった。10分ほどで雪庇部分から開放されてホッとする。往路を辿りながら感じたのは退却点までは無雪期でも薮歩きは大した苦労はなさそう。退却点以降の薮は不明だが、区間も短いので何とかなりそう。リベンジとして無雪期に歩いて見る手もある。今回は降雪こそなかったがガス模様で、前回同様思惑が外れた。天気読みの感が狂ってしまったようだ。夕刻まではもつと思っていた天気も帰路は雨が降り続く。天気予報が悪いのか、読み違った自分が悪いのか・・・   

4 Jobsおじか − 鹿又岳  想定外の降雪で途中退却
4月5日 自宅(1:10) = Jobsおじか(3:10/3:25) − 白滝沢左岸林道口(資材運搬路)(4:25) − 木橋T(4:40) − 木橋U(5:10) − 木橋V(5:25) − 変曲点T(6:10) 変曲点U(7:05) − 変曲点V=退却点(7:40) − Jobsおじか(11:30/11:50) = 自宅(14:05)
 4月5日に歩いた区間は昨年の4月26日にひとり山歩き239「白滝沢林道からひょうたん峠〜鹿又岳」を参照願う。今回はその時との相違点のみを記す。
@雪は昨年の方が多く、よく締まっていた。今年は残雪の上に数センチの新雪あり、踏跡を追うことができた。
A石橋と思っていたのは木橋であった。ひとり山歩き239の石橋を木橋T、木橋TをU、木橋UをVと変更する。
B変曲点TとUの間は、昨年は斜面を登ってショートカットしたが、今回は地形図の実線部を辿った。道筋は斜面化していて危険箇所もあり、時間も余分に要した。
C変曲点Vから昨年はひょうたん峠に向かった。今回は直接鹿又岳に向かう計画だった。
D昨年は好天であったが、今回はJobsおじか出発時は星空も見えたが、途中から雪が降り出した。変曲点Vでは衣服は真っ白になるくらいの降雪があった。この先は明瞭な尾根はなくどこでも歩ける状態なので、先に進むには何の支障もなかった。逆に言うと、ホワイトアウトになったら方向が取れなくなる可能性があった。ホワイトアウトの恐ろしさを経験(鳥海山)しているので、慎重を期して退却することにした。 
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