ひとり山歩き275 : 粟野町(現鹿沼市)川久保の寺沢橋付近から尾出山〜高原山を尾根伝いに周回してきました。尾出山へは南東尾根を登り、高原山南の送電線鉄塔からは尾根伝いに寺沢橋付近に下山しました。岩場あり、急斜面ありでスリルを楽しむことができました。
寺沢橋から尾出山(933)〜高原山(754)尾根伝いに周回
2007年3月29日(木) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(5:00) = 寺沢橋(5:50/6:00) − 新栃木線187・188号巡視路(6:10) − 188号鉄塔(6:45) − 669ピーク(8:00) − 730ピーク(8:35/8:40) − 尾出山(9:30/10:00) − 尾出峠(嶽ノ越)(10:20) − 825ピーク(10:35) − 高原山(11:05/11:15) − 185号鉄塔(11:20) − 585ピーク(12:00) − 寺沢橋(12:30/12:40) = 自宅(13:35)

2 自宅 − 寺沢橋
 男鹿山塊へ残雪歩きに行く準備をして床に入り、24時に起床すると、なんと室温は17度あるではないか。まだ充分雪が締まっていないうえ、気温が高いためにラッセルに苦労すると残雪歩きは諦めた。安蘇の山懐からの木村さんの尾出山東尾根(*)登りの紀行文を見て以来、自分もいつの日にかと考えていた。近場なので地形図さへあれば特に準備は要らない。尾出山、高原山と谷倉山付近の地形図をコピーして、もう一眠りした。(*:当報告では南東尾根と称する)
 4時に起床して軽く朝食を摂り、粟野町(現鹿沼市)川久保の寺沢林道口を目指す。以前は栃木市尻内でダンプ街道を経由しなければならなかった、バイパスができてからはダンプと離合の心配がなく快適。途中でバイパスから分かれて永野川沿いに進み、川久保バス停の少し先の寺沢橋手前の路肩に車を駐める。

3 寺沢橋 − 188号鉄塔 − 尾出山  岩場と間伐材と急登の尾根を登る  通常ルートに物足らない人にお勧めのルート
 永野川に架かる寺沢橋を渡り、寺沢林道を600mほど進むと、東電の新栃木線187・188号巡視路の黄色標識を見る。ここが今日の登山口で、木橋を渡って巡視路を進む。杉植林の小石の多い巡視路を急登すると、10分ほどで左に187号、右に188号の巡視路が分かれる。できるだけ尾根上を歩きたいので、ここ最初の岩場は右の188号鉄塔を目指した。巡視路をジグザグに急登し、杉植林が切れると南東から突き上げてくる尾根上に達した。右の小ピークに設置してある188号鉄塔に立ち寄ったが、展望は谷倉山が見えるだけであった。
 尾根を尾出山方面に進むと早速岩場が現れた。地形図を見て推測していた通りで三箇所の岩場を正面突破あるいは巻いたりしながら通過する。最近の雪上歩きとは異なる緊張を強いられる。手がかりがあるので恐怖心は起こらないが、登りよりは下りの方により注意を払う。次の630ピークは187号鉄塔を経由した場合に登りつくピークで植林崩れの様相をしている。ここで一息ついて下りにかかると、またまた岩場ガ現れる。両サイドとも植林だが、尾根上は自然林と化している。地形図からも読み取れる通りの岩場が続き、鞍部からの登りで尾出山の石祠と石碑最後の岩場を越すと、松の目立つ小ピークに達した。ここから先は細尾根だが岩場はなく安心して歩くことが出来るようになった。その代わりに新旧の間伐材に悩まされるようになる。小さなピークを越すと間伐材に覆われた669ピークに達した。
 この先は右手に間歇的に自然林が現れるが、基本的には植林が続き相変わらず間伐材に悩まされる。700ピークからの下りで尾出山の山頂部を展望した。この尾根筋は植林帯で他には展望は得られない。少しばかりツツジの薮が現れるが歩行の支障となるほどではない。右手が自然林の730ピークに達した。今日の第一案では、尾出山山頂から戻って、ここから派生する東尾根で百川林道ゲート付近に下ることにしている。その後は谷倉山に登り、高谷山方面へ尾根を南下して途中で寺沢橋付近に下ることにしている。
 東尾根を確認して尾出山に向かう。浅い鞍部からは薄い踏跡が続くが登り勾配が急になり、嫌らしい岩場を越すと、右後方に谷倉山から高谷山あたりが窺えた。石裂山も確認できたが、ガレ気味の急斜面登りで、ユックリと景色を楽しんでいる余裕はなかった。小石と落葉の多いガレ斜面は樹木が疎らで登るのに苦労する。四つんばいになって登ることが多くなる。どうにか山頂から北東に伸びる尾根上に辿りつき、一息入れながら登ってきた斜面を見下ろす。登るのは登れたが、樹木が少なく手がかりがないので下りで危険を冒すべきでないと結論した。北東尾根を3分ばかり詰めると、四度目の尾出山山頂に達した。
 山頂には石祠と勝道上人修行第二宿堂跡の石碑がある。無知な自分はいつもここで疑問を持つのだが、ここが第二宿堂跡なら第一宿堂はどこを指しているのだろうか? 横根山それとも古峰原の深山巴の宿、それとも??? 今日は暖かい!! 適当なスリルを味わうこともできたし、残雪歩きに行かなくて正解と思いながらエネルギー補給をしていると埼玉の方が登ってこられた。

4 尾出山 − 高原山 − 尾根経由で寺沢橋  最後の尾根下りに満足尾出山の南東尾根(前列) 谷倉山稜線(中間) 石裂山稜線(奥)
 往路を戻っての谷倉山は諦めて高原山を目指すことにした。このルートは過去に2回(ひとり山歩き32 と ひとり山歩き82)通っているし踏跡も明瞭なので安心して歩ける。埼玉の人に挨拶して先行するも途中で中間尾根の様子を探っている間に埼玉の人が先行してしまった。尾出峠(国土地理院のウォッちずによると嶽ノ越の名称がついている)までは急降下。峠からひとコブ越した山頂部の広い825ピークには青のMマーク(MWVのものと同じ)に山田山とかいてある。プレートは県北で見かけるものと同じだが、ここのにはMWV、日付、目的の記入がない。県南で時々見かけるものには共通のようである(自分の記憶している範囲で・・・)。正規のMWVが取り付けたものか、疑問を抱きながら通過する。次の760ピーク(ウォッちずには大久保の頭と記載)からは南東に下って登り返すと高原山に達する。三角点と朽ちた石祠をみる。枝越しになるが尾出山が展望できる。
 高原山から南に僅か下ると185号鉄塔に達する。ここからは東に谷倉山や石裂山が展望できる。正規ルートは鉄塔先から東電の巡視路を下って186号鉄塔経由で寺沢林道に下りるのだが、これで終わりでは欲求不満になってしまう。鉄塔185号から東尾根を辿れば寺沢橋の傍に下山できることを確認して尾根に進む。尾根筋は植林だがあまり手入れがよくないので多少薮っぽいところもある。地形図では標高650付近で破線が落合集落方面に下ることになっているが、踏跡は見あたらない。標高600で20m程度の崖状急斜面を樹木を伝って下りると、その先には予想通り岩場が待っていた(平坦な細尾根に小さな等高線の輪)。岩場を越してもう一度崖状斜面を急降下すると、先には障害物はなくなる。右手にネットを見ながら僅かに登ると585ピークでここから北東尾根に進む。標高400まで下ると植林の尾根には抉れ道が現れる。これを追って下ると寺沢林道に下山できた。そこから寺沢橋を渡って駐車地までは一分もかからなかった。
 今日は計画外の山行となってしまったが、頭と尻尾の尾根で適度に岩場のスリルを感じて満足。最近の高温と雨で雪も締まったであろう。4月の残雪歩きに期待を持ちながら家路につく。 
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