ひとり山歩き124 : 足尾の深沢林道から赤倉山経由で半月山までピストンしてきました。計画には半月山はなかったのですが、好天と好展望に誘われてつい脚を伸ばしてしまいました。半月峠から足尾への道(半月峠足尾線)は、神子内林道が延長されて紛らわしくなってなっているので注意が必要です。
足尾深沢林道から赤倉山経由で半月山
2003年12月3日(水) 快晴
1 行程
自宅(4:40) = 深沢集落上(6:30/6:40) − 深沢林道終点(6:55) − 取り付き点(960m)(7:30/7:50) − 南東尾根(1200m)(8:20/8:25) − 赤倉山(9:25/9:45) − 1514峰(10:35/10:40) − 半月峠足尾線(神子内林道)(1514峰分岐)(10:55/11:00) − 半月山第二駐車場(11:45/11:50) − 半月山(12:15/12:20) − 半月山第二駐車場(12:35/12:40) − 半月峠足尾線(神子内林道)(1514峰分岐)(13:10/13:15) − 雨量観測装置(14:25) − 深沢林道終点(14:55) − 深沢集落上(15:10/15:20) = 自宅(17:20) 
2 自宅 − 深沢林道終点赤倉山 (10/29 備前楯山から)
 11月24日に中倉山に登ったときから、次は赤倉山と決めていた。今日は好天が期待できるので、展望のない赤倉山だけでは面白みがない。天気と時間によっては半月山まで行くことも考えて準備した。
 郵便局の先で深沢林道に入り、深沢集落の少し上に広場があったので,、ここに車を駐めて林道終点まで歩いた。最近は林道乗り入れで車を酷使したので、今日は途中から林道を歩いたが、それ程悪い道ではない。15分の歩行で車を数台は楽に駐められる林道終点の広場に着いた。
3 林道終点 − 赤倉山  南東尾根に取り付く 山頂から透かしの好展望あり(落葉期のみ)
 林道終点の広場から左に下りて深沢を渡渉して、沢の右岸を北東に緩やかに登ってゆく。多少小岩がゴツゴツするが、落葉が堆積した道で、ノンビリ歩ける。歩き始めて約15分でこの山には珍しく杉植林となる。多数の杉の木に白リボンと青リボンが巻きつけてあり、左に踏跡が認められた。地形図の877地点と思われる。ここから南尾根に取り付くことも考えられるが、もっと先に進む。更に15分で方向が北東から東に変わると、右に小ケルン、左に赤テープが目に付いた。ここから見上げると、今日登ろうとしている南東尾根が伸びているのが分かる。ここを取り付き点の第一候補として、念のため少し先を偵察して戻る。斜面に取り付き、北に向かって登り始める。雑木林で落葉が多く下地が軟弱でスリップして苦労するが、強引に登る赤倉山の頂上こと30分で南東尾根にたどり着くと、目の前に赤テープが目に付いた。
 南東尾根で一息ついて、北西に尾根を登り始める。頻繁に赤テープが目に付く。この尾根は落葉が堆積しているが、特別な苦労もなく登れる。途中で左手から二つ目の尾根を合わせると、左手(西)に備前楯山から中倉山辺りがチラット見えて、向きをやや北よりに変えて檜植林に突入する。この山では珍しい檜植林であるにもかかわらず短い笹の斜面となる。植林を15分ほど急登すると、松混ざりの雑木に変わる。勾配のきつい笹斜面をジグザグに登ると、カラマツ林になる。この辺りから右手に半月山と男体山を透かしで見ながら、気持ちの良い笹原歩きが山頂まで続く。
 赤倉山
の頂上は雑木林の中の笹原で、三角点と二枚の山名板が見られる。男体山、半月山、社山〜大平山稜線、奥白根山の頭が樹間に透けて見通せる。落葉期ならばの楽しみである。山頂を少し西に行ってみると、中倉山の荒れ斜面とその奥に皇海山がかなり明瞭に見て取れる。山頂の気温は4℃だが、風がないので寒さを感じないで気持ちよく休憩が取れた。
4 赤倉山 − 半月山  北東尾根は笹原歩きと展望が楽しめる  好展望に釣られて半月山まで脚をのばす
 この時点では1514峰経由で半月峠足尾線を通って帰るつもりで赤倉山を下山する。1514峰目指して北東に下り始めると、樹木は疎らな笹原となり、半月山と男体山の頭が見通せるようになる。赤倉赤倉山直下の笹原(北東尾根)山への南東尾根の登りは殆ど展望がなかったが、こちら側は展望を楽しみながらの歩きが期待できる。
 この尾根筋は落葉樹林帯の笹原で、踏跡は明瞭でないが迷うことはなく安心して歩ける。途中で赤倉山(1442m)より高い1446峰を越すが、鞍部が浅いのでそれほど苦痛にはならない。右手に神子内林道が見えているが、地形図の林道終点辺りに、プレハブ小屋と車が4台見えた。この林道は1514峰の手前まで確認できた。かなり先まで延長されているようだ。
 袈裟丸山、皇海山、大平山をカラマツの間に見ながら登りつめたところが1514峰で、カラマツ越しに皇海山から社山、半月山と男体山が確認できる。往路をそのまま下りずに、北東に下って本当に良かった!!
 1514峰から笹尾根を北東に下り、東に向かって登り返すと砂利を敷き詰めた立派な林道に出合う(狩猟禁止看板あり)。先刻から見えていた神子内林道の延長で、更に北に伸びている。地形図に破線で記入されている半月峠足尾線に重なってしまっている。ここから南に下り深沢に戻るつもりであった。まだ11時で充分すぎるほど余裕があったので、北に伸びている立派な林道がどうなっているのか様子を探ってみることにした。ほんの僅か進むと左手と前方の展望が開けてきた。更に200mも進むと林道の終点で、神子内治山資材運搬路の標識が立っていた。ここからの景色が素晴らしい。袈裟丸山、皇海山、大平山、社山、男体山、半月山と障害皇海山と中倉山(手前) (1446峰付近から)物なしに展望できる。こんなに素晴らしい眺望が得られると予想もしていなかったので、その喜びも一入で、疲れも吹き飛んでしまった。
 神子内林道終点からは、半月山、直下の第二駐車場とそこへのルートまでが見通せる。まだ11時を過ぎたばかり、半月山まで行ってみたくなる。その反面、時間切れも心配で、暫し逡巡する。12時に第二駐車場に着かなかったら半月山は諦めよう、と決心して笹道に入る。この笹道は明瞭で迷うような所はない。途中の二つの小ピークも巻き道となっていて助かった。二つ目の小ピークを越して緩やかに登ってゆくと、駐車場の直下を通る。このまま進むと半月峠へと通じるが、時間がないので、笹の急斜面を攀じ登る。悪戦苦闘10分で第二駐車場の手摺を乗り越えると、車は一台も駐まっていなかった。スカイラインが閉鎖されてしまったのであろうか。
 目標の12時に滑り込みセーフ。登山口に荷物をデポして半月山に向かう。やはり荷物がないと楽で、疲れている割には脚が前に出る。展望台は帰りに寄ることにして山頂を目指す。半月山の頂上にはベンチが据えてあったが、枝の間から男体山の頭が辛うじて拝めるだけ。三角点を確認してすぐに展望台経由で下山する。
5 半月山 − 深沢林道終点  林道延長で旧道が分からなくなる プレハブ小屋手前から沢に下る
 神子内林道の514峰分岐までは往路をそのまま戻るが、下り勝手なので楽社山から大平山  左奥に皇海山が見える。分岐に着いたときは13時10分、思いの外早く帰れた、と安堵する。
 分岐のすぐ先で砂利道の林道から分かれて山道を進む。予想していたことではあるが、山道を数分歩くと例の林道に再び出合う。この辺りから下は舗装されていた。ここで困ったことが生じた。林道が敷設されたため、山道が消えてしまったのだ。沢沿いの旧道に向かって西に下るポイント(地形図の神子内林道終点付近のギザギザ)がうまく見つかるか心配しながら、山腹を蛇行する林道を下ってゆく。
 十数分ほど林道を下ると、プレハブ小屋と自動車が前方に見える。その100mほど手前の右手に「安全道路」と「歩道入口」の小さな標識を発見する。注意してみるとその下に道筋が見える。念のためにと、プレハブ小屋に行ってみたが仕事で出払っていた。地形図で確認すると、神子内林道の終点付近であった。ここに現場事務所を設置して工事を進めているようだ。
 標識のところへ戻って、カラマツ林をジグザグに5分ほど下ると沢に出合う。左岸から右岸に渉ると、しばらくは薄い笹道を進む。所々にリ旧道の名残り (深沢雨量観測局付近)ボンが目に入るので迷うことはない。沢を右岸から左岸へ、そしてすぐに右岸へ渉り返すと、両サイドに石が埋め込まれた所を通過する。このあたりは旧道の名残りを留めている。交通手段の発達していない頃は、足尾から中宮祠まで行き来するのに頻繁に使われたであろう。現在はこのルートを年に何人が通るであろうか、など考えながら歩いていたら、深沢雨量観測局の前を通過する。昔は堂でもあったのであろうか、右手に石垣が残っていた。
 雨量計から数分で、今朝の赤倉山への取り付き点を通過する。往路では感じなかったが、小岩の道が歩き難く感じる。結構疲れているのであろう。深沢林道終点には15時前に戻れてホットする。 
6 深沢林道終点 − 自宅
 赤倉山は今日のルートでは、先週の中倉山のように煙害の影響は全く見られなかった。しかし、深沢集落に下るにつれて周辺の山肌が荒れているのが目に付きだす。この一ヶ月の間に備前楯山中倉山、赤倉山と登って気付いたのだが、どうやら旧銅山に面した斜面は荒れが酷いが、反対側は樹木も茂っているようだ。
 日光経由で帰路についたが、東照宮あたりの人も車も少なかった。先月の24日には神橋付近で紅葉を見かけたが、今日は全然目に付かなかった。本格的な冬も間近だが、今日展望した山では奥白根山が白くなっているだけで、男体山を始め他の山々は白さを認めない。今年は冠雪が遅いのかな?
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