ひとり山歩き554 : 菅沼から通常とは逆回りの五色沼避難小屋側から奥白根山に登り、弥陀ケ池に下りました。山頂付近を除いては残雪はたっぷりあり、長期休暇期間中で登山者が多く明瞭なトレースがあり歩きやすかったです。
菅沼から奥白根山(2578)
2014年5月3日(土) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(0:45) = 菅沼登山口(3:10/3:30) − 弥陀ケ池(6:20/6:30、トレースに引きづられ約1時間のロス) − 五色沼(7:00/7:05) − 避難小屋(7:30) − 登山口(7:40/7:50) − 奥白根山(9:40/10:30) − 弥陀ケ池(11:30/11:40) − 菅沼登山口(13:00/13:15) = 自宅(15:55)
Aルートマップ
B写真集

2 自宅 − 菅沼
 昨年の12月から始まった雪山も今回で最後になる可能性がある。今年になって未だ奥日光の山に登っていないので、奥白根山に決めた。菅沼から弥陀ケ池経由で白根山に登り、五色沼避難小屋側に下るのは2回経験している(9年11月27日ひとり山歩き38112年5月7日ひとり山歩き476)。今回はその逆回りとすることにした。
 今日は晴天で気温が高くなるようなので、例によって早朝の雪の締まっている時間帯に登ることにした。GW期間中とはいえ、早朝であるから車の通行は通常とは変わらない。変わった点はいろは坂登り口のパーキングに若者の車が数台駐まり、車外で立ち話していること(これは通常でも週末には見かける)。車は少ないが、例によって餌あさりの鹿には困りもの。車が避けてくれるものと思っているから質が悪い。金精トンネルを抜けると雪国だった(?)栃木側では残雪を見なかったが、道路脇には残雪がかなりある。菅沼登山口入口から駐車場までの間は除雪してあるが、駐車場の脇には1メートル以上の残雪。GW中だからもっと多いと思ったが、先着車は2台。気温0度

白根山山頂からの展望
3 菅沼 − 弥陀ケ池 − 五色沼避難小屋 − 白根山  よく締まったトレース歩き 南東斜面は下るよりは登ったほうが安心 山頂は大賑わい
 駐車場の先は1メートル以上の残雪があるので、アイゼンを装着して出発する。トレースは荒れているがよく締まっているので、足の沈みは殆どない。今の時期は夏道方面に進む人はなく、トレースを追うとひとりでに沢コースに入ってゆくから暗くても間違えることはない。谷筋が狭まると落石地帯で、こぶし大から頭三つ分くらいの落石が散らばっている。比高で約100メートルの急登区間が続く。これを過ぎると幾分勾配が緩み一息つける。標高2000あたりで勾配が増して二俣となり、ここはトレースのある右俣へ。標高2100あたりで小尾根を乗越て左手の谷に移ることはよく知っている。そのまま直進する比較的新しいtレースが目についた。ここを通るときは何時も直進したらどうなるか思っていたので、このトレースを追って見ることにした。
 このトレースを追うと冬ルートの沢筋からドンドン外れて急斜面へと登ってゆく。最初は夏道に合流するのかと思ったが、座禅山の方に向かっている。そのうちトレースは消えてしまい、仕方なしに座禅山の東側をトラバース気味に進んでゆく。そのうち針葉樹の枝が密になり、踏抜き地獄が始まってしまった。そのまま進むのは踏み抜きと針葉樹の枝をくぐる労力が大きいので、沢コースにシリセードを交えながら下った。下った地点が丁度弥陀ケ池の北端で、ここまで通常の所要時間に比べて約1時間ロスしてしまった。弥陀ケ池は完全に凍結しているが、気温が上がっているので中央を歩くことはできないだろう。弥陀ケ池南端で、地形図を確認して計画通り五色沼方面へと進むことにした。
 トレースを追って僅か登ると五色山分岐で、このあたりは日当たりがよく残雪は少ない。五色山方面へのトレースは見当たらず、そのまま下って行くと凍結した五色沼と前白根山が正面に見通せる。この斜面は気温が上がると踏抜きに苦労するのだが、まだ(6:45)よく締まっていて気持よく下り、五色沼の北西端からはスキーのシュプールをたどる。五色沼南端の先は針葉樹林や落葉樹林となり、トレースを追ってゆるやかに登って五色沼避難小屋を通り越して、道標のある登山口でひと休み。


左: 弥陀ケ池から見る白根山 右: 凍結の弥陀ケ池


左: 五色山分岐 右: 五色沼を見下ろす


左: 五色沼(前白根山は左から三つ目のピーク) 右: 白根山


左: 避難小屋手前の雰囲気 右: 避難小屋


左: 登山口(前方は凹地) 右: 白根山
 登山口から白根山を見上げると、雪の急斜面にトレースがくっきりと目に入る。ルートを地形図で確認して樹林帯へと突入。ダケカンバ林が続き森林限界までは緩やかだが、その先を見上げるとかなりの急斜面だ。森林限界のすぐ上の大岩通過時に下山者2名とすれ違う。小屋泊りとのことで、この方々の踏跡が後々の登りを助けてくれtのは言うまでもない。まだ(8:20)日当たりは良いが表面が緩んでいないから登り易い。気温が上がってからこの急斜面を4回(弥陀ケ池経由2回と丸沼から2回)下っているが、怖かった印象が頭にこびりついている。この程度の傾斜(35〜40度位か)でも樹林帯なら恐怖を感じないのだが。今日は登りだからひたすら雪面を見ていて、周辺の景色が目に入らないから恐怖感は少ない。標高2500あたりで夏道が現れた。ここで下山者1名とすれ違う。夏道が現れると勾配はグッと緩み、景色を楽しみながらの歩きとなる。山頂南側の凹地は雪解け水がいっぱい。いつものように少し道筋から離れて岩陰の不動明王像に参って、白根神社の祠のある地点へ(白根山の三つの峰の南峰に相当する)。避難小屋へ下る2名とすれ違う。ここから少し下って岩場を登り返すと奥白根山の山頂
 山頂には弥陀ケ池からの登山者がひっきりなしに登ってくる。人をいれないで写真を撮るのが難しいほどの賑わい。北峰に移動してエネルギーを補給し下りに備える。

左: ダケカンバ林(標高2280) 右:森林限界(標高2350)


標高2480から 左: 皇海山と白檜岳(手前) 右: 五色沼


左: 山頂南側の凹地 右: 白根山頂


左: 不動明王像 右: 奥白根神社の祠(ロープウェイ分岐)

左: 皇海山(中央、富士山は肉眼では見えるのだが) 錫ケ岳(右) 右: 至仏山〜燧ケ岳〜会津駒ヶ岳 手前は四郎岳〜燕巣山


左 : 五色沼と日光連山 右: 皇海山


北峰から 左: 武尊山 右: 燧ケ岳 左後方は越後駒ケ岳〜荒沢岳 

4 山頂 − 弥陀ケ池 − 菅沼  避難小屋への下りに比べたら恐怖感は少なかった 
 積雪期に弥陀ケ池に下るのは初めて、こちらの下りは避難小屋への下りとは岩場など異なった嫌らしさがある。北峰直下は残雪がなく、アイゼンを引っ掛けないように注意が必要。アイゼンを手に持って登ってくる人もいる。最初の大岩を越すと残雪は連続となるが、手がかりが得られるので注意していれば転落・滑落の恐れは少ない。トレースはバッチリついているが急斜面の下りだから細心の注意が必要。どこでもそうだが、登りに比べたら下りは難しい。
 標高2400メートルくらいまで下ると、登山道脇にロープが展張してあり、勾配が緩むので一安心。ここまで下れば前方の景色(燧ケ岳〜会駒、根名草山〜温泉ケ岳等)を楽しみながらの下りとなる。座禅山分岐付近に下り、無雪期は岩ゴツで歩きづらいのだが、踏み抜くこともなく安心して弥陀ケ池に下る。弥陀ケ池北端で最後の登山者である夫婦とすれ違う。
 ここからは沢コースで下り始める。最初は緩やかだが、標高2200如何になると勾配は急になる。踏跡を追うよりも、足を沈ませながら下ったほうが楽に下れるが、調子に乗り過ぎるとフットワークが悪いからつんのめってしまう。途中で追い越していった若者たちは駆けるように下ってゆく。自分も若い頃から山歩きをしていたら、あんな芸当ができたのかも。標高2100で小尾根を乗越して左手へと谷渡り。往路では好奇心も手伝って比較的新しいトレースを追って大失敗(今になって思えば、ときどき下りのトレースも見かけた。途中から戻ったのであろうか。谷渡りをしておけば1時間も余分に歩く必要はなかったのだが)。
 この谷渡りを過ぎて勾配が緩むと落石地帯にはいる。今までに通行中に落石に出逢ったことはないが、油断は禁物写真も枚数を少なくして速やかに(といっても自分の足では登りは約20分、下りは10分)。夏道の入口を過ぎて平坦地になった地点で駐車場までショートカットを狙ったが、目の前に1771ピークが現れる。これを突破するほど元気はないので、通常ルートに戻る。急が廻れを噛み締めて駐車場に戻る。正規の駐車場(収容台数30台?、現在は残雪で狭い)には12、3台だが、あふれた車は隣りの菅沼茶屋に駐めているようだ。


左: 北峰直下 大岩の先から残雪連続 右: 標高2460から 燧ケ岳など眺めながらの下り


標高2370から 左: 根名草山〜温泉ケ岳 (左後方の白は会駒) 右: ダケカンバ林へ(中央に燧ケ岳)


左: 弥陀ケ池に戻って 右: 沢コースを下り始めると正面奥に会駒


左: 落石地帯へ 右: 落石


左: 駐車場(料金徴収は6月から? 1000円はこの程度のレベルの駐車場では異状に高いのでは・・・白根山が東日本で一番高いから?) 右: 1メートルを越す残雪
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