ひとり山歩き620 : 毛木平から千曲川源流遊歩道を辿って甲武信ヶ岳をピストンしてきました。積雪量は少ないが、道筋には凍結部が多くありました。展望は山頂部からしか得られません。
毛木平から甲武信ヶ岳(2475)
2016年1月17日(日) 晴れのち曇り
1 行程
@コースタイム : 自宅(1:10) = 毛木平駐車場(5:30/5:50) − 慰霊碑(7:05 途中で25分ロス) − ナメ滝(8:15) − 千曲川信濃川水源地標(9:45/9:55) − 甲武信ヶ岳(11:05/11:30) − 千曲川信濃川水源地標(12:05/12:15) − ナメ滝13:30) − 慰霊碑(14:25) − 毛木平駐車場(15:15/1530) = 自宅(19:10)
Aルートマップ
2 自宅 − 毛木平
 昨年の3月に瑞牆山荘から金峰山に登ろうとしたが、風が強いので瑞牆山(ひとり山歩き588)に変更してしまった。今シーズンはどこもかしこも積雪が少ないので、今がチャンスと考え準備を整えていた。最近、ヤマレコで毛木平から千曲川遊歩道をたどれば比較的容易に甲武信ヶ岳に登れることを知った。現在の大量からすると、金峰山よりも甲武信ヶ岳のほうが実現せいがあると急遽準備を整えた。
 休日に出かけるのは、あまり好きでないので18日(月)以降に計画していたが、本日の夕刻より降雪が予想されるので、日曜日ではあるが17日に出かけることにして、早めに床についた。零時に起きだしてネットで天気予報を調べまくると、本日(17日)の夕刻までは晴れないしは曇りで問題なさそうなことがわかり、軽くを食事を済ませて玄関を出ると、みぞれとなっているではないか。行こうかゆくまいか逡巡するも、天気予報を信じて出発した。いつもなら栃木ICから北関東道に乗るのだが、様子見を兼ねて太田桐生ICまで一般道を走行した。すると天気も回復し星空も見えるようになったので、そのまま高速道に乗り、あとはカーナビ任せで毛木平を目指す。佐久南ICで高速道を降りて一般道を約50km走行。途中のコンビニで食料を調達。どこをどう走ったか知らないが、ナビが案内をやめるとダート道になり約1km先で広い毛木平駐車場に到着。予想通り先着車はない。車載温度計マイナス11度 
3 毛木平 ー 甲武信ヶ岳  雪は少なく 凍結部は多い 山頂まで展望はない
 ヘッデンを灯してゲートを通過し林道を進む。地形図の十文字峠分岐には通行禁止の標示、それよりも先で地形図に掲載ない場所に十文字峠分岐あり。「千曲川源流あと4km」の標識を左側に見て南東から南西に向きを変える(林道の反対側に大山祇神社があることを知ったのは復路で)。少し進むと道幅は狭まり林道はここまでで、先は山道の遊歩道歩きとなる。快調に歩き目の前に凍結沢が現れた。まだ暗くて見通しがなくそのまま左岸の薄い踏跡へと進んだ。これが大間違いの元で、道筋を探してウロウロ、仕方なしに先刻の凍結部まで戻ると、この頃には明るなっていて、対岸に遊歩道が続いているのが見えた。ここで25分もロスしてしまった(これが復路だったらますます暗くなり、焦って大事になる。往路だから迷ったら元に戻る事ができる)。這って凍結沢を渡るとすぐ先に慰霊碑(S13年9月13日に豪雨による山津波で林業関係者9名死亡・・・2001年板エリアマップによる)。この先いつ凍結部が現れるかわからないので、ここで早手回しにチェーンスパイクを装着(チェーンスパイクは舗装道を除いてはアイゼンと違って躓いたりしないから安心)。

左: ヘッデンを点けてゲートを通過 右: 暗くて登山道見えずに写真右手の薄い踏跡を追って、25分のロス


左: 迷い始めた凍結沢まで戻ると対岸に道が見えた 右: すぐ先に慰霊碑(S13.9.13に豪雨による山津波で9名死亡・・・エリアマップから引用)
 カラマツ林から針葉樹林へと遊歩道を進むと、標高1830あたりから遊歩道上に凍結部、標高1850あたりから雪が現れ始める。以降も凍結部や薄い雪道が断続するも徐々にその区間が長くなってくる。気配を感じて振り返ると男女ペアが追ってくるのに気付いた。標高1930あたりでナメ滝に到達。一面が凍結しているので標識がなければ気づかない。ここの通過が本日一番の難所で、左岸に張ってあるロープを伝ってスケート場の手摺り掃除屋と化す。チェーンスパイクの威力は大でスリップするようなことはなかった。チェーンスパイクで凍結部を歩く際気をつけねばならないのは、ストックに頼らないことである。ストックに力を伝えると滑って上半身のバランスを崩すので危険。スパイクを信頼して刃をしっかりと立てて歩くことが肝要。


遊歩道の様子 左: カラマツ林(1680付近) 右: 針葉樹が混ざる(1790付近)


左: 凍結路が現れ始める(1830) 右: 雪も薄く現れ始める(1850)


左: ナメ滝(右手のロープの助けを借りてへつる) 右: ネメ滝のすぐ先(このような標識を何度も見かける)
 ナメ滝を過ぎても地肌が現れる部分は多い。これほど雪が少ないとは思ってもいなかった。その半面、これほど凍結部が多いとは思ってもいなかった。認識不足だったが、特に困難を感じる(本日に限ってかもしれないので、油断は禁物)こともなく、適当に写真を撮りながら登ってゆくと、標高2070付近で件の男女ペアに追い越された。追い越すとあっという間に姿が見えなくなってしまった。もっと早い時期に追い越されなかったのが不思議。
 標高2160で「千曲川源流あと0.35km」の標識あたりではまだ地肌が現れる箇所が残っていた。西沢は細り水源地が近いのを知る。ちょっとした広場状の場所に先刻のペアが休んでいた。ここに千曲川信濃川水源地標の標柱が立っている。諏訪の方々で復路は三宝山・十文字峠を経由するようだ。先発された二人には以降再会するとはなかった。


左: 遊歩道は完全に凍結(チェーンスパイクが有効) 右: 男女組に追い越される(復路は三宝山、十文字峠経由らしい)


標高2100あたりで 左: 地肌がでている 右: 雪は浅く、トレースもあり足の沈みは皆無・・・こんなにも雪が少ないとは考えてもいなかった 


左: 西沢源流(千曲川・信濃川源流)もやせ細ってしまった(復路で撮影) 右: 千曲川信濃川水源地標
 水源地標からは薄く雪の付いた山道を100メートルほど登ると道標のある主稜線に達した。金峰山方面へは古いトレースがあるようなないような感じ。山頂に向かって主稜線の登山道を追う。ここも雪は薄くトレースが残り足の沈みは皆無。樹林内の歩きで風を遮ってくれるので寒さは感じない(ポカリスウェットはシャーベットj状になっているから気温は低い)。主稜線を約30分歩くとガレ場になる。ここで脚が攣ってしまいたった15メートル登るのに10分もかかり、やっとこさで、13年半振りの甲武信ヶ岳山頂(前回は西沢渓谷から木賊山経由、ひとり山歩き48)。先刻のペアはすでに三宝山方面へと発ってしまったようだ。
 展望を楽しんでいると甲武信小屋方面から単独行者が登ってきた。横浜から来られたとのこと、暫くは山のことよりも昨年開通して便利になった圏央道の話し。山頂直下のガレ場までは樹林帯で展望はなかったが、山頂部は森林限界上で南西〜北側に展望が広がる。残念ながらこの方面は曇っていて写真写りが良くない(多分に腕前による)。


水源地標から主稜線への登山道 左: 2300付近 右:主稜線直下(2340付近)


左: 主稜線出合(金峰山方面へのトレースはあるようなないような?) 右: 針葉樹林の中を山頂へ(風がないから寒さを感じない・・・ポカリスウェットはシャーベットになっているが


左: 山頂直下のガレ(残り十数メートルの登りで山頂) 右: 甲武信ヶ岳山頂(13年6ケ月ぶり)


左: 南西方面 国師ケ岳〜金峰山(後方は南ア) 右: 西南西方面 金峰山〜小川山(?) 奥に南アと中ア


左: 西北西方面 八ヶ岳 右: 北北西方面 浅間山は右奥に 右手前は三宝山の裾

 復路は下るだけで基本的には楽だったが、主稜線から下る途中で脚の攣りが再発してしまった。水源地でエネルギーと水分補給で小休止する。以降は再発なし。ナメ滝を慎重に下って、すぐ先で下ってゆく男女ペアに追い越す(途中で引き返したようだ)。慰霊碑を過ぎて往路で迷った凍結沢を渡ってチェーンスパイクを外していると間に件のペアが追い越していった。往路では見逃してしまった大山祇神社の写真を撮ってノンビリと駐車場に戻る。往路で追い越されたペアの車はなかった。先刻のペアの車以外には山仕事と思われる軽トラだけ。


復路で 左: 大山祇神社(往路では反対側の標識を見ながら通過してしまった 右: ゲートの先に広い駐車場

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