ひとり山歩き664 : 菅沼登山口から白根山に登ってきました。前日の降雨で雪がよく締り、東斜面はピッケルが刺さらないほどでした。好天に恵まれ、北アや南アを含めて展望を楽しみました。
菅沼登山口から白根山(2578)
2017年5月2日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:40) = 菅沼登山口(2:50/3:10/3:50) − 弥陀ケ池(6:10/6:20) − 五色沼(7:00) − 避難小屋(7:10/7:20) − 奥白根平登山口(7:35) − 森林限界(8:05) − 白根山(10:15/10:50) − 弥陀ケ池(12:10/12:20) − 菅沼登山口(13:50/14:05) = 自宅(17:00)
Aルートマップ

2 自宅 − 菅沼登山口
 GW期間中に白根山に登ると以前から決めていた。コースとしては以前の実績を考慮して、菅沼登山口から弥陀ケ池〜白根山〜避難小屋〜五色山〜金精山〜菅沼登山口を計画した。雪が適度に締り、残雪が通常並みと好条件が揃えば何とかなりそうだが少し無理な計画、臨機応変にコース取りを変更できるよう準備を進めた。 
 天気予報では、晴天だが午前中は風が強く登山には好ましくない(「日光白根山−天気とくらす」による)。翌3日は、晴天で風も弱く登山日和となっているが、登山者の数が多そうで、自分好みでない。少し悩んだ結果、9時以降は風も治まり登山日和となるということに期待して、本日結構することにした。3時ころには菅沼登山口をスタートできるよう家をでた。いろは坂の馬返し駐車場で登山準備を整えていると、奥日光に向かう車は多い(4月29日に工事によるいろは坂の夜間通行規制は解除)、今までの経験からして山屋は一部例外を除いて、こんな早朝に車を走らせるのは少ない。写真屋か釣り人に違いない。そんなことを考えながら中禅寺湖まで来て、路肩駐車の多いことから釣り人と判明した。金精トンネルを越すと道路わきが白くなっているが、走行には全く問題なし。菅沼登山口駐車場に到着時先着車は2台。一番奥に駐めてすぐに準備にかかかる。車載温度計マイナス2度
3 登山口 − 避難小屋経由 − 白根山  雪がよく締り、東斜面ではピッケル刺さらず 山頂から南ア、北アも展望
 途中でアイゼンを装着するのはわずらわしいので、初めから履いて出発。雪面はよく締って歩きやすいが、すぐに左足のアイゼンが外れた(グリーベル購入して二回目の使用)。伸縮調整のストッパーが外れていたので、履きなおして歩き始めるとすぐに再発してしまう。暗くて原因がわからないので、いったん車に戻って、左足は先日破損してしまった某社(M)の片割れを装着。アイゼンバンドの色は左足橙、右足は黄色とちぐはぐ。こんなことを気にする歳でもないし、誰も気づくまい。念のためにチェーンスパイクも持って再スタート。(バンド外れの原因は、ストッパーの取り付け方がいい加減だったことによる・・・帰宅後判明)
 再スタート後は快調にトレースを追うことができた。この時期はまだ夏道方面には踏跡なく谷コースへと入ってゆく。落石地帯は安全のために足早に通り抜ける。落石地帯上限を越すと、少しの間勾配が緩み、今年は積雪が多い印象を受ける。トレースは明瞭で、靴の沈みは皆無。標高2000付近で相次いで二俣を二回通過、いづれも右俣へ。標高2100付近で左側(東)の小尾根を乗越して、暫時トラバース気味に登ってゆく。何度も通っているので、トレースがなくても道筋は頭に入っている。急登が続き、標高2200あたりから幾分か平坦になり、暫しの歩きで全面凍結の弥陀ケ池北端に到着。前方の白根山は記憶に残るイメージよりは幾分白い感じ。 

左: 駐車場の先からアイゼン装着してスタート 右: 落石地帯の下限(標高1830)


左:最初の二俣 右俣へ(標高1990) 右: 標高2100付近で小尾根を乗越してトラバース(振り返って)


左: 全面凍結の弥陀ケ池と白根山 右: 弥陀ケ池南端から座禅山方面はトレース消えている まだ風が強いので五色沼方面へ計画変更
 弥陀ケ池南端=五色沼分岐では樹木の影響がないので、強風が吹きつける。座禅山分岐=白根山登山口方面は全面真っ白でトレースは残っていない。計画通りここから白根山に登ると、途中も山頂でも強風の影響を受けるのは必至。先ずは五色沼へ下って、避難小屋から白根山に登るか、五色山に登って金精山に行くか決めることにした。
 五色山登山口まではトレースを追うことができたが、五色沼への下りではトレースは消えている。雪面がよく締っているので、どこを歩いても快適。五色沼北西端の五色山への登山口に達した。金精山、白根山どっちにする、しばし迷ったが、前日の降雨で清澄度が高く白根山からの展望は抜群だろう。やはりこっちにするか。金精山は次の機会に・・・まだあるかないか先のことはわからない・・・ケセラセラ(歳が知れるね・・・確か高校1年のころの映画裏窓の主題歌)
 五色沼は全面凍結で、靴の沈みは皆無でどこでも歩ける状態。五色山登山口から五色沼の前白根山分岐(道標は頭を出しているだけ)までまっすぐの歩行(こんなのも珍しい・・・時間帯にもよるが湖畔で踏み抜きは多い。ここまで来てしまったら金精山のことはすっかり忘れて、避難小屋へと樹林帯の歩き。小屋前で軽くエネルギーを補給し、奥白根平登山口(山歩きを始めたころに購入したガイドブックに記載されていたので、いまでも使っている)に向かう。登山口からは東斜面にうっすらとトレースがついているのが肉眼(写真ではペケ)見えた。あれを追えばよいのだな、と頭に入れる。

左: 五色と登山口(地肌露出なし) 右: 五色沼は真っ白 後方は前白根山


五色沼から 左: 白根山 右: 前白根山


左: 避難小屋 右: 奥白根平登山口から東斜面 肉眼ではうっすらとトレースが見えたのだが・・・
 ダケカンバ樹林帯もよく締っていて、どこでも歩ける状態で適当に登ってゆく。やがて標高2350あたりで森林限界となり、傾斜が増す。登山口から見えたトレースは前日の雨で消されて、雪面は平らで色が変わっているだけ。それでもガイドにはなると、トレース跡を追う。困ったことに、前日の降雨、それに続く夜間の気温低下で積雪面が締まりすぎて、ピッケルのスピッツエ先端がかろうじて打ち込めるだけ、二度打ちをを繰り返しながら登ってゆく。ピックを使ってダガーポジションで登ろうと試みたが、ピックの刺さりが浅いので不安。おまけに気上昇で雪の表面だけが緩み、靴をしっかりと踏み込まないと後滑りするから始末が悪い。この斜面を登るのは、今回が二回目で前回は14年5月3日(ひとり山歩き554)で、積雪が少なく、トレースを追えたたのでそれほど苦労はしなかった。途中退却しようとしたが、今日のコンディションでは下るほうが難しそう(過去に三度下っているが、快適な歩きとは言えなかった)。時間的には全然問題なし、体力を消耗してなんていうことのないように、ゆっくり確実に登ることにした。登る姿勢はダガーポジションに近く、片手を雪面について、利き腕でピッケルを打ち込む。
 標高2470付近で勾配が緩み岩の上方で座り込んで息を整える。森林限界からここまで約120メートル登るのにほぼ1時間。結果的にはこちら側から登ってよかった。今日のコンディションでは下れたか疑問。
 この先は傾斜が緩み立ち歩き、前方に県境が南に下る地点の道標が見えて、付近は地肌も現れ、展望はすこぶる良好。皇海山の右手後方には富士山がクッキリ。錫ケ岳の後方には南アルプスも見えている。今日は清澄度は真冬並み。 

左: 最初はダケカンバ林を気持ちよく 右: 森林限界付近 踏跡は消えているが、どこ歩いても沈みなし 以降は急斜面で撮影の余裕なし


高2460で勾配緩み、小休止 左: 前白根山 後方は太郎山〜女峰山〜大真名子山 右: 男体山と中禅寺湖


県境(2500)が南へ下る地点の道標から 左: 皇海山の後方に富士山 右: 錫ケ岳の後方には南アルプス
 山頂南直下の窪地は完全に凍結、いつものように不動明王像に立ち寄る(この像についてはいつも記載しているが、自分の記録以外ではヤマレコで一度だけ写真を見た)。神社からいったん下って登り返し無人の白根山山頂に到着。山頂でザックをおろして写真を撮っていると、弥陀ケ池方面からの登山者がドンドン到着。しばらくするとロープウェイからの登山者も。

左: 男体山と中禅寺湖 手前右は白根隠山 右: 凍結の窪地


右: いつものように不動明王像に挨拶して 右: 奥白根神社
 山頂からはいつもに増して遠望が利く、先日の権現岳山行で、ミラーレス一眼が故障してしまい、以前使用していたコンデジでの撮影。設定画質が小さかったのが残念。南アや北アがこんなにクッキリ見えて、やはり白根山からの展望は栃木の山では一番。
(故障カメラ後日談・・・液晶が写らなくなってしまったので、修理に出すと、内部に水が入っているので、部品交換8品目で、技術料含めて約5万との見積もり・・・5万円なら新品が買えるよ・・・でそのまま送り返してもらう。配送料2000円払って、スウィッチを入れてみると、液晶は写るし、故障前と変わない。内部に入った水が蒸発してしまったのだろう・・・内部に水が入った原因は、権現岳からの復路の三ツ頭で踏み抜き、転倒した際に首からぶら下げていたカメラが雪に埋まり水が侵入したものと思われる。この程度の防水耐性もないカメラなのかよ、と言いたいね。電気電子製品はこのメーカーに統一していたが、このメーカーのカメラは今後はありえない)

白根山頂からのパノラマ 南西〜北 中央部の武尊山後方には北アルプス  前日の降雨の影響か春にしては透明度高い!


同じく 北西〜東 飯豊山〜吾妻山あたりも(中央より左手最後方に)


山頂標示板を入れて 左: 男体山と中禅寺湖 右: 皇海山と赤城山 最後方にはうっすらと富士山

4 下山(弥陀ケ池経由)  トレース明瞭  弥陀ケ池からの下りは、気温上昇で上滑り 踏み抜きなし
 丸沼高原スキー場経由で下ろうかとも考えたが、下山後に舗装道を一時間以上歩くのはいやらしい。東斜面で弥陀ケ池に下ることにした。こちら側からの登山者は全員がダブルストックでピッケルを持っているのは自分だけ。
 こちら側からの下りは、最初は岩が多くアイゼンを引っかけないよう注意が必要。標高2400あたりまで下ると、岩場なくなり、トレースを追ってユラリ旅。こちら側は燧ケ岳が主役ですぐに目に入る。座禅山分岐からロープウェイ方面にはトレースが残っていた。弥陀ケ池南端=五色沼分岐で、防寒着を脱いで軽くエネルギー補給。

北峰から下り始めると 左: 中央に燧ケ岳(東斜面の主役) 右: アップで 燧ケ岳の後方には越後の山々


左: 標高2550付近から やはり燧ケ岳が写ってしまう 右: 標高2370付近まで下ると、快適な下りとなる


左: 標高2360まで下っても燧ケ岳が主役 トレースばっちりで踏み抜きがないから安心 右: 振り返って白根山 

 
左: 座禅山分岐から弥陀ケ池 右: 弥陀ケ池から白根山
 弥陀ケ池からの下りは、早朝に比べて、トレースが増えていた。下るにつれて、気温上昇で雪面が緩みスリップし易い。踏み抜きするほど緩んではいない。落石地帯は、早朝よりも落石がかなり増えていた。前日の降雨、夜間の冷え込み、そして日中の気温上昇で落石が生じたのだろう。通過中にも落石の音が西側から聞こえた。駐車場に戻ると、車は10台。今日は避難小屋から白根山への登りで苦労したが、たっぷり楽しめた。

左: 弥陀ケ池から下り始めると会津駒ヶ岳 その前方には県境尾根(右端に黒岩山?) 右: 早朝よりもトレース深くなっている 気温上昇で踏み抜きはないが滑りやすい 


左: 落石地帯 早朝よりも落石増えている 前日の降雨→凍結→気温上昇の影響か? 右: 駐車場にはまだ10台残っていた

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