ひとり山歩き123 : 足尾の中倉山に登ってきました。中久保沢左岸の尾根を登り、上久保沢の左岸に下りました。中倉山の山頂付近は笹原で全展望ですが、生憎のガスで充分には堪能できませんでした。稜線歩きは気持ちよく歩けますが、中倉山への登り下りは脆い岩など注意が必要です。
足尾の中倉山
2003年11月24日(月) 晴れ/曇り
1 行程
自宅(3:50) = 銅親水公園(5:30/5:50) − 中久保沢出合(6:30/7:10) − 標高1150(8:00/8:05) − 中倉山(9:25/9:50) − 沢入山(10:50/11:05) − 中倉山(11:45/11:55) − 上久保沢出合(13:35) − 銅親水公園(14:20/14:30) = 自宅(16:45)
2 自宅 − 銅親水公園 − 中久保沢出合中倉山 : 10月29日に備前楯山から撮影
 10月29日に備前楯山に登ったときに、足尾の山々の荒れ肌に目を奪われ、爾来近いうちに中倉山と赤倉山に登ろうと考えていた。手始めに山頂から全展望が期待できる中倉山に登ることにして家を出た。天気予報がもうひとつパットしないので、もし曇天ならば展望のあまり期待できない赤倉山に登る準備もしておいた。
 銅親水公園に着いたときはまだ真っ暗で、空には星が輝いているのも見えた。公園駐車場に車を駐めて、予定登山口の中久保沢出合を目指して、仁田元沢沿いの林道を緩やかに登って行く。歩き始めて30分で井戸沢下流ダムの記念碑を左に見て、向きを右に大きく変えて林道を進むと約150mで砂防ダムの前を通る。この沢の右岸に踏跡が見える。ここから尾根に取り付くのも一応検討したが、嫌いな痩せ尾根が長く続きそうなので止めにした。更に林道を登ってゆくと、左下の仁田元沢にダムがあり、右手から中久保沢が流込んでいる。ここが中久保沢出合と確信持てなかったので、更に林道を西に進んだ。すぐ先の沢出合の砂防ダムに上久保沢と記入してあり、先刻の出合が中久保沢出合と確信した。その先の仁田元沢の大きな砂防ダム前で林道が左岸から右岸に渡りまだ先に伸びていることを確認して、中久保沢出合に戻った。 
3 中久保沢出合 − 中倉山  尾根は脆い岩、枯れ木が多い  山頂からの展望は抜群
 中久保沢左岸の尾根に取り付き獣道を辿り、次の砂防ダムで中久保沢を確認した。登るにつ歩行ルートれて砂礫から草付きに変わる。長い草も鹿の通り道は倒れているのに感心する。。尾根は標高1050位でカヤトからガレに変わる。急勾配の尾根登りで不用意に岩や樹木を掴むと脆かったり枯れていたりでヒヤットするので注意が必要である。右下(南東)から例の痩せ尾根を合わせると標高1150で、展望が良い。痩せ尾根や仁田元沢が邪魔物なしで展望できる。帰りに痩せ尾根を下ってみよう。もし不安なら途中から草付きの斜面を下ろうか、と考えてみる。
 標高1150あたりからは草付きから雑木となるが結構岩が露出している。再びガレ場の急登となり、北東に男体山の頭が見える。次いで岩場を通り越すとかん木帯に入り、ここで初めて赤テープを発見する。かん木の尾根を北西に進むのだが、急登で獣道を追ってジグザグに斜面を登ってゆく。時々北東の方向に男体山とその手前に社山が展望できる。標高1450付近で左から右に明瞭な踏跡が登ってきた。この踏跡を追うとジグザグに北西に登ってゆく。これを進めば山頂に行ける筈、と楽をすることにした。この踏跡は、最近鍬で掻いたものらしく、土が表面に出ている。おまけに(?)に木の小さな赤杭が処々に挿してある。この踏跡というよりか道といったほうがよいかもしれないは中倉山を通り越して沢入山の途中まで伸びていた。何のために作られたものかな?
 右から尾根をあわせると、勾配は緩やかになる。展望もよいのだが先のお楽しみと先を急ぐ。小さなピーク付近は例の踏跡から離れて最高部を歩いてみたが三角点は見つけそこなった。そこから数分で樹木は全く無くなり、中倉山頂上に達した。山頂は笹原でケルンの上に山名標識が立っているだけで何も無かった。その代り360度の全展望である。北東に男体山と社山、北に大平山とその奥に黒檜岳から三俣山への稜線。西には中倉山から連なる沢入山、オロ山、皇海山。南西に鋸山、庚申山。東に赤倉山と目移りがする。山座同定の間に男体山がガスに隠れてしまった。気温は5℃、じっとしていると寒くなる。更に東の方からガスが出てきたので、急いで沢入山に向かう。 
4 中倉山 − 沢入山  笹尾根が続く 北側斜面の荒肌は異様中倉山頂上  左中央の小さな黒いピークは皇海山
 樹木の少ない笹尾根を沢入山に向かう。途中まで例の踏跡が続いていた。右手は松木川側で荒れ肌で急峻。できるだけ近寄らずに、左手の獣道を辿る。尾根上は樹木が少ないが、左手斜面は雑木林がしっかりしている。途中で1540m位のピークを二つ越すが、鞍部が浅いので非常に軽快な歩きができる。ガスが徐々に増えてきた。すぐに雨になるなることはないが、周りの山々の山頂が隠れ始めたのが残念。それでも振り返ってみると中倉山は充分見通しが利くので安心し進める。
 1539ピークを越すと沢入山への登りになるが、松木川側斜面は急峻で荒れているのが目に付く。山頂が近づくとかん木混ざりの疎らな雑木となり、倒木が多い。沢入山の頂上は標石があるだけで展望は良くないが、20m程西に行くと樹林から抜け出て、見通しが良くなる。残念ながらガスで遠望は利かなくなってきた。ここまで来ると皇海山はすぐ傍のようだ。時々ガスが切れて奥白根山が姿をあらわす。すぐ先のオロ山も霞んできたので、中倉山へ来た道を戻る。 
5 下山  難儀しながら上久保沢左岸尾根を下って林道へ
 中倉山からの下りは、標高826mの井戸沢出合へと伸びるや痩せ尾根を下中久保沢尾根(手前)と痩せ尾根  下山時撮影(標高1200付近から)るつもりで、往路で見つけられなかった三角点に向かう。往路と通る所を変えてみたが三角点は見つけられなかった。往路を辿って例の踏跡を歩く。この踏跡あまりにも明瞭で赤ペンキも多いので、どこまで続いているのか追って見たくなった。登りに使った尾根を素通りして、三角点の真南に位置する1400ピークへ向かう。このピークから南東へ下るのも考えにあったので、ドンドン踏跡を追いかけた。
 1400ピークから南南東に約10分下ると、今まで賑やかだった赤ペンキは突然なくなり、踏跡も消えてしまった(標高1320付近)。南南東に獣道がついているので、備前楯山を目標にこれを辿ってゆくと、途中にリボンが三回ほど見つかったので、このかん木の尾根を進んだ。標高1300付近で向きが南東に変わっているのに気が付く。どうやら左側の小さな枝尾根に取り付いてしまったようである。戻るのも大儀なのでそのままこの小尾根を下りつづけると、ガレ場に突入した。岩は崩れやすく危険なので、30分かけて元の尾根に戻った。
 高度を下げると、備前楯山は見えなくなってしまったが、南南東に下ってゆく。標高1150で鹿防止ネットが張ってあったが穴を潜る。下方に仁田元沢の大きな砂防ダムが見えたと思ったら、急勾配となりブッシュに掴まりながら下る。再度鹿防止ネットを越すと10分程で林道にたどり着いた。最終的には上久保沢の左岸の尾根を下ってきたことになる。登りに比べて、下りはやはり難しい。この尾根は避けたほうが賢明。井戸沢からの痩せ尾根か中久保沢の左岸の尾根を使うのが無難。
 今日の山歩きは展望もよく、スリルもルートファインディングもあって、とても面白かった。途中からガスが発生しなかったら申し分なかったのだが、こればかりはどうしようもない。時間的には充分余裕があり、ノンビリと写真をとりながら林道を銅親水公園まで戻る。
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