ひとり山歩き160 : 柳沢林道と柳沢川出合付近の鳥居から県境まで北西に伸びる尾根に取付いて大岳まで登りました。復路は南尾根を下り「落石注意」標識付近に下山しました。下山後、西ノ湖の西約1.5kmにあるカクレ滝を見物。道筋は明瞭なので簡単に行けますが、沢の中に入らないと滝は見えません(カクレ滝の由縁)。
奥日光の大岳(1843m)とカクレ滝(落差10m)
2004年7月28日(水) 晴れ
1 行程
自宅(0:55) = 赤沼茶屋(2:40/2:50) − 西ノ湖入口(4:10) − 鳥居(登山口)(4:20/4:30) − 1502ピーク(5:05/5:10) − 1577ピーク(5:35) − 1741ピーク(6:15/6:20) − 大岳(7:05/8:05) − 1605ピーク(シャクナゲピーク)(8:30) − 下山地点(「落石注意」)(8:55) − 鳥居(登山口)(9:10) − 西ケ浜(西ノ湖)(9:35/9:45) − 沢出合(10:00) − 二俣(10:10) − カクレ滝(10:15/10:30) − 西の湖入口(11:05/11:30) = 赤沼茶屋(11:50/11:55) = 自宅(13:55)
2 自宅 − 赤沼茶屋 − 登山口  珍しく早下山を計画
 最近は大気が不安定で、24日には福島県境の帝釈山で落雷で死亡事故が発生した。この登山口の鳥居(復路で撮影)時期は早出早下山が基本だが、自分の流儀に合致しない。天気予報によると今日も大気不安定らしい。大気安定の日を待ちきれずに、今日は流儀に反して午前中の下山を計画した。 最近話題の奥日光の大岳登山と西ノ湖の西に位置するカクレ滝を見物することにした。
 大気の安定しているうちに仕事(遊び)を片付けようと恒例の早朝出勤で赤沼茶屋を目指した。夏休みとはいえ今日は平日でもあり、車は数台が駐まっているだけ。懐中電灯片手に低公害バス走行道路を西ノ湖入口に向かって歩く。さすがに今日は平日、「貴婦人」をお待ちの方はいないようだった。弓張峠からは消灯して鈴を鳴らしながら歩く。下り勾配、しかも景色が目に入らないので足取りは軽い。蛇足だが、暗い時に車道を歩くには、路肩を示す白線に沿って歩くのがコツ。白線が消えたら穴ぼこか水溜りがあると心得ること。暗闇に歩道の上を歩くのが一番危険。どんな障害物が待ち受けているか分からない。これは長年の早朝ジョッギングあるいはウォーキングで会得したノウハウ。
 西ノ湖入口で橋を渡り柳沢林道に進む。歩くこと数分で西ノ湖分岐から右に折れる。この分岐から尾根に取付いてもよいのだが、更に数分西に進み柳沢川出合の直前で右に鳥居をみる。この鳥居の先には何があるか、いつも気になっていたのでここを登山口とする。ここから大岳経由で県境尾根から白根隠山あたりを歩いてみたいのだが、別の機会に譲ることにする。
3 鳥居 − 大岳  尾根の一部にシャクゲ薮があるが、それ以外は障害物はない
 立派な木の鳥居の奥には社があるのではと期待して尾根に取付く。細い根が張り小岩の多い尾大岳山頂  木の根元に三角点根を急登する。枯枝と落葉が多く地面はフカフカしていて登りづらい。樹木にしがみ付きながらの登りを強いられる。標高1450位からは勾配は緩くなるが下が軟いので登りづらい。カラマツにミズナラの混ざる1502ピークに登りついたが、期待していた社の類は何もなくガッカリする。頂きで南東に向かう枝尾根を見たらこちらの方が登り易そうであった。
 1502ピークから北々西に向きを変えて県境へ向かう尾根を進む。カラマツとミズナラ樹林の尾根には枯枝が多いが薮等の障害物はなく獣道を追えるので歩き易い。右手に男体山がチラット見えるとすぐに1577ピークに達した。このあたりはコメツガとカラマツの針葉樹林で、前方に次の1741ピークが枝越しに見える。少し左手に見えるのは大岳らしいがハッキリしない。
 次の目標の1741ピーク目指して僅か下った鞍部にはコメツガに混ざってアスナロ(黒檜かも)が目立つ。鞍部からの登りになると、倒木がやや多くなるが歩く支障にはならない。コメツガ林の急登が続く。それでも獣道があるので登りづらいというほどではない。ピーク直下になるとシャクナゲがぼちぼちと目に付くようにな男体山と女峰山(大岳山頂から)る。右に男体山を見るとすぐに1741ピークに登りついた。アスナロとダケカンバも混ざる頂きから展望はない。
 1741ピークから西北西に向きを変えて緩やかに下る。コメツガにシャクナゲが密になり、シャクナゲを潜るようにして進む。下には獣道があるので、これを外さなければシャクナゲ薮の突破はそれほど困難ではない。獣道を外すと大変な労力を要するのは言うまでもない。鞍部からはシャクナゲはメッキリ少なくなり、根の張った尾根歩きとなる。小ピーク(1820)から大岳に向かう尾根には薮は多そうに見える。小ピークの直下で左(東)の樹木が薄くなり、薮もないので巻いて通過する。踏跡のない斜面をトラバースするのも結構歩き難い。途中で尾根に戻ってみたらコメツガ林にはシャクナゲがなかったので、背をかがめて歩くと、すぐに大岳山頂に到着した。山頂は南北に細長いダケカンバの混ざる樹林の中で、三角点がどこにあるのか見つけるのに一苦労した。やっと中央部の曲がったダケカンバの根元に頭を少し出した三角点を見つけた。
 山頂で朝食を取っていると、今歩いてきた方向から単独行者が登ってきた。挨拶を交わしてすぐにお互いが誰だか気付いた。単独行者は最近掲示板にユニークなコースを紹介してくださる宇都宮市の斎藤さんだった。私より少し遅れて、鳥居の東に位置する西ノ湖分岐から尾根に取付いたとのことであった。これから県境尾根から白根隠山方面に向かうとのことであった。滅多に山で人に出逢うことがないのに、先週は中山でRKAさんに、今日は大岳で斎藤さんに出逢った。驚きは大きいが、喜びも大きい。コースの長い斎藤さんは先に出発した。話に夢中で景色を見るのも忘れていた。残念ながら樹木が邪魔して充分な展望は得られないが、東から北東にかけて男体山、女峰山、太郎山等の日光の山々が見えた。枝のほんの僅かな隙間から何気なく覗いてみると、300度の方向に錫ケ岳が見れたのはラッキーだった。 
4 下山  方向だけを決めて好き勝手に下る  ヤブは少なく、水準1605付近だけがシャクナゲ薮
 斎藤さんのルートに未練はあったが、今日は午前中に下山と決めていたので計画どおり南尾根をくだることにした。地形図を見たら、この尾根下りはロートに似ている。余程方向を間違えなければ、ロートの出口(細尾根)である1605ピークに辿り付く。自分の歩きやすいところをドンドン下ることにした。
 山頂の下山口から暫くは細尾根で赤リボンが目に付いた。尾根が太くなってからはマーキングも獣道も無視して方向だけは注意して下る。時々獣道やマーキングを目にするが、委細かまわず直下降してゆくと、尾根が細くなり始めた。高度計を見ると1600mに近づいていた。思った通り細尾根に位置する小コブである水準1605にひとりでに辿り付いた。この細尾根にはシャクナゲが繁茂している。マーキングが尾根に進むことを誘っているので、シャクナゲの中に突入した。背をかがめて通過する。先週の中山に比べたらどうということはない。シャクナゲピークを突破して振り返ると右手(東)を巻けそうだが、シャクナゲピークを突破した方が労力は少なそう。
 この先も地形図で見る限り危険そうな場所はなく、方向を多少間違えてもカクレ滝(上) 下の写真の右手に隠れている柳沢林道が受け止めてくれるので、コメツガ林を好き勝手に下る。途中から広葉樹林に変わると、下方から沢音が聞こえ出す。委細まわず下ると柳沢林道に飛び出した。「落石注意」看板のほんの僅か東に無事下山できた。下山してから思い出してみると、この尾根は急勾配続きである。登るのは労力が大きそう。 
5 カクレ滝  西ノ湖の西1.5km先 靴を脱いで沢に入る人にだけ見える滝
 下山地点のすぐそばで、これから赤岩滝に行くという三人組に出逢う。今朝の登山口である鳥居で写真を撮って、西ノ湖を目指した。西ノ湖遊歩道を西ノ湖に寄らず西ケ浜(西ノ湖西岸)へ行き一休みする。ここからは中山の左に男体山が雄姿を現す。西ケ浜から更に西に向かって道は続いている。この道は15分先の沢出合まで続く。涸沢を渡り右岸の薄い踏跡を追う。マーキングを多く見かける。沢に沿って進むこと約10分で二俣に分かれる。水の流れる左俣に進む。二俣から5分で突き当たる。この突き当たりの右手にカクレ滝が名の通り隠れている。沢は浅いので、靴を脱いで突き当たりに進むと、右手に落差10mの滝が見えた。
6 帰路
 二俣付近で県境尾根から派生する枝尾根を歩きながら観察して、来た道を戻る。11時22分西ノ湖入口発バスに乗るために急ぐ。途中で西ノ湖帰りの三人を追い越す。西ノ湖まで脚を伸ばす人は少ないようだ。
 急いだせいもあって西ノ湖入口には早く着いた。いつの間にかバス停には数人が集まってきた。10分程送れたバスには座席の半分くらいが乗っていた。歩いて戻ると2時間かかるが、バスだと20分で着いてしまった。楽でよいのだが、今日のコースは短く満足感が少ない。こんな時に限って天気は不安定どころか当分は崩れそうにない。
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