ひとり山歩き643 :  昨年5月の根利古道(六林班峠〜砥沢集落跡〜八丁峠)に続いて平滝集落跡〜津室原動所跡〜延間峠間歩いてきました。かなりの部分で古道をたどることができましたが、藪化したり崩落が進んでいました。
根利古道(平滝集落跡〜津室原動所跡〜延間峠)
2016年10月15日(土)・16日(日) 両日も晴れ
1 行程
@コースタイム 
第1日 : 自宅 (0:15) = 平川林道駐車地(4:35/4:50、 カーナビ設定ミスで約1時間ロス) − 平川林道ゲート(5:10) - 平滝集落跡(6:40/6:55) − 丸山峠(9:15/9:25) − 津室原動所跡(12:45/13:05) − 小田倉沢(14:55/15:15) − 延間峠(16:45 テント泊)
第2日 : 延間峠(5:30) − 小田倉沢(6:20/6:25) − 津室原動所跡(7:30/7:35) − 丸山峠(10:05/10:30) − 平滝集落跡(12:45/12:50) − 平川林道ゲート(15:55) − 平川林道駐車地(16:20/16:30) = 自宅(19:50)
Aルートマップ
2 自宅 − 平滝集落跡
 6月18日(ひとり山歩き635)に平滝集落跡から延間峠への根利古道を探ったが、入口がわからず失敗に終わった。その後、@宇都宮さんから情報(根利古道の記載された昭和42年版地形図やその他情報を頂き、準備を進めていた。9月25日にきりんこさんが皇海山の帰りに津室原動所跡付近から平滝まで歩かれ、そのGPS記録がブログに示された。この軌跡も参考に準備は整ったが、如何せん6月末に左手小指を骨折し、3ケ月で治療は完了したが、その間山行頻度が少なく脚力がおとろえてしまい踏ん切りがつかなかった。10月12日の@宇都宮さんの掲示板への書き込みに刺激を受けて、実行することにした。
 平滝〜延間峠間を日帰りするだけの能力はないので、テントを担いで初日に平滝から丸山峠経由で尾根沿いに皇海山に登り、二日目に栗原川林道の延間林道入口から延間峠〜平滝を歩く計画を作った。15日と16日は連日で好天が続きそうなので、重い腰をあげることにした。前回は平川林道ゲートまで間違いなく車で行けた。カーナビには平川林道は途中までしか記載していないので、平川林道ゲートの推測位置に設定してカーナビに打ち込んだ。順調に平川林道に突入したが、途中の神社マーク(不動滝よりも手前)付近で左折してしまった。そのまま運転していると平原集落の方に誘導されてしまい、国道まで戻ってやり直すも、同じことを繰り返し弱ってしまった。冷静になって考えるとカーナビに記載されない位置を打ち込むと、最寄りのカーナビ案内地に導くことを思い出した。三度目に国道から侵入し、左折箇所を無視してそのまま進むと不動滝の案内標識があり、確信できた。奈良から少し進むと、工事のために関係者以外立ち入り禁止の看板が見えた。少し後戻りして路肩に駐車した(ゲート手前1.3km)。
3 第1日(平滝 − 津室 − 延間峠)  かなりの部分で思しき踏跡を辿れた 難解な箇所や危険箇所あり
 平川林道(三重泉橋からは三重林道となるが)歩きと平滝集落跡については月18日(ひとり山歩き635)を参照願う。ゲートから平滝集落跡まで1時間30分でテント泊の重荷にかかわらず前回よりも早かった(途中での撮影タイムなしがきいたか)。
 泙川のコンクリート部を飛び越して山道へ突入。正規のルート入口は今回もわからず、やむを得ず神社跡から痩せ尾根をたどった。痩せ尾根を登りきると前回も見かけた人工物に出合う(きりんこさんの記録にしたがって火葬台とする)。泙川渡渉点からの踏跡は火葬台の手前左下から、裏津室沢へのルートは火葬台の先で右手へ、古道ルートを確認できた。初日は尾根沿いに皇海山まで行くので、裏津室沢沿いの古道歩きはやめて、尾根筋をたどることにする。火葬台の先で低いシャクナゲ藪を越すと、広い尾根筋には藪も下草もなく快適。地形図に現れない小さなアップダウンを繰り返し、沢と尾根との比高が小さくなった地点で裏津室沢に下りた(標高1110)。コンパスを合わせて右俣沿いに登ってゆくと、標高1180あたりで踏跡に出合う(古道かどうかは不明)。これを追って登ってゆくと丸山南東鞍部の丸山峠にたどり着いた。峠には窪んだ道筋が通っていて、古道らしい明瞭な踏跡が南西へ伸びているのが見えた。尾根沿いに1477、1928、2101経由で皇海山に登る計画だが、今の脚力では皇海山経由では復路で根利古道(延間峠〜津室〜丸山峠〜平滝)歩きができるか疑問。今回の主目的は皇海山ではなく根利古道歩き。急にルート変更が頭をもたげた。

ヘッデンを点けてスタート 駐車地はゲートの1.3km手前(前回は手前まで入れた)


左: 平滝小屋 右: 泙川を飛び越して


左: 神社跡(前方に祠あり) 右: 火葬台(?) 泙川からの登りは写真の左手前、裏津室沢へのルートは右手前方


左: 尾根筋をたどり裏津室沢に下りる(標高1110) 右: 古道か(丸山峠への登り、標高1180)


丸山峠 左: 窪んだ道筋あり 右: 古道は先に伸びてる・・・皇海山を止めて古道を追うことにした
 丸山峠からは標高1200前後を枝尾根を回り込んだり、小さな沢を越しながら進んで行く。古道は獣みち程度まで薄くなっている箇所多いので、油断をすると道筋からそれてしまう。復帰するために斜面を急登する際、地肌がズルズルで体力を消耗した。二ヶ所でルートからそれたが、ルートに復帰して津室沢左俣に出合う。
 この先で小沢を二回渡渉するが、そのたびにもう右俣それにしては狭いなと疑心暗鬼。津室沢の右俣沿いに歩いてゆくと、ビンや瀬戸物破片等往時の生活遺物が目に付くようになる。薄い踏跡を進むうちに石垣があり、すぐ先で赤レンガの構築物を見て、津室原動所跡に達したことを知る。原動所跡に達してホットし、昼食休憩。

左: 少ないが赤テープあり(1199の東) 右: 津室沢の左俣に下りる(標高1210)


津室沢右俣沿いに歩いてゆくと、右岸に往時の遺物(ビンや瀬戸物破片多数)


石垣や遺物(倒木の上にレンガ)


津室原動所跡に到達・・・今回のルートでは目ぼしいものはこれだけ
 原動所跡からは正規のルートが不明で、薄い踏跡を追うと石垣を二ヶ所で見かける。踏跡は薄いが方向があっているのでそのまま進むと、正規のレートに出合った。古道は狭く、落ち葉堆積、左下切れ落ち部もあり、安心して歩けない箇所もある。1504ピークの西鞍部に達した。この先で踏跡は分岐し、古い地形図の古道とは異なる南西方向にも伸びていた(これは中小屋へ通じる生活道の名残りでは?)。南東への薄い踏跡を追ううちにこれを見失い適当に下ると小田倉沢に達した。


左: 踏跡を追うと石垣を二ヶ所で 右: 古道に出合う(標高1430) 


左: 狭い道幅、落ち葉堆積、左下が切れ落ちている箇所あり・・・油断禁物 右: 1504Pの西鞍部で登ってきた古道を振り返る


左: 1504西鞍部で南西への踏跡(これを追うと中小屋にたどれるのでは?・・・古い地形図に従い南東へ下り、ルートを見失う) 右: 適当に下って小田倉沢出合
 小田倉沢を渡ってからのルートが不明で、コンパスを合わせて南南西に登ってゆくと標高1470あたりで古道に出合う。この先は、低い笹や落ち葉で薄い部分あるも、見失うことはない。心配なのは明るいうちに延間峠にたどり着けるかだが、足が思うように進まない。多少焦るも明るいうちに延間峠に到着。テントを張り終えるころにはあたりは暗くなったが、滑り込みセーフ!
 17時半ごろにテントに潜り込み、パンと握り飯で夕食。18時前に横になるとすぐに寝込んでしまったようだ。24時ころに一旦目を覚ましたが、再び眠り込んで2時ころには目が覚めてしまった。3時半までラジオを聴きながらシュラフの中。テント内気温は約12度、スリーシーズンのシュラフで暑くも寒くもないで快適であった。

左: 小田倉沢から適当に登ってゆくと、古道に出合う(標高1470) 右: この踏跡は延間峠まで続いている


左: 延間峠直下 右: 延間峠(窪んだ道筋あるも、野営準備に追われ写真撮り損なう)
4 第2日(延間峠 − 津室 − 平滝) ピストンであることを考慮しても、下りの方がルートは見つけやすい 
 2時に目を覚まして、今日のルートを検討。皇海山往復はとても無理。延間峠から1928を経由で丸山峠に下るのも面白くない。本来の計画に戻って二日目は延間峠からは根利古道を戻ることにきめた。3時半に朝食(モーリアンヒートパックでドライカレーを温めるつもりだったが、横着でパン食で済ました)を摂り、荷物の片づけ開始。5時には、いつでもスタート準備が整った。
 ぼんやりと明るくなった5時30分にスタート。小田倉沢までは古道をたどることができた。渡渉後は、中小屋跡にも行ってみたいのだが、位置がはっきりしないので、これをあきらめて適当に斜面を登ってゆくと、途中で古道らしい踏跡に出合う。これを追うと見覚えのある1504ピーク西鞍部に達した。この時点で南西に伸びる踏跡は中小屋に通じているのだろうと推測した。
 この鞍部から津室沢原動所までは古道をたどるとができた。斜面化して狭い道幅と落ち葉堆積で油断は禁物。植林地帯を通過して標高1350あたりからはジグザグに急降下すると、眼下に赤レンガ構築物が見えて、津室原動所跡に到着。延間峠からここまでは殆どが古道を辿れた。やはり登りよりは下りの方が道筋は見つけやすい(復路というせいもあるが)。
 原動所跡から津室沢左俣渡渉地点までは、極く一部を除き古道を辿れたように思う。左俣渡渉地点から丸山峠までは古道を歩きとおせた。峠でエネルギーを補給。
 峠から窪んだ道筋を下るもすぐに不明瞭となる。浅い涸れ沢筋を辿り、裏津室沢に下った。この先の沢筋の古道は不明瞭なようでもあるし、ここまでに疲労困憊で谷沿いの斜面トラバースする元気はなく、ここはあっさり往路で辿った尾根筋を歩くことにした。斜面を這い上がると尾根に沿って踏跡がついていた。これを追うと途中で急下降となり、踏跡が不明瞭となった。これを追ってみたかったが、冒険する体力も気力もなく尾根上に戻った。その安心感からか、あらぬ方向に下り始めて慌てて方向修正。シャクナゲ藪を突破すると火葬台に達した。往路では神社跡から痩せ尾根を登ってきたが、復路ではこのルートは通らずに、古道と思われるトラバースへと進んだ。崩落ヶ所あり、踏跡の幅は狭まり、怖くなり戻るに戻れず、斜面を慎重に急下降して泙川地点に無事下山。延間峠から平滝までは大部分で古道と思しき踏跡を辿れたが、難解な箇所あり、やや危険な箇所ありで、このルート歩きは面白いですよ、とは推奨できない。
 平滝集落跡に戻り、これから長々と林道を歩かねばならない。平滝集落跡付近は標高1000、駐車地は960位だが、小さなアップダウンの繰り返しで戻りとは言えくたびれる。さらには丸山峠からの下りで左足首が痛み出した(捻ったり、打撲した覚えはなく、疲労によるものか)。林道歩きでは痛みは増して歩くのがやっと。往路1時間50分のところを3時間30分で往路の倍もかかってしまった。現在の脚力では今回のコース設定は大きな誤りだったと反省(現時点・18日朝で痛みが回復し、普通に歩けるようになってよかったとしよう)。

延間峠から小田倉沢まで古道を辿れた 


左: 小田倉沢から1504西鞍部への途中で古道復帰 右: 鞍部から笠ヶ岳〜錫ケ岳(今回唯一の遠望)


左: こんな道しるべ(?)もあった 右: 丸山が樹間に見えたが、まだ先は遠い


路の平川林道歩きは、左足の踝付近が痛くて往生(疲労のようで二日後には回復) 平川隧道を抜けると、舗装前の側端工事が進んでいた


左: 振り返ると丸山(平川林道沿いの紅葉はあまり楽しめそうもない) 右: やっとゲートに到着、でも車まではさらに25分

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