ひとり山歩き641 : 左手小指の骨折から3ケ月が経過し、治療が終了した。八ケ岳の赤岳で梯子と鎖の利用に問題ないことを確認できた。
美濃戸から赤岳(2899)往復
2016年9月27日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:50) = 美濃戸・やまのこ村(5:40/5:50) − 行者小屋(8:25/8:40) − 地蔵の頭(10:05) − 赤岳天望荘(10:20) − 赤岳山頂(11:10/11:30) − 阿弥陀岳/文三郎尾根分岐(12:05) − 行者小屋(13:00/13:15) − 赤岳鉱泉(13:45) − 林道出合(堰堤広場)(14:45) − やまのこ村(15:30/15:40) = 自宅(19:15)
Aルートマップ
2 自宅 − 美濃戸
 左手小指の骨折から3ケ月経過し、治療は終了したが、まだ握力は完全には回復していない。リハビリの最終段階として梯子と鎖場の多い八ケ岳の赤岳に行くことにした。最近の天候不順で決行日が決め辛かったが、本日は赤岳付近は晴れが予想される。美濃戸から赤岳は03年10月3日(ひとり山歩き114)に登っているが、ほとんど記憶に残っていない。全く同じコース取りでは面白みがないので、脚力が許せば赤岳から阿弥陀岳まで足を延ばす計画。
 正子前に起きだして赤岳付近の天候を調べると降雨はなく、本日は晴天が予想されている。我が家付近は降雨があたようだが、委細構わず出発することにした。北関東道を走行していると降雨があり、上信越道では霧雨に悩まされたが、横川ICに立ち寄って車から降りると、空には旗本退屈男のトレードマークを見て安心。登山靴等を装着し現地についたらすぐに出発でできるよう準備を整えた。佐久ICで高速道を下りてカーナビ任せ。美濃戸高原別荘地手前で間違えて進入してしまい、カーナビが修正を指示するも、別荘地内の未舗装道路をさ迷ってしまった。途中で停止している車の方に尋ねると同じく迷って道を探しているとのこと。その方がスマホで道筋を見つけてくださり後を追って美濃戸に向かう。ゆっくり車を走らせれば腹をこするようなことはないが、美濃戸には山小屋が三軒もあり登山客が多いのだから、もっと手入れをしてもよいような気がするが、採算面以外にも何かあるのかな。美濃戸の一番手前のやまのこ村駐車場に車を駐める(駐車料金1000円、すでに10台以上駐車) 車載温度計13度
3 南沢 − 地蔵尾根 − 赤岳
 
先行者を追って赤岳山荘で登山カードを投函し、美濃戸山荘へと進む。両山荘の駐車場もかなり埋まっていた。平日でこれだから、休日の混雑度が推測される。美濃戸山荘先の南沢/北沢分岐で躊躇なく南沢コースに踏み込む(北沢コースは林道が続いているようだ)。南沢筋を木橋を二度渡って高度を上げてゆく。道筋は岩と根が多めで特に歩き辛いということもない通常の沢筋の道。大きなザックを担いだ単独行者を追い越した以外はドンドン後続者い追い越される。この3ケ月ほどは山歩きが少なかったので足取りが遅いのは仕方なし。沢を何度かと渡渉し、標高2060あたりの大岩の基部に赤嶽神社の石碑と慰霊碑を見る。何度も渡渉を繰り返しながら高度を上げてゆくと道筋が緩やかになってきた。

左: やまのこ村 右: 北沢/南沢分岐(往路は南沢へ、復路は北沢ルートで左手の林道を戻る)


左: 南沢では木橋を2回渡る 右: このような道筋が多い(標高2000付近)


: 赤嶽神社石碑(標高2060) 右: 高度が上がると穏やかな道筋(標高2250付近)
 正面の樹間に赤岳を展望すると、ヘリポートを見かける。その先で小さな標識を見て沢筋から離れて南東に進むと行者小屋に達した。途中で追い越した人たちが憩っていた。ここで腹ごしらえをして様子を見る。地蔵尾根に進む人よりも文三郎尾根方面へ進む人の方が多いようだ。赤岳南斜面の岩場(梯子や鎖設置)を下るよりは登った方が楽なのかも、地蔵尾根に進めば追い越されるのも少ないだろうと計画通り。

左: 赤岳(ヘリポート付近から) 右: 行者小屋(後方は大同心・小同心)


行者小屋から赤岳〜中岳〜阿弥陀岳(パノラマ合成)
 行者小屋の東側から尾根に取付くと、赤土に小岩混じりの登山道が針葉樹林の中に続く。標高2510で最初の梯子が現れる。手すりを左手で握っても特に異様な感じはない。蛇籠で登山道が整備されていて歩き辛いということはない。ぼちぼち追い越されるようになったが、南沢で追い越された数に比べたら断然少ない。二番目の梯子(標高2620)を越すと鎖場が続く。左手で鎖を握っても問題なし。途中で地蔵像を見ると主稜線はもうすぐだ。行者小屋ではガスが発生していなかったが、先刻からガスがドンドン上昇してきた。最近の雨続きでは仕方ないのか。家を出るときに、覚悟はしてきたのだが、失望感は拭えない。地蔵の頭に達した時には、ガスで間近の横岳と東側の野辺山方面が見下ろせるだけ。

地蔵尾根 左: 最初の梯子(標高2510) 右: 蛇籠(標高2570付近)


地蔵尾根 左: 二番目の梯子(標高2620) 右: 梯子に続いて鎖場


地蔵尾根 左: 地蔵像(標高2640) 右: 地蔵の頭直下



地蔵の頭から 左: 横岳(ガスがかなり上ってきた) 右: 地蔵像
 主稜線を緩やかに15分ほど登ると赤岳天望荘に達した。ガスがなければ富士山が見えるはずだったのだが。

標高2700付近から 左: ガスがなければ中央に富士山が見えるのだが 右: 赤岳天望荘はすぐ先


左: 鎖場(標高2820付近) 右: 赤岳頂上山荘直下
 赤岳天望荘を過ぎるとガレの登りで、やがて岩場の鎖が続く。このころになると赤岳から下ってくる人が多くなる。南沢で追い越された人も何人かいたようだ。赤岳頂上山荘のある北峰には大勢がたむろしていた。山頂はすぐ先だが、登山者で賑わっているようだ。数分の歩きで赤岳山頂に達した。展望はガスで期待外れ。記念写真を撮る人が多く、人を入れないように写せたのが山頂の神社だけ。


左:頂上荘(北峰)から赤岳山頂を望む 右: 山頂の神社(人を写さないとこれが精いっぱい、山頂からの展望はガスでまるっきりだめ)


山頂から 左: 北峰 右: 左が県境尾根右が真教寺尾根

4 赤岳 − 文三郎尾根 − 北沢
 梯子と鎖場の下りが続く。登って来る人とのすれ違いは多い。特に危険という感じはないが、下るよりは登った方が楽そう。次に来ることがあったら、こちら側から登ってみよう。
阿弥陀岳/文三郎尾根分岐まで下ると道筋は安定して楽に歩ける。中岳の登山道はよく見通せるがその奥の阿弥陀岳はガスで全く見えない。ここ迄に計画よりもかなり遅れていたので、阿弥陀岳へ足を延ばすと、明るいうちにやまのこ村到着は怪しい。ここはガスのせいで行く気がなくなったことにしよう(阿弥陀さん御免なさい)。
 文三郎尾根の道筋もよく整備されていて特に問題ない。阿弥陀岳分岐から10分ほどで行者小屋に到着。ここで最後のエネルギーを補給しながら様子を見ていると南沢に下る人ばかりで、北沢方面に向かう人はいない。地形図で見比べると北沢コースの方が幾分か長いようだ(帰宅後の計測では南沢コース5.2km、北沢コース6.0km)が、人は少なくてノンビリ歩けそう。北沢コースに進むことに決めた。 

左: 山頂からの下り始め(梯子と鎖場が続く) 右: 鎖場(標高2850付近)


阿弥陀岳/行者小屋分岐 左: 中岳への稜線(阿弥陀岳はガスの中) 右: 文三郎尾根の下り


文三郎尾根はよく整備されている 左: 標高2700付近) 右: 標高2550付近


左: 阿弥陀岳分岐 右: 行者小屋
 行者小屋から中山乗越までは約30メートルの登りだが、その後は登る箇所はない。中山乗越から下ってゆくと幅広の木橋がかかっていた。その先でヘリポートを見てさらに下ると赤岳鉱泉に達した。テントが4張ほど張ってあった。以降は北沢沿いに下ってゆく。沢の水量は南沢に比べたらはるかに多く、幅広の木橋を13本(赤岳鉱泉から)渡り、北沢3号谷止(堰堤)を見て14番目の木橋を渡ると林道出合で広場状になっている。この林道は美濃戸山荘上の北沢/南沢分岐を経由して、やまのこ村、更には美濃戸口まで続いている。登りと下りでは印象が多少は異なるも、北沢コースの方が歩きやすそうだ(距離が少し長いが、人通りは少ないし)。


左: かなり色づいている(でも針葉樹ばかりで広葉樹は少ない・・・中山乗越の手前で) 右: 立派な幅広木橋(北沢コースにはこのような橋が15本)

左: 赤岳鉱泉(テントが4張) 右: 不安感のない幅広木橋(南沢に比べ水量が多い)


右: 北沢3号堰堤を見て最後の木橋を渡ると、先は広場状 左: 広場からは林道歩き

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